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第三章 皇都へ!

五話

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「ふあ~っ……! もう朝か……」
僕は目を醒まして、まずストレッチを行い、身体を解した。そして、眠気覚ましに水筒の水を飲んだ。
「(とりあえず……、朝飯食べたら、出発するか。次の街迄は遠くないみたいだからね……)」
僕は、朝飯を食べて暫し休んだ後、次の街へ向け出発した。

「はっ!」
道中、ゴブリンやオーク、オーガの群れと数回戦闘になった。勿論、魔法剣の試験も行ったが、特に問題は無いようだった。
 
 魔法剣というものが普及しているものかどうかは知らないけど、少なくとも、母さんから教えて貰った限りでは聞いた事は無い。魔法は遠距離で放つのが有利な事は間違いないから住み分けしていたり、魔法剣の類いのものが必要無かった事もあると思う。しかし、遠距離攻撃対策をとられた場合、魔法使いは不利であり、役に立たなくなる。武器だけ使える者も、同様だけどね……。今のところ、専門は住み分けされているというか、武器の扱いが得意な者と魔法が得意な者と、で完全分業されているみたいで、中間は無いというのがこれまでの歴史、らしい。

「ようやく、次の街が見えて来たな……。今度の街は小さな街、というか、村みたいな場所だな」
歩を進めて見えて来たのは、街……ではなく、村だった。
「何か、訳ありっぽい感じだよな。こういう時は、追っ払われたり、逆に何も言われなくて、聞くな!という雰囲気を出されたりというのが王道的展開だよな……」

 僕は、村の入り口に着いた。
「少年、何用でこの村に来た?」
門に立っている男が尋ねて来た。
「僕は、皇都に向かう途中の者です。もうすぐ、夕暮れ……、昨夜は野宿だった為、今夜はこちらで一泊させて頂きたく立ち寄らさせて頂いた次第です」
僕は、至極丁寧に答えた。
「悪い事は言わん。この村を早々に立ち去られた方が身の安全には良い。命を大事にされるならば……」
「何か危険なものが出るという事ですね?」
僕は、男の返答を遮った。
「盗賊とかいう類いのものじゃないという事ですかね?」
「部外者に答える義理は無い。まあ、しかし、夜に出歩かないという条件を呑むのであれば、一泊だけ泊まって行かれよ」
「ご忠告に従いましょう(従う訳無いよ!)」
「では、ついて参れ! おい、門番変わってくれ!」
僕は、男の後について行った。
「(それにしても……、ここは人が外に少ないな……、家の中にはいるみたいだが)」

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