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第33話 策略
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サロライネン王国の王都にあるアルムストレイム教の神殿本部で、司教達が集まって話し合いが行われていた。
「最近王宮の雰囲気が変わりましたな」
「確かに。以前はもっと息苦しい空気だったのが、随分穏やかになったような気がしますね」
「これは由々しき問題だと思うが? 王宮内は殺伐として貰わないと困る。平穏な王宮など我らは望んでいない」
サロライネン王国王族の権威を失墜させたいアルムストレイム神聖王国にとって、王宮で働く人間が王族に対して不満感情を持っている状況が必要不可欠であった。
「噂によると孤児院の子供達を離宮に住まわせている様だな」
「そもそも孤児院の子供らをあの『紅眼の悪魔』に渡すとはどういう事だ?」
「あの孤児院は司祭の席が空席となっていただろう。その隙を奴に突かれたのだよ」
「忌々しい忌み子め……! 下手に優秀だから困る。王族など愚鈍なぐらいが丁度いいと言うのに」
アルムストレイム教の司祭や司教、修道士達は長い時間をかけ、王太子の噂を吹聴してきた。実際、王宮内で王太子は恐怖の対象として見られ、誰もが畏怖していたのだ。
それなのにたったの一カ月でその噂は払拭されてしまった──それも都合の良い手駒だと思っていた孤児達のせいで。
「忌み子の地位を失墜させるための努力が一瞬で失われるとは……! 長い年月をかけ、ようやく実を結ぶと思っていたこの時期に!」
「辺境の地とはいえ、なぜ司祭を派遣しなかったのだ? 聞くところによれば一年以上も空席だったと言うではないか」
「それがどうやらトルスティ大司教様の意向らしいぞ」
「──っ! 何だと!? トルスティ大司教様が……!?」
トルスティ大司教は、サロライネン王国のアルムストレイム教信徒達のまとめ役だ。その権力は国王に次ぐ強さだと言われている。
「そんな話は聞いていないぞ? 何故トルスティ大司教様はそのような事を……?」
「……もしや、例の客人が関係あるのか?」
司教達が戸惑うのも仕方がないことだろう。トルスティ大司教は厳格な性格で、空いた穴をそのままにしておくような人物ではないからだ。
「客人が滞在するようになって一年……時期的には合致するな」
「それは辺境の司祭風情が貴賓室滞在許可を得ているという事か? トルスティ大司教様の庇護まで与えられて?」
「うーむ……。一体その司祭は何者なのか……。いや、そもそも司祭なのか?」
神殿本部の貴賓室は本国から来た高位聖職者──大司教や枢機卿が滞在するための部屋で、司教ですら滞在を許されていない。
そんな部屋に一年間も滞在する人物について、その正体を知っている者はトルスティ大司教だけだろう。
「ううむ。ならば巫女見習いという娘はどうなのだ? いっその事巫女の位階を与えては?」
巫女見習いは正式な聖職者として認められていないので、神殿の保護対象から外れるため神殿からの恩恵が受けられない。と同時に、神殿からの下命に対し従う義務もない。
今回の一連の出来事は、重要人物であるソリヤ神殿にいたという娘──サラが巫女見習いだったため起こったのだ。
もしサラを巫女として認めていれば、聖職者として神殿に従う義務があるとして、思惑通り利用できた筈であった。
「しかし、巫女として迎えると言っても本人が召集に応じなければどうしようもないぞ」
「かの娘は王太子の手の者に守られておるしな」
「その娘と例の司祭はどのような関係だ? もし親しい間柄なら司祭を利用すれば良いのではないか?」
「なるほど。司祭の存在を仄めかし、ここへ呼び出すという算段ですな?」
「それは良い。娘さえ我々に取り込んでしまえばあの忌み子も手出しできんだろう」
「ならば早速、娘をここに連れて来るよう命じねばな」
司教達は名案だと言わんばかりに頷いた。全く思い通りに行かない王宮と反抗的な王太子へ報復出来る良い機会だからだ。
「その娘が忌み子と恋仲という噂があるが本当か?」
「トルスティ大司教様の打診を断りおったからな……その可能性は十分にあるな」
「もしそうであればますます利用価値があるのだが……果たして……」
「どちらにせよ、その巫女見習いの娘をこちら側に引き込めば済む話だ。好条件を提示すれば我々に大人しく従うだろう」
* * * * * *
神殿本部の貴賓室はアルムストレイム聖王国の人間でもごく一部の者しか利用できない。
その貴賓室は晩餐会が開けそうなほど広く、高い天井から吊り降ろされたシャンデリアは職人がこだわりのカットを施した水晶がふんだんに使われていて、その水晶がもたらす光の屈折はダイヤモンドのように輝いている。
室内は最高級のシルクタペストリーやテキスタイルが施され、歴史的な調度品がインテリアとして飾られている。
壁には高名な芸術家達による貴重なアート作品が飾られていて、まるで美術館にいるような錯覚を覚える。
部屋の奥にあるアルコーブには深紅を基調としたベッド置かれており、金と銀を使った豪華な装飾の錦織が飾られている。
そんな豪華絢爛な貴賓室に、二人の人物がいた。
一人は純白の布に金糸で複雑な紋様が刺繍された法衣を着た、見るからに上位の聖職者だと分かる人物──トルスティ大司教だ。
トルスティ大司教はアルコーブに置かれたベッドに寝っ転がっているもうひとりの人物に声を掛けた。
「シュルヴェステル様、いい加減良い返事をお聞かせ下さい。いつまで辺境の地で過ごすおつもりですか」
トルスティ大司教からシュルヴェステルと呼ばれた人物は、うっとおしそうに顔を顰めると吐き捨てるように言った。
「お前もしつこいな。俺はソリヤの街に帰るっつってんだろうが。お前らの方こそいい加減俺をここから出せよ」
「それは出来ませんと何度も申し上げているでしょう。例の件は本国ではまだ捜査対象なのですよ。教理聖省や教会聖省の長に見付かればどうなるか……。もしシュルヴェステル様がお戻り下されば、例の件は私が上手く処理致しますから」
「俺は何も疚しい事はしていない。だから誰が来ようとも俺の意思は変わらない。たとえそれが聖下であってもだ」
「……っ!」
シュルヴェステルの意志の強さに、トルスティ大司教は息を呑んだ。そしてこれ以上の説得は無駄だと理解する。
しかし説得でなくとも人を動かす方法はいくらでもあるのだ。
「……そうですか。どうしても首を縦に振って頂けないのであれば仕方ありません。ならば協力者をお呼びするしかありませんね」
「何……? 協力者だと?」
トルスティ大司教の言葉に、不穏な空気を感じ取ったシュルヴェステルが飛び起きた。
そんなシュルヴェステルの様子を見たトルスティ大司教は、内心ほくそ笑みながら困った表情を浮かべて言った。
「今、シュルヴェステル様が大事にしている子供達が王都にやって来ているのですよ」
「何だとっ!?」
「そして近々巫女見習いの少女をここへ召喚すると司教達が息巻いておりました。シュルヴェステル様にとっても久しぶりの再会なのでは?」
「──っ!? お前、俺がソリヤへ送った手紙を握り潰していたな!?」
シュルヴェステルはこの貴賓室に閉じ込められてから、何度かソリヤで自分の帰りを待ち侘びているであろうサラへ手紙を送っていた。
それには対象者に届くように、本人しか読めないようにする術式を施していたのだ。
「流石に開封は出来ませんが、移送の阻害であれば私にも可能ですから」
「……お前……っ!?」
「おおっと、この部屋を破壊されては困ります。それにこの部屋に施された術式はそう簡単に破ることは出来ませんよ。魔力をお収め下さい。お互い無駄な血を流す必要はないでしょう?」
「……チッ!」
悔しそうに舌打ちしたシュルヴェステルを見たトルスティ大司教は、彼が抵抗を諦めたと判断し、「では、今日のところは失礼いたしますね」と言い貴賓室から退室して行った。
その姿を忌々しげに見ていたシュルヴェステルは、頭をガシガシ掻くと、サラや子供達へと思いを馳せる。
