52 / 56
29-3 私の大切な人
しおりを挟む
「ごめん、アンディ。その約束はできないわ」
「どうしてだ?」
アンディは私が断ると思っていなかったのか、驚いていた。
「また、さっきみたいな事があったら私はきっと力を使ってしまうから」
自分の人生の安寧のためにアンディを見殺しにするなんて絶対にできない。
「獣に襲われて怪我をしているあなたを黙って見ているだけなんて嫌だもの」
言っている途中でまた涙が溢れてきた。さっきの血塗れのアンディが頭に浮かんできたからだ。もう彼が大怪我を負った姿なんてみたくなかった。
「シア・・・・・・」
アンディは困り顔になって私を抱きしめた。
「俺、強くなる」
彼はぽつりと呟いた。
「今でも十分、強いよ」
私が言うと、彼は抱きしめるのをやめて私と向き合った。
「いいや。どんな獣やモンスターにも負けない、伝説の英雄のような男になるんだ」
彼にしては珍しく年相応の子どもじみた発言だった。
「物語の勇者みたいに?」
私が言うと、アンディは頷いた。いつもなら、「馬鹿馬鹿しい。夢の見過ぎだ」とでもいう態度をとるのに。
「そうだな。だから、物語のお姫様のようにシアを守らせてくれ」
「アンディ・・・・・・」
「例えどんなものであっても、俺が守ってやるから。だから、その力は使うな」
アンディの目はいつにも増して真剣だった。私が彼の事を大切に思っているように、彼もまた、私の幸せを願ってくれているんだ。
「絶対、絶対に無理しないでね」
「うん」
「私、ハッピーエンドしか認めないから。どんなに強くて悪い者と戦っても負けないって約束して。そうしてくれるなら、私はお姫様としてあなたに守られるわ」
「分かった。俺は何にも負けない。シアを心配させるような怪我もしない」
そう言うとアンディはまた小指を差し出した。私は「絶対だからね」と念を押して、指切りをした。
※
お母様が死んだ。
"野盗が家の中を荒らした末にお母様を殺して去っていった。そして、それをお父様の使いの者達が偶然にも発見した"
彼らはそう言っていたけれど、絶対、嘘に決まっている。
こんな人里離れた山の寂れた小屋を襲う野盗なんていやしない。価値のある物がないのは外観を見れば明白で、山を下ればもっと裕福な家は沢山あるのだ。それなのに、わざわざ山小屋に盗みに入るなんて、非効率的で徒労にも程があるだろう。
それに、お母様が死の間際に現れるお父様の使者なんて、タイミングがおかしすぎる。
"私とジェシカを手に入れるため、お父様はお母様を殺した"
そうとしか考えられない。
私はその事実に耐えられなくなって、その場に崩れ落ちるように座り込んだ。
「シア・・・・・・!」
心配したフェイが私の肩を撫でた。「心配かけてごめんね」と言いたかったけれど、周りの目がある。彼女は魔法で姿を消しているけれど、私が話しかけたら台無しだ。
「シアリーズ様、お可哀想に」
そう言ったお父様の使いの男は、ちっとも私を哀れんでいなかった。それどころか、薄ら笑いを浮かべている。
「まだ小さいお嬢様方は、このままここで暮らしていくわけにもいかないでしょう?」
「・・・・・・」
「さあ、ジョルネス公爵様の元に戻りましょう。そとそも、お二人にとってそこがいるべき場所なのですから」
「・・・・・・」
「シアリーズ様?」
使いの男は私をじっと見つめる。
「少しだけ、時間をちょうだい」
私は泣きたい気持ちを抑えて言った。それを聞いた男は面倒くさいとでも言いたげに顔を歪めた。
「心の整理をしたいの。お母様が死んで私も悲しいのよ。分かってもらえないかしら?」
「しかし、公爵様もお二人との再会を待ち望んでおりますので・・・・・・。奥様が亡くなったとあっては、心配でたまらないでしょうから」
いかにもそれらしい事を言ってはいるけれど、あのお父様がただで娘の心配をするはずなんてない。
「そんなに時間を取らせないから。ジェシカにここでの暮らしを終える事を説明して、お母様に黙祷する時間さえもらえればいいわ」
そうじゃなければ私はあなた達についていかない。そういう気持ちを込めて男を見据えれば、彼は溜め息を吐いた。
「いいでしょう。では、日が落ちる前までには終わらせて下さい」
「ええ。それと、ジェシカにこれ以上不安な思いをさせたくないの。だから、あなた達は小屋から離れた場所にいて」
男は難しい顔をした。
「大丈夫よ。逃げたりしないわ。子ども二人が大人の手も借りずこれから生きていけるはずないもの」
苦笑して言えば、使用人の男は小屋から出て行った。窓辺から様子を伺うと、彼は小屋から少し離れた所に立つのが見えた。これなら、フェイと話をしても聞かれることはないだろう。
「フェイ、大丈夫よ」
囁くと、フェイは警戒をしながらも姿を現した。
「シア、意地悪な父親の所に行くなんてだめよ!」
「そうね。私も行きたくないわ。・・・・・・でも、私は行かなきゃいけない」
お父様に見つかってしまったのだからここでは暮らせない。
「ねえ、シア。あいつら全員黙らせましょう」
フェイの言う"黙らせる"とは、きっと、人以外のものに形を変えさせる事だ。以前に熊に襲われた時に私が使ったあの魔法のように。
「だめよ。そんな事をしても、お父様は別の人間を寄越すだけで解決しないわ」
「それならまた黙らせればいいの。私の力の心配をしてるの? それなら無用だわ。私はティターニアなんですもの。シアも私の力を知っているでしょう?」
「勿論よ」
フェイはここ最近、ティターニアになったばかりだ。しかし、それでもティターニアとなった彼女の強さは契約を結んでいる私には目に見えて分かった。
「でも、お父様はいくらでも人を寄越すわ。フェイがどれだけの人間を人間でなくしても、お父様にとっては痛くも痒くもないでしょうから」
お父様は人の心がないから。誰が死のうとどんなに辛い想いをしようと、自分の欲望を優先させる。城にいた頃の私は今よりももっと幼かったけれど、それでも、そんなお父様の行動が脳裏に焼き付いていた。
「それに、お父様はきっと嘘を吐いて周りを味方につけようとするはず」
賢いフェイは私の言いたい事をすぐに理解してくれた。
「まさか、人間対妖精という構図を作って、戦争するとでもいうの?」
「私はそう思ってる。モンスター討滅部隊がやってきてこの山々を荒らすに違いないって」
返事をすると、フェイは難しい顔で俯いた。
きっと彼女は、自分の行動一つで仲間の平穏な日々が崩れる事を恐れているのだ。
「私はそんな事はあって欲しくないの」
「でも・・・・・・」
「私のせいでこの地域に住むフェイや他の妖精達、それからアンディ達にも危険が降り掛かって欲しくない!」
だから、危険の目は全て摘んでおこう。
私が神聖力を既に発現させていて、その上、妖精の力まで持っているとお父様に知られたら・・・・・・。何をさせられるか分かったものじゃない。
でも、お父様の意思に反して使わないと拒否をすれば、お父様はきっと強引な手を使うだろう。フェイやアンディの存在を知れば、彼らを人質に取るような真似をしてくるに決まっている。その過程で、二人の身に危険がないとは言い切れない。
━━そうならないように、全部忘れよう。
ここでの暮らしを全て忘れてしまおう。神聖力を発現させた事も、妖精の力を手に入れた事も、全部なかった事にするんだ。そうすれば、フェイやアンディを危険に晒さないで済む。
だから、私は言った。
「フェイ、私に忘却の魔法を掛けて」
私がそう言うと、フェイは目を丸くした。
「どうしてだ?」
アンディは私が断ると思っていなかったのか、驚いていた。
「また、さっきみたいな事があったら私はきっと力を使ってしまうから」
自分の人生の安寧のためにアンディを見殺しにするなんて絶対にできない。
「獣に襲われて怪我をしているあなたを黙って見ているだけなんて嫌だもの」
言っている途中でまた涙が溢れてきた。さっきの血塗れのアンディが頭に浮かんできたからだ。もう彼が大怪我を負った姿なんてみたくなかった。
「シア・・・・・・」
アンディは困り顔になって私を抱きしめた。
「俺、強くなる」
彼はぽつりと呟いた。
「今でも十分、強いよ」
私が言うと、彼は抱きしめるのをやめて私と向き合った。
「いいや。どんな獣やモンスターにも負けない、伝説の英雄のような男になるんだ」
彼にしては珍しく年相応の子どもじみた発言だった。
「物語の勇者みたいに?」
私が言うと、アンディは頷いた。いつもなら、「馬鹿馬鹿しい。夢の見過ぎだ」とでもいう態度をとるのに。
「そうだな。だから、物語のお姫様のようにシアを守らせてくれ」
「アンディ・・・・・・」
「例えどんなものであっても、俺が守ってやるから。だから、その力は使うな」
アンディの目はいつにも増して真剣だった。私が彼の事を大切に思っているように、彼もまた、私の幸せを願ってくれているんだ。
「絶対、絶対に無理しないでね」
「うん」
「私、ハッピーエンドしか認めないから。どんなに強くて悪い者と戦っても負けないって約束して。そうしてくれるなら、私はお姫様としてあなたに守られるわ」
「分かった。俺は何にも負けない。シアを心配させるような怪我もしない」
そう言うとアンディはまた小指を差し出した。私は「絶対だからね」と念を押して、指切りをした。
※
お母様が死んだ。
"野盗が家の中を荒らした末にお母様を殺して去っていった。そして、それをお父様の使いの者達が偶然にも発見した"
彼らはそう言っていたけれど、絶対、嘘に決まっている。
こんな人里離れた山の寂れた小屋を襲う野盗なんていやしない。価値のある物がないのは外観を見れば明白で、山を下ればもっと裕福な家は沢山あるのだ。それなのに、わざわざ山小屋に盗みに入るなんて、非効率的で徒労にも程があるだろう。
それに、お母様が死の間際に現れるお父様の使者なんて、タイミングがおかしすぎる。
"私とジェシカを手に入れるため、お父様はお母様を殺した"
そうとしか考えられない。
私はその事実に耐えられなくなって、その場に崩れ落ちるように座り込んだ。
「シア・・・・・・!」
心配したフェイが私の肩を撫でた。「心配かけてごめんね」と言いたかったけれど、周りの目がある。彼女は魔法で姿を消しているけれど、私が話しかけたら台無しだ。
「シアリーズ様、お可哀想に」
そう言ったお父様の使いの男は、ちっとも私を哀れんでいなかった。それどころか、薄ら笑いを浮かべている。
「まだ小さいお嬢様方は、このままここで暮らしていくわけにもいかないでしょう?」
「・・・・・・」
「さあ、ジョルネス公爵様の元に戻りましょう。そとそも、お二人にとってそこがいるべき場所なのですから」
「・・・・・・」
「シアリーズ様?」
使いの男は私をじっと見つめる。
「少しだけ、時間をちょうだい」
私は泣きたい気持ちを抑えて言った。それを聞いた男は面倒くさいとでも言いたげに顔を歪めた。
「心の整理をしたいの。お母様が死んで私も悲しいのよ。分かってもらえないかしら?」
「しかし、公爵様もお二人との再会を待ち望んでおりますので・・・・・・。奥様が亡くなったとあっては、心配でたまらないでしょうから」
いかにもそれらしい事を言ってはいるけれど、あのお父様がただで娘の心配をするはずなんてない。
「そんなに時間を取らせないから。ジェシカにここでの暮らしを終える事を説明して、お母様に黙祷する時間さえもらえればいいわ」
そうじゃなければ私はあなた達についていかない。そういう気持ちを込めて男を見据えれば、彼は溜め息を吐いた。
「いいでしょう。では、日が落ちる前までには終わらせて下さい」
「ええ。それと、ジェシカにこれ以上不安な思いをさせたくないの。だから、あなた達は小屋から離れた場所にいて」
男は難しい顔をした。
「大丈夫よ。逃げたりしないわ。子ども二人が大人の手も借りずこれから生きていけるはずないもの」
