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第211話 《魔法使い》とは
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直径3メートル程の丸いテーブル。
その円卓の周りに13個の椅子。
一際大きい椅子は、湖を背にする位置へ置かれている。
そこへ、さも当然の様に座る魔法使い。
『さあ』とメイに促され、一行も着席。
魔法使いから時計回りに。
クライス、アン、ラヴィ、セレナ、ロッシェ。
反時計回りに。
メイ、エミル、テノ、ソーティ。
そこへ。
小さなワゴンを押して、或る青年が現れる。
年はロッシェに近いか。
シュッと立つその出で立ち。
しっかり者の執事に見える。
しかしそこから発せられた声は、聞き覚えの有る素っ頓狂なトーン。
「ご主人、お持ちしまし……おおっと!」
草むらに躓いて、ティーセットを乗せたワゴンを倒しそうになる。
さっきの声、そのドジ加減。
まさか……?
ラヴィ達が思った、正にその者。
「よっ!見覚えの有る顔が居るな。俺だよ。〔オズ〕だよ。」
「やっぱり!」
思わず叫ぶラヴィ。
イーソの町でロール婆さんに憑り付き、情報収集を行っていた使い魔。
ヴェード達と共に戦った仲間。
それが解決し、魔法使いの元へ報告に戻った後。
一行にメイが合流した事と、イーソで調子に乗り過ぎた事で。
お役御免とばかりに、魔法使いにこってり絞られ。
暫くは雑用係をしていたのだ。
道理で、一行の元へ戻って来ない筈だ。
まあ、身から出た錆なので仕方無いが。
それでも、懐かしそうに見るラヴィやセレナの視線に。
照れてしまい、顔を背ける。
『そんなの、柄じゃ無いだろう?』とクライスに突っ込まれて、魔法使いへ助けを求める。
『こいつも今はきっちり反省しているから』とフォロー。
ふう、助かった。
そう思うと、カップの中に紅茶を注ぐ。
そして来賓の前へ配って行く。
手慣れたもので、若干の経験が有る様に見える。
思わずテノが尋ねる。
「昔、執事でもやっていたのか?」
「うーん……。」
考えて、魔法使いの方を見るオズ。
静かに頷くのを確認し、オズは答える。
「《昔》と言う言い回しは、半分正しいがよ。正確には、《この世界に来る前の、元の世界》だな。」
「元の世界?」
「おいおい、あんた皇帝だろ?それ位の知恵は有るよなあ?」
この世界だけでは無い。
世界は複数存在する。
そう、無限に。
使い魔の中では常識だった為、皇帝もその辺りは知っていると当然考えていたのだ。
クライスが断りを入れる。
「人の上に立つ者に必要とされる事は、《全知》じゃないぞ。」
逆に、人間は知らない事の方が多い。
不完全な存在。
だからこそ良いのだ。
魔法使いも、そこは同意。
「不完全だからこそ、互いを補おうと協力する考えが出る。何でも出来たら、奢るばかりだろう?」
そう言って、オズを一睨み。
お前は余計な事を言う癖がある。
自覚しろ。
そう促している。
紅茶を配り終えた後、大人しくなったオズもソーティの隣に着席。
同席しろと言われていた。
オズ本人は何故か分からなかったが。
「そういや、自己紹介がまだだったね。」
全員着席したのを確認し、魔法使いが切り出す。
一行は、魔法使いの名をまだ聞いていなかった。
いや、恐らく誰も聞いた事は無いだろう。
誰かさんを除いて。
魔法使いは、こう名乗った。
「ボクは【メグル】。気軽に〔メグ〕って呼んでくれると嬉しいかな。」
