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コユキに想いを乗せて
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その日は、朝からハラハラと雪が舞い、うっすらと積もっていた。
そんな日の学校帰り。
いつもの学校の帰り道のはずだった。
でも、その日は違っていた。
不意に、見上げた古い洋館の二階。
その窓辺に佇む人影。
降る雪に負けない位の白い肌。
黒く長い髪。
雪を見つめる大きな瞳。
朝には、居なかった彼女。
今まで見た事ない。
何してるのだろうか。
そう思っても、窓は、閉まっている。
それに、窓が開いていても、僕には、声を掛ける勇気なんて、持ち合わせていたかった。
寒さに肩を震わせながら、その場を立ち去ろうとした。
でも、僕は、彼女の事が気になった。
少し進んだところで、立ち止まり、後ろを振り返り、彼女を見上げてみたが、彼女の姿は、もう、そこにはなかった。
次の日には、積もっていた雪も溶けていた。
昨日と同じ帰り道。
昨日と同じように、洋館の二階の窓辺を見上げたが、彼女の姿はなかった。
不思議だった。
雪の妖精ではないかと思った。
それから、毎日、その窓辺を見上げるようになり、それが、僕の日課になっていた。
そして、僕は知った。
彼女は、雪の降る日だけ、その姿を見せる。
本当に雪の妖精なのかもしれない。
とても白く、とても綺麗な彼女。
そして空から雪が、彼女を更に美しく魅せた。
あまり、好きじゃなかった雪だけど 、彼女が姿を現す雪の日が、とても、待ち遠しくなった。
キレイな雪とキレイな彼女。
そんな彼女に、僕は、恋をした。
それに気づいたのは、ほんの一瞬だけ、彼女と視線が、ぶつかった時だった。
驚いた顔をしながらも、微笑んでくれた。
その瞬間、気づいたのだ。
でも、その想いを告げようとは、思わなかった。
僕は、ただ、彼女を見上げているだけで良かった。
それだけで、僕は、幸せだった。
その幸せが、少し変わったのは、また、朝から雪が降る日だった。
いつもの窓辺。
彼女の佇む窓辺。
しかし、その日は、彼女の姿がなく、その代わりに、画用紙位の大きさの紙が置かれていた。
“外は寒いですか?"
紙には、可愛らしい字で、そう書かれていた。
その時は、知り合いか、誰かに向けて書いたのだと、思っていた。
しかし、それが僕に宛てた物だと、分かったのは、次の雪が降った日の事だった。
窓辺を見上げると、いつものように彼女が居た。
だが、僕の存在に気付くと、部屋の中へと、姿を消してしまった。
残念に思いながら、その場から立ち去ろうとしたが、ガタガタと、ガラスを叩く音がして、また、二階を見上げた。
“毎日、そこで見上げていて、寒くないですか?"
前に置かれていた紙と同じように、可愛らしい字で、そう書かれた紙を持ち、僕を見下ろす彼女は、不安そうな顔をしていた。
僕は、鞄からノートとサインペンを取り出すと、急いで、大きく文字を書いた。
“大丈夫です"
そう書いたノートを見せると、彼女の姿が消え、すぐに現れた。
“あなたは、何をしているのですか?"
“あなたこそ、そこで何してるんですか?"
“雪を見てるんです"
“雪は好きですか?"
