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アリスティア、魔法について考える

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とりあえず王様パパに呼ばれた。
まぁ、当たり前だよね…

「アリス、木の精霊様と契約したというのは本当かい?」

「はい。ジュピ、お願い。」

今のままだとジュピの姿は城の中でジェスぐらいにしか見えないらしい。
というわけで、本人的には大変らしいけど顕在化してもらうことにした。

…ちょっとジュピ、どうしてそんなに仰々しいエフェクトつけるんだい?
謁見の間全体がめちゃくちゃ神々しい若木色のキラキラに包まれた。
光りが収束するとそこには新緑ような美しい緑の髪と深い森林のような緑のたれ目、透き通るような白い肌、サクランボのようにつやつやな唇のすらっとした緑のスーツの美青年が立っていた。

…え?

「僕の名はジュピ。古き盟約に従い、大精霊様の名代としてアリスティア王女と契約を交わした。以後よしなに。」

あれ?
いつもと違いすぎじゃない?
っていうか古き盟約って何?

「これは、なんと恐れ多い…」

王様パパは玉座から立ち上がり、神殿で祈る時のポーズになった。
王様なのにいいのかな。
他の人はみんなとっくに平伏してる。

「皆、楽にしてくれて構わないよ。」

ジュピの言葉に、皆恐る恐る元の体制に戻る。

「うん、良かった。今日顕現したのは、ちょっとお願いがあったからなんだ。」

「できることであれば仰せのままに。うかがいましょう。」

王様パパは神妙な顔をしている。

「アリスティア王女は先日、創世の女神ロミア様より密命を受けられた。齢9歳で魔宝珠を賜ることが決まっているから、現在はそれに備えた魔法の予行練習を僕と行っている。魔宝珠を得次第動きがある可能性があるので、早々に国内外問わず査察に出るのに差し支えない下地を整えてほしい。旅の供には優秀な魔導士、そして記憶の使徒のビビを加えられるかな。」

「それでは魔導士としてはジェスをお付けしましょう。」

「彼なら問題ないね。あと、僕のことはあまり大々的にしないように。」

「なぜでしょうか。」

「今はまだ時期じゃないからね。変なものまで引き寄せて危険が増えても困るからさ。」

「承知しました。アリスの安全のためでしたら喜んで。」

「ありがとう。僕からはそんなところかな。あー疲れた。」

ポンっと音がして、ジュピはいつものサイズに戻って私の肩に腰かけた。
みんなきょとんとしてる。

「今後はこの姿でいることが多いと思うからよろしくね~」

「…かしこまりました。」

王様パパが返事をしたということは見えてるんだろう。
こんな感じで、我が国久々(?)の精霊との謁見は終了となった。
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