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アリスティア、王都でできるチートを考える
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「マリアお姉様、ロメリアに行かれてしまうんですか?」
せっかく仲良くなってきたと思っていたのに残念だ。
「ええ、私は秋入学にしてもらったので、来月ファルメディアを発つの。1年半で学べるだけ学んでこなきゃ。」
「俺は来年か~。待ち遠しい。」
「マリクは春入学なんだからすぐですよ。」
「でもなぁ~」
決意を語るマリアお姉様と、うらやましそうに見るマリクお兄様。
なるほど、王家は全員行くものなのね。
上からマーシュお兄様が18歳、リーラお姉様が16歳、マリアお姉様が13歳、マーシュお兄様が12歳だから、みんな13歳ぐらいから15歳ぐらいまでロメリアの貴族学院に通う、ということなのだろう。
「マーシュお兄様とリーラお姉様は何学科に行かれたのですか?」
そういえばビビから学校の話を聞いた時は神学科の話しか聞けなかったんだった。
この際だから情報収集しておこう。
「僕は政治経済科だよ。基本的に王族か、上級貴族の跡継ぎ、あとは成績優秀な政治家候補の子弟が入る学科さ。リーラは歴史科だったよね?」
「はい。芸術科と悩みましたが、その頃からレナルド様と婚約が内々に決まっていましたので、世界の歴史を学び少しでも支えになれればと思いまして。」
レナルド様、というのはリーラお姉様の婚約者で、レナルド=フィル=ジルドレア、ジルドアの第2王子様だ。
好青年でリーラお姉様はベタ惚れらしく、話を聞くと誉め言葉しか出てこない。
「他にはどんな学科があるんですか?私、ビビから神学科のことしか聞いていなくて…」
「男性は魔法科、歴史科、政治経済科、騎士科が主かな?あとは芸術科、家政科、執事・侍女科があって、女性は魔法科、歴史科、芸術科、あとは花嫁修業に家政科に行く子が多かったかな。神学科は棟が違ったから、友達は居ないんだよね…」
マーシュお兄様が教えてくれる。
「マリアお姉様は何科に行くんですか?」
「私はお母さまの勧める家政科に行こうと思っているわ。貴族女性同士のコネクションを作りやすいみたい。ただ、嫁ぎ先が国内じゃなくて外国なら歴史科の方が良いかもしれないから迷ってるんだけど…。一応転科もできるから、早めにどこに嫁ぐか決まってくれるといいんだけど。」
結婚相手に対してドライだな、マリアお姉様。
素敵な恋愛、とか考えてないんだろうか。
「まぁマリア、もしかしたら学院で素敵な出会いがあるかもしれないわよ?ちょうどベルジーンのゴーシュ様やサルフェガードのフロイド様も在学中ですし。」
リーラお姉様がうっとりと言うが、どちらも有名な人なんだろうか。
初めて聞く名前だ。
「リーラ様、どちらも私なんかとは釣り合いが取れませんよ…」
マリアお姉様、まんざらじゃないみたい…
顔を赤らめながら言われましても。
まあ、結局は年頃ってやつなのだろう。
せっかく仲良くなってきたと思っていたのに残念だ。
「ええ、私は秋入学にしてもらったので、来月ファルメディアを発つの。1年半で学べるだけ学んでこなきゃ。」
「俺は来年か~。待ち遠しい。」
「マリクは春入学なんだからすぐですよ。」
「でもなぁ~」
決意を語るマリアお姉様と、うらやましそうに見るマリクお兄様。
なるほど、王家は全員行くものなのね。
上からマーシュお兄様が18歳、リーラお姉様が16歳、マリアお姉様が13歳、マーシュお兄様が12歳だから、みんな13歳ぐらいから15歳ぐらいまでロメリアの貴族学院に通う、ということなのだろう。
「マーシュお兄様とリーラお姉様は何学科に行かれたのですか?」
そういえばビビから学校の話を聞いた時は神学科の話しか聞けなかったんだった。
この際だから情報収集しておこう。
「僕は政治経済科だよ。基本的に王族か、上級貴族の跡継ぎ、あとは成績優秀な政治家候補の子弟が入る学科さ。リーラは歴史科だったよね?」
「はい。芸術科と悩みましたが、その頃からレナルド様と婚約が内々に決まっていましたので、世界の歴史を学び少しでも支えになれればと思いまして。」
レナルド様、というのはリーラお姉様の婚約者で、レナルド=フィル=ジルドレア、ジルドアの第2王子様だ。
好青年でリーラお姉様はベタ惚れらしく、話を聞くと誉め言葉しか出てこない。
「他にはどんな学科があるんですか?私、ビビから神学科のことしか聞いていなくて…」
「男性は魔法科、歴史科、政治経済科、騎士科が主かな?あとは芸術科、家政科、執事・侍女科があって、女性は魔法科、歴史科、芸術科、あとは花嫁修業に家政科に行く子が多かったかな。神学科は棟が違ったから、友達は居ないんだよね…」
マーシュお兄様が教えてくれる。
「マリアお姉様は何科に行くんですか?」
「私はお母さまの勧める家政科に行こうと思っているわ。貴族女性同士のコネクションを作りやすいみたい。ただ、嫁ぎ先が国内じゃなくて外国なら歴史科の方が良いかもしれないから迷ってるんだけど…。一応転科もできるから、早めにどこに嫁ぐか決まってくれるといいんだけど。」
結婚相手に対してドライだな、マリアお姉様。
素敵な恋愛、とか考えてないんだろうか。
「まぁマリア、もしかしたら学院で素敵な出会いがあるかもしれないわよ?ちょうどベルジーンのゴーシュ様やサルフェガードのフロイド様も在学中ですし。」
リーラお姉様がうっとりと言うが、どちらも有名な人なんだろうか。
初めて聞く名前だ。
「リーラ様、どちらも私なんかとは釣り合いが取れませんよ…」
マリアお姉様、まんざらじゃないみたい…
顔を赤らめながら言われましても。
まあ、結局は年頃ってやつなのだろう。
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