それが、きっかけになり、僕と彼女は、話をするようになった。
紙の上。
ただ、文字だけの世間話。
そこで彼女は、体が弱くて、外に出れないことを知った。
僕は、そんな彼女に、色んな事を教えてあげた。
近くにある喫茶店に美味しいケーキがあるんだよ。
近くの家に飼われている犬のがブサイクなんだ。
家の近くに春になると綺麗な花が咲く庭があるんだ。
本当にどうでもいいような 世間話。
それでも彼女は、とても楽しそうに 笑っていた。
その笑顔も、とても可愛らしかった。
彼女の笑う顔が、もっと見たい。
僕は、彼女に会えない晴れた日は、色んなところを見て回った。
そして、雪が降る日は、窓辺で彼女に見て回った時の事を教えてあげた。
雪の日だけ。
ガラス越しの世間話。
名前も知らない彼女との時間。
すごく幸せだった。
彼女の笑顔が、嬉しかった。
でも、そんな幸せの時間は、長く続かなかった。
また雪が降った。
また彼女に会える。
彼女と話せる。
そう思うと、自然と頬が緩み、歩みも早まって、息を切らせながらも、洋館の前に立った。
だけど、そこに彼女はいなかった。
そんな時は、いつも、紙が置かれていた。
でも、その紙も置かれていなかった。
それでも僕は、淡い期待を抱いて、ずっと、窓辺を見上げていた。
肩に積もる雪も気にせずに…。
だが、いつも彼女が部屋に戻る時間になった。
その日、彼女は、姿を見せてくれなかった。
それから、いくら雪が降っても、いくら辺りが白くなっても、彼女は、姿を見せなくなった。
書き置きも、なくなった。
そんな日が続くと、良くない事を考えてしまう。
体調が悪くなったのか。
怪我でもしたのか。
それとも、僕が嫌になったのか。
そんなことを考えて、僕の頭の中は、ぐちゃぐちゃになった。
僕の中で、モヤモヤした思いが、膨れあがっていった。
また雪が降った。
でも彼女はいない。
彼女が、いつもいる窓辺を見上げながら、僕は、一つの決断をした。
それからも毎日、その窓辺を見上げながら待ち続けた。
彼女が姿を見せてくれるのを…。
もう雪は降らない。
その代わりに、色鮮やかな花が咲き始めた。
辺りに、花の甘い香りが、立ち込める中で、僕は、もう、彼女を見る事が出来ないかもしれないと思った。
でも彼女に会いたい。
そんな複雑な思いを抱えたまま、それでも、彼女に会いたいと思う。
僕は、春の風が吹いても、洋館の二階を見上げ続けた。
今日も同じように、窓辺を見上げていた。
彼女が部屋の中に消える時間。
帰ろうとする僕。
ガチャッと音が聞こえ、立ち止まり、窓辺を見上げた。
「そこにはいませんよ」
小鳥のさえずるような可愛らしい声。
その声に、誘われるように、ゆっくりと視線を落とし、玄関の方を見た。
「はじめまして」
そこに彼女がいた。
窓辺じゃなく、僕の目の前。
いつも見上げていた彼女。
「お手紙、ありがとうございました」
あの日、僕は、彼女に手紙を送った。
名前も何も書かれていない封筒。
真っ白な封筒をポストに入れた。
その中には、僕の事を書いた手紙。
彼女への想いを綴った手紙。
彼女が、その手紙を読んでくれた事が嬉しかった。
やっと会えた事が嬉しかった。
「僕こそ、ありがとうございます」
「お手紙のお返事なんですけど…」
彼女の言葉を待つ僕の脈は、速くなった。
緊張で胸の辺りが痛い程、苦しくなった。
「私も好きです」
頬を赤くして、にっこり笑う彼女に 、僕は、一気に力が抜けて、その場に屈み、膝を抱えた。
「大丈夫ですか!?」
「よかった…」
僕の呟きに、彼女は、クスクスと声を出して笑った。
そんな彼女の様子に、僕の緊張もなくなり、自然と頬が緩んだ。
「お名前、教えていただけますか?」
「コユキと言います。あなたは?」
手紙には、書かなかった事。
直接、教えたかった事。
僕の名前。
「ソラです」
「雪は好きですか?」
前に僕が聞いた事。
そういえば、あの時も、答えてくれなかった。
今なら答えてもらえるだろうか。
少し不安ではあったが、もう一度、聞いてみた。
「雪は好きですか?」
「はい。大スキです。ソラさんは?」
少し考えるような素振りを見せてから、僕は、優しく微笑みながら言った。
「僕も。大好きです」
彼女に出会えたから。
それは、言わなかったけど、そんな理由で、僕は、雪が好きになった。
お互い名前も知らなかった僕とコユキ。
それでも同じ気持ち。
同じように雪が好き。
それが嬉しい。
それが幸せ。
僕らが、微笑みあっていると、強い風に乗って、どこからか、桜の花びらがヒラヒラと、二人の周りを舞った。
それは、僕とコユキの小さな恋を祝ってくれてるようだった。
白い雪が運んだ小さな恋。
窓辺で育んだ時間。
ピンク色の桜が咲き実った愛。
これから訪れる季節は、どんな季節になるのか。
そんな想いを風に乗せて、コユキとのこれからを夢見て、また、僕は窓辺を見上げる。
今は、愛しい彼女と一緒に、同じ窓辺を見上げている。
これからは、一緒の空を並んで、見上げようね?
