異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか

アリスティア、王都でできるチートを考える

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というわけで。

目の前にあるのは魔素抜きが完了した鳥系魔物のお肉だ。
ここ数日、王城や教会の人たちが試しに魔素抜きした魔物肉を少量ずつ食べていたようだが、誰一人魔物アタリは出なかった、ということでやっと王族も食べて良い、との許可が出た。
ロミア様のおっしゃることを疑うのか～！と強行しても良かったが、穏便に済ますためきっちり待っていた。

もちろん、自分で購入した干し肉はすでに完食。
ジャーキー、おいしゅうございました。

今日は厨房をがっつり使用していいとの許可が取れたので、家族のために夕食を振舞うことになっている。
料理人たちはメモを準備してこれから何が始まるのか期待の表情だ。


まずは、料理人さんにみじん切りにしてもらった玉ねぎを炒める。
俗にいう飴色になるまで、というやつだ。
私は半生のシャリシャリした玉ねぎの食感は大嫌いなので、焦がさないように徹底的にやってもらう。
使っている油は、甘い香りのココナッツオイル。
ココナッツ自体が、ドーラ様の出身国、ジルドアや、東の諸島群の中でもずっと南の方に行くと盛んに作っている島があるらしく、割と廉価で関連商品が手に入るらしい。

それとは別に、大きなスプーンでたっぷりココナッツオイルを入れたフライパンを用意する。
ここが今日の見せ場だ！

「今日の料理のポイントはこの『スパイス』です！」

見よ、これが薬草屋で手に入れた戦利品！

馬芹（クミン）、小豆蔲（カルダモン）、肉桂（シナモン）、丁子（クローブ）、うこん（ターメリック）を粉にしたものと、月桂樹の葉。
あとは厨房に会った唐辛子、生姜、ニンニク！
胡椒とコリアンダーもほしかったけど、明らかに高額商品コーナーにあったから今回は諦めた。
粉にしたスパイスは事前に乾煎りして、独自の分量で調合してある。
これらを全部ココナッツオイルを入れたフライパンにぶち込んでペーストを作るのだ。
立ち上る食欲をそそる香りに料理人さんたちはそわそわしだす。

「こんな使い方があったとは…」
「姫様、これは後で分量を教えていただけますか？」

「もちろんよ！」

私はにこやかに応えながら、シュワシュワいっているペーストの中に一口大にした鳥（型の魔物）肉を入れ、ささっと炒める。
表面が焼けてきたところで、控えめに夏野菜や火を通しておいたいも類、先ほどの飴色玉ねぎをいれ、少し炒めたら乾燥したココナッツ粉末とぬるま湯を撹拌したココナッツミルクもどきを足して、あとはちょちょっと塩味を整えたら完成！

自己流タイカレーもどきの出来上がり！
ご飯はもちろんお水少な目で炊きあがっておりますとも。

さて、いよいよ実食です！
みんなどんなリアクションをしてくれるんだろうか。