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月の光の下で3
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「ティナが望むなら、ビュシエールの外れの土地を買うよ。そこで月下草を育てながら俺と一緒に暮らそう?」
「えっ?! はっ?! え、えぇ~~?! な、何を……っ!! え? い、一緒に? 私と……っ?!」
トールの盛大な爆弾発言に、ティナは頭の中がパニックになる。
──その言葉はまるで、プロポーズのようではないか……と。
「……あ。ごめん。つい本音が」
「本音? え?」
トールは「……しまった」と呟いて手で顔を覆うと、すぐさま気を取り直すかのように、真剣な表情でティナの前に立った。
「──好きだ、ティナ。ずっと前から君だけが好きだった。順番を間違ってしまったけれど、これからもずっと俺と一緒にいてほしい」
「……っ!!」
夜空に浮かぶ金色の月と同じ色をした瞳が、じっとティナを見つめている。
──それは、ティナを逃さないというトールの強い意志が籠っているようで。
きっと、トールはティナが逃げ出したとしても、全てを見渡す月のようにティナを見つけ、追いかけてくるのだろう──何度も何度も。
そんなトールの強い想いと、ずっと聞きたかった言葉が聞けた嬉しさで、ティナの胸が歓喜に震える。
トールが昔からティナだけを想い続けてくれていたことを、誰よりも知っていたのは自分自身なのだから。
「──うん……っ! 私もトールが好き……っ! ずっと好きだったの……っ!」
だからティナも、心からの想いをトールに伝えた。
記憶を失くす前も、失くした後も、ティナはトールが、トールだけが好きだったのだ。
この先何があってもその想いだけはずっと、ティナの胸に残り続けるだろう。
「ティナ……っ!!」
ティナの返事に感極まったトールがティナを抱きしめた。
ティナもトールの背中に手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめ返す。
ようやくお互いの想いを伝え合うことが出来た二人を、光を満たした月が照らしていた。
そして月を司る大精霊ルーアシェイアが、そんな二人に祝福を贈る。
《──我らの友に、光あれ》
ルーアシェイアの祝福は聖なる光となり、ティナとトールの周りを明るく照らし出す。
すると、光を浴びた土から芽が顔を出し、あっという間に成長して次々と蕾を開いていく。
「わぁ……っ!!」
気がつけば、月下草があたり一面に咲き乱れていた。
それはティナがずっと思い描いていた風景そのもので──。
夜空を見上げれば、光を纏った精霊たちが嬉しそうに空を舞い、月下草の香りを運ぶ風が、いたわるように二人の頬を撫でていく。そして大地が二人を、月下草の淡い光で優しく包み込んでいる。
まるで世界の全てが、祝福してくれているような光景に、ティナとトールは笑い合い、喜びながら、永遠を誓うのだった。
「えっ?! はっ?! え、えぇ~~?! な、何を……っ!! え? い、一緒に? 私と……っ?!」
トールの盛大な爆弾発言に、ティナは頭の中がパニックになる。
──その言葉はまるで、プロポーズのようではないか……と。
「……あ。ごめん。つい本音が」
「本音? え?」
トールは「……しまった」と呟いて手で顔を覆うと、すぐさま気を取り直すかのように、真剣な表情でティナの前に立った。
「──好きだ、ティナ。ずっと前から君だけが好きだった。順番を間違ってしまったけれど、これからもずっと俺と一緒にいてほしい」
「……っ!!」
夜空に浮かぶ金色の月と同じ色をした瞳が、じっとティナを見つめている。
──それは、ティナを逃さないというトールの強い意志が籠っているようで。
きっと、トールはティナが逃げ出したとしても、全てを見渡す月のようにティナを見つけ、追いかけてくるのだろう──何度も何度も。
そんなトールの強い想いと、ずっと聞きたかった言葉が聞けた嬉しさで、ティナの胸が歓喜に震える。
トールが昔からティナだけを想い続けてくれていたことを、誰よりも知っていたのは自分自身なのだから。
「──うん……っ! 私もトールが好き……っ! ずっと好きだったの……っ!」
だからティナも、心からの想いをトールに伝えた。
記憶を失くす前も、失くした後も、ティナはトールが、トールだけが好きだったのだ。
この先何があってもその想いだけはずっと、ティナの胸に残り続けるだろう。
「ティナ……っ!!」
ティナの返事に感極まったトールがティナを抱きしめた。
ティナもトールの背中に手を伸ばし、ぎゅっと抱きしめ返す。
ようやくお互いの想いを伝え合うことが出来た二人を、光を満たした月が照らしていた。
そして月を司る大精霊ルーアシェイアが、そんな二人に祝福を贈る。
《──我らの友に、光あれ》
ルーアシェイアの祝福は聖なる光となり、ティナとトールの周りを明るく照らし出す。
すると、光を浴びた土から芽が顔を出し、あっという間に成長して次々と蕾を開いていく。
「わぁ……っ!!」
気がつけば、月下草があたり一面に咲き乱れていた。
それはティナがずっと思い描いていた風景そのもので──。
夜空を見上げれば、光を纏った精霊たちが嬉しそうに空を舞い、月下草の香りを運ぶ風が、いたわるように二人の頬を撫でていく。そして大地が二人を、月下草の淡い光で優しく包み込んでいる。
まるで世界の全てが、祝福してくれているような光景に、ティナとトールは笑い合い、喜びながら、永遠を誓うのだった。
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