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Now I am become Death, the destroyer of worlds
第三話 オーバーテクノロジー
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クリードの目に映ったのは、地下資源を掘り出すための鉱山だ。
「あぁ、もしもし大佐。今、高台から辺り一帯の偵察を行っているんだが人工物らしきものが見えてな……」
クリードはおどろおどろ言った。そして、双眼鏡を目に当てると「やっぱりか」と吐き捨てた。
<ほう! 人工物か!>
トンプソンは面食らった表情で言った。しかし、クリードが最も伝えたいことはそんなことではない。
「そこで地下資源の採掘作業みたいなのをしてるやつがいるのだが……それがな」
この時、クリードの心臓はロックバンドのドラムのように早鐘を打っており、音が体外に漏れ出そうなほどだ。
<それがな?>とトンプソンは聞いた。
「……っ、人間じゃない! 形は人に近いがあれは人間じゃない!」
クリードは言った。そう、クリードの目には人造人間も映ったのだ。
「たしかに今朝大佐から人造人間なんてものがリバタリアにいると聞いたが、実際に姿を見ると、急に鳥肌が立ち始めた。あんな奴らが存在していいのかよ……」
クリードの報告を聞いたトンプソンとワイアットは声を失い、ゆっくりとお互いに顔を見合わせた。しかし、アルネは違う。
<人の形に近い……おい、クリード、もっと詳しく話せ>
アルネは冷静に言った。
「あ、あぁ、今見えるのは四体だ。そして、地下から上がってきた三体の形状は、半球の頭部に穴が二つ、胴体は円筒形でそこから両腕両脚が伸びている。次に地上で警備らしいことをしている一体は、丸みを帯びた三角形の頭部に穴が三つ空いており、胴体は緩やかな逆三角形でそこから伸びている両腕の片方には銃口のような穴が空いている、さらにこいつだけは異様にでかい。2メートル以上ある」
クリードははやる気持ちを抑えつつも、早口で説明をした。すると、アルネは目をぱちくりと開閉し、おもむろに口を開いた。
<……採掘作業と警備を行うヒューマノイド型ロボットか>
「ロボット?」
クリードは耳慣れない言葉に興味を示した。
<人の代わりに労働をする機械を表した造語だ。チェコスロバキアの作家が造った。それはともかく、ロボット工学については世界中が躍起になって研究しており、8年前に僕の知り合いがユニメートという産業用ロボットを造った>
お前の8年前っていうと……というツッコミをクリードら三人は抱いたが、アルネはそんな気持ちに目もくれず話を続ける。
<だがユニメートが採掘作業なんて行えるはずがないし、警備なんて論外だ。それに形状が人に似てるだと? ヒューマノイド型のロボットの発想自体はダ・ヴィンチにもあったが、それから約500年流れて出来たのはEricなんていうおもちゃだ! おい、クリード、これは命令だ、絶対にそいつを持って帰れ、そいつの存在は科学史を100年は進める。いいな? 絶対だぞ!>
すっかり未知の技術に興奮したアルネは、その可愛らしい腕を舞台役者のように振り回しながらクリードに話していた。しかし、トンプソンとワイアットの目に気づくと、直ぐに縮こまった。ちなみに、アルネのおかげ(?)でクリードら三人が人造人間に抱いた恐怖は既に消えている。
「何を言ってるがよくわからんが、あいつは軍事工学のスペシャリストもびっくりの技術で造られてるってことだな」
クリードは目を細めてあきれながら言った。
<そうだな。そして、名前はどうする? 便宜上、呼び名があった方がいいだろう>
トンプソンは軍人としての目線から言った。すると、4人はあれこれ考え始めた。
