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第120話 計略の行方
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ガラがラヴィの影に。
心臓の部分に。
ナイフを突き立て。
押し込む。
そして、終わった。
ガラの計略が。
フッとラヴィの身体から力が抜けると、その場にペタンと座り込んだ。
恐る恐る目を開けると、ガラの右手を後ろから掴む者が。
それは見た事も無い老紳士。
黒いタキシード姿で、シュッとした出で立ち。
それでいて、何処と無く気品がある。
普通の大人辺りの背格好。
そこでラヴィは気付く。
『ガラの身長が縮んでいる』と。
随分大きかった筈なのに、今はラヴィより背が低い。
寧ろ、もっと背が低くなって来ている。
「怪我は無いかい、お嬢さん。」
老紳士は、ラヴィに声を掛ける。
「え、ええ。大丈夫です。」
そうラヴィが返事すると、『それは良かった』と頷く。
そして掴んでいる腕を捻じる。
グリンッ!
腕は飴の様にグニャリと曲がる。
ガラと老紳士、共にニヤリと笑う。
老紳士が腕を離した瞬間、バッと両者、距離を取る。
そして。
ババババッ!
シュッ!
ズガンッ!
ボフッ!
ザザザアアアアァァァァッ!
目にも止まらぬ速さで両者は森中を自在に動き回り、拳や蹴りを交える。
木々の間を飛び交い、ぶつかる音だけが響く。
目で追い切れないラヴィは、耳を澄ませ何処に居るか掴もうとするので精一杯。
それだけ動きが早い。
人間技とは思えない。
「なかなかやるな!」
ガラは虚勢を張る。
ハアハア言っているのはガラの方。
老紳士が明らかに押している。
「自分の空間では無いからな。まあこんなもんじゃろ。」
涼しい顔で答える老紳士。
「大体、何処から入った!俺の空間に入るには……!」
そこまで話して、『もしや!』と感付くガラ。
「貴様!この女に取り付いて……!」
「おっと、それはまだ早いぞ。」
急接近して、ボディブローを食らわせる老紳士。
『ぐっ!』と腹を押さえ、くの字に曲がるガラの身体。
そこへ老紳士が両手を握り、拳を頭へ振り下ろす。
ガンッ!
もろに入った。
ガクッと左ひざを付くガラ。
「何故だ!ここは俺の空間だぞ!どうして自由に動ける!」
喚き散らすガラ。
余程悔しいらしい。
好き勝手に、我が空間を闊歩している存在に。
「こうなったら……!」
ラヴィの影は、まだ体から離れた所にあった。
ナイフはいつの間にか抜かれていたが、ガラの支配から逃れた訳では無い。
影の後ろに回り込み、ナイフを取り出して首に突き立てる。
「どうだ!こいつは文字通り人質だ!俺から離れろ!」
必死になって叫ぶガラ。
「やれやれ。仕方無いのう。」
渋々力を抜き、両腕を降ろす老紳士。
ゴクリと唾を呑み、情勢を見守るしか無いラヴィ。
ガラは叫ぶ。
「どこの魔物か知らんが、こいつは宿主なんだろう!こいつさえ消せば……!」
消える筈!
2人共々!
消してやる!
邪魔なんだよ、お前ら!
「じゃあな!」
ガラは、止めようと駆け寄るラヴィに構わず。
ナイフを影の首に押し付けようとする。
その時。
パチンッ!
老紳士が指を鳴らした。
途端に影が消え。
勢いを付け過ぎたのか、そのままガラの眉間をナイフが掠った。
辛うじて躱すも、ギョッとするガラ。
そこへラヴィが体当たり。
ドスンッ!
ガラを押し倒す事に成功。
仰向けになるガラの腹に座り込み、顔面向けてグーで殴ろうとするラヴィ。
「ひいいいぃぃぃぃーーーっ!」
貧弱な悲鳴を上げるガラ。
「きゃっ!」
ラヴィが地面へ尻餅を付く。
ガラの身体は極端に縮まり、姿もすっかりタヌキそのものに。
そのタヌキの胸ぐらを掴んで、吊し上げる老紳士。
「さて、どうしたものか……。」
その言葉で完全に戦意を喪失し、顔を真っ青にするガラ。
消そうとしたのに、逆に消される!
そこへ。
「待って!その位にしてあげて!」
殴ろうとしていたラヴィが、止めに入る。
元々『殴る振り』だったので、懲らしめるのにそこまでする必要は無いと思っていたのだ。
「きっと何か事情が有るのよ!こんな事する事情が!」
「事情、ねえ。」
老紳士が、掴んだままガラを睨む。
うんうん頷くガラ。
ラヴィに話を合わせて、何とか開放して貰おうと言う算段。
離されれば、また自分のフィールドに持ち込める。
顔は青ざめていたが、まだ諦めてはいなかった。
「まあ良いわい。ほれ。」
近くの地面にブン投げる老紳士。
強く叩きつけられながらも、ラヴィ達を睨み返す眼光。
その奥はまだ輝いていた。
しかし。
「これ、なーんだ?」
老紳士が自分の足元を指差す。
「!」
驚くガラ。
それは、影。
ガラの。
嘘だ!
ここは俺の支配する空間!
俺と同じ芸当が出来る筈が!
構わず話す老紳士。
「信じられんか?なら……。」
懐から木槌を取り出すと、影の右足すねに振り下ろす。
ガンッ!
影に当てたのに、大きな音がした。
「ぎゃあああぁぁぁ!」
その場でもんどりうつガラ。
し、信じられん!
俺の十八番が!
奪われている!
頭の中がグルグル回り出す。
信じたく無い気持ちと、認めるしか無い現実。
凌ぎ合う両者。
散々回り回った結果、目を回してガラは倒れた。
「ありがとうございます!助かりました!」
気絶したガラをそこらの蔦で縛り上げている老紳士に、感謝の言葉を投げ掛けながら駆け寄るラヴィ。
「ほう。今回はやけに素直じゃのう。」
「今回?」
不思議そうなラヴィ。
この人、私を知ってる?
「それにしても、あ奴はやはり食えぬ奴じゃ。この儂を利用するとは。」
「な、何の事で……。」
戸惑うラヴィに、老紳士は正体を明かした。
それは。
心臓の部分に。
ナイフを突き立て。
押し込む。
そして、終わった。
ガラの計略が。
フッとラヴィの身体から力が抜けると、その場にペタンと座り込んだ。
恐る恐る目を開けると、ガラの右手を後ろから掴む者が。
それは見た事も無い老紳士。
黒いタキシード姿で、シュッとした出で立ち。
それでいて、何処と無く気品がある。
普通の大人辺りの背格好。
そこでラヴィは気付く。
『ガラの身長が縮んでいる』と。
随分大きかった筈なのに、今はラヴィより背が低い。
寧ろ、もっと背が低くなって来ている。
「怪我は無いかい、お嬢さん。」
老紳士は、ラヴィに声を掛ける。
「え、ええ。大丈夫です。」
そうラヴィが返事すると、『それは良かった』と頷く。
そして掴んでいる腕を捻じる。
グリンッ!
腕は飴の様にグニャリと曲がる。
ガラと老紳士、共にニヤリと笑う。
老紳士が腕を離した瞬間、バッと両者、距離を取る。
そして。
ババババッ!
シュッ!
ズガンッ!
ボフッ!
ザザザアアアアァァァァッ!
目にも止まらぬ速さで両者は森中を自在に動き回り、拳や蹴りを交える。
木々の間を飛び交い、ぶつかる音だけが響く。
目で追い切れないラヴィは、耳を澄ませ何処に居るか掴もうとするので精一杯。
それだけ動きが早い。
人間技とは思えない。
「なかなかやるな!」
ガラは虚勢を張る。
ハアハア言っているのはガラの方。
老紳士が明らかに押している。
「自分の空間では無いからな。まあこんなもんじゃろ。」
涼しい顔で答える老紳士。
「大体、何処から入った!俺の空間に入るには……!」
そこまで話して、『もしや!』と感付くガラ。
「貴様!この女に取り付いて……!」
「おっと、それはまだ早いぞ。」
急接近して、ボディブローを食らわせる老紳士。
『ぐっ!』と腹を押さえ、くの字に曲がるガラの身体。
そこへ老紳士が両手を握り、拳を頭へ振り下ろす。
ガンッ!
もろに入った。
ガクッと左ひざを付くガラ。
「何故だ!ここは俺の空間だぞ!どうして自由に動ける!」
喚き散らすガラ。
余程悔しいらしい。
好き勝手に、我が空間を闊歩している存在に。
「こうなったら……!」
ラヴィの影は、まだ体から離れた所にあった。
ナイフはいつの間にか抜かれていたが、ガラの支配から逃れた訳では無い。
影の後ろに回り込み、ナイフを取り出して首に突き立てる。
「どうだ!こいつは文字通り人質だ!俺から離れろ!」
必死になって叫ぶガラ。
「やれやれ。仕方無いのう。」
渋々力を抜き、両腕を降ろす老紳士。
ゴクリと唾を呑み、情勢を見守るしか無いラヴィ。
ガラは叫ぶ。
「どこの魔物か知らんが、こいつは宿主なんだろう!こいつさえ消せば……!」
消える筈!
2人共々!
消してやる!
邪魔なんだよ、お前ら!
「じゃあな!」
ガラは、止めようと駆け寄るラヴィに構わず。
ナイフを影の首に押し付けようとする。
その時。
パチンッ!
老紳士が指を鳴らした。
途端に影が消え。
勢いを付け過ぎたのか、そのままガラの眉間をナイフが掠った。
辛うじて躱すも、ギョッとするガラ。
そこへラヴィが体当たり。
ドスンッ!
ガラを押し倒す事に成功。
仰向けになるガラの腹に座り込み、顔面向けてグーで殴ろうとするラヴィ。
「ひいいいぃぃぃぃーーーっ!」
貧弱な悲鳴を上げるガラ。
「きゃっ!」
ラヴィが地面へ尻餅を付く。
ガラの身体は極端に縮まり、姿もすっかりタヌキそのものに。
そのタヌキの胸ぐらを掴んで、吊し上げる老紳士。
「さて、どうしたものか……。」
その言葉で完全に戦意を喪失し、顔を真っ青にするガラ。
消そうとしたのに、逆に消される!
そこへ。
「待って!その位にしてあげて!」
殴ろうとしていたラヴィが、止めに入る。
元々『殴る振り』だったので、懲らしめるのにそこまでする必要は無いと思っていたのだ。
「きっと何か事情が有るのよ!こんな事する事情が!」
「事情、ねえ。」
老紳士が、掴んだままガラを睨む。
うんうん頷くガラ。
ラヴィに話を合わせて、何とか開放して貰おうと言う算段。
離されれば、また自分のフィールドに持ち込める。
顔は青ざめていたが、まだ諦めてはいなかった。
「まあ良いわい。ほれ。」
近くの地面にブン投げる老紳士。
強く叩きつけられながらも、ラヴィ達を睨み返す眼光。
その奥はまだ輝いていた。
しかし。
「これ、なーんだ?」
老紳士が自分の足元を指差す。
「!」
驚くガラ。
それは、影。
ガラの。
嘘だ!
ここは俺の支配する空間!
俺と同じ芸当が出来る筈が!
構わず話す老紳士。
「信じられんか?なら……。」
懐から木槌を取り出すと、影の右足すねに振り下ろす。
ガンッ!
影に当てたのに、大きな音がした。
「ぎゃあああぁぁぁ!」
その場でもんどりうつガラ。
し、信じられん!
俺の十八番が!
奪われている!
頭の中がグルグル回り出す。
信じたく無い気持ちと、認めるしか無い現実。
凌ぎ合う両者。
散々回り回った結果、目を回してガラは倒れた。
「ありがとうございます!助かりました!」
気絶したガラをそこらの蔦で縛り上げている老紳士に、感謝の言葉を投げ掛けながら駆け寄るラヴィ。
「ほう。今回はやけに素直じゃのう。」
「今回?」
不思議そうなラヴィ。
この人、私を知ってる?
「それにしても、あ奴はやはり食えぬ奴じゃ。この儂を利用するとは。」
「な、何の事で……。」
戸惑うラヴィに、老紳士は正体を明かした。
それは。
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