51 / 113
アリスティア、王都でできるチートを考える
19
しおりを挟む
「甘い…スープ?」
「なんかつぶつぶしているね…」
「でもすごくいい香りよ?」
「とりあえず食べてみようぜ!」
たまには子どもたちだけで交流を深めては?と言われ集まった、マーシュお兄様とマリアお姉様、そしてリーラお姉様とマリクお兄様。
毎日夕食では見ているが、美形が4人も並ぶとやはり眼福だ。
目の前のお汁粉を訝し気にのぞき込んでいるマーシュお兄様とマリアお姉様に対し、新しい食べ物にワクワクしているのがリーラお姉様とマリクお兄様。
私の血のつながった兄姉たちは妹の作るものを疑っているのだろうか…アリス、悲しい。
おそらくは単純に糖分不足の我が国の和食で育った兄姉と、ジルドアに何度か訪れたことがあったりドーラ様宛のめずらしい食べ物たちになれている腹違いの姉兄、という構図なのだろう。
「まずは召し上がってみてください。それでは、いただきます!」
問答無用でぶった切ってみた。
お行儀が悪いがずずず、と音を立てて汁をすする。
うん、なかなかくどくなくていい感じ。
白玉もいい感じにもちもちつるんに仕上がっている。
「あちち!」
慌てて口に入れたのだろう、マリクお兄様が冷たいお茶に手を伸ばしている。
お椀を持てば熱いのはわかると思ったんだけど…一言言ったほうが良かっただろうか。
「大丈夫ですか?」
「うん、これ、甘くておいしいな!」
大したことは無かったのだろう。
気に入ってもらえてうれしい。
「中に入っているもちもちしたものはなあに?」
おっとりとリーラお姉様が聞く。
「これは白玉、と言って、お米の粉から作りました。」
正確に言うともち粉に近い感じだから、前世で食べた白玉とはまたちょっと食感が違う。
が、こっちの世界にはないものだし白玉団子の形に作ったんだから白玉、と言い張ろうと思っている。
「へえ、白玉っていうんだ。かわいらしい名前だね。」
にっこり微笑むマーシュお兄様。
うん、眼福。
「このスープの甘味が絡んで美味しいですね。」
マリアお姉様も白玉を食べていたようだ。
「口の中が甘くなってきたら、こちらをどうぞ。」
すすっときゅうりの浅漬けをすすめておく。
お汁粉にはやっぱり漬物が無いとだめだろう。
昨晩のうちにつけておいたのでちょうどいいはずだ。
「ああ、ちょうど塩味が欲しかったんです。」
マーシュお兄様とマリアお姉様はさっそく漬物をかじっている。
お汁粉より漬物の方が良い勢いで減っているような…
まあ、お口にあったなら何よりだ。
「なんかつぶつぶしているね…」
「でもすごくいい香りよ?」
「とりあえず食べてみようぜ!」
たまには子どもたちだけで交流を深めては?と言われ集まった、マーシュお兄様とマリアお姉様、そしてリーラお姉様とマリクお兄様。
毎日夕食では見ているが、美形が4人も並ぶとやはり眼福だ。
目の前のお汁粉を訝し気にのぞき込んでいるマーシュお兄様とマリアお姉様に対し、新しい食べ物にワクワクしているのがリーラお姉様とマリクお兄様。
私の血のつながった兄姉たちは妹の作るものを疑っているのだろうか…アリス、悲しい。
おそらくは単純に糖分不足の我が国の和食で育った兄姉と、ジルドアに何度か訪れたことがあったりドーラ様宛のめずらしい食べ物たちになれている腹違いの姉兄、という構図なのだろう。
「まずは召し上がってみてください。それでは、いただきます!」
問答無用でぶった切ってみた。
お行儀が悪いがずずず、と音を立てて汁をすする。
うん、なかなかくどくなくていい感じ。
白玉もいい感じにもちもちつるんに仕上がっている。
「あちち!」
慌てて口に入れたのだろう、マリクお兄様が冷たいお茶に手を伸ばしている。
お椀を持てば熱いのはわかると思ったんだけど…一言言ったほうが良かっただろうか。
「大丈夫ですか?」
「うん、これ、甘くておいしいな!」
大したことは無かったのだろう。
気に入ってもらえてうれしい。
「中に入っているもちもちしたものはなあに?」
おっとりとリーラお姉様が聞く。
「これは白玉、と言って、お米の粉から作りました。」
正確に言うともち粉に近い感じだから、前世で食べた白玉とはまたちょっと食感が違う。
が、こっちの世界にはないものだし白玉団子の形に作ったんだから白玉、と言い張ろうと思っている。
「へえ、白玉っていうんだ。かわいらしい名前だね。」
にっこり微笑むマーシュお兄様。
うん、眼福。
「このスープの甘味が絡んで美味しいですね。」
マリアお姉様も白玉を食べていたようだ。
「口の中が甘くなってきたら、こちらをどうぞ。」
すすっときゅうりの浅漬けをすすめておく。
お汁粉にはやっぱり漬物が無いとだめだろう。
昨晩のうちにつけておいたのでちょうどいいはずだ。
「ああ、ちょうど塩味が欲しかったんです。」
マーシュお兄様とマリアお姉様はさっそく漬物をかじっている。
お汁粉より漬物の方が良い勢いで減っているような…
まあ、お口にあったなら何よりだ。
1
お気に入りに追加
1,185
あなたにおすすめの小説
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
転生幼女が魔法無双で素材を集めて物作り&ほのぼの天気予報ライフ 「あたし『お天気キャスター』になるの! 願ったのは『大魔術師』じゃないの!」
なつきコイン
ファンタジー
転生者の幼女レイニィは、女神から現代知識を異世界に広めることの引き換えに、なりたかった『お天気キャスター』になるため、加護と仮職(プレジョブ)を授かった。
授かった加護は、前世の記憶(異世界)、魔力無限、自己再生
そして、仮職(プレジョブ)は『大魔術師(仮)』
仮職が『お天気キャスター』でなかったことにショックを受けるが、まだ仮職だ。『お天気キャスター』の職を得るため、努力を重ねることにした。
魔術の勉強や試練の達成、同時に気象観測もしようとしたが、この世界、肝心の観測器具が温度計すらなかった。なければどうする。作るしかないでしょう。
常識外れの魔法を駆使し、蟻の化け物やスライムを狩り、素材を集めて観測器具を作っていく。
ほのぼの家族と周りのみんなに助けられ、レイニィは『お天気キャスター』目指して、今日も頑張る。時々は頑張り過ぎちゃうけど、それはご愛敬だ。
カクヨム、小説家になろう、ノベルアップ+、Novelism、ノベルバ、アルファポリス、に公開中
タイトルを
「転生したって、あたし『お天気キャスター』になるの! そう女神様にお願いしたのに、なぜ『大魔術師(仮)』?!」
から変更しました。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる