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ブサイクのまま生きていくつもりなんて無い3/4

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「私今度の春休みに整形してくるよ」いつも一緒にいる5人組の友達に報告した。
「え、マジで?!」いつか整形する、とずっと言っていたのだからそんなに驚くことではないだろうに。私は本気だったのだから。
「来週、駅前の美容整形外科で予約とってある。とりあえず説明だけだろうけど」すると、同じアイプチ仲間の悠理が身を乗り出した。「え、私もしたい!え、え、私も一緒にやる!」
悠理の一重は私ほど重い瞼ではないし、目の面積自体も大きかった。それでもアイプチでより大きな目を作り派手なメイクをしていた。私よりはマシな一重で羨ましくも思うが、コンプレックスは人それぞれ。
実は悠理も瞼が切れて赤く腫れあがり、母親に心配されていたそうだ。悠理の母はとても若くて豪快であっけらかんとした人だ。「その瞼、痛々しいよ。アイプチなんかしてないで、お金だしてあげるから整形とかしてきちゃいなさいよ」とよく言われるらしい。けれど悠理は勇気が出なくてあまり真剣に考えていなかったそうだ。
「いいよ、じゃあ予約2人にしてください、って後で電話してみる!一緒に整形しよう!いぇーい!!」悠理は母親とノリに後押しされて、整形が決まった。


二重手術の方法は大きく分けて瞼切開法と埋没法とあった。値段や手軽さに違いがあるようで、できれば埋没法でやりたいけれどこのど一重は切開じゃなきゃダメかな?と覚悟していたが、悠理と説明を受けた際、2人とも埋没法で大丈夫と言われた。よかった。
ところが1つ大きな問題があった。高校2年生の私は手術の同意書に親のサインがいるのだ。
整形のことは親に何も言っていなかった。元々親と話すのがあまり得意じゃなかったし、自分の決定事項をわざわざ報告する理由もない。
確かにある日いきなり二重になったら親に何か言われるか、怒られるのか、それを考えると気が重かったので考えないようにしていた。変化に鈍感な親だから、もしかしたら気づかないかもしれない、誤魔化せるかもしれないとも期待した。
同意書に内緒でサインしちゃえばいい、とまでは思えなかった。紙切れと言えど、法的に悪い事をする訳で、後から何かあると困る。私は真面目なのだ。
悠理の家はいいな。お金出して応援までしてくれる。病院の帰り道、親に話をしなければいけないことが憂鬱で、ワクワクな気持ちは一気に冷めた。

母親は「そんな、整形なんて…!」という反対姿勢だったが、ふざけた事言わないで!とヒステリーを起こされないだけホッとした。アイプチという商品を知らないせいもあるだろうが、私が毎日二重を作っていることにも気づいていなかったとの事に軽く驚く。スッピンと化粧後だと、なんとなく雰囲気が変わるなぁくらいにしか思っていなかったと。
切れて膿んで赤く腫れあがった瞼を見せ、この目つきのせいで人に誤解される、少しだけでもマシな顔になりたい、いつか絶対整形するって決めていた、という私の話を一通り聞いて、お父さんが帰ってきてからね、と言われた。
夜に両親で話をしたのだろう。翌朝、母親に同意書を書いてもらえた。「お母さんはそのままの顔でもいいと思うけどね」と言っていたが、そんな話はどうでもいい。同意書さえサインしてくれればそれでいい。

同意書を渡すためにもう一度病院に行き、その場で手術の予約をした。
あとは春休みを待つばかり。3年生からはアイプチのない高校生活だ!!
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