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アリスティア、王都でできるチートを考える

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食卓にご飯と味噌汁が並ぶようになってから1週間がたった。
たまにトマトとか予想外の野菜が味噌汁の具になってたり、しょうゆベースの煮物のはずがおかしな香草がぶち込まれていたりする以外は、そこそこ平凡な食生活を送っている。
私が帰ってきた日は特別なごちそうだっただけで、普段は一汁一~三菜のことが多い。
大体は朝は麺類、昼はちょっとボリューミーな麺類か一汁一菜、夜が一汁二~三菜、という感じだ。
兄様たちはお代わりも多少するようになったが、それよりも私の庭園(という名の家庭菜園)や厨房での実験中に来てつまみ食いすることが増えた。
夏野菜が多めなので、生で丸かじりできるものは結構なペースで「味見」と称する兄様たちの間食に消えていく。
体型もちょっとがっしりしてきたような…?

ジェスは全国に早馬を飛ばし、品種改良のやり方を具体的に指示しながら、自身はひたすら試行錯誤を繰り返し、なんと新種の野菜も生み出し始めていた。
たとえば、にんじんの葉っぱがほうれん草になっていたりとか…
あれ?これって遺伝子組み換え…?とちょっと不安にもなったが、そもそも植物の毒性、良し悪し、味は最優先で感じ取れるよう気を配っているらしいので、そこは信用してあきらめることにした。
ちなみに、ここで生産している野菜たちは食卓にもガンガン上がっている。
もしこの菜園が無ければきっと今も昼は麺類で夜ご飯は一汁一菜のままだっただろう。
そろそろ野菜はジェスに任せ、お肉の方に進みたい。
まだこの世界に来て一回も食べてないんだよね、お肉。
魚は割と頻繁に出てくるんだけど…。

ロミア様の祭壇には、とっても甘く仕上がったとうもろこし(王都の気候で元気においしく育つバージョン)と米粉と豆乳、はちみつなどで作ったクッキーを捧げておいた。
祭壇に置いた瞬間に無くなって、石像がなんかつやつやしてたから多分喜んでたんだと思う…
こっちの世界は甘いものは少なく、はちみつや甘葛というのがメインらしい。
とっても高価らしいのでとりあえずジェスにはさとうきびの見た目を伝え、なるべく南の方で探してみてほしいことは伝えている。
うまく見つかれば一大産業になるんじゃないだろうか。

とりあえずこんな感じで滑り出しは順調だけど、あとは何をすれば良いんだろう。
たまに気分転換にマリアお姉様を誘ってお茶でもしてみようかしら。
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