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第265話 詰問
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カラカラの大地、巨大な穴。
ミースェとヘンドリを結ぶ街道の南、シキロの北。
そこに存在していた筈の森は、変わり果てた姿で。
クライスの前に横たわる。
セメリトの消滅を空中で見届けた後、ロッシェ達が次々と地面へ辿り着く。
それぞれの背中に付いていたパラシュートを『シュンッ!』と消して。
クライスは、降下直後のロッシェ達へと歩み寄る。
余りの光景に、クライスに対して恐れをなすルーシェ。
その右肩にちょこんと乗っかり、耳元でリリィが囁く。
『落ち着いて。恐怖は判断を鈍らせる。』
おどおどしながらも、クライスを冷静に見つめるルーシェ。
すると自然に、恐怖感が薄れて行く。
どうやらただ、目の前で起こった事を認めたく無かっただけの様だ。
自分のせいで彼を戦わせ、結果広大な森を失ってしまった。
そう考える心から発せられた、懺悔の念。
しかしクライスは、澄んだ目をしている。
あなたの責任では無い。
そう訴えるかの様に。
同じ目付きで、フェイレンの方も見る。
お前は負の魔力のせいで暴走しただけ。
目の前の光景が、自らが齎した災厄と考えるなら。
ここで、森の再生に尽くすが良い。
クライスのそう言った意図が、フェイレンにも通じたらしい。
もうしょんぼりした雰囲気は、この魔物の周りから消えていた。
「取り敢えず、ここでの決着は着いた様だけど……。」
これからの事を話し合いたいロッシェ。
森だった地域は、魔力を完全に失ったのか。
生き物の居た痕跡が無い。
これから生まれるとも思えない。
後ろ髪を引かれる思いだが、早くここを離れてヘンドリへと向かいたい。
姉さんの候補は、あちらにも居るのだ。
思わず『姉さん!』と連呼してしまったが、まだ確証が無い。
ロッシェのそんな心中を察して。
まずクライスが、優しい口調でルーシェに尋ねる。
「あなたの名前は〔ルーシェ〕、間違い無いですね?」
「は、はい。」
ビクビクしながら返事をするルーシェ。
『何を聞かれるのか』と、緊張していた。
クライスが続ける。
「奴隷として買われ、ケミーヤ教の元で働かされていた。これも、そうですね?」
「はい。今まで、ずっと。」
「買われる以前の記憶は有りますか?」
「はい。ええと……。」
そこで前の記憶を思い出そうとするが。
緊張の余り焦っているのか、中々思い出せない。
『結構ですよ』とクライスが声を掛け、ルーシェへの質問は一旦終わる。
次に、ロッシェへ。
「アクアライトを発動させた時、どんな状況だった?」
「宝石に手を重ねて『頼む!』って叫んだんだ。そうしたら水が『ドバーッ!』と……。」
「最初の発動時か?」
「いや、2度目だ。最初は気が動転していて、慌ててたから。その時、背負ってた姉さんが手を……。」
「私が?」
ルーシェが反応する。
その時の事を覚えていないのだ。
ロッシェが言う。
「そうなんだ。姉さんが俺の右手を掴んだと思ったら、グッと引っ張られて。指輪を握ったんだ。」
「え?そうなんですか?」
「やっぱり記憶が無いんだな。ボーッとしていたみたいだし。でも変だったんだよなあ。」
「変わった事が有ったのか?」
今度はクライスが反応。
ロッシェが答える。
「俺の腕を引っ張る時、凄い力だったんだ。女性とは思えない位の。」
「ほうほう。」
クライスは頷く。
そこでフェイレンが口を挟む。
「俺がこの娘から感じている〔水の精霊の気配〕は、関係有るかな?」
「そうなのか?」
クライスが返す。
コクンと頷くフェイレン。
リリィも続いて話す。
「余剰の魔力を抱えていた状態で、ルーシェの身体へ触れた時。噴き出す様に、それが外へ抜け出たんだ。それも関係が?」
「そんな事も有ったのか。ふむふむ。」
クライスが考え込む。
1分程経過した後、ポンとクライスは手を叩く。
頭の中で解決したらしい。
ゴクリと唾を呑み込んで。
クライスの意見を聞く体制を取る、ロッシェ達。
『彼女がロッシェの姉かどうかは分からないが』と前置きして、クライスが語る。
「酷な言い方だけど、ルーシェ。あなたは【人間では無い】みたいだ。」
「う、嘘だ!」
そう叫んだのは、ロッシェ。
薄々気付いていたのかも知れない。
でも認める訳には行かなかった。
それは『俺の姉さんでは無い』と認める事になる。
折角掴んだ手掛かりなのに。
失いたく無かった。
次に声を発したのは、ルーシェ。
「私が……人間じゃ……無い……?」
信じられないと言った表情。
当然だ。
誰から見ても、人間だ。
触れる事も、会話する事も出来る。
何より、そう指摘したクライスが認識出来ているのだ。
幽霊とか、そう言った類では無い。
なのに、何故否定するの……?