「……よりにもよって王都とか……一体どうなってんだよ……」
シュルヴェステルはサラへの手紙に、『自分は大丈夫だから王都へは来るな』と書いていたのだ。『自分が戻るまでソリヤで待つように』、とも。
しかし手紙自体が届いていないのであれば、子供達が王都に来てしまったのも仕方がないことだろう。
「司教どもめ……! サラに何かあったら全員神去らせてやるからな……!」
「最近王宮の雰囲気が変わりましたな」
「確かに。以前はもっと息苦しい空気だったのが、随分穏やかになったような気がしますね」
「これは由々しき問題だと思うが? 王宮内は殺伐として貰わないと困る。平穏な王宮など我らは望んでいない」
サロライネン王国王族の権威を失墜させたいアルムストレイム神聖王国にとって、王宮で働く人間が王族に対して不満感情を持っている状況が必要不可欠であった。
「噂によると孤児院の子供達を離宮に住まわせている様だな」
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それなのにたったの一カ月でその噂は払拭されてしまった──それも都合の良い手駒だと思っていた孤児達のせいで。
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「辺境の地とはいえ、なぜ司祭を派遣しなかったのだ? 聞くところによれば一年以上も空席だったと言うではないか」
「それがどうやらトルスティ大司教様の意向らしいぞ」
「──っ! 何だと!? トルスティ大司教様が……!?」
トルスティ大司教は、サロライネン王国のアルムストレイム教信徒達のまとめ役だ。その権力は国王に次ぐ強さだと言われている。
「そんな話は聞いていないぞ? 何故トルスティ大司教様はそのような事を……?」
「……もしや、例の客人が関係あるのか?」
司教達が戸惑うのも仕方がないことだろう。トルスティ大司教は厳格な性格で、空いた穴をそのままにしておくような人物ではないからだ。
「客人が滞在するようになって一年……時期的には合致するな」
「それは辺境の司祭風情が貴賓室滞在許可を得ているという事か? トルスティ大司教様の庇護まで与えられて?」
「うーむ……。一体その司祭は何者なのか……。いや、そもそも司祭なのか?」
神殿本部の貴賓室は本国から来た高位聖職者──大司教や枢機卿が滞在するための部屋で、司教ですら滞在を許されていない。
そんな部屋に一年間も滞在する人物について、その正体を知っている者はトルスティ大司教だけだろう。
「ううむ。ならば巫女見習いという娘はどうなのだ? いっその事巫女の位階を与えては?」
巫女見習いは正式な聖職者として認められていないので、神殿の保護対象から外れるため神殿からの恩恵が受けられない。と同時に、神殿からの下命に対し従う義務もない。
今回の一連の出来事は、重要人物であるソリヤ神殿にいたという娘──サラが巫女見習いだったため起こったのだ。
もしサラを巫女として認めていれば、聖職者として神殿に従う義務があるとして、思惑通り利用できた筈であった。
「しかし、巫女として迎えると言っても本人が召集に応じなければどうしようもないぞ」
「かの娘は王太子の手の者に守られておるしな」
「その娘と例の司祭はどのような関係だ? もし親しい間柄なら司祭を利用すれば良いのではないか?」
「なるほど。司祭の存在を仄めかし、ここへ呼び出すという算段ですな?」
「それは良い。娘さえ我々に取り込んでしまえばあの忌み子も手出しできんだろう」
「ならば早速、娘をここに連れて来るよう命じねばな」
司教達は名案だと言わんばかりに頷いた。全く思い通りに行かない王宮と反抗的な王太子へ報復出来る良い機会だからだ。
「その娘が忌み子と恋仲という噂があるが本当か?」
「トルスティ大司教様の打診を断りおったからな……その可能性は十分にあるな」
「もしそうであればますます利用価値があるのだが……果たして……」
「どちらにせよ、その巫女見習いの娘をこちら側に引き込めば済む話だ。好条件を提示すれば我々に大人しく従うだろう」
* * * * * *
神殿本部の貴賓室はアルムストレイム聖王国の人間でもごく一部の者しか利用できない。
その貴賓室は晩餐会が開けそうなほど広く、高い天井から吊り降ろされたシャンデリアは職人がこだわりのカットを施した水晶がふんだんに使われていて、その水晶がもたらす光の屈折はダイヤモンドのように輝いている。
室内は最高級のシルクタペストリーやテキスタイルが施され、歴史的な調度品がインテリアとして飾られている。
壁には高名な芸術家達による貴重なアート作品が飾られていて、まるで美術館にいるような錯覚を覚える。
部屋の奥にあるアルコーブには深紅を基調としたベッド置かれており、金と銀を使った豪華な装飾の錦織が飾られている。
そんな豪華絢爛な貴賓室に、二人の人物がいた。
一人は純白の布に金糸で複雑な紋様が刺繍された法衣を着た、見るからに上位の聖職者だと分かる人物──トルスティ大司教だ。
トルスティ大司教はアルコーブに置かれたベッドに寝っ転がっているもうひとりの人物に声を掛けた。
「シュルヴェステル様、いい加減良い返事をお聞かせ下さい。いつまで辺境の地で過ごすおつもりですか」
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「それは出来ませんと何度も申し上げているでしょう。例の件は本国ではまだ捜査対象なのですよ。教理聖省や教会聖省の長に見付かればどうなるか……。もしシュルヴェステル様がお戻り下されば、例の件は私が上手く処理致しますから」
「俺は何も疚しい事はしていない。だから誰が来ようとも俺の意思は変わらない。たとえそれが聖下であってもだ」
「……っ!」
シュルヴェステルの意志の強さに、トルスティ大司教は息を呑んだ。そしてこれ以上の説得は無駄だと理解する。
しかし説得でなくとも人を動かす方法はいくらでもあるのだ。
「……そうですか。どうしても首を縦に振って頂けないのであれば仕方ありません。ならば協力者をお呼びするしかありませんね」
「何……? 協力者だと?」
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「今、シュルヴェステル様が大事にしている子供達が王都にやって来ているのですよ」
「何だとっ!?」
「そして近々巫女見習いの少女をここへ召喚すると司教達が息巻いておりました。シュルヴェステル様にとっても久しぶりの再会なのでは?」
「──っ!? お前、俺がソリヤへ送った手紙を握り潰していたな!?」
シュルヴェステルはこの貴賓室に閉じ込められてから、何度かソリヤで自分の帰りを待ち侘びているであろうサラへ手紙を送っていた。
それには対象者に届くように、本人しか読めないようにする術式を施していたのだ。
「流石に開封は出来ませんが、移送の阻害であれば私にも可能ですから」
「……お前……っ!?」
「おおっと、この部屋を破壊されては困ります。それにこの部屋に施された術式はそう簡単に破ることは出来ませんよ。魔力をお収め下さい。お互い無駄な血を流す必要はないでしょう?」
「……チッ!」
悔しそうに舌打ちしたシュルヴェステルを見たトルスティ大司教は、彼が抵抗を諦めたと判断し、「では、今日のところは失礼いたしますね」と言い貴賓室から退室して行った。
その姿を忌々しげに見ていたシュルヴェステルは、頭をガシガシ掻くと、サラや子供達へと思いを馳せる。
「……よりにもよって王都とか……一体どうなってんだよ……」
シュルヴェステルはサラへの手紙に、『自分は大丈夫だから王都へは来るな』と書いていたのだ。『自分が戻るまでソリヤで待つように』、とも。
しかし手紙自体が届いていないのであれば、子供達が王都に来てしまったのも仕方がないことだろう。
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