2 / 64
2
しおりを挟む
エマ・マイヤー侯爵令嬢は15歳から18歳までの4年間ライツェンブルク学園に通う。そこでハインリヒ・エーベルハルト皇太子に出会い恋する。エマはハインリヒに想いを伝えて、二人は徐々に親密な関係になっていく。
しかし、ハインリヒには既に婚約者がいた。闇の公爵の令嬢、アンナ・ケラーだ。
ハインリヒを愛して止まないアンナは、二人の仲を引き裂こうと闇魔法を使うが、エマや彼女の周りにいる人々に見破られてしまう。それでもなお、嫉妬に狂ったアンナは二人を殺そうと試みたけれど、それも失敗に終わる。
卒業パーティの日にアンナのエマに対する数々の行為が白日のもとにさらされて、アンナはハインリヒによって断罪されてしまう。そして、アンナは魔力を封じ込める首輪をつけられて、王宮にある棟に生涯幽閉されることになる。これが、ゲームの中のハインリヒルートのトゥルーエンド。
トゥルーエンドでは、後日談としてアンナの処罰が執行されてから一年後の様子が描かれる。
エマはエンディングから間もなく、皇太子妃となった。皇太子妃となって暫くしたある日、エマは自室でロケットを見つけてしまう。それはハインリヒがいつも大事に身に付けているロケットだった。
エマが興味本位でロケットを開けてみると、そこにはアンナの肖像画が埋め込まれていた。その直後、ハインリヒが部屋に訪ねて来てしまい、エマは慌ててロケットを閉じた。
「忘れ物をしたのだけど、見なかったかな」
エマはロケットの中身について触れることなくそれを手渡した。
「よかった」
愛おしむようにロケットを撫でるハインリヒは窓の外の、アンナが幽閉されている塔を見ていた。
エマはハインリヒの隣に立って塔を見る。
"そう・・・・・・。ハインリヒ様は、まだ彼女のことを忘れられないのね。でも、そういうところも好きです。ああ、でも、いつかは、私だけを見て欲しい。そうじゃないと、私、光で闇を照らし抜いてしまいそう"
ゲームの中のエマとハインリヒは何も言わず塔を見据えて笑っていた。
しかし、ハインリヒには既に婚約者がいた。闇の公爵の令嬢、アンナ・ケラーだ。
ハインリヒを愛して止まないアンナは、二人の仲を引き裂こうと闇魔法を使うが、エマや彼女の周りにいる人々に見破られてしまう。それでもなお、嫉妬に狂ったアンナは二人を殺そうと試みたけれど、それも失敗に終わる。
卒業パーティの日にアンナのエマに対する数々の行為が白日のもとにさらされて、アンナはハインリヒによって断罪されてしまう。そして、アンナは魔力を封じ込める首輪をつけられて、王宮にある棟に生涯幽閉されることになる。これが、ゲームの中のハインリヒルートのトゥルーエンド。
トゥルーエンドでは、後日談としてアンナの処罰が執行されてから一年後の様子が描かれる。
エマはエンディングから間もなく、皇太子妃となった。皇太子妃となって暫くしたある日、エマは自室でロケットを見つけてしまう。それはハインリヒがいつも大事に身に付けているロケットだった。
エマが興味本位でロケットを開けてみると、そこにはアンナの肖像画が埋め込まれていた。その直後、ハインリヒが部屋に訪ねて来てしまい、エマは慌ててロケットを閉じた。
「忘れ物をしたのだけど、見なかったかな」
エマはロケットの中身について触れることなくそれを手渡した。
「よかった」
愛おしむようにロケットを撫でるハインリヒは窓の外の、アンナが幽閉されている塔を見ていた。
エマはハインリヒの隣に立って塔を見る。
"そう・・・・・・。ハインリヒ様は、まだ彼女のことを忘れられないのね。でも、そういうところも好きです。ああ、でも、いつかは、私だけを見て欲しい。そうじゃないと、私、光で闇を照らし抜いてしまいそう"
ゲームの中のエマとハインリヒは何も言わず塔を見据えて笑っていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる