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59離さないで② ※
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すると自然と、アルベールの雄々しい下半身が露わになる。予期せぬ物を見たかのように、驚きの声がすぐに告げられていくのだった。
「うそ…………」
ハヤセは奉仕する気持ちでいたが、あろうことかそれの大きさをまったく見誤っていた。極太のペニスが目の前に現れてからはすぐに目が釘付けになってしまう。
根元から長太い槍のような形状の先端にかけてまで。人が触っていないのに彼の性器は上を向いて張り出していた。
大きすぎる。これを手で擦るとか。まさか尻穴でどうこうするなんて、無理があるのではないか。人を仕留められそうなほどギラギラ血走っているではないか。
ハヤセは恐ろしさに息をのんだ。でも、ここで尻込みしていても仕方がない。怖気づきながらも恐る恐るやわな手を伸ばしていった。
「楽にしてて」
「待てよ……俺は大丈夫だから」
こんなに苦しそうにしているのに大丈夫なはずがない。怒れる肉棒は手に包み込むと、やけどしそうなほどの熱と血の巡りを感じられる。
ハヤセは懸命にアルベールの顔色を見ながら、固定した手腕を細やかに動かしていった。
異形の固さに戸惑うがこれもアルベールの一部だと思えば可愛いものだ。ハヤセは舌先に唾液を蓄えて、迷うことなくペニスの先端に口をあてがっていった。水気を塗りたくると、ぴちゃりと音がする。
まるで性器とキスしているみたいだと恥じらう気持ちは並み大抵のことではない。だけど手が滑らずにもたつく方が嫌だった。アルベールが苦しむのは見ていられない。
握る力はちょうどいいのか悪いのか、滑りのよくなった後でも、アルベールは歪んだ顔で苦しそうに呻いていた。
「痛い?あんまり気持ち良くないかな」
「ハヤセ、そんなことない。最高だよ」
意外にもアルベールからの返答は早かった。そしてさらに意外なことに上手だと褒められる。ハヤセは相手の言葉に喜びで満たされて、ここまでのやりがいを実感した。
「気持ちいいの?」
「あぁ……お前の手がくっついて離れない。こんなの我慢できるわけないだろ」
頭で物を考えていないなとハヤセはアルベールの言動に苦笑した。同じ部屋の空気を感じて、同じベッドに寝て、まるでおしどり夫婦かのように生活を送っている。
それでも夫婦らしい愛情表現といったら数少ない。日常的な交流は欠かさずしていたが、肉体的な関係といったら皆無であるから。アルベールから迫られることも無いし、ベッドの上でそのような話題が交わされたこともない。
不満が溜まっていたのはハヤセの方だった。性欲を発散してほしいとアルベールに何度も接触するが、やさしく頭を撫でられるだけだ。
今朝のキスも不発だったのだから半ば諦めかけていた。
「ううっ……!!なぁ、ハヤセ」
「うん……我慢しないで?」
ペニスに緩々と指圧を与えてみる。それと前後の腕の動きに変化を加えていくと、これまた違う反応が返ってくる。ハヤセは小悪魔のように笑い、アルベールを惑わせた。
「はっ、ぐっ……!!ハヤセ……!!」
白いものが視界を塞いでいく。ぶわりと放出された精子はハヤセの手に収まらず、顔の横半分に付着した。熱くてどろりと額にへばりつく。不思議な肌触りにはハヤセも驚きが隠せなかった。
実に数月ぶんの欲望、まだほんの一部だがようやく外に出されたことになる。
しかし、これで終わるはずがない。ハヤセはぎょっと目を見開いた。アルベールの精気はまだ溌溂とみなぎっている。その証拠に、今しがた抜いたばかりのペニスに力が蘇ってくるのがわかる。余裕そうに起き上がるそれを見ていたら、むせ返りそうな雄臭さが、ハヤセの鼻を襲った。
「うそ…………」
ハヤセは奉仕する気持ちでいたが、あろうことかそれの大きさをまったく見誤っていた。極太のペニスが目の前に現れてからはすぐに目が釘付けになってしまう。
根元から長太い槍のような形状の先端にかけてまで。人が触っていないのに彼の性器は上を向いて張り出していた。
大きすぎる。これを手で擦るとか。まさか尻穴でどうこうするなんて、無理があるのではないか。人を仕留められそうなほどギラギラ血走っているではないか。
ハヤセは恐ろしさに息をのんだ。でも、ここで尻込みしていても仕方がない。怖気づきながらも恐る恐るやわな手を伸ばしていった。
「楽にしてて」
「待てよ……俺は大丈夫だから」
こんなに苦しそうにしているのに大丈夫なはずがない。怒れる肉棒は手に包み込むと、やけどしそうなほどの熱と血の巡りを感じられる。
ハヤセは懸命にアルベールの顔色を見ながら、固定した手腕を細やかに動かしていった。
異形の固さに戸惑うがこれもアルベールの一部だと思えば可愛いものだ。ハヤセは舌先に唾液を蓄えて、迷うことなくペニスの先端に口をあてがっていった。水気を塗りたくると、ぴちゃりと音がする。
まるで性器とキスしているみたいだと恥じらう気持ちは並み大抵のことではない。だけど手が滑らずにもたつく方が嫌だった。アルベールが苦しむのは見ていられない。
握る力はちょうどいいのか悪いのか、滑りのよくなった後でも、アルベールは歪んだ顔で苦しそうに呻いていた。
「痛い?あんまり気持ち良くないかな」
「ハヤセ、そんなことない。最高だよ」
意外にもアルベールからの返答は早かった。そしてさらに意外なことに上手だと褒められる。ハヤセは相手の言葉に喜びで満たされて、ここまでのやりがいを実感した。
「気持ちいいの?」
「あぁ……お前の手がくっついて離れない。こんなの我慢できるわけないだろ」
頭で物を考えていないなとハヤセはアルベールの言動に苦笑した。同じ部屋の空気を感じて、同じベッドに寝て、まるでおしどり夫婦かのように生活を送っている。
それでも夫婦らしい愛情表現といったら数少ない。日常的な交流は欠かさずしていたが、肉体的な関係といったら皆無であるから。アルベールから迫られることも無いし、ベッドの上でそのような話題が交わされたこともない。
不満が溜まっていたのはハヤセの方だった。性欲を発散してほしいとアルベールに何度も接触するが、やさしく頭を撫でられるだけだ。
今朝のキスも不発だったのだから半ば諦めかけていた。
「ううっ……!!なぁ、ハヤセ」
「うん……我慢しないで?」
ペニスに緩々と指圧を与えてみる。それと前後の腕の動きに変化を加えていくと、これまた違う反応が返ってくる。ハヤセは小悪魔のように笑い、アルベールを惑わせた。
「はっ、ぐっ……!!ハヤセ……!!」
白いものが視界を塞いでいく。ぶわりと放出された精子はハヤセの手に収まらず、顔の横半分に付着した。熱くてどろりと額にへばりつく。不思議な肌触りにはハヤセも驚きが隠せなかった。
実に数月ぶんの欲望、まだほんの一部だがようやく外に出されたことになる。
しかし、これで終わるはずがない。ハヤセはぎょっと目を見開いた。アルベールの精気はまだ溌溂とみなぎっている。その証拠に、今しがた抜いたばかりのペニスに力が蘇ってくるのがわかる。余裕そうに起き上がるそれを見ていたら、むせ返りそうな雄臭さが、ハヤセの鼻を襲った。
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