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【番外編】卒業旅行
5.新しい世界
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「…んだよ…」
トモは、小さいけどはっきりした声で言った。
「おきてた?」
「車の中で熟睡したせいか、眠れねえ」
「オレは頭が冴えて眠れない。ね、なにもしないから、一緒に寝よ?」
トモの背中にぴったり自分の身体をくっつけて、オレは言った。
なにも出来ないのはそりゃあ残念だけど、トモの体温を感じるだけでもワクワクする。
風呂で洗った髪の匂いや、温泉の匂いに混じって、トモの匂いがする。
くんくんとそれを確認するようにトモの肩口、浴衣の隙間から鎖骨のあたりに鼻を押し付けると、トモが急に身体の向きを変えて、オレと向かい合う格好になった。
「紺野、おまえも少しは我慢が出来るようになったんだな」
オレの顔を、ちょっと下の位置から上目使いに見て、そんなことを言ってクスクス笑って言う。
「だってさあ、別にもう焦る必要ないし。帰っても、一緒にいられるだろ、オレら。そういえば、同じところに帰れるって、すげえ嬉しいな」
そうだよ、トモはオレが欲望に我慢弱いと思ってるだろうけど、おまえを手に入れるために何年我慢したと思う?
「そのかわり、アパートにもどったら、ヤラせて」
耳元に唇を寄せて、囁くように言うと、トモがくすぐったそうに身をよじって、その拍子にオレの胸元に近づいた。
「似合わない我慢すんじゃねーよ」
そう言うと、トモはいきなりオレの浴衣の裾から手を入れて、下着の上からやんわりとそこを探った。
「な、トモ」
「…さっき、風呂場で途中だったろ、おまえ」
「そ、それはそうだけど」
ホントはオマエをオカズにトイレで抜いたけど。
「声、出すなよ。抜いてやるから」
「マ、マジで?」
「ちょっと待って」
言うとトモは一旦布団から出て、戻ってきたときには手にティッシュの箱を持っていた。
それを枕元に置いて、布団に入る。
「…パンツ脱げよ」
「うん」
トモが手で途中まで下げた下着をもぞもぞと足を動かして脱ぐ。
浴衣をはだけて、布団の中でむき出しになったオレのそれを、トモの手が扱いた。
「……うっ…ん、トモ…気持ち…いい…」
トモはオレの胸元に顔をつけて、肌蹴たその部分を舌で舐めたりしている。
オレの鼻にトモの髪がくっついて、いい匂いがする。
同じシャンプーを使ってるんだから、同じ匂いがするはずなのに、それがトモのだと思うだけで気持ち良くなるから不思議だ。
「ちょっと…トモ…ヤバいかも…も、でそ…オレ、トイレ行ってくる…布団汚すとヤバイだろ」
とてもトモの手の中に納まる量だとは思えない。
「…いいよ。ちょっと待って」
言うと、トモは布団の中に潜って身体を下にズラした。
「な、トモ?」
布団の中にすっぽり潜ったまま、トモはオレのイキそうになってビンビンのそれを咥えた。
「…あっ……」
トモの柔らかい唇がオレのナニを挟み、湿った舌が先端に絡まる。
き、気持ちいい。
「うっ…」
口腔にすっぽり包みこんできつく吸ってはいったん緩め、側面を舐めてはまた吸い付く。
普段、自分からすすんでフェラなんてしてくれないトモにしてはかなり、頑張っている。
やっぱり旅というのはヒトを大胆にさせるんだなあ。
ああ、来てよかった。
「…おっ、も、でる」
しみじみと快感に浸っていたらいい加減疲れたのかトモがピッチを早めて顔を上下に動かしオレを追い立てた。
オレの視界には自分の腹から下だけ盛り上がった布団が快感のリズムに合わせて上下に動くというかなりコミカルな光景が広がっている。
こんなんで昇天しちゃうのも、やっぱ旅先ならではかも。
「このままじゃあ朝、まずいから、おまえ自分の布団に戻れよ」
フェラまでしてもらって、超満足なオレはそのトモの言葉に素直に従った。
「じゃあ手だけ、繋いで」
「子供かよ、おまえ」
呆れながらも、トモは手を貸してくれた。
浴衣を着て、並んだ布団に寝ながら手を繋ぐ。
こんなことでさえウキウキするなあ。
「なあ、紺野。オレたち、マジで社会人になるんだなあ。今までとは全く違う生活でさ、変わっていくのかな」
ふと、トモが天井を見ながらそんなことを言った。
「なんだよ、なんか不安なのか」
「そうじゃないけど」
「生活が変わっても、変わらないものはあるよ、きっと。オレのおまえへの気持ちは変わらないし、オレたちの関係も変わらない」
オレが断言すると、トモはオレの方を見て微笑した。
「これからも、宜しくな」
恥ずかしがり屋のオレの恋人は決して「オレも」とは言ってくれないけど、その言葉と笑顔だけでオレは充分満たされる。
「おやすみ」
おやすみダーリン。
もし奇跡が起きて、明日晴れたら、海に行こう。
あともう少しだけ、学生気分を味わって太陽の下で子供みたいに、はしゃごう。
無邪気に楽しんで、そして日常に戻ったら怖がらないで新しい世界に踏み出そう。
次の朝目覚めると、寝乱れたせいで浴衣が脱げかけて半裸状態のオレは、同じく浴衣が腰紐で腰にひっかかってるだけの半裸の加藤と抱き合って眠っていた。
オエッ。
寝起きの気分は最悪だった。
しかし、いいこともあった。
「ねえ、みんな見て、外。すげえ、いい天気だよ。昨日の雨、どこいっちゃったんだろうね」
窓を開けた四ノ宮が言った。
「やったあ、紺野君、海行こう、海!」
加藤が小学生の修学旅行生と同レベルのテンションで言う。
「おまえらはなあ、ここ泊まってる小学生と一緒にもいっかい修学旅行行ってこい!んで勝手に帰れ」
「ええ!そんなあ、一緒に帰ろうよう」
「ねえねえ、間宮君たちにお土産買わないとね」
オレたちの修学旅行…違った…卒業旅行はまだ終わらない。
END
※この続きは教師編「ヒミツの恋人」になります。
トモは、小さいけどはっきりした声で言った。
「おきてた?」
「車の中で熟睡したせいか、眠れねえ」
「オレは頭が冴えて眠れない。ね、なにもしないから、一緒に寝よ?」
トモの背中にぴったり自分の身体をくっつけて、オレは言った。
なにも出来ないのはそりゃあ残念だけど、トモの体温を感じるだけでもワクワクする。
風呂で洗った髪の匂いや、温泉の匂いに混じって、トモの匂いがする。
くんくんとそれを確認するようにトモの肩口、浴衣の隙間から鎖骨のあたりに鼻を押し付けると、トモが急に身体の向きを変えて、オレと向かい合う格好になった。
「紺野、おまえも少しは我慢が出来るようになったんだな」
オレの顔を、ちょっと下の位置から上目使いに見て、そんなことを言ってクスクス笑って言う。
「だってさあ、別にもう焦る必要ないし。帰っても、一緒にいられるだろ、オレら。そういえば、同じところに帰れるって、すげえ嬉しいな」
そうだよ、トモはオレが欲望に我慢弱いと思ってるだろうけど、おまえを手に入れるために何年我慢したと思う?
「そのかわり、アパートにもどったら、ヤラせて」
耳元に唇を寄せて、囁くように言うと、トモがくすぐったそうに身をよじって、その拍子にオレの胸元に近づいた。
「似合わない我慢すんじゃねーよ」
そう言うと、トモはいきなりオレの浴衣の裾から手を入れて、下着の上からやんわりとそこを探った。
「な、トモ」
「…さっき、風呂場で途中だったろ、おまえ」
「そ、それはそうだけど」
ホントはオマエをオカズにトイレで抜いたけど。
「声、出すなよ。抜いてやるから」
「マ、マジで?」
「ちょっと待って」
言うとトモは一旦布団から出て、戻ってきたときには手にティッシュの箱を持っていた。
それを枕元に置いて、布団に入る。
「…パンツ脱げよ」
「うん」
トモが手で途中まで下げた下着をもぞもぞと足を動かして脱ぐ。
浴衣をはだけて、布団の中でむき出しになったオレのそれを、トモの手が扱いた。
「……うっ…ん、トモ…気持ち…いい…」
トモはオレの胸元に顔をつけて、肌蹴たその部分を舌で舐めたりしている。
オレの鼻にトモの髪がくっついて、いい匂いがする。
同じシャンプーを使ってるんだから、同じ匂いがするはずなのに、それがトモのだと思うだけで気持ち良くなるから不思議だ。
「ちょっと…トモ…ヤバいかも…も、でそ…オレ、トイレ行ってくる…布団汚すとヤバイだろ」
とてもトモの手の中に納まる量だとは思えない。
「…いいよ。ちょっと待って」
言うと、トモは布団の中に潜って身体を下にズラした。
「な、トモ?」
布団の中にすっぽり潜ったまま、トモはオレのイキそうになってビンビンのそれを咥えた。
「…あっ……」
トモの柔らかい唇がオレのナニを挟み、湿った舌が先端に絡まる。
き、気持ちいい。
「うっ…」
口腔にすっぽり包みこんできつく吸ってはいったん緩め、側面を舐めてはまた吸い付く。
普段、自分からすすんでフェラなんてしてくれないトモにしてはかなり、頑張っている。
やっぱり旅というのはヒトを大胆にさせるんだなあ。
ああ、来てよかった。
「…おっ、も、でる」
しみじみと快感に浸っていたらいい加減疲れたのかトモがピッチを早めて顔を上下に動かしオレを追い立てた。
オレの視界には自分の腹から下だけ盛り上がった布団が快感のリズムに合わせて上下に動くというかなりコミカルな光景が広がっている。
こんなんで昇天しちゃうのも、やっぱ旅先ならではかも。
「このままじゃあ朝、まずいから、おまえ自分の布団に戻れよ」
フェラまでしてもらって、超満足なオレはそのトモの言葉に素直に従った。
「じゃあ手だけ、繋いで」
「子供かよ、おまえ」
呆れながらも、トモは手を貸してくれた。
浴衣を着て、並んだ布団に寝ながら手を繋ぐ。
こんなことでさえウキウキするなあ。
「なあ、紺野。オレたち、マジで社会人になるんだなあ。今までとは全く違う生活でさ、変わっていくのかな」
ふと、トモが天井を見ながらそんなことを言った。
「なんだよ、なんか不安なのか」
「そうじゃないけど」
「生活が変わっても、変わらないものはあるよ、きっと。オレのおまえへの気持ちは変わらないし、オレたちの関係も変わらない」
オレが断言すると、トモはオレの方を見て微笑した。
「これからも、宜しくな」
恥ずかしがり屋のオレの恋人は決して「オレも」とは言ってくれないけど、その言葉と笑顔だけでオレは充分満たされる。
「おやすみ」
おやすみダーリン。
もし奇跡が起きて、明日晴れたら、海に行こう。
あともう少しだけ、学生気分を味わって太陽の下で子供みたいに、はしゃごう。
無邪気に楽しんで、そして日常に戻ったら怖がらないで新しい世界に踏み出そう。
次の朝目覚めると、寝乱れたせいで浴衣が脱げかけて半裸状態のオレは、同じく浴衣が腰紐で腰にひっかかってるだけの半裸の加藤と抱き合って眠っていた。
オエッ。
寝起きの気分は最悪だった。
しかし、いいこともあった。
「ねえ、みんな見て、外。すげえ、いい天気だよ。昨日の雨、どこいっちゃったんだろうね」
窓を開けた四ノ宮が言った。
「やったあ、紺野君、海行こう、海!」
加藤が小学生の修学旅行生と同レベルのテンションで言う。
「おまえらはなあ、ここ泊まってる小学生と一緒にもいっかい修学旅行行ってこい!んで勝手に帰れ」
「ええ!そんなあ、一緒に帰ろうよう」
「ねえねえ、間宮君たちにお土産買わないとね」
オレたちの修学旅行…違った…卒業旅行はまだ終わらない。
END
※この続きは教師編「ヒミツの恋人」になります。
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