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第25話 お付き3人は苦労性
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鉄格子を消して、アンはクライスに微笑む。
「流石だな。」
アンの実力は、クライスが一番良く分かっていたので。
展開がこうなるのを予想済み。
駆け寄ると、『良くやった』と頭を撫でる。
嬉しがるアン。
『そうよね、本当はまだまだ子供だものね』と思うラヴィ。
一行は、ズベート卿配下の錬金術師に案内されて。
家の中へと入った。
「いやあ、宗主様直々においでになるとは。」
男は、髭を撫でながら感慨深げだった。
「それ程なのですか?」
セレナはラヴィが聞きにくいだろうと思い、代わりに尋ねる。
「ええ。我々錬金術師の頂点であり原点ですから。あ、申し遅れました。私はズベート卿に仕える【ジンジェ】と申します。以後お見知り置きを。」
「おい、どうした?何が有った?」
奥からもう1人、男がやって来る。
「とても大事なお客様がいらした。おもてなしの用意を。」
「そうか。お前が言うのであればそうなのだろう。すぐに手配しよう。」
『ありがとう、身分を伏せておいてくれて。』
『何か訳がお有りなのでしょう?お力になれるかどうか分かりませんが……。』
『十分よ。それより、ズベート卿には面会出来るかしら?』
『それが……。』
ひそひそ話をしながら廊下を歩く、アンとジンジェ。
ズベート卿の話になると、ジンジェは顔を曇らせた。
一行は、居間の様な部屋に通された。
そこに、先程現れた男がやって来た。
「同じくズベート卿に仕える、【シリング】と申す騎士です。腕は確かですよ。」
ジンジェにそう紹介されて、シリングは会釈した。
「配下の方は、他には?」
アンが尋ねる。
「後は、内政に通じた【ヘイルゥ】と言う者が居ります。今は買い出しに出ております。」
ジンジェが答える。
「3人ね。分かったわ。」
コクンと頷く一行。
少人数なら、素性を打ち明けても問題あるまい。
アンが1人1人紹介した。
こちらが良いと言うまで、他人には内緒にする事を条件に。
流石にジンジェとシリングは驚いた。
王女様がこんな所まで来るとは。
しかし一番驚いたのは、幻の錬金術師の存在そのものだった。
「錬金術師に負ける王女様って……。」
驚き具合を見て釈然としないラヴィ。
それを宥めるセレナ。
そうする内に、ヘイルゥも戻って来た。
同様に驚くヘイルゥ。
しかし彼は、助けに船と言わんばかりにこう切り出す。
「王女様と高名な錬金術師様であれば、この状況を打開出来るかも知れません。」
「それは勿論、ズベート卿の事よね?」
「はい。申し上げにくいのですが、主は人間不信に陥っておりまして……。」
「フチルベとエプドモの揉め事の事だね?」
「それも有るのですが、或る迷信を誰かが吹き込んだ様でして。」
「ほう?」
《迷信》と言う言葉に、クライスが食い付く。
「《金銀双子のリンゴが何処かに有る、それを手に入れれば何でも願いが叶う》と言った、ヨーセの言い伝えだとかなんとか。」
「へえ。」
「あまりに必死にお探しになられるものですから、こちらも偽物を用意したりご期待に沿おうと努力したのですが……。」
「それは逆効果ね。」
身に覚えが有るラヴィ。
「面目ございません。それで益々、人が信じられなくなったのです。我々のせいでもあるのです。」
「噂の本出がこのヨーセで、ここに移って来た主を追い駆けて来た次第です。」
ジンジェが話を補足した。
「私では大きな銀のリンゴを作り出すのがやっとでして。大きさの調整が上手く行かないばかりか、金のリンゴはとても……。」
「偶然だなアン、用意してたのって……。」
「そうね。」
そう言って荷物から取り出したのは、枝の部分がくっ付いた金銀の小さなリンゴ。
『取引の独占を狙う位だ、リンゴの方が注意を引くだろう』と、予め合作しておいたのだ。
「噂を噂じゃ無くすれば良い。今の話なら、かなり効果が有りそうだ。」
頷くクライス。
それを見て、部下3人も喜んだ。
しかしすぐにしょげた顔をする。
「素直に、客人とお会いになるとは思えません。」
「風呂とトイレ以外は、奥の部屋に引き籠っているんです。食事も『ドアの前に置け』と……。」
