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大神官3
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国王からクリスティナをバカ王子の婚約者に、と打診を受けた時も大概だったが、あの時はバカ王子がクリスティナに惚れ込み、どうしてもと懇願するから渋々許可を出したのだ。それがクリスティナの幸せになるのなら、と。
正直、クリスティナが嫌がればすぐ婚約は解消させるつもりだったのだ。
しかしオスカリウスの予想に反して、クリスティナは婚約にも王妃教育にも文句を言わず、真剣に取り組み、飛躍的な成長を遂げていった。
そしてクリスティナは聖女の役目に対しても同じように取り組んだ。瘴気浄化の巡業にも協力的で、最近ではかなり瘴気が減り、王国にもようやく平穏が訪れると誰もが思っていたのだ。
オスカリウスは、クリスティナがじゃじゃ馬から淑女へと変貌していく様子に、彼女もまたこの婚約に乗り気なのだと思っていた。
──それなのに、このバカ王子はクリスティナからアンネマリーという少女に乗り換え、断罪したという。
「~~~~っ、こぉんの馬鹿もんがぁーーーーーーーーーーっ!!!!!」
「っ!? ひ、ひぃっ!!!」
「きゃあっ!!」
とうとうオスカリウスの怒りが爆発した。寧ろよく今まで堪えてきたな、と神官たちが思うほどに、オスカリウスは我慢していたのだ。
大神殿の大神官であるオスカリウスも、クリスティナほどでなくても強大な魔力を持っている。
そんなオスカリウスがブチギレ、膨大な魔力と威圧が溢れ出し、その全てがフレードリクとアンネマリーに向けられたのだ。
怒りの波動が直撃した二人はその威圧に圧倒され、尻餅をついてしまう。
二人とも顔面は蒼白で、ガタガタと身体を恐怖で震わせている。
「……あ、ああ……っ!」
「ひぃ、ひぃいいいっ!!」
腐っても王子なのだろう、フレードリクは一般人であれば失神するほどの威圧にも、ギリギリ意識を保っていた。
アンネマリーという少女の方も、バカ王子が見初めただけあって能力は高いのだろう、まだ正気を保っている。
「貴様っ!! 自分が何をしたかわかっているのかっ!! もしクリスティナ様がいらっしゃらなければ、この国は──っ、んん?!」
フレードリクに怒鳴り散らかしていたオスカリウスの視界の端に、見覚えのある光を放つ物が映る。
「──っ?! そ、それは……っ!!! 何故お前がそれを持っているっ?!」
「あ、あわわ……っ、こ、これは……っ!!」
オスカリウスが見たのは、代々聖女のみが身に着けることを許された聖具、<聖女の腕輪>であった。
「答えろっ!!! さもなくばお前の腕を切り落とすっ!!!」
「──ひッ?! フ、フレードリク様がっ!! フレードリク様が私に……っ!!」
「嘘を付くなっ!!! その腕輪はそう簡単に外れるものではないっ!! 貴様ら、もしかして無理矢理腕輪を……っ!!!」
クリスティナを害して腕輪を手に入れたのかと、一瞬想像してしまったオスカリウスの身体から、更に怒気が膨れ上がる。
正直、クリスティナが嫌がればすぐ婚約は解消させるつもりだったのだ。
しかしオスカリウスの予想に反して、クリスティナは婚約にも王妃教育にも文句を言わず、真剣に取り組み、飛躍的な成長を遂げていった。
そしてクリスティナは聖女の役目に対しても同じように取り組んだ。瘴気浄化の巡業にも協力的で、最近ではかなり瘴気が減り、王国にもようやく平穏が訪れると誰もが思っていたのだ。
オスカリウスは、クリスティナがじゃじゃ馬から淑女へと変貌していく様子に、彼女もまたこの婚約に乗り気なのだと思っていた。
──それなのに、このバカ王子はクリスティナからアンネマリーという少女に乗り換え、断罪したという。
「~~~~っ、こぉんの馬鹿もんがぁーーーーーーーーーーっ!!!!!」
「っ!? ひ、ひぃっ!!!」
「きゃあっ!!」
とうとうオスカリウスの怒りが爆発した。寧ろよく今まで堪えてきたな、と神官たちが思うほどに、オスカリウスは我慢していたのだ。
大神殿の大神官であるオスカリウスも、クリスティナほどでなくても強大な魔力を持っている。
そんなオスカリウスがブチギレ、膨大な魔力と威圧が溢れ出し、その全てがフレードリクとアンネマリーに向けられたのだ。
怒りの波動が直撃した二人はその威圧に圧倒され、尻餅をついてしまう。
二人とも顔面は蒼白で、ガタガタと身体を恐怖で震わせている。
「……あ、ああ……っ!」
「ひぃ、ひぃいいいっ!!」
腐っても王子なのだろう、フレードリクは一般人であれば失神するほどの威圧にも、ギリギリ意識を保っていた。
アンネマリーという少女の方も、バカ王子が見初めただけあって能力は高いのだろう、まだ正気を保っている。
「貴様っ!! 自分が何をしたかわかっているのかっ!! もしクリスティナ様がいらっしゃらなければ、この国は──っ、んん?!」
フレードリクに怒鳴り散らかしていたオスカリウスの視界の端に、見覚えのある光を放つ物が映る。
「──っ?! そ、それは……っ!!! 何故お前がそれを持っているっ?!」
「あ、あわわ……っ、こ、これは……っ!!」
オスカリウスが見たのは、代々聖女のみが身に着けることを許された聖具、<聖女の腕輪>であった。
「答えろっ!!! さもなくばお前の腕を切り落とすっ!!!」
「──ひッ?! フ、フレードリク様がっ!! フレードリク様が私に……っ!!」
「嘘を付くなっ!!! その腕輪はそう簡単に外れるものではないっ!! 貴様ら、もしかして無理矢理腕輪を……っ!!!」
クリスティナを害して腕輪を手に入れたのかと、一瞬想像してしまったオスカリウスの身体から、更に怒気が膨れ上がる。
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