苦笑して言えば、使用人の男は小屋から出て行った。窓辺から様子を伺うと、彼は小屋から少し離れた所に立つのが見えた。これなら、フェイと話をしても聞かれることはないだろう。
「フェイ、大丈夫よ」
囁くと、フェイは警戒をしながらも姿を現した。
「シア、意地悪な父親の所に行くなんてだめよ!」
「そうね。私も行きたくないわ。・・・・・・でも、私は行かなきゃいけない」
お父様に見つかってしまったのだからここでは暮らせない。
「ねえ、シア。あいつら全員黙らせましょう」
フェイの言う"黙らせる"とは、きっと、人以外のものに形を変えさせる事だ。以前に熊に襲われた時に私が使ったあの魔法のように。
「だめよ。そんな事をしても、お父様は別の人間を寄越すだけで解決しないわ」
「それならまた黙らせればいいの。私の力の心配をしてるの? それなら無用だわ。私はティターニアなんですもの。シアも私の力を知っているでしょう?」
「勿論よ」
フェイはここ最近、ティターニアになったばかりだ。しかし、それでもティターニアとなった彼女の強さは契約を結んでいる私には目に見えて分かった。
「でも、お父様はいくらでも人を寄越すわ。フェイがどれだけの人間を人間でなくしても、お父様にとっては痛くも痒くもないでしょうから」
お父様は人の心がないから。誰が死のうとどんなに辛い想いをしようと、自分の欲望を優先させる。城にいた頃の私は今よりももっと幼かったけれど、それでも、そんなお父様の行動が脳裏に焼き付いていた。
「それに、お父様はきっと嘘を吐いて周りを味方につけようとするはず」
賢いフェイは私の言いたい事をすぐに理解してくれた。
「まさか、人間対妖精という構図を作って、戦争するとでもいうの?」
「私はそう思ってる。モンスター討滅部隊がやってきてこの山々を荒らすに違いないって」
返事をすると、フェイは難しい顔で俯いた。
きっと彼女は、自分の行動一つで仲間の平穏な日々が崩れる事を恐れているのだ。
「私はそんな事はあって欲しくないの」
「でも・・・・・・」
「私のせいでこの地域に住むフェイや他の妖精達、それからアンディ達にも危険が降り掛かって欲しくない!」
だから、危険の目は全て摘んでおこう。
私が神聖力を既に発現させていて、その上、妖精の力まで持っているとお父様に知られたら・・・・・・。何をさせられるか分かったものじゃない。
でも、お父様の意思に反して使わないと拒否をすれば、お父様はきっと強引な手を使うだろう。フェイやアンディの存在を知れば、彼らを人質に取るような真似をしてくるに決まっている。その過程で、二人の身に危険がないとは言い切れない。
━━そうならないように、全部忘れよう。
ここでの暮らしを全て忘れてしまおう。神聖力を発現させた事も、妖精の力を手に入れた事も、全部なかった事にするんだ。そうすれば、フェイやアンディを危険に晒さないで済む。
だから、私は言った。
「フェイ、私に忘却の魔法を掛けて」
私がそう言うと、フェイは目を丸くした。
1
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました
柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」
結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。
「……ああ、お前の好きにしろ」
婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。
ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。
いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。
そのはず、だったのだが……?
離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる