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第162話 検問所に何故テントが
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馬車を含む大所帯の一行本体。
ぞろぞろ歩く姿は、やはり人目を引く。
痛々しく見る目付きも有れば、嫌悪感丸出しの目付きも有る。
南側は、ガティの要所。
この町に入る者は、大抵南から。
一行とすれ違う旅人、即ち見物人も増えるのだ。
仰々しく連なる人の列に、異様さを感じる者もいよう。
貴族の旅行列とは様相が、雰囲気が別。
立ち止まって通り過ぎるのを待つ者は居ない。
寧ろ距離を取り、関わらない様に自分から過ぎ去るのが殆ど。
離れた所からジロジロ見るのだ。
良い気分では無い。
その代わり、罵声が消えたので悪い気分でも無いが。
ラヴィやトクシーは、これまでの旅でこんな状況は慣れている。
元スラッジ民は、冷たい目線を避けて来たので少しキツいか。
心に堪えているのはハリー。
12貴族としてのプライドが、まだ残っている。
簡単に捨てられる物では無い。
ツンと澄ましながら、周りを睨み付けている。
その様子に気が気で無いリンツ。
宥めたいのはやまやまだが、隣に居る事は出来ない。
何せ馬車の運転席は、ハリーとセレナで定員一杯なのだから。
クライスの離脱で、馬車周りの編成が少し変わっている。
先頭はトクシー、馬車はセレナとハリーで変わらないが。
列の一番後ろは、アンとロッシェの2人。
馬車に並走するのは、ラヴィとリンツの2人に変更。
特にリンツは。
ハリーの機嫌が損なわれた時すかさずフォローに入る為、ハリーと同じ進行方向左側に付いていた。
町中なので目立たない様、メイとエミルは荷車へと引っ込んでいる。
余りにも人が寄って来ないので、一行はこのままスムーズに検問所へと辿り着いた。
しかしそこで待ち受けていたのは、物々しい雰囲気の身体チェックだった。
「次!」
係員が、検問所まで来た人を傍のテントまで誘導。
そこで手荷物などをチェックしている。
テントは縦横20メートル、高さ2.5メートル程の大きさで全体が真っ白。
南側の真ん中に出入り口が有る。
その横には、『ここで合格しないと通さない』との張り紙。
怪しい雰囲気がするので、トクシーがまず様子を見に行く。
テントの中を覗こうとすると。
「勝手に覗くんじゃない!」
係員に制止される。
テントの外に10人、中には声から察すると4人。
良く見ると、全員兵士では無い。
かと言って雇われ傭兵でも無い。
おかしい。
検問所には衛兵が数人配置され、それ等が通過の許可を下ろすのだが。
影も形も無い。
それに、テントから出て来た者は皆一様にがっかりした顔をし。
とぼとぼ歩いて外周へと戻って行く。
どうやらあれこれ難癖を付けて、誰も通さない気らしい。
去り際の旅人達の愚痴が、それを物語っている。
「護身用のナイフが、何で禁止なんだよ!」
「献上品を運んで来ただけなのに、突っ返されるなんて理不尽な!」
「俺は使者だぞ!陛下への謁見も適わないなんて、帰ってどう説明したら……!」
そうとは知らず、並ぶ旅人達。
現状を、町の住人はどう思っているのだろう?
少し前までは、こんな事になっていなかった筈。
アリュースと皇帝のやり取りは、これまで正常に行われていたのだから。
トクシーは、周辺への聞き込みを開始した。
検問所近くに並ぶ、宿と言う宿。
飛び込みで入っては、『何時からこんなに厳しくなったのか』『誰が主導しているのか』などを尋ねて回る。
そこから得られた情報を総合すると、こう言う事らしい。
まず事態が動いたのは、数日前。
検問所の衛兵と、見知らぬ何人かが押し問答を繰り返した。
2、3日それが続いた。
そこへ突然ローブを纏った老人が姿を現すと、巻物を取り出し衛兵に見せた。
びっくりした顔の衛兵は、納得行かない顔をしてその場を去った。
すると上から下まで白尽くめの人間が20人程やって来て、綺麗にテントを設営した。
そしていきなり、『通りたくば、ここでチェックを受けよ!嫌なら帰れ!』と。
検問所前をうろうろしていた人達へ怒鳴った。
急な状況変化に、戸惑う旅人達。
中には、激しく詰め寄る者も居た。
白尽くめの1人が『反逆行為と見做す!』と宣言したかと思うと、腰に下げていた剣で詰問していた者を一突き。
死にはしなかったものの、大量の血が滴り落ちた。
慌てて駆け寄る住民が、救い出して医者へと連れて行った。
すかさず白尽くめが、その場に居る全員に聞こえる様に大声を出した。
『我等こそが正義!我等こそが法なのだ!』と。
すっかり委縮してしまった人達は、理不尽な仕様変更に従わざるを得なかった。
そして今に至る。
話を聞いていたラヴィ達は、怒りを隠さない。
「何それ!酷い!」
「強引過ぎる!」
「許されるの?そんな横暴な事!」
ざわつくラヴィ達の中で、1人アンだけが冷静だった。
「ビンセンスさんの話からして、これは切っ掛けが2つ有るわね。」
「2つ、ですか?」
トクシーが聞き返す。
一連の流れの様に感じていたので、分割する要素は無いと思っていたのだ。
アンは答える。
「まず押し問答が始まった時。そして老人が来て巻物を見せた時。」
「なるほど。それなら2段階になるわね。」
苛立ちが収まって来たのか、ラヴィがふむふむと聞き入る。
アンが続ける。
「そして前者と後者のタイミングが、或る出来事と重なるわ。」
「そうなの?何かあったかなあ?」
考え込むラヴィ。
『あくまで推測だけど』と前置きし、アンは言う。
「前者は〈ハリーが逃げ出した時〉。後者は〈私達がスラッジまで飛んで来た時〉。」
「あたし達が原因って事?」
ハリーは思わず大声になる。
ジロッと見て来る住民。
視線を感じ、すぐに小声へ切り替える。
「何で?」
疑問を呈するハリーに、アンが答える。
「余程、私達を入れたくないんでしょうよ。もっと言うと、『皇帝への謁見を妨害したい』かしらね。」
「陛下への謁見!初耳なんだけど!」
予想外の単語に、ハリーが興奮する。
これまでも『おかしいな』とは思っていた。
騎士に同行する、敵国の兵士。
それも、一癖も二癖も有る連中ばかり。
しかもクライスは、『王宮でチャンスをやる』と元スラッジ民に宣言した。
何故王宮?
その疑問が漸く晴れた。
馬車が曳く荷車の荷物も合点が行く。
やたら豪華な物が積まれていたが、献上品だったのか。
となると、旅の目的は……?
大人になりかけの少女には、考察はここまでで限界。
頭がパンクしそうになる。
代わりにリンツが問う。
「あなた方の旅の終着点は、陛下の御前なのですか?」
「一先ずは。」
そう答えたのはラヴィ。
トクシーはアリュースの使い。
ラヴィ達はグスターキュ帝国からの使者。
今はそう。
しかし、ラヴィ達の旅はそこでは終わらない。
だからラヴィはそう答えた。
まだ先がある。
謁見は、野望へ一歩近付く過程に過ぎない。
トクシーやハリーにはゴールでも、ラヴィ達にはチェックポイント。
認識の違いが、そこには有る。
だからこそ、ここでグズグズしている訳には行かない。
クライス達は、とっくに内周の内側へと入っているだろう。
彼等は必ず約束を守る。
早く合流しなくては。
この場面を切り抜ける為の緊急会議が始まった。
会議に参加しても、力になれそうに無い。
ハリーはそう思い、元スラッジ民が待機している場所へ足を運んだ。
同じ人間であるが、生まれ育ちが全然違う。
運命が交わらせたのだろうか。
ならば、何故?
