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二人目プレッシャー
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「女の子がいいな。」
期待に満ちた目でみつめるのはアレクセイ。
もちろん、全然妊娠の傾向もないが、周りが反応する。
ギルバートを筆頭に宰相や官僚、侍女、みんながコワレモノ体制に入ろうとする。
「チガウ、違うから、妊娠してない。」
がっくりしたギルバートがアレクセイを抱きしめながら、
「アレクセイの妹を早く作ってやろうな。」
「父上がんばってください。」
アレクセイは言いながら、ギルバートの抱擁から抜け出す。
男の子のアレクセイでこれだ、女の子が生まれたら、ギルバートはきっと目に入れる!
マリコは今日も他人事のようにオヤツが美味しいとほおばっている。
まて、何故にアレクセイはそんなこと言う、と我が身を鏡で見ると、なんとなくポッチャリしたような気がする。
妊婦とマチガワレテイル?
ここにはスポーツジムはないのに美味しいご飯はある、このせいだ!
もしスポーツジムがあっても行くことはない、運動は苦手である。
だから初めてこの世界に来た時のジャングルで、すぐにトカゲもどきに追いつかれたのだ。
食べても太らないありがたい体質のおかげで、なんでも美味しく食べてきた。
出産で体質が変わる人も多いと聞く、やばい。 急に不安になってくる。
歩くぐらいなら出来る。
そしてマリコは間違った。
最近のギルバートは仕事から戻るのが遅い、夜こっそり歩こう。
マリコは自分の事しか考えないから間違ったのだ。
夜、仕事から戻ったギルバートが部屋にマリコがいないと発見したらどうなるか。
ギルバートにとってマリコは、部屋に戻ると優しく迎えてくれるイメージだ。
実際は部屋から一歩も出たくないマリコが、ソファでゴロンとしている。
湖畔地方のカエルの卵で外は怖いと思ったらしい。
ギルバートには理解できないが、部屋ですばらしい絵を描いている。
侍女もアレクセイも理解できないようだが、マリコの描く絵はすばらしい。
そのマリコが部屋にいないのである。
その夜、部屋に戻ってマリコがいないと分かると、ギルバートはマリコが拉致されたと大騒ぎだ。
外からマリコの香りがするからである。
竜王の番を誘拐するとは思い知らせてやる。
ギルバートの魔法をかけてあるので、危険が及ぶ事はないだろうが、マリコがいない。大事件だ。
外に出るとマリコの香りを追う。
犯人を刺激するといけないから、こっそり行ってマリコを奪い返したら成敗してやる。
ギルバートにとって、マリコを見つけることは難しいことではない。
はぁ、いっぱい歩いたな、これできっと痩せたに違いない。
ちょっと美味しいもの食べに行こうかな、マリコは街に向かう。
どこまでも自分に甘いマリコ、ギルバートには辛いが。
しばらくマリコの後を着けていたギルバートは不審に思う、マリコは1人のようだ。
しかも夜の街に向かっている。
もしかして、他の男に会いに行くのか。
マリコは魅力的だから、男がほおっておかないんだ。
それが大きな間違いである事を雄竜は気が付かない。
自分の番は世界一魅力的だと信じ込んでいる、目が腐っているからだ。
ダイエットの為にちょっと歩こう、は事件へと発展していく。
犯人はいない、しいていうなら妄想がギルバートを追い詰めるのだ。
マリコの向かうのはギルバートに連れていってもらった食堂だ。
「マリコ様、お一人ですか。」
「うん、ちょっとね。ギルバートには秘密にしていてね。」
ギルバートの耳はその気になれば1キロ先の音でもひろうことができる。
マリコが私に秘密だと。ギルバートのショックは大きい、絶対に男だ。
どれだ、あの髭か、あっちの優男か、怪しいと思うとどんどん不信に見えてくる。
冷静に見るとギルバートの方が断然にイケメンであるが、今は番に狂った哀れな男である。
マリコが奪われる妄想に追い込まれている。
マリコが雌竜であったならば雄竜の習性もわかっていようが、異世界人にそれは望めない。
食堂をマリコ以外燃やすか、マリコの住む籠を作ろう。
アレクセイも男だ、面会はさせない。
ギルバートの思考は、ドンドン危なくなっていく。
何故マリコが浮気などするのだ、誰かが手引きしたのか、最近仕事の帰りが遅かったからか。
可哀そうにマリコは寂しかったのだな。
浮気疑惑が、何故に可哀そうになるかが不思議である。
「マリコ!」
「え?ギルバート。」
食堂に入ってきたギルバートは、わき目も振らずマリコに抱きつく。
「寂しかったのだな。」
事情がわからないのはマリコ。
「王宮を抜け出してどこに行こうとしてたのだ?」
マリコは事情を察した、ギルバートは誤解している。
「誰かの手引きで王宮を抜け出したのか、侍女か、護衛か?」
沈黙はギルバートの誤解を増長させることも、身に染みて知っている。
「チガウ、あのね、歩こうと思っただけなの。」
「歩く?」
「あ、健康の為に歩こうと。」
「それが何故夜なのだ、散歩だろう。どこか病気なのか、医者をすぐ呼ぶ。」
そして焦るマリコは失敗した。
「違う、もっと健康になると二人目がさずかるかなぁって。」
人間ごまかそうとすると失敗する実例である。
正直に太ったと言えばよかったのに、見栄をはってしまった。
こんなこと言えばギルバートが感動するのが誰でもわかる。
その夜、マリコ失踪事件が起こり、発見されたのは5日後のベッドの中だった。
誰もがギルバートが騒がないので近くにいるとは思っていたが、さすがに心配した侍女達が騒ぎだした。
アレクセイの問い詰めにギルバートはおれ、異空間に作った部屋のベッドの中からマリコが発見されたのだった。
食事も口移しで構い倒されて疲れ果てダウンして夜を迎え、さらに昼間ダウンで夜を迎えるを繰り返していたらしく、マリコはウォーキング前より痩せていた。
ギルバートに限度はない。
期待に満ちた目でみつめるのはアレクセイ。
もちろん、全然妊娠の傾向もないが、周りが反応する。
ギルバートを筆頭に宰相や官僚、侍女、みんながコワレモノ体制に入ろうとする。
「チガウ、違うから、妊娠してない。」
がっくりしたギルバートがアレクセイを抱きしめながら、
「アレクセイの妹を早く作ってやろうな。」
「父上がんばってください。」
アレクセイは言いながら、ギルバートの抱擁から抜け出す。
男の子のアレクセイでこれだ、女の子が生まれたら、ギルバートはきっと目に入れる!
マリコは今日も他人事のようにオヤツが美味しいとほおばっている。
まて、何故にアレクセイはそんなこと言う、と我が身を鏡で見ると、なんとなくポッチャリしたような気がする。
妊婦とマチガワレテイル?
ここにはスポーツジムはないのに美味しいご飯はある、このせいだ!
もしスポーツジムがあっても行くことはない、運動は苦手である。
だから初めてこの世界に来た時のジャングルで、すぐにトカゲもどきに追いつかれたのだ。
食べても太らないありがたい体質のおかげで、なんでも美味しく食べてきた。
出産で体質が変わる人も多いと聞く、やばい。 急に不安になってくる。
歩くぐらいなら出来る。
そしてマリコは間違った。
最近のギルバートは仕事から戻るのが遅い、夜こっそり歩こう。
マリコは自分の事しか考えないから間違ったのだ。
夜、仕事から戻ったギルバートが部屋にマリコがいないと発見したらどうなるか。
ギルバートにとってマリコは、部屋に戻ると優しく迎えてくれるイメージだ。
実際は部屋から一歩も出たくないマリコが、ソファでゴロンとしている。
湖畔地方のカエルの卵で外は怖いと思ったらしい。
ギルバートには理解できないが、部屋ですばらしい絵を描いている。
侍女もアレクセイも理解できないようだが、マリコの描く絵はすばらしい。
そのマリコが部屋にいないのである。
その夜、部屋に戻ってマリコがいないと分かると、ギルバートはマリコが拉致されたと大騒ぎだ。
外からマリコの香りがするからである。
竜王の番を誘拐するとは思い知らせてやる。
ギルバートの魔法をかけてあるので、危険が及ぶ事はないだろうが、マリコがいない。大事件だ。
外に出るとマリコの香りを追う。
犯人を刺激するといけないから、こっそり行ってマリコを奪い返したら成敗してやる。
ギルバートにとって、マリコを見つけることは難しいことではない。
はぁ、いっぱい歩いたな、これできっと痩せたに違いない。
ちょっと美味しいもの食べに行こうかな、マリコは街に向かう。
どこまでも自分に甘いマリコ、ギルバートには辛いが。
しばらくマリコの後を着けていたギルバートは不審に思う、マリコは1人のようだ。
しかも夜の街に向かっている。
もしかして、他の男に会いに行くのか。
マリコは魅力的だから、男がほおっておかないんだ。
それが大きな間違いである事を雄竜は気が付かない。
自分の番は世界一魅力的だと信じ込んでいる、目が腐っているからだ。
ダイエットの為にちょっと歩こう、は事件へと発展していく。
犯人はいない、しいていうなら妄想がギルバートを追い詰めるのだ。
マリコの向かうのはギルバートに連れていってもらった食堂だ。
「マリコ様、お一人ですか。」
「うん、ちょっとね。ギルバートには秘密にしていてね。」
ギルバートの耳はその気になれば1キロ先の音でもひろうことができる。
マリコが私に秘密だと。ギルバートのショックは大きい、絶対に男だ。
どれだ、あの髭か、あっちの優男か、怪しいと思うとどんどん不信に見えてくる。
冷静に見るとギルバートの方が断然にイケメンであるが、今は番に狂った哀れな男である。
マリコが奪われる妄想に追い込まれている。
マリコが雌竜であったならば雄竜の習性もわかっていようが、異世界人にそれは望めない。
食堂をマリコ以外燃やすか、マリコの住む籠を作ろう。
アレクセイも男だ、面会はさせない。
ギルバートの思考は、ドンドン危なくなっていく。
何故マリコが浮気などするのだ、誰かが手引きしたのか、最近仕事の帰りが遅かったからか。
可哀そうにマリコは寂しかったのだな。
浮気疑惑が、何故に可哀そうになるかが不思議である。
「マリコ!」
「え?ギルバート。」
食堂に入ってきたギルバートは、わき目も振らずマリコに抱きつく。
「寂しかったのだな。」
事情がわからないのはマリコ。
「王宮を抜け出してどこに行こうとしてたのだ?」
マリコは事情を察した、ギルバートは誤解している。
「誰かの手引きで王宮を抜け出したのか、侍女か、護衛か?」
沈黙はギルバートの誤解を増長させることも、身に染みて知っている。
「チガウ、あのね、歩こうと思っただけなの。」
「歩く?」
「あ、健康の為に歩こうと。」
「それが何故夜なのだ、散歩だろう。どこか病気なのか、医者をすぐ呼ぶ。」
そして焦るマリコは失敗した。
「違う、もっと健康になると二人目がさずかるかなぁって。」
人間ごまかそうとすると失敗する実例である。
正直に太ったと言えばよかったのに、見栄をはってしまった。
こんなこと言えばギルバートが感動するのが誰でもわかる。
その夜、マリコ失踪事件が起こり、発見されたのは5日後のベッドの中だった。
誰もがギルバートが騒がないので近くにいるとは思っていたが、さすがに心配した侍女達が騒ぎだした。
アレクセイの問い詰めにギルバートはおれ、異空間に作った部屋のベッドの中からマリコが発見されたのだった。
食事も口移しで構い倒されて疲れ果てダウンして夜を迎え、さらに昼間ダウンで夜を迎えるを繰り返していたらしく、マリコはウォーキング前より痩せていた。
ギルバートに限度はない。
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