立ってお辞儀するメグ。
一同も立ち上がり、お辞儀を返す。
そして再び着席。
メグが話し出す。
「君達も、色々尋ねたい事が有るだろう。言えない事柄も当然有るけど、話せる分には差し支えなく話そう。」
「丁寧な口調はどうした?やっぱり面倒臭くなったか?」
「相変わらず君は辛口だねえ。良いじゃないか。余所行きな態度を今更取っても仕方無いだろ?」
「お前さんが良いなら構わんよ。威厳とやらに執着が無ければな。」
「そんなの、場合によりけりだろ?堅いのは相変わらずだな。ええっと……今は〔クライス〕だっけ?」
「みんな、キョトンとした顔をしているぞ。そろそろ本題に入った方が良いんじゃないか?」
メグとクライスのやり取りを、呆気に取られた顔で見ている人間側一同。
使い魔側は、事情を知っているのだろう。
当たり前と言った顔付き。
かなりの温度差がある。
それを埋める為、メグが話を続ける。
まずは、この疑問からだろう。
「ボクの存在、魔法使いとは何ぞや。これから話すか。」
そこで語られた事は。
魔法使い。
普通は、《魔法を使う者》を指す。
しかしメグが行使する事象は、一般的に魔法として想像される物では無い。
火をブワアッと出す事も。
水や土をズザザアアッと捻じ曲げる事もしない。
魔力の流れを掴み、それを自在に操る。
その結果。
相対的に、周りの環境へ影響を及ぼす。
それが、魔法として認識されている物。
だから正確に表現すると《魔力使い》なのだ。
空間に存在するエネルギー。
魔力と称されない物も含み、操る事が出来る。
空間同士を繋げたり時間を飛び越えたりする芸当が、それに当たる。
踏み込んだ表現をすると、《ベクトル操作》。
縦横高さの三次元軸、及び時間軸に平行世界軸。
少なくとも世界は5次元だと言える。
その軸上を自在に渡り歩けるのが、メグの能力。
だから、瞬間移動などお手の物。
全ての時を超え、全ての事象を掌握する。
但し、干渉はしない。
と言うか、出来ない。
事象はメグの前では既定事項。
そう成る前提。
だから過去も未来も知っている。
自分がどう動こうが、世界の時間的流れに影響を与えないから。
歴史と表現される物は、メグにとっては絵巻物と同じ。
クルクル解いては眺める。
そして再び丸める。
そんな感覚。
違うのは、メグが見る巻物に端が無い事だけ。
無限に続くフィルムの一部を、切り取っては収める。
そうやって過ごしている。
故に、偶に刺激を欲する。
永遠を生きる様なものだから。
メリハリが無いと、自分を見失う。
だから時々、世界を渡り歩くのだ。
そうして、この世界へ来た。
それが今から約500年程前になる。
ここまで話した所で、皆の顔を見るメグ。
案の定、理解の範疇を越えていたので混乱する者有り。
ロッシェは当然だが。
ラヴィとソーティも苦悶の表情。
セレナとテノは、辛うじて付いて来ているらしい。
エミルは何も考えて無さそう。
みんなの顔色を見ようと、キョロキョロするだけ。
ふむふむと頷くのは、アンだけ。
「やっぱり難しいかなあ。」
『説明するのは毎度苦労する』とボヤくメグ。
分かる様に話しているつもりでも、相手の文明の程度によって理解度が変わる。
加減に手間取るのも無理は無い。
苦しんだ挙句、ロッシェが絞り出す様に言う。
「つまりは、『何でも有り』って事で?」
「うーん。少し違うんだけど……。」
メグは諦めたらしい。
『そう言う事で良いよ』と声を掛けると、やっと安心するロッシェ。
あいつは?