その答えを求める様に、彼等へと歩み寄る。
それを遠くから眺めながら、『心持ちが変わる切っ掛けとなれば』と願うリンツだった。
ぞろぞろ歩く姿は、やはり人目を引く。
痛々しく見る目付きも有れば、嫌悪感丸出しの目付きも有る。
南側は、ガティの要所。
この町に入る者は、大抵南から。
一行とすれ違う旅人、即ち見物人も増えるのだ。
仰々しく連なる人の列に、異様さを感じる者もいよう。
貴族の旅行列とは様相が、雰囲気が別。
立ち止まって通り過ぎるのを待つ者は居ない。
寧ろ距離を取り、関わらない様に自分から過ぎ去るのが殆ど。
離れた所からジロジロ見るのだ。
良い気分では無い。
その代わり、罵声が消えたので悪い気分でも無いが。
ラヴィやトクシーは、これまでの旅でこんな状況は慣れている。
元スラッジ民は、冷たい目線を避けて来たので少しキツいか。
心に堪えているのはハリー。
12貴族としてのプライドが、まだ残っている。
簡単に捨てられる物では無い。
ツンと澄ましながら、周りを睨み付けている。
その様子に気が気で無いリンツ。
宥めたいのはやまやまだが、隣に居る事は出来ない。
何せ馬車の運転席は、ハリーとセレナで定員一杯なのだから。
クライスの離脱で、馬車周りの編成が少し変わっている。
先頭はトクシー、馬車はセレナとハリーで変わらないが。
列の一番後ろは、アンとロッシェの2人。
馬車に並走するのは、ラヴィとリンツの2人に変更。
特にリンツは。
ハリーの機嫌が損なわれた時すかさずフォローに入る為、ハリーと同じ進行方向左側に付いていた。
町中なので目立たない様、メイとエミルは荷車へと引っ込んでいる。
余りにも人が寄って来ないので、一行はこのままスムーズに検問所へと辿り着いた。
しかしそこで待ち受けていたのは、物々しい雰囲気の身体チェックだった。
「次!」
係員が、検問所まで来た人を傍のテントまで誘導。
そこで手荷物などをチェックしている。
テントは縦横20メートル、高さ2.5メートル程の大きさで全体が真っ白。
南側の真ん中に出入り口が有る。
その横には、『ここで合格しないと通さない』との張り紙。
怪しい雰囲気がするので、トクシーがまず様子を見に行く。
テントの中を覗こうとすると。
「勝手に覗くんじゃない!」
係員に制止される。
テントの外に10人、中には声から察すると4人。
良く見ると、全員兵士では無い。
かと言って雇われ傭兵でも無い。
おかしい。
検問所には衛兵が数人配置され、それ等が通過の許可を下ろすのだが。
影も形も無い。
それに、テントから出て来た者は皆一様にがっかりした顔をし。
とぼとぼ歩いて外周へと戻って行く。
どうやらあれこれ難癖を付けて、誰も通さない気らしい。
去り際の旅人達の愚痴が、それを物語っている。
「護身用のナイフが、何で禁止なんだよ!」
「献上品を運んで来ただけなのに、突っ返されるなんて理不尽な!」
「俺は使者だぞ!陛下への謁見も適わないなんて、帰ってどう説明したら……!」
そうとは知らず、並ぶ旅人達。
現状を、町の住人はどう思っているのだろう?
少し前までは、こんな事になっていなかった筈。
アリュースと皇帝のやり取りは、これまで正常に行われていたのだから。
トクシーは、周辺への聞き込みを開始した。
検問所近くに並ぶ、宿と言う宿。
飛び込みで入っては、『何時からこんなに厳しくなったのか』『誰が主導しているのか』などを尋ねて回る。
そこから得られた情報を総合すると、こう言う事らしい。
まず事態が動いたのは、数日前。
検問所の衛兵と、見知らぬ何人かが押し問答を繰り返した。
2、3日それが続いた。
そこへ突然ローブを纏った老人が姿を現すと、巻物を取り出し衛兵に見せた。
びっくりした顔の衛兵は、納得行かない顔をしてその場を去った。
すると上から下まで白尽くめの人間が20人程やって来て、綺麗にテントを設営した。
そしていきなり、『通りたくば、ここでチェックを受けよ!嫌なら帰れ!』と。
検問所前をうろうろしていた人達へ怒鳴った。
急な状況変化に、戸惑う旅人達。
中には、激しく詰め寄る者も居た。
白尽くめの1人が『反逆行為と見做す!』と宣言したかと思うと、腰に下げていた剣で詰問していた者を一突き。
死にはしなかったものの、大量の血が滴り落ちた。
慌てて駆け寄る住民が、救い出して医者へと連れて行った。
すかさず白尽くめが、その場に居る全員に聞こえる様に大声を出した。
『我等こそが正義!我等こそが法なのだ!』と。
すっかり委縮してしまった人達は、理不尽な仕様変更に従わざるを得なかった。
そして今に至る。
話を聞いていたラヴィ達は、怒りを隠さない。
「何それ!酷い!」
「強引過ぎる!」
「許されるの?そんな横暴な事!」
ざわつくラヴィ達の中で、1人アンだけが冷静だった。
「ビンセンスさんの話からして、これは切っ掛けが2つ有るわね。」
「2つ、ですか?」
トクシーが聞き返す。
一連の流れの様に感じていたので、分割する要素は無いと思っていたのだ。
アンは答える。
「まず押し問答が始まった時。そして老人が来て巻物を見せた時。」
「なるほど。それなら2段階になるわね。」
苛立ちが収まって来たのか、ラヴィがふむふむと聞き入る。
アンが続ける。
「そして前者と後者のタイミングが、或る出来事と重なるわ。」
「そうなの?何かあったかなあ?」
考え込むラヴィ。
『あくまで推測だけど』と前置きし、アンは言う。
「前者は〈ハリーが逃げ出した時〉。後者は〈私達がスラッジまで飛んで来た時〉。」
「あたし達が原因って事?」
ハリーは思わず大声になる。
ジロッと見て来る住民。
視線を感じ、すぐに小声へ切り替える。
「何で?」
疑問を呈するハリーに、アンが答える。
「余程、私達を入れたくないんでしょうよ。もっと言うと、『皇帝への謁見を妨害したい』かしらね。」
「陛下への謁見!初耳なんだけど!」
予想外の単語に、ハリーが興奮する。
これまでも『おかしいな』とは思っていた。
騎士に同行する、敵国の兵士。
それも、一癖も二癖も有る連中ばかり。
しかもクライスは、『王宮でチャンスをやる』と元スラッジ民に宣言した。
何故王宮?
その疑問が漸く晴れた。
馬車が曳く荷車の荷物も合点が行く。
やたら豪華な物が積まれていたが、献上品だったのか。
となると、旅の目的は……?
大人になりかけの少女には、考察はここまでで限界。
頭がパンクしそうになる。
代わりにリンツが問う。
「あなた方の旅の終着点は、陛下の御前なのですか?」
「一先ずは。」
そう答えたのはラヴィ。
トクシーはアリュースの使い。
ラヴィ達はグスターキュ帝国からの使者。
今はそう。
しかし、ラヴィ達の旅はそこでは終わらない。
だからラヴィはそう答えた。
まだ先がある。
謁見は、野望へ一歩近付く過程に過ぎない。
トクシーやハリーにはゴールでも、ラヴィ達にはチェックポイント。
認識の違いが、そこには有る。
だからこそ、ここでグズグズしている訳には行かない。
クライス達は、とっくに内周の内側へと入っているだろう。
彼等は必ず約束を守る。
早く合流しなくては。
この場面を切り抜ける為の緊急会議が始まった。
会議に参加しても、力になれそうに無い。
ハリーはそう思い、元スラッジ民が待機している場所へ足を運んだ。
同じ人間であるが、生まれ育ちが全然違う。
運命が交わらせたのだろうか。
ならば、何故?
その答えを求める様に、彼等へと歩み寄る。
それを遠くから眺めながら、『心持ちが変わる切っ掛けとなれば』と願うリンツだった。
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