頭の中がグルグル回りそうになる、ルーシェの頬を。
ペチンとリリィが叩く。
「しっかりしないか!彼の言葉は、まだ続きがあるぞ!」
リリィの言葉にハッとし、我に返るルーシェ。
そうだ。
その根拠を聞いていない。
ルーシェがクライスに尋ねる。
「どうしてそう思うんですか?」
「魔力を受け付けない身体、なのに水の精霊の力を行使出来る。そして……。」
「そして?」
「思い出せないのは、《ケミーヤ教の元で働き始める前の事全て》。違いますか?」
「そ、それは……。」
困惑するルーシェ。
リリィが代わりに答える。
「この娘は『奴隷として買われた』と話していたが?」
「何処で?人生に関わる、それだけの強烈な体験なら。たとえ小さい頃でも、地名ははっきり覚えている筈だけど?」
「う、うーむ……。」
確かにそこは引っ掛かっていた。
だからリリィもつい、黙り込んでしまう。
ロッシェは凄い剣幕で、クライスに迫る。
「何がしたいんだ!姉さんを困らせたいだけか!」
「落ち着け、ロッシェ。これは《この地域を元に戻す為》にも必要なんだ。」
「『元に戻す』だって!」
そんなの出来っこ無い。
こんな華奢な体なのに。
姉さんに、そんな力は備わっていない。
ロッシェの意見に、リリィも賛同する。
「それは流石に無謀なのでは……。」
「いや。彼女の正体をはっきりさせ、本人に自覚をさせる。そこが重要なんだ。」
彼女の力が必要。
クライスはそう力説する。
周りを納得させるには、更に言葉を要した。
クライスはその為に、或る見解を述べる。
「彼女は確かに『ルーシェ』だ。〔ルーシェと言う人の意識〕が一部分離して、水の精霊と混ざり合った。彼女はそうやって生まれた存在なんだ。」
ミースェとヘンドリを結ぶ街道の南、シキロの北。
そこに存在していた筈の森は、変わり果てた姿で。
クライスの前に横たわる。
セメリトの消滅を空中で見届けた後、ロッシェ達が次々と地面へ辿り着く。
それぞれの背中に付いていたパラシュートを『シュンッ!』と消して。
クライスは、降下直後のロッシェ達へと歩み寄る。
余りの光景に、クライスに対して恐れをなすルーシェ。
その右肩にちょこんと乗っかり、耳元でリリィが囁く。
『落ち着いて。恐怖は判断を鈍らせる。』
おどおどしながらも、クライスを冷静に見つめるルーシェ。
すると自然に、恐怖感が薄れて行く。
どうやらただ、目の前で起こった事を認めたく無かっただけの様だ。
自分のせいで彼を戦わせ、結果広大な森を失ってしまった。
そう考える心から発せられた、懺悔の念。
しかしクライスは、澄んだ目をしている。
あなたの責任では無い。
そう訴えるかの様に。
同じ目付きで、フェイレンの方も見る。
お前は負の魔力のせいで暴走しただけ。
目の前の光景が、自らが齎した災厄と考えるなら。
ここで、森の再生に尽くすが良い。
クライスのそう言った意図が、フェイレンにも通じたらしい。
もうしょんぼりした雰囲気は、この魔物の周りから消えていた。
「取り敢えず、ここでの決着は着いた様だけど……。」
これからの事を話し合いたいロッシェ。
森だった地域は、魔力を完全に失ったのか。
生き物の居た痕跡が無い。
これから生まれるとも思えない。
後ろ髪を引かれる思いだが、早くここを離れてヘンドリへと向かいたい。
姉さんの候補は、あちらにも居るのだ。
思わず『姉さん!』と連呼してしまったが、まだ確証が無い。
ロッシェのそんな心中を察して。
まずクライスが、優しい口調でルーシェに尋ねる。
「あなたの名前は〔ルーシェ〕、間違い無いですね?」
「は、はい。」
ビクビクしながら返事をするルーシェ。
『何を聞かれるのか』と、緊張していた。
クライスが続ける。
「奴隷として買われ、ケミーヤ教の元で働かされていた。これも、そうですね?」
「はい。今まで、ずっと。」
「買われる以前の記憶は有りますか?」
「はい。ええと……。」
そこで前の記憶を思い出そうとするが。
緊張の余り焦っているのか、中々思い出せない。
『結構ですよ』とクライスが声を掛け、ルーシェへの質問は一旦終わる。
次に、ロッシェへ。
「アクアライトを発動させた時、どんな状況だった?」
「宝石に手を重ねて『頼む!』って叫んだんだ。そうしたら水が『ドバーッ!』と……。」
「最初の発動時か?」
「いや、2度目だ。最初は気が動転していて、慌ててたから。その時、背負ってた姉さんが手を……。」
「私が?」
ルーシェが反応する。
その時の事を覚えていないのだ。
ロッシェが言う。
「そうなんだ。姉さんが俺の右手を掴んだと思ったら、グッと引っ張られて。指輪を握ったんだ。」
「え?そうなんですか?」
「やっぱり記憶が無いんだな。ボーッとしていたみたいだし。でも変だったんだよなあ。」
「変わった事が有ったのか?」
今度はクライスが反応。
ロッシェが答える。
「俺の腕を引っ張る時、凄い力だったんだ。女性とは思えない位の。」
「ほうほう。」
クライスは頷く。
そこでフェイレンが口を挟む。
「俺がこの娘から感じている〔水の精霊の気配〕は、関係有るかな?」
「そうなのか?」
クライスが返す。
コクンと頷くフェイレン。
リリィも続いて話す。
「余剰の魔力を抱えていた状態で、ルーシェの身体へ触れた時。噴き出す様に、それが外へ抜け出たんだ。それも関係が?」
「そんな事も有ったのか。ふむふむ。」
クライスが考え込む。
1分程経過した後、ポンとクライスは手を叩く。
頭の中で解決したらしい。
ゴクリと唾を呑み込んで。
クライスの意見を聞く体制を取る、ロッシェ達。
『彼女がロッシェの姉かどうかは分からないが』と前置きして、クライスが語る。
「酷な言い方だけど、ルーシェ。あなたは【人間では無い】みたいだ。」
「う、嘘だ!」
そう叫んだのは、ロッシェ。
薄々気付いていたのかも知れない。
でも認める訳には行かなかった。
それは『俺の姉さんでは無い』と認める事になる。
折角掴んだ手掛かりなのに。
失いたく無かった。
次に声を発したのは、ルーシェ。
「私が……人間じゃ……無い……?」
信じられないと言った表情。
当然だ。
誰から見ても、人間だ。
触れる事も、会話する事も出来る。
何より、そう指摘したクライスが認識出来ているのだ。
幽霊とか、そう言った類では無い。
なのに、何故否定するの……?
頭の中がグルグル回りそうになる、ルーシェの頬を。
ペチンとリリィが叩く。
「しっかりしないか!彼の言葉は、まだ続きがあるぞ!」
リリィの言葉にハッとし、我に返るルーシェ。
そうだ。
その根拠を聞いていない。
ルーシェがクライスに尋ねる。
「どうしてそう思うんですか?」
「魔力を受け付けない身体、なのに水の精霊の力を行使出来る。そして……。」
「そして?」
「思い出せないのは、《ケミーヤ教の元で働き始める前の事全て》。違いますか?」
「そ、それは……。」
困惑するルーシェ。
リリィが代わりに答える。
「この娘は『奴隷として買われた』と話していたが?」
「何処で?人生に関わる、それだけの強烈な体験なら。たとえ小さい頃でも、地名ははっきり覚えている筈だけど?」
「う、うーむ……。」
確かにそこは引っ掛かっていた。
だからリリィもつい、黙り込んでしまう。
ロッシェは凄い剣幕で、クライスに迫る。
「何がしたいんだ!姉さんを困らせたいだけか!」
「落ち着け、ロッシェ。これは《この地域を元に戻す為》にも必要なんだ。」
「『元に戻す』だって!」
そんなの出来っこ無い。
こんな華奢な体なのに。
姉さんに、そんな力は備わっていない。
ロッシェの意見に、リリィも賛同する。
「それは流石に無謀なのでは……。」
「いや。彼女の正体をはっきりさせ、本人に自覚をさせる。そこが重要なんだ。」
彼女の力が必要。
クライスはそう力説する。
周りを納得させるには、更に言葉を要した。
クライスはその為に、或る見解を述べる。
「彼女は確かに『ルーシェ』だ。〔ルーシェと言う人の意識〕が一部分離して、水の精霊と混ざり合った。彼女はそうやって生まれた存在なんだ。」
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