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アリスティア、魔法について考える
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「アリス、次はどこに行くの~?」
私もジュピもおやつタイム完了。
次の目的地は…
「魔道具屋さんに行ってみようと思うのよね。」
そう。
調理器具ぐらいは見たことがあるのだが、今まで農作業?に従事しすぎた結果、あまり魔法を使った各種道具との触れ合いが少ないのだ。
「僕ら、そのあたりは疎いからね~」
精霊たちの大半は、単純な好き嫌いの意思しか持たず魔宝珠を通して流れてきた人間の思いに応えるだけが主だそう。
大精霊から使命を与えられたり、人間と契約したりすることによって、ジュピ達のようにしっかりとした意思を持つようだが、世界中を見てもそれほど数は多くないらしい。
重要情報から順に共有するため、人間の生活に密着するような情報は後回しになるみたいだ。
小さな魔道具屋を発見し、ふらりと入ってみると、なんだかよくわからない機材がずらりと並んでいる。
きょろきょろと見回していると、店長らしいおじさんに声をかけられた。
「お嬢ちゃん、うちは大人の人が来るお店だよ。触ると壊れるものもあるから、触っちゃだめだよ。」
そうか、こんな子どもが魔道具屋に一人で入るのはふつうじゃないのか。
でも、ついでなので質問してみる。
「はーい。おじさん、これは何ですか?」
ぱっと見、普通の両手鍋に見えるが、蓋に魔石をはめる穴がついている。
「お嬢ちゃん、魔道具は嵌める魔石で効果が変わるんだよ。大体の人は火の魔石を嵌めて加熱用に使うけど、水の魔石を入れて飲料水の保存に使う人もいるね。」
へー、いいことを聞いた。
魔石が嵌っていない魔道具は、魔石で効果を変えられるのか。
「あとは、珍しいものだけど時の魔石を嵌めて、材料の味を早く染みさせようとする人もいるね。」
わぁ、それは便利。
王城に無いか聞いてみよう。
「おいくらぐらいするんですか?」
「…お嬢ちゃんのお小遣いではちょっと無理だと思うな。おうちの人とまたおいで。」
おじさんが困ったような顔をしていると、後ろから別のお客さんが入ってきた。
「いらっしゃいませ!」
おじさんの顔が明らかに笑顔に変わる。
うーん、もっとじっくり聞きたいけど、今度ジェスとビビと一緒に来ることにしよう。
「あんまり見れなかったね~。」
ジュピが言う。
「しかたないよ、子どもなんだから。」
うん。確かに子ども一人で入るようなお店ではなかった。
ちょっとそのあたりも考えて動くようにしよう。
私もジュピもおやつタイム完了。
次の目的地は…
「魔道具屋さんに行ってみようと思うのよね。」
そう。
調理器具ぐらいは見たことがあるのだが、今まで農作業?に従事しすぎた結果、あまり魔法を使った各種道具との触れ合いが少ないのだ。
「僕ら、そのあたりは疎いからね~」
精霊たちの大半は、単純な好き嫌いの意思しか持たず魔宝珠を通して流れてきた人間の思いに応えるだけが主だそう。
大精霊から使命を与えられたり、人間と契約したりすることによって、ジュピ達のようにしっかりとした意思を持つようだが、世界中を見てもそれほど数は多くないらしい。
重要情報から順に共有するため、人間の生活に密着するような情報は後回しになるみたいだ。
小さな魔道具屋を発見し、ふらりと入ってみると、なんだかよくわからない機材がずらりと並んでいる。
きょろきょろと見回していると、店長らしいおじさんに声をかけられた。
「お嬢ちゃん、うちは大人の人が来るお店だよ。触ると壊れるものもあるから、触っちゃだめだよ。」
そうか、こんな子どもが魔道具屋に一人で入るのはふつうじゃないのか。
でも、ついでなので質問してみる。
「はーい。おじさん、これは何ですか?」
ぱっと見、普通の両手鍋に見えるが、蓋に魔石をはめる穴がついている。
「お嬢ちゃん、魔道具は嵌める魔石で効果が変わるんだよ。大体の人は火の魔石を嵌めて加熱用に使うけど、水の魔石を入れて飲料水の保存に使う人もいるね。」
へー、いいことを聞いた。
魔石が嵌っていない魔道具は、魔石で効果を変えられるのか。
「あとは、珍しいものだけど時の魔石を嵌めて、材料の味を早く染みさせようとする人もいるね。」
わぁ、それは便利。
王城に無いか聞いてみよう。
「おいくらぐらいするんですか?」
「…お嬢ちゃんのお小遣いではちょっと無理だと思うな。おうちの人とまたおいで。」
おじさんが困ったような顔をしていると、後ろから別のお客さんが入ってきた。
「いらっしゃいませ!」
おじさんの顔が明らかに笑顔に変わる。
うーん、もっとじっくり聞きたいけど、今度ジェスとビビと一緒に来ることにしよう。
「あんまり見れなかったね~。」
ジュピが言う。
「しかたないよ、子どもなんだから。」
うん。確かに子ども一人で入るようなお店ではなかった。
ちょっとそのあたりも考えて動くようにしよう。
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