68 / 161
第2章 ADAGIO
【幕間】夜想曲Ⅱ
しおりを挟む
『少しお話をしてもいいですか?』
そうリチェルがソルヴェーグに声をかけたのは、ヤンの案内でルフテンフェルトに向かう最初の夜のことだった。
タイミング的に、偶然ではなくソルヴェーグが部屋を出てくるのを待っていたのだろうと分かった。構いませんよ、と頷いたソルヴェーグにリチェルはホッとした表情を浮かべた。
『ご一緒してから、ちゃんとお話が出来ていなくて。ソルヴェーグさんには直接お許しを頂いていないのに、お二人に付いてきてしまったから……』
話す言葉は途切れ途切れだった。それだけでリチェルが緊張していることも、ずっと気にしていたことも分かる。
『ご心配には及びませんよ。ヴィオ様が仰ったことに異を唱えるつもりはございませんから。私の許可など不要です』
怖がらせないように、出来るだけ柔らかくそう告げた。
ソルヴェーグも、個人として見ればこの少女のことは嫌いではない。
正直で誠実な子だと思う。このまま何も言わず一緒にいても良かったのに、こうして話をしに来てしまう所が少女の性質を物語っているようだった。
ヴィオが許可し、ソルヴェーグが何を口にした訳でもないのだから、黙っていても良かったのに。
実際ソルヴェーグも、今の段階で何か口を出そうとは思ってはいなかった。
リチェルと一緒にいるヴィオの空気は柔らかかったから。幼い頃から仕えてきたが、あんな風に優しく笑うヴィオの事をソルヴェーグは知らない。
きっとリチェルがどこかの貴族の家の令嬢であれば、ソルヴェーグは心から少女の存在を歓迎しただろう。
そう、結局のところ、ソルヴェーグがリチェルに対して線を引かざるを得ないのはその一点だけなのだ。
『謝罪をしても、どうしようもないのは分かっています。わたしはヴィオの厚意に甘えて付いてきてしまったので、謝るくらいなら付いてこなければ良かったのだと言われてしまいます』
キュッとリチェルが前で重ねた手を強く握るのが分かった。
リンデンブルックでいる時も思ったが、この少女は人の感情の機微によく気がつく。
態度に出したつもりはないが、線を引かれていることは感じ取っているだろう。ただでさえ不安定な立場なのに、余計に不安にさせてしまったのでは、ヴィオにも申し訳がない。
そう思って謝罪を口にしようとするよりも、リチェルが先に口を開いた。
『だから、してはいけない事があれば教えて頂けないでしょうか』
意志のある声だった。
今考えたのではなく、ずっと考えていたのだろうと分かる、そんな目をしていた。
『わたしはあまり物を知らなくて、お二人にとって都合の悪い事がわたしだけでは理解出来ません。振る舞いや、言動でご迷惑をかけてしまわないようにしたくて……』
ヴィオは、優しい人なので何も言わないでいてくれる気がするんです。と小さな声でリチェルが言った。
『……では、今まで通りに振る舞って頂けますかな』
気付けば、言葉が溢れていた。
『……今まで通り、ですか?』
予想外だったのだろう。リチェルが戸惑ったように、ソルヴェーグの言葉を繰り返した。
『はい。ここにいるヴィオ様はリチェル殿の思っているような立場の人間ではございません。ヴィオ様の名乗る名の通りです。ですから、特別な気遣いは必要ないのです。ありのままで、接して頂けたら幸いです』
きっとそれが、ヴィオにとっても一番良い事だろう。
『本当に困るような事があれば、その時は申し上げますから。心配には及びません』
ソルヴェーグの言葉に、はい、と頷いたリチェルはやはり素直な子なのだろう。
ごまかされたと思う訳でもなく、ソルヴェーグの言うことをそのまま信じてくれる。
話はそれで終わった。
リチェルはその夜話した通り変わりなく振る舞っていたし、それ以降ソルヴェーグに過剰に気を遣う事もなかった。
嘘はついていない。
だが言わなかったことはある。
もしも、とソルヴェーグは思う。
もしも本当に困るような事になるのであれば、きっとその時はソルヴェーグより前にヴィオが自分で線を引く。
そう確信出来る事が、ソルヴェーグにとっては誇りであり、同時に痛みだ。