「かなりの駄々っ子ね。でも……。」
ラヴィはそう言って、クライスを見た。
「俺には関係無い。堂々と乗り込むだけだ。」
「くれぐれも、乱暴な事はしないで下さいね?ただでさえ気弱なあの方ですから……。」
シリングは、話の展開が早くて少し落ち着きが無かったが。
ラヴィが優しく言う。
「彼に任せた方が良いわよ?何故か、その方が上手く行くの。」
ラヴィの言葉に落ち着いたのか。
『案内は騎士の役目』と、シリングが買って出た。
「我々も付いて行こう。」
「願わくば、主が立ち直る瞬間を間近で……。」
『どれだけ過保護なのよ』と、内心そう思ったラヴィ。
『気持ちは分かります』と言った顔のセレナ。
それでもやはり、大勢がぞろぞろ行っても警戒されるだけ。
なので行くのは、シリングとクライスだけにして。
後は、離れた所から見守る事にした。
ドキドキしながら、ズベート卿の籠る部屋の前まで来たシリング。
トントンとドアを叩く。
「主様、お客人がいらっしゃいました。」
『知らん!帰って貰え!』
「いえ、しかし……。」
ここは食い下がるシリング。
逃すまいと。
そのタイミングで。
「あなたが欲しがっていらっしゃる、さる物をお持ちしたとしても?」
クライスは。
『ああ惜しい、誰にも渡したく無い』と言った口調で、ドア越しに呟いてみる。
すると、向こうで音がしなくなった。
聞き耳を立てているらしい。
「そうですか、要りませんか。良い取引だと思ったのですが。ああ残念。」
今度は大声のクライス。
『こんなチャンス、二度と無いですよ』と言った口調へと変えた。
「ですよねえ、お付きの方。こんな眩しい輝きを放っておりますのに。」
クライスが相槌を無言で要求。
仕方が無いので、シリングは応じる。
「ほ、本当だー。綺麗な金銀のリンゴだー。」
棒読みで焦るシリング。
それが逆に、ドアの向こう側で聞き取りにくくなって。
ズベート卿の興味を駆り立てた。
『……見せて見ろ。』
少しだけドアが開いた。
クライスはスッと物をちらつかせた。
「……!」
声にならない声を上げて、ドアがバタンと開いた。
「入れ!早く!もっと近くで見せてくれ!」
顔を高揚させたズベート卿が、ブンブン手招きしてクライスを呼ぶ。
そうしてクライスは、あっさりと牙城を突破したのだった。
「流石だな。」
アンの実力は、クライスが一番良く分かっていたので。
展開がこうなるのを予想済み。
駆け寄ると、『良くやった』と頭を撫でる。
嬉しがるアン。
『そうよね、本当はまだまだ子供だものね』と思うラヴィ。
一行は、ズベート卿配下の錬金術師に案内されて。
家の中へと入った。
「いやあ、宗主様直々においでになるとは。」
男は、髭を撫でながら感慨深げだった。
「それ程なのですか?」
セレナはラヴィが聞きにくいだろうと思い、代わりに尋ねる。
「ええ。我々錬金術師の頂点であり原点ですから。あ、申し遅れました。私はズベート卿に仕える【ジンジェ】と申します。以後お見知り置きを。」
「おい、どうした?何が有った?」
奥からもう1人、男がやって来る。
「とても大事なお客様がいらした。おもてなしの用意を。」
「そうか。お前が言うのであればそうなのだろう。すぐに手配しよう。」
『ありがとう、身分を伏せておいてくれて。』
『何か訳がお有りなのでしょう?お力になれるかどうか分かりませんが……。』
『十分よ。それより、ズベート卿には面会出来るかしら?』
『それが……。』
ひそひそ話をしながら廊下を歩く、アンとジンジェ。
ズベート卿の話になると、ジンジェは顔を曇らせた。
一行は、居間の様な部屋に通された。
そこに、先程現れた男がやって来た。
「同じくズベート卿に仕える、【シリング】と申す騎士です。腕は確かですよ。」
ジンジェにそう紹介されて、シリングは会釈した。
「配下の方は、他には?」
アンが尋ねる。
「後は、内政に通じた【ヘイルゥ】と言う者が居ります。今は買い出しに出ております。」
ジンジェが答える。
「3人ね。分かったわ。」
コクンと頷く一行。
少人数なら、素性を打ち明けても問題あるまい。
アンが1人1人紹介した。
こちらが良いと言うまで、他人には内緒にする事を条件に。
流石にジンジェとシリングは驚いた。
王女様がこんな所まで来るとは。
しかし一番驚いたのは、幻の錬金術師の存在そのものだった。
