上 下
64 / 113
アリスティア、魔法について考える

9

しおりを挟む
「ジュピ、大きくなれたんだ。」

とりあえず部屋に戻ってきた第一声。
だってびっくりしたんだもん。

「まあね~。疲れるから、ここぞという時だけだけど。あ、アリスがガンガン魔法使えるようになって、ずっと魔素を練って纏わせてくれるなら常にあの姿でもいいけど~。」

「それって大変?」

「んー、今の習熟度だったら30秒ぐらいで倒れるかも~?」

無理じゃん。

「ま、今のは冗談として~。王様に全部条件飲んでもらえてよかったね~。」

「なんかパパに一杯要求してたけど、部屋であんな話してなかったじゃん。」

そう、事前打ち合わせではほかの精霊たちの存在と私が既に魔法を使えることをカムフラージュするための「軽いご挨拶」ということになっていたはずだ。

「ん~、何回も話すのめんどくさいし、いっぺんに済ませちゃえ~と思ってさ~」

「私いつの間にロミア様の密命受けたことになってたのさ…」

「え、悪魔討伐は密命でしょ。こっちの世界では黒魔法ってことになってて存在は大っぴらになってないんだから。」

あ、そっか。

「じゃあ魔宝珠受け取り次第、世界各地の黒魔法の噂を聞きつけて討伐~!っていう旅人生になるってこと?」

私、普通の学生生活や結婚生活できないんだろうか…

「まだわかんないかな~。今のままじゃ到底無理だから、まずは力を付けなきゃ~。学校を卒業して大人になって、僕らの力を借りなくても悪魔討伐も軽々できる状態になったらまた相談だね~。」

うーん、問題の先送り。
だけどとりあえず学校までは行かせてくれるのね。

「あ、あと古き盟約って何?」

気になったことは今のうちにはっきりさせておこう。

「人間の世界でどういうことになってるかはわからないけど、大魔法使い様と大精霊様が交わした約束だよ~。簡単に言うと、人間が困ってる時は女神ロミア様が許す範囲で精霊たちが直接的に手助けをするっていう約束~。」

「え、ロミア様に助けてもらえばいいんじゃないの?」

「女神ロミア様は、基本的には大審判の時以外は人間の手助けはしないんだよね~。気まぐれだから度々いろいろしてるけどさ~。あ、でもアリスは異例だよ~。」

な、なるほど。
結局は女神様の自由だけど一応そういうことになってるのね。
だからその分精霊に助けてもらいなさいってことか。

「え、でもその割には精霊、少なくない?」

「見えていなくても魔法の手助けしてるでしょ~?実際、それでほとんどの国はおおよそ満足しているみたいだよ~。」

なるほど、そういうことになるのか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位! 死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。 閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話 2作目になります。 まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。 「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

目覚めたら地下室!?~転生少女の夢の先~

そらのあお
ファンタジー
夢半ばに死んでしまった少女が異世界に転生して、様々な困難を乗り越えて行く物語。 *小説を読もう!にも掲載中

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!

マーニー
ファンタジー
※ほのぼの日常系です 病弱で閉鎖的な生活を送る、伯爵令嬢の美少女ニコル(10歳)。対して、亡くなった両親が残した借金地獄から抜け出すため、忙殺状態の限界社会人サラ(22歳)。 ある日、同日同時刻に、体力の限界で息を引き取った2人だったが、なんとサラはニコルの体に転生していたのだった。 「こういうときって、神様のチート能力とかあるんじゃないのぉ?涙」 異世界転生お約束の神様登場も特別スキルもなく、ただただ、不健康でひ弱な美少女に転生してしまったサラ。 「せっかく忙殺の日々から解放されたんだから…楽しむしかない。ぜっっったいにスローライフを満喫する!」 ―――異世界と健康への不安が募りつつ 憧れのスローライフ実現のためまずは健康体になることを決意したが、果たしてどうなるのか? 魔法に魔物、お貴族様。 夢と現実の狭間のような日々の中で、 転生者サラが自身の夢を叶えるために 新ニコルとして我が道をつきすすむ! 『目指せ健康体!美味しいご飯と楽しい仲間たちと夢のスローライフを叶えていくお話』 ※はじめは健康生活。そのうちお料理したり、旅に出たりもします。日常ほのぼの系です。 ※非現実色強めな内容です。 ※溺愛親バカと、あたおか要素があるのでご注意です。

転生先では幸せになります

RUU
ファンタジー
美園 穂希 28歳独身。トラックに轢かれた後、目が覚めると異世界で赤ん坊として出産されていた。 前世での苦い記憶も全て水に流して、今世では幸せになると誓って今日も生きていく。 異世界でアーシェンリファー・ウンディオーネとして生を受けた美園穂希はそんな異世界で強く生きる。 よくある系統の作品を書き出しました! ヒロイン最強設定ですが、最初から最強チートではないです。 処女作です。文章能力も無く思うままに進めちゃってます。誤字脱字はご指導頂けるとありがたいです。 更新ペースも遅いです…。(ごめんなさい。)

処理中です...