ルフテンフェルトでの一週間は、ソルヴェーグにとってもヴィオの変化を目にする事ができる、とても有意義な日々だった。
同時にその喜ばしい変化は、もう随分前から間違ってしまったのではないのだろうかとソルヴェーグに何度も問いかけさせた。
(いや、間違いなのかどうかすらも──)
分からない。
ただ一つだけ言える事がある。
リチェルと一緒にいる時のヴィオの空気は、侯爵家の当主であるディートリヒの持つ温かなそれに、よく似ていた。
◇
「美しい夕焼けですね」
不意に後ろからかけられた声にヴィオは振り返った。
荷の整理が終わったのだろう、ソルヴェーグが窓辺に座っていたヴィオのそばにコトリとコーヒーのカップを置いてくれる。
「どうしたんだ?」
「リンデンブルックで買っておいたものです」
紅茶はないので、リチェル殿には申し訳ないのですが。と付け加えたのはヴィオが口にすることを見越してだろう。
双子の荷物の整理や挨拶などで、結局ルフテンフェルトを出たのは昼過ぎになり、日が沈むまでに大きな町にたどり着くのは難しいだろうと村長が通り道にある村への紹介状を書いてくれたのだ。
ありがたく頂戴して、今日は牧草地にある空き家に泊めてもらっている。夜羊の番をするときに使う小屋らしく、寝る場所はあるからと快く貸してくれた。
周りは草地が多く視界が開けていて、今はその全てが茜色に染まっている。
ソルヴェーグの言う通り、確かにそれは美しい光景だった。
「珍しいですね。ヴィオ様がそうやって何もせずに外を眺めていらっしゃるのは」
「……そうか?」
思わず聞き返して、確かにそうかもしれないと黙った。
長い間思考を巡らせていることはよくあるが、今は物思いに沈んでいたわけでもない。
強いてあげるなら、この窓からは村から上がってくる道がよく見えるから──。
「静かだな」
「そうですね。ここ最近はずっとリートとリリコがいましたから、余計に賑やかでしたね」
今はリートとリリコ、アルとリチェルは夕飯を取りに来て欲しいと言われて村の方へ下りている。帰りが遅いところを見ると、恐らく用意や家事を手伝っているのだろう。
「そろそろ冷えてきましたし、窓を閉めましょうか」
「いや」
ソルヴェーグが窓辺に近づいたのをヴィオが片手で制する。もう少しこのままでいい、と言うとソルヴェーグは微かに目を開いて、かしこまりましたと引き下がった。
夕陽を見ると、どこか懐かしさを覚える。
意味もなく昔のことを思い出しては、思い出は茜に染まった空気に溶けるように消えていく。
その中で、ふと父の帰りを待っていた母のことを思い出した。
窓辺にたたずむその時間は、きっと彼女にとって大切なものだと理解しながらも、幼いヴィオには時間の無駄のように思えた。
やるべき事も、やりたい事も目の前に山積みで。
時間はいつも砂粒のように指の間からこぼれていくもので、無駄にはできない。
必死で走っても、置いてきぼりにされるような、そんな焦燥感。
だけど今こうして外を眺めている時間は、不思議と無駄には感じなかった。
ゆっくりと暮れていく空の色を見ながら、茜色の草地を眺める。
──だけどもうすぐ帰ってくるかしら、と思えることがとても楽しいの。
不意に、草地の向こうから声が聞こえた。
はしゃぐ声は一緒にいる双子のもので、風にのって高い笑い声が響いてくる。
同時にもう随分と耳に馴染んだ少女の声も。
──誰かが帰ってくる時間を楽しみに思えることが、とても嬉しいのよ。
苦笑をこぼして、カタリと椅子から立ち上がる。
あの時、母は何と言っていただろう。彼女の言葉は茜色の空に解けて、もうほとんど思い出せない。
──だって、待ち遠しいと思えるのは……
「ただいまぁ!」と、玄関で大きな声が上がった。
バタバタと駆け込んできた双子は、村の人から分けてもらった夕食を少しずつ抱えていた。
『食べ物の扱いは丁寧にね!』と慌てたように後から入ってきたアルに注意されて、はぁい! と元気よく二人が返事する。
その後ろから、バスケットを抱えた少女がゆっくりとした足取りで入ってきた。
「おかえり」
「ただいま」
帰ってきたリチェルが、ふわりと笑う。
──待ち遠しいと思えるのは、大切だと思える人がいる証でしょう?