大好きだよ…コユキ…
そんな日の学校帰り。
いつもの学校の帰り道のはずだった。
でも、その日は違っていた。
不意に、見上げた古い洋館の二階。
その窓辺に佇む人影。
降る雪に負けない位の白い肌。
黒く長い髪。
雪を見つめる大きな瞳。
朝には、居なかった彼女。
今まで見た事ない。
何してるのだろうか。
そう思っても、窓は、閉まっている。
それに、窓が開いていても、僕には、声を掛ける勇気なんて、持ち合わせていたかった。
寒さに肩を震わせながら、その場を立ち去ろうとした。
でも、僕は、彼女の事が気になった。
少し進んだところで、立ち止まり、後ろを振り返り、彼女を見上げてみたが、彼女の姿は、もう、そこにはなかった。
次の日には、積もっていた雪も溶けていた。
昨日と同じ帰り道。
昨日と同じように、洋館の二階の窓辺を見上げたが、彼女の姿はなかった。
不思議だった。
雪の妖精ではないかと思った。
それから、毎日、その窓辺を見上げるようになり、それが、僕の日課になっていた。
そして、僕は知った。
彼女は、雪の降る日だけ、その姿を見せる。
本当に雪の妖精なのかもしれない。
とても白く、とても綺麗な彼女。
そして空から雪が、彼女を更に美しく魅せた。
あまり、好きじゃなかった雪だけど 、彼女が姿を現す雪の日が、とても、待ち遠しくなった。
キレイな雪とキレイな彼女。
そんな彼女に、僕は、恋をした。
それに気づいたのは、ほんの一瞬だけ、彼女と視線が、ぶつかった時だった。
驚いた顔をしながらも、微笑んでくれた。
その瞬間、気づいたのだ。
でも、その想いを告げようとは、思わなかった。
僕は、ただ、彼女を見上げているだけで良かった。
それだけで、僕は、幸せだった。
その幸せが、少し変わったのは、また、朝から雪が降る日だった。
いつもの窓辺。
彼女の佇む窓辺。
しかし、その日は、彼女の姿がなく、その代わりに、画用紙位の大きさの紙が置かれていた。
“外は寒いですか?"
紙には、可愛らしい字で、そう書かれていた。
その時は、知り合いか、誰かに向けて書いたのだと、思っていた。
しかし、それが僕に宛てた物だと、分かったのは、次の雪が降った日の事だった。
窓辺を見上げると、いつものように彼女が居た。
だが、僕の存在に気付くと、部屋の中へと、姿を消してしまった。
残念に思いながら、その場から立ち去ろうとしたが、ガタガタと、ガラスを叩く音がして、また、二階を見上げた。
“毎日、そこで見上げていて、寒くないですか?"
前に置かれていた紙と同じように、可愛らしい字で、そう書かれた紙を持ち、僕を見下ろす彼女は、不安そうな顔をしていた。
僕は、鞄からノートとサインペンを取り出すと、急いで、大きく文字を書いた。
“大丈夫です"
そう書いたノートを見せると、彼女の姿が消え、すぐに現れた。
“あなたは、何をしているのですか?"
“あなたこそ、そこで何してるんですか?"
“雪を見てるんです"
“雪は好きですか?"
それが、きっかけになり、僕と彼女は、話をするようになった。
紙の上。
ただ、文字だけの世間話。
そこで彼女は、体が弱くて、外に出れないことを知った。
僕は、そんな彼女に、色んな事を教えてあげた。
近くにある喫茶店に美味しいケーキがあるんだよ。
近くの家に飼われている犬のがブサイクなんだ。
家の近くに春になると綺麗な花が咲く庭があるんだ。
本当にどうでもいいような 世間話。
それでも彼女は、とても楽しそうに 笑っていた。
その笑顔も、とても可愛らしかった。
彼女の笑う顔が、もっと見たい。
僕は、彼女に会えない晴れた日は、色んなところを見て回った。
そして、雪が降る日は、窓辺で彼女に見て回った時の事を教えてあげた。
雪の日だけ。
ガラス越しの世間話。
名前も知らない彼女との時間。
すごく幸せだった。
彼女の笑顔が、嬉しかった。
でも、そんな幸せの時間は、長く続かなかった。
また雪が降った。
また彼女に会える。
彼女と話せる。
そう思うと、自然と頬が緩み、歩みも早まって、息を切らせながらも、洋館の前に立った。
だけど、そこに彼女はいなかった。
そんな時は、いつも、紙が置かれていた。
でも、その紙も置かれていなかった。
それでも僕は、淡い期待を抱いて、ずっと、窓辺を見上げていた。
肩に積もる雪も気にせずに…。
だが、いつも彼女が部屋に戻る時間になった。
その日、彼女は、姿を見せてくれなかった。
それから、いくら雪が降っても、いくら辺りが白くなっても、彼女は、姿を見せなくなった。
書き置きも、なくなった。
そんな日が続くと、良くない事を考えてしまう。
体調が悪くなったのか。
怪我でもしたのか。
それとも、僕が嫌になったのか。
そんなことを考えて、僕の頭の中は、ぐちゃぐちゃになった。
僕の中で、モヤモヤした思いが、膨れあがっていった。
また雪が降った。
でも彼女はいない。
彼女が、いつもいる窓辺を見上げながら、僕は、一つの決断をした。
それからも毎日、その窓辺を見上げながら待ち続けた。
彼女が姿を見せてくれるのを…。
もう雪は降らない。
その代わりに、色鮮やかな花が咲き始めた。
辺りに、花の甘い香りが、立ち込める中で、僕は、もう、彼女を見る事が出来ないかもしれないと思った。
でも彼女に会いたい。
そんな複雑な思いを抱えたまま、それでも、彼女に会いたいと思う。
僕は、春の風が吹いても、洋館の二階を見上げ続けた。
今日も同じように、窓辺を見上げていた。
彼女が部屋の中に消える時間。
帰ろうとする僕。
ガチャッと音が聞こえ、立ち止まり、窓辺を見上げた。
「そこにはいませんよ」
小鳥のさえずるような可愛らしい声。
その声に、誘われるように、ゆっくりと視線を落とし、玄関の方を見た。
「はじめまして」
そこに彼女がいた。
窓辺じゃなく、僕の目の前。
いつも見上げていた彼女。
「お手紙、ありがとうございました」
あの日、僕は、彼女に手紙を送った。
名前も何も書かれていない封筒。
真っ白な封筒をポストに入れた。
その中には、僕の事を書いた手紙。
彼女への想いを綴った手紙。
彼女が、その手紙を読んでくれた事が嬉しかった。
やっと会えた事が嬉しかった。
「僕こそ、ありがとうございます」
「お手紙のお返事なんですけど…」
彼女の言葉を待つ僕の脈は、速くなった。
緊張で胸の辺りが痛い程、苦しくなった。
「私も好きです」
頬を赤くして、にっこり笑う彼女に 、僕は、一気に力が抜けて、その場に屈み、膝を抱えた。
「大丈夫ですか!?」
「よかった…」
僕の呟きに、彼女は、クスクスと声を出して笑った。
そんな彼女の様子に、僕の緊張もなくなり、自然と頬が緩んだ。
「お名前、教えていただけますか?」
「コユキと言います。あなたは?」
手紙には、書かなかった事。
直接、教えたかった事。
僕の名前。
「ソラです」
「雪は好きですか?」
前に僕が聞いた事。
そういえば、あの時も、答えてくれなかった。
今なら答えてもらえるだろうか。
少し不安ではあったが、もう一度、聞いてみた。
「雪は好きですか?」
「はい。大スキです。ソラさんは?」
少し考えるような素振りを見せてから、僕は、優しく微笑みながら言った。
「僕も。大好きです」
彼女に出会えたから。
それは、言わなかったけど、そんな理由で、僕は、雪が好きになった。
お互い名前も知らなかった僕とコユキ。
それでも同じ気持ち。
同じように雪が好き。
それが嬉しい。
それが幸せ。
僕らが、微笑みあっていると、強い風に乗って、どこからか、桜の花びらがヒラヒラと、二人の周りを舞った。
それは、僕とコユキの小さな恋を祝ってくれてるようだった。
白い雪が運んだ小さな恋。
窓辺で育んだ時間。
ピンク色の桜が咲き実った愛。
これから訪れる季節は、どんな季節になるのか。
そんな想いを風に乗せて、コユキとのこれからを夢見て、また、僕は窓辺を見上げる。
今は、愛しい彼女と一緒に、同じ窓辺を見上げている。
これからは、一緒の空を並んで、見上げようね?
大好きだよ…コユキ…
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