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本編
13.【Jリーガー】水野光司
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平日の真昼のホテルの室内プールはまるで人気がなく、晶と光司は贅沢にも清潔で高級な空間を貸切の状態で使っていた。
もっとも泳いでいるのは光司一人で、晶はプールサイドのデッキチェアーに寝そべって退屈そうにビールを飲んでいた。
「晶君、泳がないの?もったいない」
ザバッと音を立ててプールからあがった光司が、晶の側まで来て言う。
「なんでわざわざそんな疲れることしなきゃなんねえんだよ」
「疲れるって、スポーツだもん、当たり前じゃない。泳がないんならどうして水着なんか着てるの」
「そりゃあおまえ、気分だよ、気分」
専業主婦の晶はとにかく暇を持て余している。
かといって昼間から遊べる場所はあまりない。
パチンコ屋への出入りを禁止されて以来、都心のホテルの中でジムやマッサージやショッピングをして時間を潰すことが多くなった。
なにをしても一人ではつまらないので、誰かを誘う。
今日の相手は水野光司だった。
ふーん、と言いながら晶の横に立ちタオルで顔を拭いている光司を、晶はサングラスをそっとズラして覗き見る。
褐色の肌が水分を含んで濡れ光って、抜群のプロポーションを引き立てている。
贅肉のカケラもない鍛え抜かれた引き締まった腹部に目を走らせて、晶は感嘆のため息を吐いた。
ドキドキしながら視線を少しづつ降下させて、ビキニのパンツに目を向ける。
伸縮性のある小さな布はくっきりと男のシンボルの形に膨らんでいて、とてもセクシーだ。
腰骨もキュッと上に向いたヒップも水滴のついた太腿も、たまらなくエロチックで、晶は思わずゴクンと生唾を飲み込んだ。
光司が「ん?」という顔で晶を見下ろす。
晶は慌てて横を向き、素知らぬ風を装った。
「なに?」
光司は身体を屈めて、晶の身体を挟むようにチェアーの脇に両手をついた。
「なんでもねーよ」
素っ気なく答えると、光司は目で笑って晶のサングラスを外す。
「なにすんだ」
「晶君って、考えてることがほんと、わかりやすいよね」
言って、光司はさらに上体を屈めて唇を重ねてきた。
「んっ…うっ…」
不意の口づけに一瞬驚いたものの、すぐに唇を開いて光司の舌を向かい入れる。
かすかにカルキの匂いのする冷たいキスが気持ちいい。
口づけに、溺れる。
「………光司、部屋、とって」
唇を離した光司を見上げながら、頬を染めた晶がねだる。
「わざわざ疲れることするの?」
クスッと笑って光司は、晶を起こすために手を差し出した。
もっとも泳いでいるのは光司一人で、晶はプールサイドのデッキチェアーに寝そべって退屈そうにビールを飲んでいた。
「晶君、泳がないの?もったいない」
ザバッと音を立ててプールからあがった光司が、晶の側まで来て言う。
「なんでわざわざそんな疲れることしなきゃなんねえんだよ」
「疲れるって、スポーツだもん、当たり前じゃない。泳がないんならどうして水着なんか着てるの」
「そりゃあおまえ、気分だよ、気分」
専業主婦の晶はとにかく暇を持て余している。
かといって昼間から遊べる場所はあまりない。
パチンコ屋への出入りを禁止されて以来、都心のホテルの中でジムやマッサージやショッピングをして時間を潰すことが多くなった。
なにをしても一人ではつまらないので、誰かを誘う。
今日の相手は水野光司だった。
ふーん、と言いながら晶の横に立ちタオルで顔を拭いている光司を、晶はサングラスをそっとズラして覗き見る。
褐色の肌が水分を含んで濡れ光って、抜群のプロポーションを引き立てている。
贅肉のカケラもない鍛え抜かれた引き締まった腹部に目を走らせて、晶は感嘆のため息を吐いた。
ドキドキしながら視線を少しづつ降下させて、ビキニのパンツに目を向ける。
伸縮性のある小さな布はくっきりと男のシンボルの形に膨らんでいて、とてもセクシーだ。
腰骨もキュッと上に向いたヒップも水滴のついた太腿も、たまらなくエロチックで、晶は思わずゴクンと生唾を飲み込んだ。
光司が「ん?」という顔で晶を見下ろす。
晶は慌てて横を向き、素知らぬ風を装った。
「なに?」
光司は身体を屈めて、晶の身体を挟むようにチェアーの脇に両手をついた。
「なんでもねーよ」
素っ気なく答えると、光司は目で笑って晶のサングラスを外す。
「なにすんだ」
「晶君って、考えてることがほんと、わかりやすいよね」
言って、光司はさらに上体を屈めて唇を重ねてきた。
「んっ…うっ…」
不意の口づけに一瞬驚いたものの、すぐに唇を開いて光司の舌を向かい入れる。
かすかにカルキの匂いのする冷たいキスが気持ちいい。
口づけに、溺れる。
「………光司、部屋、とって」
唇を離した光司を見上げながら、頬を染めた晶がねだる。
「わざわざ疲れることするの?」
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