【R-18/番外編】この狂った世界で私達はささやかな幸せを求める

花草青依

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私の知らないティア

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 望みのものを与えてやるとティアは歓喜の叫びにも似た喘ぎ声をだした。

 ━━ああ。これこそかわいい私のティアだ。

 求めていたものが漸く手に入ったような感覚に陥る。

 ━━私のティアに知性なんていらない。快楽に弱く私に守られることに喜びを覚える愚かな女であるべきだ。

 腰を動かして彼女の中を乱していく。
「あぅ、あっ、あっ」
 私の腰の動きに合わせてティアは淫靡な声で鳴いた。
「お前には知性も理性もいらないよ」
「あん、んんっ、あっ、あっ」
 ティアを抱きしめてやると、彼女は私の背中に腕を回し、脚で腰を締めてきた。
 密着されて動きにくいけど、ティアの柔らかな肌を感じられるから悪くない。
「んあっ、あんっ、んっ」
 ティアは絶え間なく喘ぎ続け、私のものを締め付けてくる。
「あっ、あぅ」
 彼女の奥にぐりぐりと私のものを押し付けると、ティアの中はびくびくと震えだした。
「欲しいんだね。望みのものをあげるよ」
 腰の動きを早めてティアの良いところを狙ってやると、彼女は一際大きな声で喘いだ。
「あぅ! うっ !あんっ!」
 そして、ティアは頭の中で「イク!」と叫んでいた。
「イきたいのなら、ちゃんと口に出して言ってみせて?」
 命令の声は彼女の耳に届いたらしい。
「イきたい! イきたいですっ! あっ、イ、イクっ・・・・・・!」
 その声とともにティアの中は激しく痙攣を起こした。それによって私はティアの中に精を吐き出させられた。

 私のものをティアの中から抜くと、ティアは意識を失った。その寝顔は少女のように無垢で、さっきまで淫らに鳴いていた女とは思えない。
 私はティアの隣に寝転ぶと彼女を抱き寄せて目を閉じた。







 目が覚めたらティアが隣にいなかった。ベッドの周りには彼女の衣服がない。どこに行ったのかと、意識を集中させて彼女の居場所を探る。
「図書室か」
 そこは最近の彼女にとって、お気に入りの場所だった。字が読めない癖によく飽きもせずに通えるなと思う。
 私は伸びをするとベッドから降りて衣服を整えた。服がはだけていたり、着ていなかったりすればティアが怒って面倒だ。鏡でチェックを終えると、私は彼女のいる図書室へと向かった。

 図書室は、この屋敷の本来の主の知性に似合わず立派なものだった。広い部屋には大きな本棚がいくつもあり、そこに本が埋め尽くされている。ぱっと見た限り50万冊はゆうに超えていると思われる。
 ティアはそんな図書室の奥の、灯りの乏しい場所にいた。彼女は地べたに座り、床に大きな本を広げて見ていた。
 静かに歩いていたが、静寂に包まれている図書室の中は音がよく響いた。ティアは私の足音にすぐに気づいて顔を上げた。
「また絵を見ているのかい?」
 私は彼女の横に座り込むと言った。
「ええ」
 ティアはそう言うだけのつまらない反応をした。仕方ないから彼女の見ている本を覗いてみた。

 その絵には私達、神々が描かれていた。シトレディスにフレディア、アレスとイリス、ナーシャにファーダ、そして私がいた。
 ただ、私達は奇妙な構図によって描かれていた。上に大きく描かれたシトレディスと、それにひれ伏す他の神々。それに加えて、絵の中で着ている私達の服はシトレディスの物と比べて随分と貧相に見えた。

 ━━悪意のある絵だな。

 隣のページに綴られている文字は現代語だから、私達が読む事はできない。
 だが、書かれているであろう内容は想像がつく。

 "唯一神シトレディスとそれに従う彼女の下僕の天界の存在。彼らがこの世界を創造した"

 古代文字で綴られた書物には、歪められた歴史が記されていた。
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