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アリスティア、王都でできるチートを考える

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「甘い…スープ?」

「なんかつぶつぶしているね…」

「でもすごくいい香りよ?」

「とりあえず食べてみようぜ!」

たまには子どもたちだけで交流を深めては?と言われ集まった、マーシュお兄様とマリアお姉様、そしてリーラお姉様とマリクお兄様。
毎日夕食では見ているが、美形が4人も並ぶとやはり眼福だ。

目の前のお汁粉を訝し気にのぞき込んでいるマーシュお兄様とマリアお姉様に対し、新しい食べ物にワクワクしているのがリーラお姉様とマリクお兄様。
私の血のつながった兄姉たちは妹の作るものを疑っているのだろうか…アリス、悲しい。
おそらくは単純に糖分不足の我が国の和食で育った兄姉と、ジルドアに何度か訪れたことがあったりドーラ様宛のめずらしい食べ物たちになれている腹違いの姉兄、という構図なのだろう。

「まずは召し上がってみてください。それでは、いただきます!」

問答無用でぶった切ってみた。
お行儀が悪いがずずず、と音を立てて汁をすする。
うん、なかなかくどくなくていい感じ。
白玉もいい感じにもちもちつるんに仕上がっている。

「あちち!」

慌てて口に入れたのだろう、マリクお兄様が冷たいお茶に手を伸ばしている。
お椀を持てば熱いのはわかると思ったんだけど…一言言ったほうが良かっただろうか。

「大丈夫ですか?」

「うん、これ、甘くておいしいな!」

大したことは無かったのだろう。
気に入ってもらえてうれしい。

「中に入っているもちもちしたものはなあに?」

おっとりとリーラお姉様が聞く。

「これは白玉、と言って、お米の粉から作りました。」

正確に言うともち粉に近い感じだから、前世で食べた白玉とはまたちょっと食感が違う。
が、こっちの世界にはないものだし白玉団子の形に作ったんだから白玉、と言い張ろうと思っている。

「へえ、白玉っていうんだ。かわいらしい名前だね。」

にっこり微笑むマーシュお兄様。
うん、眼福。

「このスープの甘味が絡んで美味しいですね。」

マリアお姉様も白玉を食べていたようだ。

「口の中が甘くなってきたら、こちらをどうぞ。」

すすっときゅうりの浅漬けをすすめておく。
お汁粉にはやっぱり漬物が無いとだめだろう。
昨晩のうちにつけておいたのでちょうどいいはずだ。

「ああ、ちょうど塩味が欲しかったんです。」

マーシュお兄様とマリアお姉様はさっそく漬物をかじっている。
お汁粉より漬物の方が良い勢いで減っているような…

まあ、お口にあったなら何よりだ。
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