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アリスティア、魔法について考える

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キュリーとの特訓は1週間ほどで水を思った方向に飛ばせるようになった。
とはいえ、攻撃に使えるとは言えず、水芸?という感じだけど…
魔素のコントロール自体は上達しているようで、ただ水球を出すだけであればかなり大量の水を出せるようになった。
なので、ピンチになったらいきなり相手の頭の上に水球を落としてそのすきに逃亡するのが一番早いと思う。
ジュピとキュリーを二人とも呼んでおいても苦にならなくはなってきた。(周りに見えてるのはジュピだけだけど。)
今日からは別の魔法にいこう、ということで、相性も鑑み土精霊のサタにお願いしている。

「土は生み出すよりも動かすほうが簡単なんだな~。まずは穴を掘ってみてほしいんだな~。」

ということで作業をはじめてかれこれ10分。
小さな石を動かすことからスタートし、目の前にはやっとこぶし大のへこみができました。
え、スコップで掘ったほうが早いんだけど…

「アリスならもっとサクサク掘れると思うんだな~。もしかして、一粒ずつ動かそうとしてないかな~?」

「え、ちがうの?」

土って石とか砂とかその他もろもろだから、全部それぞれ動かさなきゃいけないんじゃ。

「土魔法は塊か空間で意識したほうが早いんだな~。ちょっと、自分ぐらいのサイズの箱にぎっしり詰まった土が、左の地中から右の地上に移動するのを想像してやってみてほしいんだな~。」

おお、説明がすごく具体的!
よし、130センチぐらいの縦長の箱が左から右に…
出来た!しかもちゃんと箱形で移動してる!

「あ、危ないんだな~、よいしょっと。」

サタが穴と土の塊の間に飛んで行って手をくるくるとして魔法を使っている。

「サタ、どうしたの?」

「アリスが移動させた土は、そのまんまだったんだな~。僕の魔法で崩れないように表面だけ固めといたんだな~。」

確かに周りの地面が崩れても危ないし、土が崩れてきたら私たち土まみれだ。
あぶないあぶない。

「あ、ありがとう!」

「土を移動させるときは、同時に硬さもイメージするといいんだな~。同時に意識する方法は、水魔法の時にやったと思うんだな~。じゃ、もっかいやってみてほしいんだな~、サイズはアリスにお任せなんだな~」

「うん。わかった!」

じゃあ、さっきより大きくしてみよう。
150cm四方、立方体の土を目の前から掘り出して、動かす!
硬さは可能な限り硬く!

…できた?
いや、穴は想像したサイズだけど、移動した土は1m四方ぐらいになっている。
なんで?
サタはこんどは穴の中に入っていってくるくるしている。

「アリス、移動した側の土しか意識してなかったんだな~。地面が今にも崩れそうだったんだな~。しかも塊の方は表面だけじゃなく中身までぎっしり固まってるんだな~。」

なるほど、圧縮された感じか。
これ、土魔法の方がいざという時便利かも?
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