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第2話 ①
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お店をしていると、お客さんから色んな情報を聞くことが出来る。
中には情報通の人もいて、その話題は王家に関することから近所の猫に関するものまで幅広く、どうやって情報を集めているのか不思議なぐらいだ。
「そう言えば北の国のプラトーノフで、瘴気溜まりが見つかったんだってよ」
「まあ! 怖いわね。その国は大丈夫なのかしら」
私はお店に来てくれたお客さん同士の会話に耳を傾ける。けれど手はちゃんと動かすのを忘れない。
──この世界には時々瘴気溜まりが発生する。
瘴気溜まりが発生すると、木々は枯れ大人しかった魔物は凶暴になり、更に強い魔物が生み出されてしまうので、早々に浄化しなければならない。
「この国もいつ瘴気溜まりが出来るかわからねぇけど、王国騎士団がいるからな。魔物なんて簡単に討伐してくれるよ」
「最近新しい騎士団長が就任したんですって? すごく強いって本当なのかしら?」
「まだ若いらしいけど、腕は確かだって話だぜ? この前もSランクの魔物を討伐したってよ」
常に魔物の脅威に脅かされているこの国は、騎士団や衛兵団、傭兵に冒険者の人たちに守られていると言っても過言ではないのだ。
だから強さが求められる騎士団の団長なら、冒険者でいうところのSSSランク相当になるのではないだろうか。
(SSSランクなんて、世界中に5人いるかいないかよね。ここの騎士団長ってそんなに強いんだ)
そんなに強い人がこの国を守ってくれるとは、なんて心強いのだろう。
私が騎士団の人達に感謝するように、この国の人達も同じようにこの国を守る職業の人を尊敬している。
(でも騎士団員といっても、色んな人がいるんだよなぁ……)
私は時々この店を訪れる騎士団員さんを思い出す。
その人は18歳の私より幾つか年上で、お店に来たらいつも花束を注文してくれる。
騎士団員といえば厳つい人のイメージだけど、その人は何というか……すごくチャラい。いつもニコニコ笑顔で人懐っこいと言えば聞こえは良いけれど。
お客さんの話で思い出したからか、噂をすれば影がさしてしまったのか、閉店間際のこの店に、例のチャラい騎士団員さんが現れた。
「久しぶり~。アンちゃん相変わらず可愛いね」
「……いらっしゃいませ。今日はどのような花束を?」
「ええー! アンちゃん冷たい! しばらく来なかったから拗ねてるの? 可愛いなぁ」
この騎士団員さんの名前はヴェルナーさんと言って、お店に来たらいつもこうして私をからかってくるのだ。
「しばらく魔物の討伐で遠征しててさ。ようやく帰って来れたんだよ」
ヴェルナーさんの言葉に、そう言えばお客さんがそんな噂をしていたな、と思い出す。
「それはお疲れさまでした。国を守っていただき有難うございます?」
「アンちゃん他人行儀過ぎない? それになんで疑問形なのさ!」
ヴェルナーさんが悲しそうな顔をするけれど、この人はいつもこんな調子なので相手にしない。
「……で、今日はどの花にしますか? 女性の雰囲気はどんな感じで?」
「ああ、えっと、今日は可憐な感じで作って貰おうかな」
「わかりました。では少々お待ち下さい」
私は店内を見渡して、どんな花を組み合わせようか考える。
中には情報通の人もいて、その話題は王家に関することから近所の猫に関するものまで幅広く、どうやって情報を集めているのか不思議なぐらいだ。
「そう言えば北の国のプラトーノフで、瘴気溜まりが見つかったんだってよ」
「まあ! 怖いわね。その国は大丈夫なのかしら」
私はお店に来てくれたお客さん同士の会話に耳を傾ける。けれど手はちゃんと動かすのを忘れない。
──この世界には時々瘴気溜まりが発生する。
瘴気溜まりが発生すると、木々は枯れ大人しかった魔物は凶暴になり、更に強い魔物が生み出されてしまうので、早々に浄化しなければならない。
「この国もいつ瘴気溜まりが出来るかわからねぇけど、王国騎士団がいるからな。魔物なんて簡単に討伐してくれるよ」
「最近新しい騎士団長が就任したんですって? すごく強いって本当なのかしら?」
「まだ若いらしいけど、腕は確かだって話だぜ? この前もSランクの魔物を討伐したってよ」
常に魔物の脅威に脅かされているこの国は、騎士団や衛兵団、傭兵に冒険者の人たちに守られていると言っても過言ではないのだ。
だから強さが求められる騎士団の団長なら、冒険者でいうところのSSSランク相当になるのではないだろうか。
(SSSランクなんて、世界中に5人いるかいないかよね。ここの騎士団長ってそんなに強いんだ)
そんなに強い人がこの国を守ってくれるとは、なんて心強いのだろう。
私が騎士団の人達に感謝するように、この国の人達も同じようにこの国を守る職業の人を尊敬している。
(でも騎士団員といっても、色んな人がいるんだよなぁ……)
私は時々この店を訪れる騎士団員さんを思い出す。
その人は18歳の私より幾つか年上で、お店に来たらいつも花束を注文してくれる。
騎士団員といえば厳つい人のイメージだけど、その人は何というか……すごくチャラい。いつもニコニコ笑顔で人懐っこいと言えば聞こえは良いけれど。
お客さんの話で思い出したからか、噂をすれば影がさしてしまったのか、閉店間際のこの店に、例のチャラい騎士団員さんが現れた。
「久しぶり~。アンちゃん相変わらず可愛いね」
「……いらっしゃいませ。今日はどのような花束を?」
「ええー! アンちゃん冷たい! しばらく来なかったから拗ねてるの? 可愛いなぁ」
この騎士団員さんの名前はヴェルナーさんと言って、お店に来たらいつもこうして私をからかってくるのだ。
「しばらく魔物の討伐で遠征しててさ。ようやく帰って来れたんだよ」
ヴェルナーさんの言葉に、そう言えばお客さんがそんな噂をしていたな、と思い出す。
「それはお疲れさまでした。国を守っていただき有難うございます?」
「アンちゃん他人行儀過ぎない? それになんで疑問形なのさ!」
ヴェルナーさんが悲しそうな顔をするけれど、この人はいつもこんな調子なので相手にしない。
「……で、今日はどの花にしますか? 女性の雰囲気はどんな感じで?」
「ああ、えっと、今日は可憐な感じで作って貰おうかな」
「わかりました。では少々お待ち下さい」
私は店内を見渡して、どんな花を組み合わせようか考える。
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