そうリチェルがソルヴェーグに声をかけたのは、ヤンの案内でルフテンフェルトに向かう最初の夜のことだった。
タイミング的に、偶然ではなくソルヴェーグが部屋を出てくるのを待っていたのだろうと分かった。構いませんよ、と頷いたソルヴェーグにリチェルはホッとした表情を浮かべた。
『ご一緒してから、ちゃんとお話が出来ていなくて。ソルヴェーグさんには直接お許しを頂いていないのに、お二人に付いてきてしまったから……』
話す言葉は途切れ途切れだった。それだけでリチェルが緊張していることも、ずっと気にしていたことも分かる。
『ご心配には及びませんよ。ヴィオ様が仰ったことに異を唱えるつもりはございませんから。私の許可など不要です』
怖がらせないように、出来るだけ柔らかくそう告げた。
ソルヴェーグも、個人として見ればこの少女のことは嫌いではない。
正直で誠実な子だと思う。このまま何も言わず一緒にいても良かったのに、こうして話をしに来てしまう所が少女の性質を物語っているようだった。
ヴィオが許可し、ソルヴェーグが何を口にした訳でもないのだから、黙っていても良かったのに。
実際ソルヴェーグも、今の段階で何か口を出そうとは思ってはいなかった。
リチェルと一緒にいるヴィオの空気は柔らかかったから。幼い頃から仕えてきたが、あんな風に優しく笑うヴィオの事をソルヴェーグは知らない。
きっとリチェルがどこかの貴族の家の令嬢であれば、ソルヴェーグは心から少女の存在を歓迎しただろう。
そう、結局のところ、ソルヴェーグがリチェルに対して線を引かざるを得ないのはその一点だけなのだ。
『謝罪をしても、どうしようもないのは分かっています。わたしはヴィオの厚意に甘えて付いてきてしまったので、謝るくらいなら付いてこなければ良かったのだと言われてしまいます』
キュッとリチェルが前で重ねた手を強く握るのが分かった。
リンデンブルックでいる時も思ったが、この少女は人の感情の機微によく気がつく。
態度に出したつもりはないが、線を引かれていることは感じ取っているだろう。ただでさえ不安定な立場なのに、余計に不安にさせてしまったのでは、ヴィオにも申し訳がない。
そう思って謝罪を口にしようとするよりも、リチェルが先に口を開いた。
『だから、してはいけない事があれば教えて頂けないでしょうか』
意志のある声だった。
今考えたのではなく、ずっと考えていたのだろうと分かる、そんな目をしていた。
『わたしはあまり物を知らなくて、お二人にとって都合の悪い事がわたしだけでは理解出来ません。振る舞いや、言動でご迷惑をかけてしまわないようにしたくて……』
ヴィオは、優しい人なので何も言わないでいてくれる気がするんです。と小さな声でリチェルが言った。
『……では、今まで通りに振る舞って頂けますかな』
気付けば、言葉が溢れていた。
『……今まで通り、ですか?』
予想外だったのだろう。リチェルが戸惑ったように、ソルヴェーグの言葉を繰り返した。
『はい。ここにいるヴィオ様はリチェル殿の思っているような立場の人間ではございません。ヴィオ様の名乗る名の通りです。ですから、特別な気遣いは必要ないのです。ありのままで、接して頂けたら幸いです』
きっとそれが、ヴィオにとっても一番良い事だろう。
『本当に困るような事があれば、その時は申し上げますから。心配には及びません』
ソルヴェーグの言葉に、はい、と頷いたリチェルはやはり素直な子なのだろう。
ごまかされたと思う訳でもなく、ソルヴェーグの言うことをそのまま信じてくれる。
話はそれで終わった。
リチェルはその夜話した通り変わりなく振る舞っていたし、それ以降ソルヴェーグに過剰に気を遣う事もなかった。
嘘はついていない。
だが言わなかったことはある。
もしも、とソルヴェーグは思う。
もしも本当に困るような事になるのであれば、きっとその時はソルヴェーグより前にヴィオが自分で線を引く。
そう確信出来る事が、ソルヴェーグにとっては誇りであり、同時に痛みだ。
ルフテンフェルトでの一週間は、ソルヴェーグにとってもヴィオの変化を目にする事ができる、とても有意義な日々だった。
同時にその喜ばしい変化は、もう随分前から間違ってしまったのではないのだろうかとソルヴェーグに何度も問いかけさせた。
(いや、間違いなのかどうかすらも──)
分からない。
ただ一つだけ言える事がある。
リチェルと一緒にいる時のヴィオの空気は、侯爵家の当主であるディートリヒの持つ温かなそれに、よく似ていた。
◇
「美しい夕焼けですね」
不意に後ろからかけられた声にヴィオは振り返った。
荷の整理が終わったのだろう、ソルヴェーグが窓辺に座っていたヴィオのそばにコトリとコーヒーのカップを置いてくれる。
