254 / 320
第254話 ベイスの妻も、また
しおりを挟む
黙々と、破壊した街道の修復に当たるウォベリ軍。
その中に、ヅオウ軍の兵士の姿も有った。
彼等は拘束される事も無く、修復に協力している。
ここで見た悪夢を忘れ去ろうと、作業に没頭していた。
シュウと言えば。
ケミーヤ教の行いに関する重要な証人として、ミースェへ連れて行かれたが。
丁重にもてなされる客人扱い。
シュウの故郷が『ヘルメシアにもグスターキュにも属していない』と言う点を、配慮しての事だった。
これ以上外交問題を広げては、陛下の心中を害するだけ。
ジェードとナーツェが協議しての結論。
勿論、クライスからのアドバイスも有ったが。
結局、ヅオウ軍の処置は。
領地へ戻る事を希望する者に対して、それを許した。
捕虜として抱えても、負担が増すだけ。
食糧等の確保は、辺境の地としては難しい状況。
しかも相手は、敵意無くこちらに従順。
このまま返しても、脅威とはならない。
話し合いの結果、そう判断された。
兵士への処置はそれで良い。
問題は、騎士であるベイス。
ナラム家に雇われ同然だったとは言え、司令官としての地位を見過ごす訳には行かない。
しかし、ヘンドリでの活動をざっくりと聞いて。
ロッシェは『許してやって欲しい』と申し出る。
何か特別な事情が有ると考えたのだ。
あんな物騒な町に、好き好んで移って来る筈が無い。
曽て暮らしていた自分だからこそ、そう思える。
ベイスの話から、ヘンドリは。
荒みに荒んだ結果、落ちる所まで行き着いて。
裸同然となっていたらしい。
何とか町を再生して、住み易くしよう。
そう努力していた最中の、今回の事件。
ベイスの心意気と働きに、何らかの形で報いたいとロッシェは考えた。
その点では、クライスも同意。
ここでベイスに処分を科しては、ヅオウへ戦いの大義名分を与え。
後々、争いの火種となるかも知れない。
穏便に済ませた方が、ウォベリ側への利と成る。
クライスはそう助言した。
説明に納得するナーツェ。
でもそのまま返す訳には行かないので、数人を監視として同行させる事に。
寛大な処置に、涙するベイス。
ロッシェへ感謝の意を述べる。
「ありがとう!これで妻の【ルーシェ】とも離れずに済む……!」
「え?あんたの奥さんもルーシェって言うのか?」
「ああ。とある場所で知り合って、そのまま成り行きで……。」
「何処だ!知り合ったってのは!」
「な、何だ?」
急変するロッシェの態度に、目を丸くするベイス。
クライスが横から口を挟む。
「こいつ、奴隷として買われて行った姉を探してるんです。あなたの奥さんと同じ名前の。」
「そうですか、そう言う事情が……。」
クライスの説明で、状況を理解するベイス。
『ならば』とベイスは、ロッシェに話す。
その場所とは。
「〔メンティ〕と言う地名だったが。トンネルが開通した後その存在を消され、今は確かスコンティへ組み込まれた筈……。」
「トンネルの……入り口!」
驚くロッシェ。
ベイスが続ける。
「俺は元々、メンティを治める騎士様にお仕えしていたんだ。しかし……。」
「トンネル工事が始まった、ですね?」
クライスが相槌を打つ。
そこから、ベイスの過去話が始まる。
トンネル設置の条件に合致するのが、偶々そこだった。
ある日、仕える騎士から現場監督を仰せ付かり。
度々進捗状況を見回っていた。
そこで働いていた小間使いの少女達の中に、現在の妻が居た。
出会いは、本当に偶然だった。
トンネル完成後の事。
口封じの為に、少女達が殺されそうになった。
この工事は、極秘の作戦。
一定以上の階級の者を除き、関わった人間を消し去るのは。
リスク回避に有効。
当然の成り行き。
しかし自分は、その行為に反対だった。
変な奴が訪れて、少女の内【誰か】を連れ帰った後に。
そいつが部下へ命じていたらしい。
余程階級が高かったのか、あっさりとそれは通った。
『納得行かない』と、騎士達に逆らって。
少女達をこっそり逃がす方法が無いか画策した。
何とかそれは成功したが、裏切り行為には違いない。
自分も追われる身となった。
その逃避行に、何故か付いて来た少女が居た。
自分の中に、『大事な人の面影を見た』と言う。
そんな事を面と向かって言われては、突き放す事も出来ない。
こうして2人の旅は始まり、暫く放浪が続いた。
その過程で、2人は夫婦と成り。
安住の地を求める様になる。
そんな或る時。
ガティに在った、検問所の様な場所で。
ヘンドリへの移住を持ち掛けられた。
それがチンパレ家の運営する派遣業者だと知ったのは、移り住んで来た後。
一応騎士であったので、ナラム家はそれなりの待遇を用意していた。
ヘンドリの警護を命ぜられ、ここで一生を終えるつもりだった。
今考えると、単なる捨て駒だったのかも知れない。
実際、こんな状況に陥ったのだから。
『盾位には成る』と思われたのだろう。
つい最近、大軍を伴って。
ナラム家当主のパップが、南へ進軍して行った時。
『しっかり守れよ』と言い残して行ったが。
守る対象は町や民では無く、別のモノだった。
この戦いで漸く、それが分かった。
自分が毛嫌いしていたケミーヤ教と、その本拠地だった事を。
だから安心している。
壊滅したと聞いて。
これでやっと、重い鎖の様な悪しき呪縛から解き放たれるだろう。
ヅオウも、そこで暮らす民も。
ベイスの話が終わる。
前にエミルが欲した答えが、そこにはあった。
妖精がトンネルで抱いた疑問など、クライス達には知る由も無かったが。
聞き終わると同時に、ロッシェが念を押す。
「奥さんは確かに、ルーシェと名乗ってるんだな?」
「ああ。偶然にも、『ヅオウは私の故郷なの』とも話していた。だからここへ移住する事を決めたのだ。」
ベイスの答えに、ロッシェは迷う。
姉さんの可能性が有る女性。
それが一度に2人も現れた。
1人はヘンドリの町に。
1人は南方の森に。
何方も違うかも知れない。
しかし確かめずにはいられない。
どっちへ行く?
俺はどうしたら良い?
答えをクライスに求め、ジッと見つめるが。
クライスは首を横に振る。
自分で決めろ。
至極当然の態度。
クライスは既に、次の行動を決めている様だ。
動く準備をし始めている。
うーん……。
考えた挙句、ロッシェは決めた。
「クライス。」
「ん?」
「あいつ等を追い駆けるんだろう?南の森へ。俺も行くよ。」
「良いのか?」
「ああ。会う機会を逃すとしたら、そっちの方が高いからな。」
「賢明な判断だ。ヘンドリの方は、彼等に任せよう。」
そう言って、クライスはジェードの方を見やる。
お任せを!
そう言いた気に、クライスの視線に対して静かに頷くジェード。
彼等には、デンドに居るであろうケミーヤ教の残党の処理も頼んである。
幹部が逃げ、あいつ等も相当追い詰められている。
賢者の石を操るレベルだろうから、こちらも高レベルの錬金術師を向かわせた方が良い。
テューアを守って来た程の腕だ、油断さえしなければまず抑えられる。
一方で不安要素も有る。
『報酬を渡せ』と、理不尽にも。
留守中のナラム家へ押しかけている事だろう、尻尾を曲げて逃げ帰った傭兵達。
貰う物を貰って、事がバレない内に退散。
奴等の考える事は、手に取る様に分かる。
そこへ残党が付け込んで、取り込む可能性が有る。
あらゆる事象に対応出来る様、かなり強くジェード達には言い聞かせた。
クライスの、その熱の入れ様。
『期待されているのだ』と、錬金術師達は自覚する。
クライスはただ、『何事も無く、無事に済めば良い』と思っての事だったのだが。
良い方に勘違いするなら、気にしない。
それぞれのこれからが定まった。
クライスとロッシェは、南方へ向かう準備が整い。
ジェード達を残し、早々に街道を立ち去る。
その頃、森に墜落した者達は……。
その中に、ヅオウ軍の兵士の姿も有った。
