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アリスティア、魔法について考える
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今度は子どもでも入れそうな雑貨屋をちょっと物色。
そして別の屋台で買った米粉でできた焼きうどんみたいなものを私はずるずるとすすり、ジュピはポケットの中でカステラのようなものをむぐむぐしていた。
絶対ポケットの中でボロボロこぼしていると思う。
他の精霊たちへのお土産(呼びだしてその場であげたらいいんだろうけど、他の人から見たら食べ物が次々に虚空に消えていく状態)やロミア様へのお供えですでにカバンはパンパンだ。
もちろん、ほとんど甘いもの。
そんな楽しい街歩きは唐突に終わりを告げる。
誰も知っている人なんていない、と思って特に変装もせずふらふらしていたのがいけなかった。
「アリスティア姫様?」
突然名前を呼ばれたほうを見ると、まさかの神殿関係者でした
そういえば神殿では身分を明かして行動していたんだった…
しかも思わず振り向いちゃったからバレバレじゃん。
王城にも来ていた40代~50代の神経質そうなおば様が神殿関係者お馴染みの型の水色のワンピースを着て驚愕の表情を浮かべている。
えーと、司祭の偉い人で、ベラさん、だったろうか。
「こんなところでおひとりで何をしてらっしゃるのですか?」
「えーと…ちょっと散歩を?」
「供も連れずにでしょうか。」
胡乱げな目で見つめられる。
ヤバい、とっさに何も理由が思いつかなかった。
「ロミア様にお願いされ、市井のお菓子を買いに来たのです。急ぎでとの仰せでしたのでこっそりと出てきました。城には内緒で出てきたので騒ぎにはしないようお願いします。」
ごめんなさいロミア様、ちゃんとお供えするんで言い訳に使わせてください!
「左様でしたか。それでは早速、神殿の祭壇にお越しくださいませ。」
「え?」
「ロミア様に急ぎ供えられるのでしょう?では王城に戻られるよりも本殿の方が近いのでは」
「あ、ああ、そうですね。」
たしかに、現在地だと王都の神殿本部の方が近い。
でもなぁ。
行くとさんざん崇められて、しばらく時間とられるんだろうなぁ。
変にかしこまられるのは苦手だし…
「ご案内いたしますね。」
「…お願いします。」
とはいえ、ここで断るのは不自然すぎる。
諦めてついて行くことにしよう。
ああ、せっかくゲットした私の自由時間が…
この時、胸ポケットの中のジュピに意見を聞かなかったのを後でたっぷりと後悔することになる。
そして別の屋台で買った米粉でできた焼きうどんみたいなものを私はずるずるとすすり、ジュピはポケットの中でカステラのようなものをむぐむぐしていた。
絶対ポケットの中でボロボロこぼしていると思う。
他の精霊たちへのお土産(呼びだしてその場であげたらいいんだろうけど、他の人から見たら食べ物が次々に虚空に消えていく状態)やロミア様へのお供えですでにカバンはパンパンだ。
もちろん、ほとんど甘いもの。
そんな楽しい街歩きは唐突に終わりを告げる。
誰も知っている人なんていない、と思って特に変装もせずふらふらしていたのがいけなかった。
「アリスティア姫様?」
突然名前を呼ばれたほうを見ると、まさかの神殿関係者でした
そういえば神殿では身分を明かして行動していたんだった…
しかも思わず振り向いちゃったからバレバレじゃん。
王城にも来ていた40代~50代の神経質そうなおば様が神殿関係者お馴染みの型の水色のワンピースを着て驚愕の表情を浮かべている。
えーと、司祭の偉い人で、ベラさん、だったろうか。
「こんなところでおひとりで何をしてらっしゃるのですか?」
「えーと…ちょっと散歩を?」
「供も連れずにでしょうか。」
胡乱げな目で見つめられる。
ヤバい、とっさに何も理由が思いつかなかった。
「ロミア様にお願いされ、市井のお菓子を買いに来たのです。急ぎでとの仰せでしたのでこっそりと出てきました。城には内緒で出てきたので騒ぎにはしないようお願いします。」
ごめんなさいロミア様、ちゃんとお供えするんで言い訳に使わせてください!
「左様でしたか。それでは早速、神殿の祭壇にお越しくださいませ。」
「え?」
「ロミア様に急ぎ供えられるのでしょう?では王城に戻られるよりも本殿の方が近いのでは」
「あ、ああ、そうですね。」
たしかに、現在地だと王都の神殿本部の方が近い。
でもなぁ。
行くとさんざん崇められて、しばらく時間とられるんだろうなぁ。
変にかしこまられるのは苦手だし…
「ご案内いたしますね。」
「…お願いします。」
とはいえ、ここで断るのは不自然すぎる。
諦めてついて行くことにしよう。
ああ、せっかくゲットした私の自由時間が…
この時、胸ポケットの中のジュピに意見を聞かなかったのを後でたっぷりと後悔することになる。
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