異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか

片上尚

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アリスティア、王都でできるチートを考える

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兄姉たちに大変好評だったお汁粉をしっかりとロミア様にお供えした後、ジェスのところに来ている。
新しい糸の原料を探してもらうためだ。

「綿の木を探してほしいのよ。」

亜麻や大麻から繊維を取り出すのはもしかしたら難しいかもしれない。
ただ、綿については、動物の毛から糸を作っているのならきっとすぐ応用が利くんじゃないかと思うのだが…
簡単なイラストを描いてジェスに見せると、思いもよらぬ回答が返ってきた。

「以前お話を聞いた後、麻と綿はすぐに手配していました。まだ手元には届いていませんが、どちらも国内に存在しているようですね。麻は複数種見つかったようです。」

さすが!できる男、仕事が早い!
まさか麻も見つかるなんて。

「綿については動物の毛と同じように糸として紡げないか届き次第やってみてもらって。麻については種類によるだろうから、まずはこっちに持ってくるように伝えてほしいんだけど大丈夫?多分茎の繊維が糸になるのと、実が食用になるはずなんだけど。」

「かしこまりました。」

よし、これで糸についてできそうな手配は全部かな。多分。
あ、ついでだから卵について聞いてみようかな。

「ジェス、卵って貴重なの?」

「そうですね…私は専門外なのですが、そもそもあまり食べようとする人もいないですね。」

「え?なんで?」

「なかなか巣が見つからないもので…それに、孵して鳥にして、増やしたほうが有益じゃないでしょうか?」

「え?養鶏ってしていないの?」

「いえ、山で結構な種類の鳥を育てていますが。」

あー、そうか、またそれか。
放し飼いは養鶏じゃないって。

「小屋を作って飼ってほしいんだけど…」

「鳥をですか?飛んで行ってしまいませんかね。」

「いろんな鳥を飼うんじゃなくて、長距離を飛べない、鶏1種を集中して増やすのよ。ある程度の数になったら、卵を産むたびに採ってしまうの。そうしたら毎日卵を産むから。」

「なんと、そんなことができるんですね!手配します。」

これで卵の安定供給も大丈夫かな。

「あと、ルーディア地方で小麦って育てているかしら。」

たしか日本だと北海道産小麦がもてはやされていたはず…
そうなると、ルーディア地方なら作れるんじゃないかな。

「少量は作っています。今品種改良中です。」

あ、言われるまでもなくやってるのね。

「他にもこれは育てておいたほうが良いものはありますか?」

「それじゃあ…」

結局、女神様の知識活用と称して植物図鑑だしながら食用になりそうなものを片っ端からリストアップしてみた。

この国、農業大国になっちゃったりして。
木魔法使いさん、忙しいよね…
この山が終わったら休暇を取ってね…
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