カラダの恋人

フジキフジコ

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ヒミツの恋人【第二部】

9.オモチャ

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シャワーから出ると、浅岡さんはベッドに寝そべって、なにやらカタログを見ていた。
ミニスカートがめくれて、パンツと、パンツからはみ出した白いお尻が丸見えになっている。
オレはゴクンと生唾を飲みこんだ。

「あ、あ、浅岡さんは、シャワー浴びないの?」
「私は家でお風呂入ってきたからいいわ。それより四ノ宮君、勝手にオモチャ選んじゃったけど、これで良かった?」
「え?」
これ、と言って浅岡さんがオレに見せたのは、真っ黒な竿にイボのついたグロテスクな男性器型バイブだった。

「うそ」
その大きさと言ったら、軽くオレの2倍くらい、ある。
それをどうしろと言うのだ、この女。
浅岡さんはベッドの上にペタンと座って、潤んだ目でうっとりとその塩ビで出来た男性器を見つめ、なんと、頬ずりした。

「すごいでしょ、これ。アタシ、バイブでないとイケないんだ。四ノ宮君の、入れてもいいけど、最後はコレでアタシのこともイカせてくれる?」
言って、ペロンと、黒い性器の先端を舐めた。
オレの性器は腰に巻いたバスタオルの中ですっかり縮んでいた。
怖い、怖すぎるよ、この子!!!!

「さあ、四ノ宮君。シ・ヨ」
腕を引っ張られて「イヤだ!」とオレは振り払った。
「今さらなに言ってるのよ。大丈夫、ちゃんと四ノ宮君のことも気持ちよくしてあげるから」
すごい力で引っ張られて、オレはベッドの上に倒れた。
自然に浅岡さんの上に乗ってしまった態勢になる。
それでも、そんな気には全然ならなかった。
無理だ、オレには彼女は抱けない。
正直にそう言って謝ろう。

オレがそう決心したそのとき、バン!と大きな音がして、部屋の扉が開いた。
バタバタと足音がしたと思ったら、制服姿の警察官が3人、ベッドの脇に立っている。

「え?」
オレが驚いて固まってると、「彼女から離れろ!」と怒鳴られ、警官二人に両腕を掴まれ、ベッドから引きはがされた。
「わあ、おまわりさん、その女ですっ!無理矢理、シノのことをホテルに連れ込んだのは!」
最後に部屋に飛び込んできたのは陸だった。

「り、陸…」
オレは泣きそうな顔で陸を見た。
警察官は陸の言葉もオレの言葉もその場では聞いてくれず、オレは婦女暴行罪未遂の容疑で警察署に連れていかれた。
もちろん、疑いはすぐに晴れた。
浅岡麻美が、同意の上でホテルに入ったと正しい(本当は正確ではないが)証言をしてくれたからだ。
紛らわしい説明をした陸は、警察官にこっぴどく怒られた。



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