彼等は拘束される事も無く、修復に協力している。
ここで見た悪夢を忘れ去ろうと、作業に没頭していた。
シュウと言えば。
ケミーヤ教の行いに関する重要な証人として、ミースェへ連れて行かれたが。
丁重にもてなされる客人扱い。
シュウの故郷が『ヘルメシアにもグスターキュにも属していない』と言う点を、配慮しての事だった。
これ以上外交問題を広げては、陛下の心中を害するだけ。
ジェードとナーツェが協議しての結論。
勿論、クライスからのアドバイスも有ったが。
結局、ヅオウ軍の処置は。
領地へ戻る事を希望する者に対して、それを許した。
捕虜として抱えても、負担が増すだけ。
食糧等の確保は、辺境の地としては難しい状況。
しかも相手は、敵意無くこちらに従順。
このまま返しても、脅威とはならない。
話し合いの結果、そう判断された。
兵士への処置はそれで良い。
問題は、騎士であるベイス。
ナラム家に雇われ同然だったとは言え、司令官としての地位を見過ごす訳には行かない。
しかし、ヘンドリでの活動をざっくりと聞いて。
ロッシェは『許してやって欲しい』と申し出る。
何か特別な事情が有ると考えたのだ。
あんな物騒な町に、好き好んで移って来る筈が無い。
曽て暮らしていた自分だからこそ、そう思える。
ベイスの話から、ヘンドリは。
荒みに荒んだ結果、落ちる所まで行き着いて。
裸同然となっていたらしい。
何とか町を再生して、住み易くしよう。
そう努力していた最中の、今回の事件。
ベイスの心意気と働きに、何らかの形で報いたいとロッシェは考えた。
その点では、クライスも同意。
ここでベイスに処分を科しては、ヅオウへ戦いの大義名分を与え。
後々、争いの火種となるかも知れない。
穏便に済ませた方が、ウォベリ側への利と成る。
クライスはそう助言した。
説明に納得するナーツェ。
でもそのまま返す訳には行かないので、数人を監視として同行させる事に。
寛大な処置に、涙するベイス。
ロッシェへ感謝の意を述べる。
「ありがとう!これで妻の【ルーシェ】とも離れずに済む……!」
「え?あんたの奥さんもルーシェって言うのか?」
「ああ。とある場所で知り合って、そのまま成り行きで……。」
「何処だ!知り合ったってのは!」
「な、何だ?」
急変するロッシェの態度に、目を丸くするベイス。
クライスが横から口を挟む。
「こいつ、奴隷として買われて行った姉を探してるんです。あなたの奥さんと同じ名前の。」
「そうですか、そう言う事情が……。」
クライスの説明で、状況を理解するベイス。
『ならば』とベイスは、ロッシェに話す。
その場所とは。
「〔メンティ〕と言う地名だったが。トンネルが開通した後その存在を消され、今は確かスコンティへ組み込まれた筈……。」
「トンネルの……入り口!」
驚くロッシェ。
ベイスが続ける。
「俺は元々、メンティを治める騎士様にお仕えしていたんだ。しかし……。」
「トンネル工事が始まった、ですね?」
クライスが相槌を打つ。
そこから、ベイスの過去話が始まる。
トンネル設置の条件に合致するのが、偶々そこだった。
ある日、仕える騎士から現場監督を仰せ付かり。
度々進捗状況を見回っていた。
そこで働いていた小間使いの少女達の中に、現在の妻が居た。
出会いは、本当に偶然だった。
トンネル完成後の事。
口封じの為に、少女達が殺されそうになった。
この工事は、極秘の作戦。
一定以上の階級の者を除き、関わった人間を消し去るのは。
リスク回避に有効。
当然の成り行き。
しかし自分は、その行為に反対だった。
変な奴が訪れて、少女の内【誰か】を連れ帰った後に。
そいつが部下へ命じていたらしい。
余程階級が高かったのか、あっさりとそれは通った。
『納得行かない』と、騎士達に逆らって。
少女達をこっそり逃がす方法が無いか画策した。
何とかそれは成功したが、裏切り行為には違いない。
