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アリスティア、目覚める

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「そういえば、こことアルテ村、馬車で3時間しか離れてないのに何でこんなに植生が違うの?」

馬車での移動は車と比べると遅い。自転車ぐらいだろうか?
となると、3時間走ったとはいえそれほどの距離にはなっていないはず…
たかだか3時間ぐらいの移動でそんなに距離を稼げるのだろうか。

「内陸になったためというのはもちろんですが、おそらくは優れた木魔法の使い手がいるのでしょう。周辺の村々と比べると、土地の状況に対し収穫物の種類も量も多いように感じました。」

さすがビビ。
細かいことまで見ているしよく覚えている。
え?

「木魔法ってそんなに万能なの?」

植物強くして育て放題ってすごいチートじゃん。

「いえ、そういうわけではなく。もし魔法のことについてご興味があるのであれば、ジェスさんをお呼びしましょうか?」

そういえば知識やマナーを優先していて全然魔法について聞けてない!
粗食解決が優先すぎて忘れてた…
食って大事よね。うん。
そろそろ魔法についても学んで、真面目にチート生活目指そう。

「ええ、お願い。」

数分してジェスがやって来る。

「お呼びでしょうか。」

「ええ、魔法について教えてほしいの。木火土金水白黒という属性があるというのは聞いたのだけど、他は全て忘れてしまって。私、魔法は使えたのかしら。」

「ええ姫様、もちろんです。この辺りはおおよそ見終わりましたので。姫様は黒魔法以外のすべての魔法の素質がおありです。しかし、まだ魔法はお使いになれません。」

「え?どうして?」

「魔法の成り立ち、仕組みと、現在の決まり事を順にご説明しますね。
まず…」

とりあえず、ジェスの話は長かった。ひたすら長かった。
いい声してるから我慢して聞いたけど子守歌にしそうなくらい長かった。
というわけで整理しよう。

まず、この世界の魔法は体内の魔力が必要、とかではなく、精霊の力を使って行使する。
精霊はほとんどの人間の目に見えないが周囲にいる。ただし、土地によって多い少ないはある。
人にはそれぞれの精霊によって好かれやすさ?吸引力?みたいなのが異なっていて、それで魔法の効果に差が出る。全部ひっくるめてこれを適性と呼んでいる。
ただ、女神さまからはきっちり敬っていれば上達速度が上がって魔法チートできるって聞いたけど…敬うってどうやるんだろう?

属性は主に木火土金水白黒に分類されていて、効果は
木は、植物の友で、樹木と簡単な意思疎通ができるほか、成長を促したり、1台限りで植物の遺伝子を変質させたり、お願い事を聞いてもらえたりすることが多い。
火は火の友で、火を発生させるだけではなく、温度の上昇についても司ることができるほか、浄化することもできる。高温消毒の要領。
土は土や石の友。大きくしたり小さくしたり、動かしたりつなげたりできるので、石工になる人が多いとか。あとは採掘の手伝いにも重宝される。
金は金属ぜんぱんの友で、変形させたり強化したりできる。圧力をかけることはできるが増やすことはできないので、原石が必要となるみたい。
水は水の友なので、空気中から水を取り出すこともできる。水の浄化なども可能なほか、氷や水蒸気も司るそう。
黒はめったに適性を持つ人が居なくて、私も持っていない。精神的なものが中心で、欲を扱うことが得意なんだとか。商人として大成する人が多いみたい。
白は傷をいやしたり浄化したりとか。多少の適性がある人はいるが、高位の使い手は非常に少ないらしい。あとは体の強化も白らしい。女神さまの祝福度合いによると思われてるらしい。

ただ、精霊との適性と、どのような効果を起こしたいかという具体的なイメージが割とものをいうらしい。
だから、発想次第でその精霊がやってるのにどうしてそうなった、みたいな魔法も可能みたいだ。
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