まず、クリードとトンプソンには何も思い浮かばなかった。2人はこういう能力は低い。そして、アルネは、日本で流行っているアニメーション鉄腕アトムから引用して「アトム」と呼ぶのがいいんじゃないかと思ったが、恥ずかしかったので決して口に出さない。なので、結局口を開いたのはワイアットだけだった。
<あのな、人の代わりに労働を行う機械で神話時代にゴーレムってのがあったんだぜ。それでな、ユダヤ教神話に面白い話があるんだが……、一説によると『旧誓約書』の『創世記』において、創造主ヤハウェに土で造られた人間Adam(アダム)ってのが世界初のゴーレムなんじゃないかと言われてる。だから、アダムでいいんじゃないか?>
ワイアットがそう言うと、クリードやトンプソンは「あぁ、それでいいと思う」、<流石は考古学者。いいセンスだ>などと肯定的な言葉を並べた。その傍ら、アルネは「アトム……」と悲しそうな顔で小さい声でつぶやくも、瞬く間に冷たい雰囲気を体に纏った。
「じゃ、命名式も終わったことだし、これからどうしようか」
クリードは双眼鏡で端々に目をやりながら聞いた。
<クリード、そこが地下資源の鉱山ならば、そこから資源を運送する輸送路があるのではないだろうか。そして、それに沿って進んでいけば、リバタリアの重要地点にたどり着くだろう。そこならば、リバタリアについての情報があり、本任務達成の指標となるに違いない>
「なるほどな大佐、それは名案だ! なら、早速あの鉱山に近づいてみる」
クリードはそう言うと、双眼鏡をバックパックにしまい、急斜面の丘を降りる準備をし始める。丘は豪雨で泥が溜まっているということもあり、余計に滑りやすくなっている。下手に降りると勢いよく転倒し、最悪の場合骨を折るかもしれない。なので、クリードは斜面に這いつくばりながら慎重に体を下ろしていくことにした。
クリードは石につかまりながら慎重に降りていく。髪の毛の隙間を通って顔に流れてくる大粒の雨がうざったく思えたが、思うだけで顔をぬぐったりはしなかった。 段々と野戦服の中にまで侵入してくるが、それに構うことなく足場となりそうな場所に足を降ろす。しかし、クリードはうかっり外れの足場を引いてしまい、そこに体重をかけたため声を発する間もなく一気に丘を滑り落ちていった。
丘を滑りきったクリードは「……ベトナムよりひどいな」と泥まみれの顔で言った。そして、顔から泥を落とし、鉱山に接近していった。大胆に行動してもその音や動きは暗闇と豪雨によって隠される、これはクリードにとって都合のいい事実だ。とはいえ、それがアダムに通用するかどうかは分からないが。
鉱山に着いたクリードは近くにあった小屋の壁に張り付くことで、それの影に隠れた。そして、顔だけ影から出して、辺りを見回した。
そこは鉱山といっても、地上には木造の小屋と地中に続く階段しかないような未開発の鉱山だった。周りは完全に木で囲まれており、輸送路らしきものはなかった。これを不思議に思ったクリードは、地下から地下資源を運んでくる三体のアダムがどこにそれを運ぶのかを目で追った。
すると、アダムらは中央にある、プロペラが四基付きウエディングケーキを逆さにしたような巨大な石造りの台に地下資源を載せていった。
「なにをやってるんだ?……」
クリードはひっそりと呟いた。そしてそれをトンプソンに報告する。
「聞いてくれ大佐、どこにも輸送路はない」
<なんだと⁈ なら、地中の坑道にトロッコでも通っているのだろうか?>
「その可能性も捨てきれんが……気になることがある。だから、まだ観察を続ける」
アダムらは台の上に地下資源を載せ終えると、一体を残して地下に戻っていった。そして、残った一体は台に掘られた紋章部分に触れ、頭部に空いた二つの穴から赤い光をそこに照射した。
クリードはその様子を息を荒くしながら見ていた。さらに、一体これ以上何が起きるんだ? 俺の精神をこれ以上踏み荒らさないでくれ! と心の中で叫び、無意識に唇を噛んだ。
アダムが光を照射し終えると、驚くべきことに台に付いている四基のプロペラが回転し始め、そのまま台が無音で上昇していった。そのうえ、地下資源は台から零れる気配を微塵も見せないほど安定している。
この時、クリードはもはや笑っていた。さらに、クリードは、俺はこんな技術を持ってる奴らと戦わなければならないのか、と心の中で重く呟いた。しかし、それと同時にリバタリアの頭脳を担っている5人の人間に好奇心を覚え、自然と武者震いを起こした。
「大佐、リバタリアの資源の輸送路は地上じゃない空中だ!」
クリードは声を震わせて言った。
<ほう、奴らは航空機でも持っているのか?>
それにトンプソンは落ち着いて返事をする。
「いや、違う。なんていえばいいのか……、その、プロペラのついた、あの、航空力学的に有り得ないような形状をしている。くっそ! 言葉が出ない!」
そういうクリードは明らかにこの状況を楽しんでいる。そして、その台は11時の方向に飛行し始め、ぐんぐんとスピードを上げていった。その中、<ヴィマナみてえだな>とワイアットが言葉をこぼした。
ヴィマナとはヒンドゥー教やサンスクリットの叙事詩に登場する空飛ぶ乗り物、或いは空飛ぶ宮殿、戦車のことである。
「ヴィマナ⁈ とにかく、それが11時の方向に移動し始めた!」
クリードはヴィマナの姿を目で追いながら言った。
<……分かった。とりあえず、そのヴィマナが移動する方向へ進め>
トンプソンは言った、そして言葉を続ける。
<それに加えて、落ち着くんだクリード。たしかに非現実的な状況に君は直面しているが、冷静さを欠いてはいかん。さぁ、一度深呼吸をしてみろ>
トンプソンの言葉を聞いたクリードは、指示通りに深呼吸をした。
「OK、大佐。じゃあ、あの……ヴィマナだっけ、それが移動する方向についていくよ」
クリードは小屋の壁をそっと離れ、近くの茂みに潜った。そのまま鉱山を迂回する形で動き、暗雲が立ち込める天空を進んでいくヴィマナを地上から足早に追いかけた。
「あぁ、もしもし大佐。今、高台から辺り一帯の偵察を行っているんだが人工物らしきものが見えてな……」
クリードはおどろおどろ言った。そして、双眼鏡を目に当てると「やっぱりか」と吐き捨てた。
<ほう! 人工物か!>
トンプソンは面食らった表情で言った。しかし、クリードが最も伝えたいことはそんなことではない。
「そこで地下資源の採掘作業みたいなのをしてるやつがいるのだが……それがな」
この時、クリードの心臓はロックバンドのドラムのように早鐘を打っており、音が体外に漏れ出そうなほどだ。
<それがな?>とトンプソンは聞いた。
「……っ、人間じゃない! 形は人に近いがあれは人間じゃない!」
クリードは言った。そう、クリードの目には人造人間も映ったのだ。
「たしかに今朝大佐から人造人間なんてものがリバタリアにいると聞いたが、実際に姿を見ると、急に鳥肌が立ち始めた。あんな奴らが存在していいのかよ……」
クリードの報告を聞いたトンプソンとワイアットは声を失い、ゆっくりとお互いに顔を見合わせた。しかし、アルネは違う。
<人の形に近い……おい、クリード、もっと詳しく話せ>
アルネは冷静に言った。
「あ、あぁ、今見えるのは四体だ。そして、地下から上がってきた三体の形状は、半球の頭部に穴が二つ、胴体は円筒形でそこから両腕両脚が伸びている。次に地上で警備らしいことをしている一体は、丸みを帯びた三角形の頭部に穴が三つ空いており、胴体は緩やかな逆三角形でそこから伸びている両腕の片方には銃口のような穴が空いている、さらにこいつだけは異様にでかい。2メートル以上ある」
クリードははやる気持ちを抑えつつも、早口で説明をした。すると、アルネは目をぱちくりと開閉し、おもむろに口を開いた。