「錬金術師に負ける王女様って……。」
驚き具合を見て釈然としないラヴィ。
それを宥めるセレナ。
そうする内に、ヘイルゥも戻って来た。
同様に驚くヘイルゥ。
しかし彼は、助けに船と言わんばかりにこう切り出す。
「王女様と高名な錬金術師様であれば、この状況を打開出来るかも知れません。」
「それは勿論、ズベート卿の事よね?」
「はい。申し上げにくいのですが、主は人間不信に陥っておりまして……。」
「フチルベとエプドモの揉め事の事だね?」
「それも有るのですが、或る迷信を誰かが吹き込んだ様でして。」
「ほう?」
《迷信》と言う言葉に、クライスが食い付く。
「《金銀双子のリンゴが何処かに有る、それを手に入れれば何でも願いが叶う》と言った、ヨーセの言い伝えだとかなんとか。」
「へえ。」
「あまりに必死にお探しになられるものですから、こちらも偽物を用意したりご期待に沿おうと努力したのですが……。」
「それは逆効果ね。」
身に覚えが有るラヴィ。
「面目ございません。それで益々、人が信じられなくなったのです。我々のせいでもあるのです。」
「噂の本出がこのヨーセで、ここに移って来た主を追い駆けて来た次第です。」
ジンジェが話を補足した。
「私では大きな銀のリンゴを作り出すのがやっとでして。大きさの調整が上手く行かないばかりか、金のリンゴはとても……。」
「偶然だなアン、用意してたのって……。」
「そうね。」
そう言って荷物から取り出したのは、枝の部分がくっ付いた金銀の小さなリンゴ。
『取引の独占を狙う位だ、リンゴの方が注意を引くだろう』と、予め合作しておいたのだ。
「噂を噂じゃ無くすれば良い。今の話なら、かなり効果が有りそうだ。」
頷くクライス。
それを見て、部下3人も喜んだ。
しかしすぐにしょげた顔をする。
「素直に、客人とお会いになるとは思えません。」
「風呂とトイレ以外は、奥の部屋に引き籠っているんです。食事も『ドアの前に置け』と……。」
「かなりの駄々っ子ね。でも……。」
ラヴィはそう言って、クライスを見た。
「俺には関係無い。堂々と乗り込むだけだ。」
「くれぐれも、乱暴な事はしないで下さいね?ただでさえ気弱なあの方ですから……。」
シリングは、話の展開が早くて少し落ち着きが無かったが。
ラヴィが優しく言う。
「彼に任せた方が良いわよ?何故か、その方が上手く行くの。」
ラヴィの言葉に落ち着いたのか。
『案内は騎士の役目』と、シリングが買って出た。
「我々も付いて行こう。」
「願わくば、主が立ち直る瞬間を間近で……。」
『どれだけ過保護なのよ』と、内心そう思ったラヴィ。
『気持ちは分かります』と言った顔のセレナ。
それでもやはり、大勢がぞろぞろ行っても警戒されるだけ。
なので行くのは、シリングとクライスだけにして。
後は、離れた所から見守る事にした。
ドキドキしながら、ズベート卿の籠る部屋の前まで来たシリング。
トントンとドアを叩く。
「主様、お客人がいらっしゃいました。」
『知らん!帰って貰え!』
「いえ、しかし……。」
ここは食い下がるシリング。
逃すまいと。
そのタイミングで。
「あなたが欲しがっていらっしゃる、さる物をお持ちしたとしても?」
クライスは。
『ああ惜しい、誰にも渡したく無い』と言った口調で、ドア越しに呟いてみる。
すると、向こうで音がしなくなった。
聞き耳を立てているらしい。
「そうですか、要りませんか。良い取引だと思ったのですが。ああ残念。」
今度は大声のクライス。
『こんなチャンス、二度と無いですよ』と言った口調へと変えた。
「ですよねえ、お付きの方。こんな眩しい輝きを放っておりますのに。」
クライスが相槌を無言で要求。
仕方が無いので、シリングは応じる。
「ほ、本当だー。綺麗な金銀のリンゴだー。」
棒読みで焦るシリング。
それが逆に、ドアの向こう側で聞き取りにくくなって。
ズベート卿の興味を駆り立てた。
『……見せて見ろ。』
少しだけドアが開いた。
クライスはスッと物をちらつかせた。
「……!」
声にならない声を上げて、ドアがバタンと開いた。
「入れ!早く!もっと近くで見せてくれ!」
顔を高揚させたズベート卿が、ブンブン手招きしてクライスを呼ぶ。
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