そう思ったラヴィは、クライスの顔を見る。
涼し気な表情。
既にその辺りについては把握済みの様だ。
そんな事だろうと思ったけど。
小難しい話は苦手なのよねー。
そう考えながらも。
続きを聞くしか無い。
恐らくこの辺はまだ前提に過ぎないだろう。
核心を語る為の。
そう思い直し、聞く体制を再び取るラヴィ。
他の人間も同じ様に。
『次は何を話そうか……』と小一時間考えたメグは。
今度は、魔物や使い魔について語り出す。
メグの、魔物についての解説。
それはそれで、衝撃的な内容だった。
その円卓の周りに13個の椅子。
一際大きい椅子は、湖を背にする位置へ置かれている。
そこへ、さも当然の様に座る魔法使い。
『さあ』とメイに促され、一行も着席。
魔法使いから時計回りに。
クライス、アン、ラヴィ、セレナ、ロッシェ。
反時計回りに。
メイ、エミル、テノ、ソーティ。
そこへ。
小さなワゴンを押して、或る青年が現れる。
年はロッシェに近いか。
シュッと立つその出で立ち。
しっかり者の執事に見える。
しかしそこから発せられた声は、聞き覚えの有る素っ頓狂なトーン。
「ご主人、お持ちしまし……おおっと!」
草むらに躓いて、ティーセットを乗せたワゴンを倒しそうになる。
さっきの声、そのドジ加減。
まさか……?
ラヴィ達が思った、正にその者。
「よっ!見覚えの有る顔が居るな。俺だよ。〔オズ〕だよ。」
「やっぱり!」
思わず叫ぶラヴィ。
イーソの町でロール婆さんに憑り付き、情報収集を行っていた使い魔。
ヴェード達と共に戦った仲間。
それが解決し、魔法使いの元へ報告に戻った後。
一行にメイが合流した事と、イーソで調子に乗り過ぎた事で。
お役御免とばかりに、魔法使いにこってり絞られ。
暫くは雑用係をしていたのだ。
道理で、一行の元へ戻って来ない筈だ。
まあ、身から出た錆なので仕方無いが。
それでも、懐かしそうに見るラヴィやセレナの視線に。
照れてしまい、顔を背ける。
『そんなの、柄じゃ無いだろう?』とクライスに突っ込まれて、魔法使いへ助けを求める。
『こいつも今はきっちり反省しているから』とフォロー。
ふう、助かった。
そう思うと、カップの中に紅茶を注ぐ。
そして来賓の前へ配って行く。
手慣れたもので、若干の経験が有る様に見える。
思わずテノが尋ねる。
「昔、執事でもやっていたのか?」
「うーん……。」
考えて、魔法使いの方を見るオズ。
静かに頷くのを確認し、オズは答える。
「《昔》と言う言い回しは、半分正しいがよ。正確には、《この世界に来る前の、元の世界》だな。」
「元の世界?」
「おいおい、あんた皇帝だろ?それ位の知恵は有るよなあ?」
この世界だけでは無い。
世界は複数存在する。
そう、無限に。
使い魔の中では常識だった為、皇帝もその辺りは知っていると当然考えていたのだ。
クライスが断りを入れる。
「人の上に立つ者に必要とされる事は、《全知》じゃないぞ。」
逆に、人間は知らない事の方が多い。
不完全な存在。
だからこそ良いのだ。
魔法使いも、そこは同意。
「不完全だからこそ、互いを補おうと協力する考えが出る。何でも出来たら、奢るばかりだろう?」
そう言って、オズを一睨み。
お前は余計な事を言う癖がある。
自覚しろ。
そう促している。
紅茶を配り終えた後、大人しくなったオズもソーティの隣に着席。
同席しろと言われていた。
オズ本人は何故か分からなかったが。
「そういや、自己紹介がまだだったね。」
全員着席したのを確認し、魔法使いが切り出す。
一行は、魔法使いの名をまだ聞いていなかった。
いや、恐らく誰も聞いた事は無いだろう。
誰かさんを除いて。
魔法使いは、こう名乗った。
「ボクは【メグル】。気軽に〔メグ〕って呼んでくれると嬉しいかな。」
立ってお辞儀するメグ。
一同も立ち上がり、お辞儀を返す。
そして再び着席。
メグが話し出す。
「君達も、色々尋ねたい事が有るだろう。言えない事柄も当然有るけど、話せる分には差し支えなく話そう。」
「丁寧な口調はどうした?やっぱり面倒臭くなったか?」
「相変わらず君は辛口だねえ。良いじゃないか。余所行きな態度を今更取っても仕方無いだろ?」
「お前さんが良いなら構わんよ。威厳とやらに執着が無ければな。」
「そんなの、場合によりけりだろ?堅いのは相変わらずだな。ええっと……今は〔クライス〕だっけ?」
「みんな、キョトンとした顔をしているぞ。そろそろ本題に入った方が良いんじゃないか?」
メグとクライスのやり取りを、呆気に取られた顔で見ている人間側一同。
使い魔側は、事情を知っているのだろう。
当たり前と言った顔付き。
かなりの温度差がある。
それを埋める為、メグが話を続ける。
まずは、この疑問からだろう。
「ボクの存在、魔法使いとは何ぞや。これから話すか。」
そこで語られた事は。
魔法使い。
普通は、《魔法を使う者》を指す。
しかしメグが行使する事象は、一般的に魔法として想像される物では無い。
火をブワアッと出す事も。
水や土をズザザアアッと捻じ曲げる事もしない。
魔力の流れを掴み、それを自在に操る。
その結果。
相対的に、周りの環境へ影響を及ぼす。
それが、魔法として認識されている物。
だから正確に表現すると《魔力使い》なのだ。
空間に存在するエネルギー。
魔力と称されない物も含み、操る事が出来る。
空間同士を繋げたり時間を飛び越えたりする芸当が、それに当たる。
踏み込んだ表現をすると、《ベクトル操作》。
縦横高さの三次元軸、及び時間軸に平行世界軸。
少なくとも世界は5次元だと言える。
その軸上を自在に渡り歩けるのが、メグの能力。
だから、瞬間移動などお手の物。
全ての時を超え、全ての事象を掌握する。
但し、干渉はしない。
と言うか、出来ない。
事象はメグの前では既定事項。
そう成る前提。
だから過去も未来も知っている。
自分がどう動こうが、世界の時間的流れに影響を与えないから。
歴史と表現される物は、メグにとっては絵巻物と同じ。
クルクル解いては眺める。
そして再び丸める。
そんな感覚。
違うのは、メグが見る巻物に端が無い事だけ。
無限に続くフィルムの一部を、切り取っては収める。
そうやって過ごしている。
故に、偶に刺激を欲する。
永遠を生きる様なものだから。
メリハリが無いと、自分を見失う。
だから時々、世界を渡り歩くのだ。
そうして、この世界へ来た。
それが今から約500年程前になる。
ここまで話した所で、皆の顔を見るメグ。
案の定、理解の範疇を越えていたので混乱する者有り。
ロッシェは当然だが。
ラヴィとソーティも苦悶の表情。
セレナとテノは、辛うじて付いて来ているらしい。
エミルは何も考えて無さそう。
みんなの顔色を見ようと、キョロキョロするだけ。
ふむふむと頷くのは、アンだけ。
「やっぱり難しいかなあ。」
『説明するのは毎度苦労する』とボヤくメグ。
分かる様に話しているつもりでも、相手の文明の程度によって理解度が変わる。
加減に手間取るのも無理は無い。
苦しんだ挙句、ロッシェが絞り出す様に言う。
「つまりは、『何でも有り』って事で?」
「うーん。少し違うんだけど……。」
メグは諦めたらしい。
『そう言う事で良いよ』と声を掛けると、やっと安心するロッシェ。
あいつは?
そう思ったラヴィは、クライスの顔を見る。
涼し気な表情。
既にその辺りについては把握済みの様だ。
そんな事だろうと思ったけど。
小難しい話は苦手なのよねー。
そう考えながらも。
続きを聞くしか無い。
恐らくこの辺はまだ前提に過ぎないだろう。
核心を語る為の。
そう思い直し、聞く体制を再び取るラヴィ。
他の人間も同じ様に。
『次は何を話そうか……』と小一時間考えたメグは。
今度は、魔物や使い魔について語り出す。
メグの、魔物についての解説。
それはそれで、衝撃的な内容だった。
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