<……採掘作業と警備を行うヒューマノイド型ロボットか>
「ロボット?」
クリードは耳慣れない言葉に興味を示した。
<人の代わりに労働をする機械を表した造語だ。チェコスロバキアの作家が造った。それはともかく、ロボット工学については世界中が躍起になって研究しており、8年前に僕の知り合いがユニメートという産業用ロボットを造った>
お前の8年前っていうと……というツッコミをクリードら三人は抱いたが、アルネはそんな気持ちに目もくれず話を続ける。
<だがユニメートが採掘作業なんて行えるはずがないし、警備なんて論外だ。それに形状が人に似てるだと? ヒューマノイド型のロボットの発想自体はダ・ヴィンチにもあったが、それから約500年流れて出来たのはEricなんていうおもちゃだ! おい、クリード、これは命令だ、絶対にそいつを持って帰れ、そいつの存在は科学史を100年は進める。いいな? 絶対だぞ!>
すっかり未知の技術に興奮したアルネは、その可愛らしい腕を舞台役者のように振り回しながらクリードに話していた。しかし、トンプソンとワイアットの目に気づくと、直ぐに縮こまった。ちなみに、アルネのおかげ(?)でクリードら三人が人造人間に抱いた恐怖は既に消えている。
「何を言ってるがよくわからんが、あいつは軍事工学のスペシャリストもびっくりの技術で造られてるってことだな」
クリードは目を細めてあきれながら言った。
<そうだな。そして、名前はどうする? 便宜上、呼び名があった方がいいだろう>
トンプソンは軍人としての目線から言った。すると、4人はあれこれ考え始めた。
まず、クリードとトンプソンには何も思い浮かばなかった。2人はこういう能力は低い。そして、アルネは、日本で流行っているアニメーション鉄腕アトムから引用して「アトム」と呼ぶのがいいんじゃないかと思ったが、恥ずかしかったので決して口に出さない。なので、結局口を開いたのはワイアットだけだった。
<あのな、人の代わりに労働を行う機械で神話時代にゴーレムってのがあったんだぜ。それでな、ユダヤ教神話に面白い話があるんだが……、一説によると『旧誓約書』の『創世記』において、創造主ヤハウェに土で造られた人間Adam(アダム)ってのが世界初のゴーレムなんじゃないかと言われてる。だから、アダムでいいんじゃないか?>
ワイアットがそう言うと、クリードやトンプソンは「あぁ、それでいいと思う」、<流石は考古学者。いいセンスだ>などと肯定的な言葉を並べた。その傍ら、アルネは「アトム……」と悲しそうな顔で小さい声でつぶやくも、瞬く間に冷たい雰囲気を体に纏った。
「じゃ、命名式も終わったことだし、これからどうしようか」
クリードは双眼鏡で端々に目をやりながら聞いた。
<クリード、そこが地下資源の鉱山ならば、そこから資源を運送する輸送路があるのではないだろうか。そして、それに沿って進んでいけば、リバタリアの重要地点にたどり着くだろう。そこならば、リバタリアについての情報があり、本任務達成の指標となるに違いない>
「なるほどな大佐、それは名案だ! なら、早速あの鉱山に近づいてみる」
クリードはそう言うと、双眼鏡をバックパックにしまい、急斜面の丘を降りる準備をし始める。丘は豪雨で泥が溜まっているということもあり、余計に滑りやすくなっている。下手に降りると勢いよく転倒し、最悪の場合骨を折るかもしれない。なので、クリードは斜面に這いつくばりながら慎重に体を下ろしていくことにした。
クリードは石につかまりながら慎重に降りていく。髪の毛の隙間を通って顔に流れてくる大粒の雨がうざったく思えたが、思うだけで顔をぬぐったりはしなかった。 段々と野戦服の中にまで侵入してくるが、それに構うことなく足場となりそうな場所に足を降ろす。しかし、クリードはうかっり外れの足場を引いてしまい、そこに体重をかけたため声を発する間もなく一気に丘を滑り落ちていった。
丘を滑りきったクリードは「……ベトナムよりひどいな」と泥まみれの顔で言った。そして、顔から泥を落とし、鉱山に接近していった。大胆に行動してもその音や動きは暗闇と豪雨によって隠される、これはクリードにとって都合のいい事実だ。とはいえ、それがアダムに通用するかどうかは分からないが。
鉱山に着いたクリードは近くにあった小屋の壁に張り付くことで、それの影に隠れた。そして、顔だけ影から出して、辺りを見回した。
そこは鉱山といっても、地上には木造の小屋と地中に続く階段しかないような未開発の鉱山だった。周りは完全に木で囲まれており、輸送路らしきものはなかった。これを不思議に思ったクリードは、地下から地下資源を運んでくる三体のアダムがどこにそれを運ぶのかを目で追った。
すると、アダムらは中央にある、プロペラが四基付きウエディングケーキを逆さにしたような巨大な石造りの台に地下資源を載せていった。
「なにをやってるんだ?……」
クリードはひっそりと呟いた。そしてそれをトンプソンに報告する。
「聞いてくれ大佐、どこにも輸送路はない」
<なんだと⁈ なら、地中の坑道にトロッコでも通っているのだろうか?>
「その可能性も捨てきれんが……気になることがある。だから、まだ観察を続ける」
アダムらは台の上に地下資源を載せ終えると、一体を残して地下に戻っていった。そして、残った一体は台に掘られた紋章部分に触れ、頭部に空いた二つの穴から赤い光をそこに照射した。
クリードはその様子を息を荒くしながら見ていた。さらに、一体これ以上何が起きるんだ? 俺の精神をこれ以上踏み荒らさないでくれ! と心の中で叫び、無意識に唇を噛んだ。
アダムが光を照射し終えると、驚くべきことに台に付いている四基のプロペラが回転し始め、そのまま台が無音で上昇していった。そのうえ、地下資源は台から零れる気配を微塵も見せないほど安定している。
この時、クリードはもはや笑っていた。さらに、クリードは、俺はこんな技術を持ってる奴らと戦わなければならないのか、と心の中で重く呟いた。しかし、それと同時にリバタリアの頭脳を担っている5人の人間に好奇心を覚え、自然と武者震いを起こした。
「大佐、リバタリアの資源の輸送路は地上じゃない空中だ!」
クリードは声を震わせて言った。
<ほう、奴らは航空機でも持っているのか?>
それにトンプソンは落ち着いて返事をする。
「いや、違う。なんていえばいいのか……、その、プロペラのついた、あの、航空力学的に有り得ないような形状をしている。くっそ! 言葉が出ない!」
そういうクリードは明らかにこの状況を楽しんでいる。そして、その台は11時の方向に飛行し始め、ぐんぐんとスピードを上げていった。その中、<ヴィマナみてえだな>とワイアットが言葉をこぼした。
ヴィマナとはヒンドゥー教やサンスクリットの叙事詩に登場する空飛ぶ乗り物、或いは空飛ぶ宮殿、戦車のことである。
「ヴィマナ⁈ とにかく、それが11時の方向に移動し始めた!」
クリードはヴィマナの姿を目で追いながら言った。
<……分かった。とりあえず、そのヴィマナが移動する方向へ進め>
トンプソンは言った、そして言葉を続ける。
<それに加えて、落ち着くんだクリード。たしかに非現実的な状況に君は直面しているが、冷静さを欠いてはいかん。さぁ、一度深呼吸をしてみろ>
トンプソンの言葉を聞いたクリードは、指示通りに深呼吸をした。
「OK、大佐。じゃあ、あの……ヴィマナだっけ、それが移動する方向についていくよ」
クリードは小屋の壁をそっと離れ、近くの茂みに潜った。そのまま鉱山を迂回する形で動き、暗雲が立ち込める天空を進んでいくヴィマナを地上から足早に追いかけた。
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