自分も追われる身となった。
その逃避行に、何故か付いて来た少女が居た。
自分の中に、『大事な人の面影を見た』と言う。
そんな事を面と向かって言われては、突き放す事も出来ない。
こうして2人の旅は始まり、暫く放浪が続いた。
その過程で、2人は夫婦と成り。
安住の地を求める様になる。
そんな或る時。
ガティに在った、検問所の様な場所で。
ヘンドリへの移住を持ち掛けられた。
それがチンパレ家の運営する派遣業者だと知ったのは、移り住んで来た後。
一応騎士であったので、ナラム家はそれなりの待遇を用意していた。
ヘンドリの警護を命ぜられ、ここで一生を終えるつもりだった。
今考えると、単なる捨て駒だったのかも知れない。
実際、こんな状況に陥ったのだから。
『盾位には成る』と思われたのだろう。
つい最近、大軍を伴って。
ナラム家当主のパップが、南へ進軍して行った時。
『しっかり守れよ』と言い残して行ったが。
守る対象は町や民では無く、別のモノだった。
この戦いで漸く、それが分かった。
自分が毛嫌いしていたケミーヤ教と、その本拠地だった事を。
だから安心している。
壊滅したと聞いて。
これでやっと、重い鎖の様な悪しき呪縛から解き放たれるだろう。
ヅオウも、そこで暮らす民も。
ベイスの話が終わる。
前にエミルが欲した答えが、そこにはあった。
妖精がトンネルで抱いた疑問など、クライス達には知る由も無かったが。
聞き終わると同時に、ロッシェが念を押す。
「奥さんは確かに、ルーシェと名乗ってるんだな?」
「ああ。偶然にも、『ヅオウは私の故郷なの』とも話していた。だからここへ移住する事を決めたのだ。」
ベイスの答えに、ロッシェは迷う。
姉さんの可能性が有る女性。
それが一度に2人も現れた。
1人はヘンドリの町に。
1人は南方の森に。
何方も違うかも知れない。
しかし確かめずにはいられない。
どっちへ行く?
俺はどうしたら良い?
答えをクライスに求め、ジッと見つめるが。
クライスは首を横に振る。
自分で決めろ。
至極当然の態度。
クライスは既に、次の行動を決めている様だ。
動く準備をし始めている。
うーん……。
考えた挙句、ロッシェは決めた。
「クライス。」
「ん?」
「あいつ等を追い駆けるんだろう?南の森へ。俺も行くよ。」
「良いのか?」
「ああ。会う機会を逃すとしたら、そっちの方が高いからな。」
「賢明な判断だ。ヘンドリの方は、彼等に任せよう。」
そう言って、クライスはジェードの方を見やる。
お任せを!
そう言いた気に、クライスの視線に対して静かに頷くジェード。
彼等には、デンドに居るであろうケミーヤ教の残党の処理も頼んである。
幹部が逃げ、あいつ等も相当追い詰められている。
賢者の石を操るレベルだろうから、こちらも高レベルの錬金術師を向かわせた方が良い。
テューアを守って来た程の腕だ、油断さえしなければまず抑えられる。
一方で不安要素も有る。
『報酬を渡せ』と、理不尽にも。
留守中のナラム家へ押しかけている事だろう、尻尾を曲げて逃げ帰った傭兵達。
貰う物を貰って、事がバレない内に退散。
奴等の考える事は、手に取る様に分かる。
そこへ残党が付け込んで、取り込む可能性が有る。
あらゆる事象に対応出来る様、かなり強くジェード達には言い聞かせた。
クライスの、その熱の入れ様。
『期待されているのだ』と、錬金術師達は自覚する。
クライスはただ、『何事も無く、無事に済めば良い』と思っての事だったのだが。
良い方に勘違いするなら、気にしない。
それぞれのこれからが定まった。
クライスとロッシェは、南方へ向かう準備が整い。
ジェード達を残し、早々に街道を立ち去る。
その頃、森に墜落した者達は……。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
異世界転移した町民Aは普通の生活を所望します!!
コスモクイーンハート
ファンタジー
異世界転移してしまった女子高生の合田結菜はある高難度ダンジョンで一人放置されていた。そんな結菜を冒険者育成クラン《炎樹の森》の冒険者達が保護してくれる。ダンジョンの大きな狼さんをもふもふしたり、テイムしちゃったり……。
何気にチートな結菜だが、本人は普通の生活がしたかった。
本人の望み通りしばらくは普通の生活をすることができたが……。勇者に担がれて早朝に誘拐された日を境にそんな生活も終わりを告げる。
何で⁉私を誘拐してもいいことないよ⁉
何だかんだ、半分無意識にチートっぷりを炸裂しながらも己の普通の生活の(自分が自由に行動できるようにする)ために今日も元気に異世界を爆走します‼
※現代の知識活かしちゃいます‼料理と物作りで改革します‼←地球と比べてむっちゃ不便だから。
#更新は不定期になりそう
#一話だいたい2000字をめどにして書いています(長くも短くもなるかも……)
#感想お待ちしてます‼どしどしカモン‼(誹謗中傷はNGだよ?)
#頑張るので、暖かく見守ってください笑
#誤字脱字があれば指摘お願いします!
#いいなと思ったらお気に入り登録してくれると幸いです(〃∇〃)
#チートがずっとあるわけではないです。(何気なく時たまありますが……。)普通にファンタジーです。
高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。
マーチ・メイ
ファンタジー
女子校に通う高校2年生の橘優奈は学校からの帰り道、突然『【職業】錬金術師になりました』と声が聞こえた。
空耳かと思い家に入り試しにステータスオープンと唱えるとステータスが表示された。
しばらく高校生活を楽しみつつ家で錬金術を試してみることに 。
すると今度はダンジョンが出現して知らない外国の人の名前が称号欄に現れた。
緩やかに日常に溶け込んでいく黎明期メインのダンジョン物です。
小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。
追放された宮廷錬金術師、彼女が抜けた穴は誰にも埋められない~今更戻ってくれと言われても、隣国の王子様と婚約決まってたのでもう遅い~
まいめろ
ファンタジー
錬金術師のウィンリー・トレートは宮廷錬金術師として仕えていたが、王子の婚約者が錬金術師として大成したので、必要ないとして解雇されてしまった。孤児出身であるウィンリーとしては悲しい結末である。
しかし、隣国の王太子殿下によりウィンリーは救済されることになる。以前からウィンリーの実力を知っていた
王太子殿下の計らいで隣国へと招かれ、彼女はその能力を存分に振るうのだった。
そして、その成果はやがて王太子殿下との婚約話にまで発展することに。
さて、ウィンリーを解雇した王国はどうなったかというと……彼女の抜けた穴はとても補填出来ていなかった。
だからといって、戻って来てくれと言われてももう遅い……覆水盆にかえらず。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
神なのか?
モモん
ファンタジー
世界が誕生したとき、その世界に対して全能の権限を持った管理者が選出される。
周りの者は彼を神と崇めたが、本人は神であることを否定した。
これは、管理者でありながら、世界の一員であることを選択した男の物語。
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜
撫羽
ファンタジー
ある邸で秘密の会議が開かれていた。
そこに出席している3歳児、王弟殿下の一人息子。実は前世を覚えていた。しかもやり直しの生だった!?
どうしてちびっ子が秘密の会議に出席するような事になっているのか? 何があったのか?
それは生後半年の頃に遡る。
『ばぶぁッ!』と元気な声で目覚めた赤ん坊。
おかしいぞ。確かに俺は刺されて死んだ筈だ。
なのに、目が覚めたら見覚えのある部屋だった。両親が心配そうに見ている。
しかも若い。え? どうなってんだ?
体を起こすと、嫌でも目に入る自分のポヨンとした赤ちゃん体型。マジかよ!?
神がいるなら、0歳児スタートはやめてほしかった。
何故だか分からないけど、人生をやり直す事になった。実は将来、大賢者に選ばれ魔族討伐に出る筈だ。だが、それは避けないといけない。
何故ならそこで、俺は殺されたからだ。
ならば、大賢者に選ばれなければいいじゃん!と、小さな使い魔と一緒に奮闘する。
でも、それなら魔族の問題はどうするんだ?
それも解決してやろうではないか!
小さな胸を張って、根拠もないのに自信満々だ。
今回は初めての0歳児スタートです。
小さな賢者が自分の家族と、大好きな婚約者を守る為に奮闘します。
今度こそ、殺されずに生き残れるのか!?
とは言うものの、全然ハードな内容ではありません。
今回も癒しをお届けできればと思います。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる