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第40話 包囲網、始動
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ビットや町の人達の協力で、旅支度が済んだ一行。
ラヴィに頭を撫でられ、照れるビット。
決意を新たに、一行は出発した。
「ばいばーい!」
住民の中に混じって手を振るビットは、一行のせいもあってすっかり溶け込んでいた。
住民も、予想外の珍客を丁重にもてなした。
2日後、この町を離れる時まで。
その頃。
一行が協力を取り付けた領地には、ラヴィからの知らせが届いていた。
無事に全ての領地を巡れた事。
最大限の感謝と共に、これからどう動いて欲しいかが書かれていた。
「ねえねえ、何て書いてあるの?」
ダイアナが覗き込む。
領地サファイの領主エレメン卿は。
黄金の燕を前にして、ラヴィからの手紙を読んでいる。
「姫様……では無かった、ラヴィお姉さんから『お願いが有る』との事だ。」
「じゃあ、遠い所まで行けたんだね!良かったあ。」
エレメン卿の娘であるダイアナは、一行が離れてからずっと心配していた。
お世話になったから。
何かお返ししたい。
世話係のケリーに、何が出来るか尋ねた。
ケリーはにっこりして、『お嬢様のお元気なご様子が一番かと』と言った。
それでは物足りない。
なので、勝手に旅の無事を祈る事にした。
毎日、お昼に。
お祈りが通じたのが嬉しかった。
役に立てた様で。
無邪気な少女の笑顔は、領地を明るくしていた。
エレメン卿はラヴィ達に感謝し、書かれている事を実行に移した。
領地レンドでは。
トッスン村の代表ヤンクが、領主リーフ卿の元を訪れていた。
領主たっての願いで、村を案内する為に。
やっとリーフ卿の体調が、遠出しても大丈夫な程に回復したのだ。
丁度そこへ、ラヴィからの手紙を持って黄金の燕がやって来た。
手紙を読むリーフ卿。
その前でかしづき、見守るヤンク。
読み終わると、リーフ卿は申し訳無さそうな顔をして言う。
「済まぬ。どうやら時が来た様だ。」
ヤンクも燕を見て、送り主が誰か察していた。
「そなたの村を訪問出来る事、楽しみにしておったのにのう。」
「いえ、そちらをご優先下さい。俺達も何か出来る事があれば。」
「いやはや、頼もしいのう。」
リーフ卿は笑っていた。
それはヤンクの言葉に対してなのか。
それとも、漸く恩を返す事が出来るからなのか。
彼等も行動に入った。
領地モッタの首都モッテジンを、一行が離れてから2日後。
それは実行に移された。
領地メインダリーでは、徐々に異変が始まっていた。
本来メインダリーは、敵国ヘルメシア帝国との交流路を持っていない。
セントリアだけに限定する事で、守りを固める為だ。
敵軍が入って来たのは、新たにトンネルを山中に掘ったから。
陸路に街道を整備したら、すぐに中央へバレてしまう。
トンネルなら、発覚を少なくとも遅らせる事が出来る。
周到に用意された策だった。
しかし、食料などの必需品の供給は、隣の領地から行っている。
敵国の物が出回っているとあっては、旅の商人から足が付いてしまう。
なので実は、サファイ・レンド・モッタは生命線なのだ。
領内の物資が不足し始めている。
そう感じ始めたのは、あの怪しい影がメインダリーに入る少し前。
サファイからのルートが狭まっていた。
分からぬ様、悟られぬ様。
じわじわと細くなっていた。
そして影が入領してから、今度はレンドからのルートが。
領地の境界に位置する町の住民は焦っていた。
おかしい。
自分達が知らない所で、何かが起こっている。
物資が減ってきているのはその為だ。
何が起こっているのか探ろうにも、関所では止められる。
行商人も素通り。
情報が来ない。
このままでは、領主への納税どころか自分達の生活が危ない。
何か手を打たないと。
町はそれぞれ、『陳情書を携え、領主様に直談判しよう』と言う機運が上がった。
陳情書の内容を相談する、町のお偉いさん。
あれやこれや。
そもそも、領主様は会って下さるのだろうか。
そんな心配も上がる。
更に議論を煮詰めている時。
一気に事態は動いた。
セントリアを除く3領地の関所が、突然閉められたのだ。
住民が詰め寄る。
何も答えまいと、頑なに拒絶する兵士。
申し訳無さそうな顔で。
それは、3領地の領主も同様。
本来なら、こんな事はしたく無い。
住民に罪は無いのだから。
しかしこれは、住民に気付かせる切っ掛けにもなる。
自分達の住んでいる所が、今とんでもない事態になっていると言う事を。
早く、早く!
心の中で叫ぶ。
兵士も、領主も。
一時も早く待ち望んでいた。
或る者達の成功を。
メインダリーの首都【パラウンド】に、例の影が到着してから暫くして。
或る男が、領主の元へ連れて来られた。
ブツブツ何かを言いながら歩いている。
セントリアの方へ。
何か様子が変なので、領地周辺の警戒に当たっていた兵士が境界付近でとっ捕まえた。
耳元にその顔を近付けると、或る言葉を連呼していた。
《早く知らせないと。》
それだけを。
目は死んだ魚の様。
胸元を見ると、〔裏切り者へのメッセンジャー〕の文字。
兵士はギョッとした。
たまたまその兵士は、ヘルメシア帝国に今の領主が通じている事を知っていたのだ。
だからこそ、周辺警備を命じられたとも言えるのだが。
これは首都へ移送しないと。
そう考え、その変な男を連れて慌ててとんぼ返りした。
領主と、影は。
驚いた。
レンドで諜報と煽動を担当していたミセル、その変わり果てた姿だった。
その場で、領主と影が揉め出す。
「どう言う事だ!あんたの報告では、全て順調の筈では……!」
「いや、私が離れた後に何かあったとしか……。」
考え込む2人。
その間にも、彼等の計算は狂い続けていた。
領地境の町では、もう我慢の限界。
取り敢えず、事態を把握している者が陳情書を書き上げた。
そしてそのまま使者として、パラウンドへ乗り込む事になった。
サファイに接する町〔ケンヅ〕からは、1人の少女。
レンドに接する町〔ライ〕からは、がたいの良い男が。
そしてモッタに接する町〔イーソ〕からは……。
旅立ってから2日後。
何故そんな期限を設けたのか。
一行が確実にメインダリーに侵入出来る期間。
そう、一行はその時イーソの町にいた。
使者が今正に、パラウンドへ向かわんとしている時に。
使者の周りに、人生の嵐が近付いていた。
ラヴィに頭を撫でられ、照れるビット。
決意を新たに、一行は出発した。
「ばいばーい!」
住民の中に混じって手を振るビットは、一行のせいもあってすっかり溶け込んでいた。
住民も、予想外の珍客を丁重にもてなした。
2日後、この町を離れる時まで。
その頃。
一行が協力を取り付けた領地には、ラヴィからの知らせが届いていた。
無事に全ての領地を巡れた事。
最大限の感謝と共に、これからどう動いて欲しいかが書かれていた。
「ねえねえ、何て書いてあるの?」
ダイアナが覗き込む。
領地サファイの領主エレメン卿は。
黄金の燕を前にして、ラヴィからの手紙を読んでいる。
「姫様……では無かった、ラヴィお姉さんから『お願いが有る』との事だ。」
「じゃあ、遠い所まで行けたんだね!良かったあ。」
エレメン卿の娘であるダイアナは、一行が離れてからずっと心配していた。
お世話になったから。
何かお返ししたい。
世話係のケリーに、何が出来るか尋ねた。
ケリーはにっこりして、『お嬢様のお元気なご様子が一番かと』と言った。
それでは物足りない。
なので、勝手に旅の無事を祈る事にした。
毎日、お昼に。
お祈りが通じたのが嬉しかった。
役に立てた様で。
無邪気な少女の笑顔は、領地を明るくしていた。
エレメン卿はラヴィ達に感謝し、書かれている事を実行に移した。
領地レンドでは。
トッスン村の代表ヤンクが、領主リーフ卿の元を訪れていた。
領主たっての願いで、村を案内する為に。
やっとリーフ卿の体調が、遠出しても大丈夫な程に回復したのだ。
丁度そこへ、ラヴィからの手紙を持って黄金の燕がやって来た。
手紙を読むリーフ卿。
その前でかしづき、見守るヤンク。
読み終わると、リーフ卿は申し訳無さそうな顔をして言う。
「済まぬ。どうやら時が来た様だ。」
ヤンクも燕を見て、送り主が誰か察していた。
「そなたの村を訪問出来る事、楽しみにしておったのにのう。」
「いえ、そちらをご優先下さい。俺達も何か出来る事があれば。」
「いやはや、頼もしいのう。」
リーフ卿は笑っていた。
それはヤンクの言葉に対してなのか。
それとも、漸く恩を返す事が出来るからなのか。
彼等も行動に入った。
領地モッタの首都モッテジンを、一行が離れてから2日後。
それは実行に移された。
領地メインダリーでは、徐々に異変が始まっていた。
本来メインダリーは、敵国ヘルメシア帝国との交流路を持っていない。
セントリアだけに限定する事で、守りを固める為だ。
敵軍が入って来たのは、新たにトンネルを山中に掘ったから。
陸路に街道を整備したら、すぐに中央へバレてしまう。
トンネルなら、発覚を少なくとも遅らせる事が出来る。
周到に用意された策だった。
しかし、食料などの必需品の供給は、隣の領地から行っている。
敵国の物が出回っているとあっては、旅の商人から足が付いてしまう。
なので実は、サファイ・レンド・モッタは生命線なのだ。
領内の物資が不足し始めている。
そう感じ始めたのは、あの怪しい影がメインダリーに入る少し前。
サファイからのルートが狭まっていた。
分からぬ様、悟られぬ様。
じわじわと細くなっていた。
そして影が入領してから、今度はレンドからのルートが。
領地の境界に位置する町の住民は焦っていた。
おかしい。
自分達が知らない所で、何かが起こっている。
物資が減ってきているのはその為だ。
何が起こっているのか探ろうにも、関所では止められる。
行商人も素通り。
情報が来ない。
このままでは、領主への納税どころか自分達の生活が危ない。
何か手を打たないと。
町はそれぞれ、『陳情書を携え、領主様に直談判しよう』と言う機運が上がった。
陳情書の内容を相談する、町のお偉いさん。
あれやこれや。
そもそも、領主様は会って下さるのだろうか。
そんな心配も上がる。
更に議論を煮詰めている時。
一気に事態は動いた。
セントリアを除く3領地の関所が、突然閉められたのだ。
住民が詰め寄る。
何も答えまいと、頑なに拒絶する兵士。
申し訳無さそうな顔で。
それは、3領地の領主も同様。
本来なら、こんな事はしたく無い。
住民に罪は無いのだから。
しかしこれは、住民に気付かせる切っ掛けにもなる。
自分達の住んでいる所が、今とんでもない事態になっていると言う事を。
早く、早く!
心の中で叫ぶ。
兵士も、領主も。
一時も早く待ち望んでいた。
或る者達の成功を。
メインダリーの首都【パラウンド】に、例の影が到着してから暫くして。
或る男が、領主の元へ連れて来られた。
ブツブツ何かを言いながら歩いている。
セントリアの方へ。
何か様子が変なので、領地周辺の警戒に当たっていた兵士が境界付近でとっ捕まえた。
耳元にその顔を近付けると、或る言葉を連呼していた。
《早く知らせないと。》
それだけを。
目は死んだ魚の様。
胸元を見ると、〔裏切り者へのメッセンジャー〕の文字。
兵士はギョッとした。
たまたまその兵士は、ヘルメシア帝国に今の領主が通じている事を知っていたのだ。
だからこそ、周辺警備を命じられたとも言えるのだが。
これは首都へ移送しないと。
そう考え、その変な男を連れて慌ててとんぼ返りした。
領主と、影は。
驚いた。
レンドで諜報と煽動を担当していたミセル、その変わり果てた姿だった。
その場で、領主と影が揉め出す。
「どう言う事だ!あんたの報告では、全て順調の筈では……!」
「いや、私が離れた後に何かあったとしか……。」
考え込む2人。
その間にも、彼等の計算は狂い続けていた。
領地境の町では、もう我慢の限界。
取り敢えず、事態を把握している者が陳情書を書き上げた。
そしてそのまま使者として、パラウンドへ乗り込む事になった。
サファイに接する町〔ケンヅ〕からは、1人の少女。
レンドに接する町〔ライ〕からは、がたいの良い男が。
そしてモッタに接する町〔イーソ〕からは……。
旅立ってから2日後。
何故そんな期限を設けたのか。
一行が確実にメインダリーに侵入出来る期間。
そう、一行はその時イーソの町にいた。
使者が今正に、パラウンドへ向かわんとしている時に。
使者の周りに、人生の嵐が近付いていた。
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