「どうしたんだ?」
「リンデンブルックで買っておいたものです」
紅茶はないので、リチェル殿には申し訳ないのですが。と付け加えたのはヴィオが口にすることを見越してだろう。
双子の荷物の整理や挨拶などで、結局ルフテンフェルトを出たのは昼過ぎになり、日が沈むまでに大きな町にたどり着くのは難しいだろうと村長が通り道にある村への紹介状を書いてくれたのだ。
ありがたく頂戴して、今日は牧草地にある空き家に泊めてもらっている。夜羊の番をするときに使う小屋らしく、寝る場所はあるからと快く貸してくれた。
周りは草地が多く視界が開けていて、今はその全てが茜色に染まっている。
ソルヴェーグの言う通り、確かにそれは美しい光景だった。
「珍しいですね。ヴィオ様がそうやって何もせずに外を眺めていらっしゃるのは」
「……そうか?」
思わず聞き返して、確かにそうかもしれないと黙った。
長い間思考を巡らせていることはよくあるが、今は物思いに沈んでいたわけでもない。
強いてあげるなら、この窓からは村から上がってくる道がよく見えるから──。
「静かだな」
「そうですね。ここ最近はずっとリートとリリコがいましたから、余計に賑やかでしたね」
今はリートとリリコ、アルとリチェルは夕飯を取りに来て欲しいと言われて村の方へ下りている。帰りが遅いところを見ると、恐らく用意や家事を手伝っているのだろう。
「そろそろ冷えてきましたし、窓を閉めましょうか」
「いや」
ソルヴェーグが窓辺に近づいたのをヴィオが片手で制する。もう少しこのままでいい、と言うとソルヴェーグは微かに目を開いて、かしこまりましたと引き下がった。
夕陽を見ると、どこか懐かしさを覚える。
意味もなく昔のことを思い出しては、思い出は茜に染まった空気に溶けるように消えていく。
その中で、ふと父の帰りを待っていた母のことを思い出した。
窓辺にたたずむその時間は、きっと彼女にとって大切なものだと理解しながらも、幼いヴィオには時間の無駄のように思えた。
やるべき事も、やりたい事も目の前に山積みで。
時間はいつも砂粒のように指の間からこぼれていくもので、無駄にはできない。
必死で走っても、置いてきぼりにされるような、そんな焦燥感。
だけど今こうして外を眺めている時間は、不思議と無駄には感じなかった。
ゆっくりと暮れていく空の色を見ながら、茜色の草地を眺める。
──だけどもうすぐ帰ってくるかしら、と思えることがとても楽しいの。
不意に、草地の向こうから声が聞こえた。
はしゃぐ声は一緒にいる双子のもので、風にのって高い笑い声が響いてくる。
同時にもう随分と耳に馴染んだ少女の声も。
──誰かが帰ってくる時間を楽しみに思えることが、とても嬉しいのよ。
苦笑をこぼして、カタリと椅子から立ち上がる。
あの時、母は何と言っていただろう。彼女の言葉は茜色の空に解けて、もうほとんど思い出せない。
──だって、待ち遠しいと思えるのは……
「ただいまぁ!」と、玄関で大きな声が上がった。
バタバタと駆け込んできた双子は、村の人から分けてもらった夕食を少しずつ抱えていた。
『食べ物の扱いは丁寧にね!』と慌てたように後から入ってきたアルに注意されて、はぁい! と元気よく二人が返事する。
その後ろから、バスケットを抱えた少女がゆっくりとした足取りで入ってきた。
「おかえり」
「ただいま」
帰ってきたリチェルが、ふわりと笑う。
──待ち遠しいと思えるのは、大切だと思える人がいる証でしょう?
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。
レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。
【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。
そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
私が公爵の本当の娘ではないことを知った婚約者は、騙されたと激怒し婚約破棄を告げました。
Mayoi
恋愛
ウェスリーは婚約者のオリビアの出自を調べ、公爵の実の娘ではないことを知った。
そのようなことは婚約前に伝えられておらず、騙されたと激怒しオリビアに婚約破棄を告げた。
二人の婚約は大公が認めたものであり、一方的に非難し婚約破棄したウェスリーが無事でいられるはずがない。
自分の正しさを信じて疑わないウェスリーは自滅の道を歩む。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる