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第五章 魔剣と魔人
第10話 大疾走!
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「お、おい! どうした!?」
突然走り出した健太郎に戸惑うアアアーシャ。
地面はもうウサギやタヌキやカメやらで埋まりそうな勢いで、ただ真っすぐ走るのも困難になりつつあった。
それでも走る。
「うわあああああああ!」
魔剣を無茶苦茶に振り回して魔獣の中を駆けていく。
生き物を蹴飛ばしたり踏んづけたりと嫌な感触もあるが気にしている場合ではない。
「あのマホルめ! やらせるか!」
ボスが魔獣をけしかけるように魔剣を突き出す。
その動きに合わせてツノツノウサギが数匹、健太郎に襲いかかった。
「ちょっと痛い目を見てもらおうかな!」
「こいよちくしょおおおおおぁぁあああ!」
ダメだ、こんな無茶苦茶に振り回すだけの剣でこの数のツノツノウサギは倒せない。
炎を放つか……! アアアーシャは考えるが、ツノツノウサギのすぐ後ろは村人達がいる。無理だ。
こうなったらもう健太郎に任せるしかない。
「ヤンキースキル"喧嘩上等"だコラぁ!!」
「……これは……!」
健太郎は自身の体に変化を感じた。
急に『強くなった気がしてきた』のだ。
腕に力がみなぎり闘争心が湧き出る。
「うおおおおおおおおおおお!!」
そのまま、『強くなった気がする』剣を振り回しツノツノウサギを撃破していく。
「すごい! 僕すごいですよね、ね、これ!」
「ああすげぇよ! そのまま突っ切れ!」
最後の一匹を斬る。やった……! と安心した直後その背後から小型の魔獣が飛び出した。イッカクツノウサギだ。
ツノウサギよりも鋭いツノを持つ魔獣で、刺突攻撃の威力は鉄の鎧を貫く。
狙いは魔剣を持つ右腕か……!
「避けろ!」
「!?」
ダメだ、健太郎に避けられるはずがない。
アタシ様が魔人の姿に戻って、健太郎の身代わりに……間に合うか……!
「はぁッ!」
アアアーシャの判断よりも行動よりも早く、イッカクツノウサギは斬られて消滅した。
セナだ。盗賊から奪った剣を使い、セナがイッカクツノウサギを倒したのだ。
「大丈夫ですかケンタローさん!」
「……セナさん!」
「うおお! セナ! 助かった!!」
最後が危なかったが健太郎は何とか村人のところまで走り抜けた。
アアアーシャとセナ達の間にボスや盗賊団がいるという位置関係のため魔剣の力を使うことができなかった。
しかしこれで炎ビームを撃てる。
「よーーーし! よくやったぜ健太郎っっっ!」
歓喜の声を上げるアアアーシャ。
急激に高まった魔剣の魔力が熱を帯びる。炎というよりはヤカンから吹き出る蒸気のような勢いと熱さだ。
「ちっっっ! 面倒だな」
「どうするのゼシィ?」
「狙いは同じだ! 炎の力を使う前にあのマホルを無力化するぞ!」
ボスが再び魔剣を突き出すと数種類の魔獣が反応し、健太郎に向かって走り出した。
ツノツノイヌやツノツノザル、ツノツノグマなどの中型魔獣だ。体は大きいが敏捷性も高い。
「魔獣が来ますよ! 行けますよね?」
「当たり前だ! アタシ様をしっかり握ってろよ!」
待ちかねたとばかりに魔剣から炎ビームが放たれる。
迫りくる中型魔獣を貫き、半壊状態の家屋を吹き飛ばした。
突然走り出した健太郎に戸惑うアアアーシャ。
地面はもうウサギやタヌキやカメやらで埋まりそうな勢いで、ただ真っすぐ走るのも困難になりつつあった。
それでも走る。
「うわあああああああ!」
魔剣を無茶苦茶に振り回して魔獣の中を駆けていく。
生き物を蹴飛ばしたり踏んづけたりと嫌な感触もあるが気にしている場合ではない。
「あのマホルめ! やらせるか!」
ボスが魔獣をけしかけるように魔剣を突き出す。
その動きに合わせてツノツノウサギが数匹、健太郎に襲いかかった。
「ちょっと痛い目を見てもらおうかな!」
「こいよちくしょおおおおおぁぁあああ!」
ダメだ、こんな無茶苦茶に振り回すだけの剣でこの数のツノツノウサギは倒せない。
炎を放つか……! アアアーシャは考えるが、ツノツノウサギのすぐ後ろは村人達がいる。無理だ。
こうなったらもう健太郎に任せるしかない。
「ヤンキースキル"喧嘩上等"だコラぁ!!」
「……これは……!」
健太郎は自身の体に変化を感じた。
急に『強くなった気がしてきた』のだ。
腕に力がみなぎり闘争心が湧き出る。
「うおおおおおおおおおおお!!」
そのまま、『強くなった気がする』剣を振り回しツノツノウサギを撃破していく。
「すごい! 僕すごいですよね、ね、これ!」
「ああすげぇよ! そのまま突っ切れ!」
最後の一匹を斬る。やった……! と安心した直後その背後から小型の魔獣が飛び出した。イッカクツノウサギだ。
ツノウサギよりも鋭いツノを持つ魔獣で、刺突攻撃の威力は鉄の鎧を貫く。
狙いは魔剣を持つ右腕か……!
「避けろ!」
「!?」
ダメだ、健太郎に避けられるはずがない。
アタシ様が魔人の姿に戻って、健太郎の身代わりに……間に合うか……!
「はぁッ!」
アアアーシャの判断よりも行動よりも早く、イッカクツノウサギは斬られて消滅した。
セナだ。盗賊から奪った剣を使い、セナがイッカクツノウサギを倒したのだ。
「大丈夫ですかケンタローさん!」
「……セナさん!」
「うおお! セナ! 助かった!!」
最後が危なかったが健太郎は何とか村人のところまで走り抜けた。
アアアーシャとセナ達の間にボスや盗賊団がいるという位置関係のため魔剣の力を使うことができなかった。
しかしこれで炎ビームを撃てる。
「よーーーし! よくやったぜ健太郎っっっ!」
歓喜の声を上げるアアアーシャ。
急激に高まった魔剣の魔力が熱を帯びる。炎というよりはヤカンから吹き出る蒸気のような勢いと熱さだ。
「ちっっっ! 面倒だな」
「どうするのゼシィ?」
「狙いは同じだ! 炎の力を使う前にあのマホルを無力化するぞ!」
ボスが再び魔剣を突き出すと数種類の魔獣が反応し、健太郎に向かって走り出した。
ツノツノイヌやツノツノザル、ツノツノグマなどの中型魔獣だ。体は大きいが敏捷性も高い。
「魔獣が来ますよ! 行けますよね?」
「当たり前だ! アタシ様をしっかり握ってろよ!」
待ちかねたとばかりに魔剣から炎ビームが放たれる。
迫りくる中型魔獣を貫き、半壊状態の家屋を吹き飛ばした。
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