異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか

アリスティア、王都でできるチートを考える

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「アリス、この黄色いスープは何かな？」

「とても不思議な香りがするけど…」

「とっておきのごちそうって、このご飯にかかったスープ？確かに色々入っているみたいだね。」

マーシュお兄様とリーラお姉様、マリクお兄様は初めて見たカレーを訝し気に見ている。
マリアお姉様だけは初魔物肉に無言でソワソワしていて、大人たちも興味深げに自分の分の皿をのぞき込んでいます。

「これは、カレーという食べ物です。複数の薬草から調合した『スパイス』で味付けをしています。お肉は私がしっかり魔素抜きをしたレッドテールターキーです。温かいうちにぜひ召し上がってください。」

魔物の肉、ということを初めて聞いたお兄様、お姉様たちはざわっとするが、事前に許可を出していたパパ、ママ、そしてドーラ様と外出時から私の肉に対する思いを見ていたマリアお姉様は覚悟を決めた顔でお皿を見つめている。

パパのいただきますのお祈りのあと、みんなスプーンを持ったのはいいんだけど…
ちょっと躊躇してるよね？

というわけで、まずは私が先にいただくことにしました。
ひっさびさのカレー、いっただっきま～す！
ん～！ココナッツのほのかな甘みとふんわりした噛みごたえの鳥（魔物）肉が合う～！
幸せそうな顔で一人食べ進めていると、まずは好奇心旺盛なマリクお兄様が恐る恐る一口、そして二口、そしてパクパク食べ始めた。

「アリス、これすごくおいしいぜ！」

「でしょう！喜んでもらえて嬉しいです！」

年少の子どもたちが食べるのを見て、他の家族たちもゆっくりと口に運び、そして上品に、でもいいスピードで食べ始めました。

「これはすごいね！おかわりはあるのかな？」

先に食べ始めたマリクお兄様よりも先に、マーシュお兄様が食べ終わり顔を輝かせています。

「ええ、もちろんです！」

執事のセバスチャンが給仕に手配してささっとマーシュお兄様のお皿に追加が盛られます。

「俺も俺も！」

マリクお兄様もお代わりを要求しています。
リーラお姉様とマリアお姉様ももうすぐ食べ終わりそう。

「これが魔物のお肉だなんて…信じられませんね。」

マリアお姉様が唖然としたように言います。
でも、スプーンは止まらないのね。

「いくらでも食べられそうだわ…」

と、リーラお姉様。
お姉様たちもお代わりをするみたい。

「ところで陛下、魔物肉の件は、まだ秘密なのでしょうか？」

優雅に食べ終わったドーラ様。
おそらく故郷ジルドアにも早く知らせたいと考えている様子。

「うむ、しばし待ってくれ。再度アリスからロミア様におうかがいを立てる。」

「かしこまりました。」

んー、王様的には別に魔物肉で儲けなくても良いのかな？
ロミア様と話す前にこっそり確認したほうが良いかもしれない。

「使途になる前は料理なんてしたことなかったはずなのに…ロミア様の御力というのは凄いものですね」

ママは感慨深そうだ。
ごめんね、中身違う人だからなんだ…

こうして、カレーのお披露目会は和やかに過ぎていった。

あ、マリクお兄様とマーシュお兄様は3杯ずつ食べました。
私ももうちょっと胃袋が大きければ3杯目行けたんだけどな…