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第十七章
第九話 幽霊野盗たちは、過去に俺が倒したあの野盗たちでした。
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俺は苦笑いを浮かべながらしばらく硬直していた。
まさか、本当に装飾品を見せ合っていたとはな。キャッツが言っていた言葉が頭から離れないせいで、こいつらが井戸端会議をしているおばちゃんにしか見えない。
頭の中で想像すると、笑いが込み上げてきた。
まずい。今は笑っているような状態ではない。俺よ、我慢しろ!
なんとか自身を落ち着かせ、笑いを堪える。
『グオオオオオオ、グオオオオオオオオ』
『グオ、グオ、グオ』
『グオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!』
体格のデカイ幽霊野盗が叫ぶと、残りの二人が足元に置いてある斧を握り、俺たちに襲いかかる。
多分、あの一番大きいやつが、こいつらのリーダーなんだろうな。
「ウエポンカーニバル!」
魔法を唱えて周辺に得物を展開させる。
「クラウ・ソラス、クルージーン・カザド・ヒャン。放て!」
空中に展開されている武器の中、浄化の効果を持つ二本の剣を放つ。
『グオオオオオオオオオオオオオン』
『グオオオオオオオオオン』
光の剣に貫かれた幽霊野盗たちは、剣に備わっている効果により、消え去った。
『グオオオ、グオオオン、グオ、グオ、グオ。グオオン』
部下たちがやられ、幽霊野盗の頭が一歩後退した。その際に何かを言っているようだが、俺にはさっぱりわからない。
「ご主人様、こいつらを知っているのか?」
「キャッツ、いきなりどうした?」
「いや、この魔物が『お前は、あの時の冒険者! 今度は俺の宝を奪いに来たのか』と言っているのだワン」
あの時の冒険者? もしかして。
幽霊野盗の頭を見る。
よく見れば、こいつの顔には見覚えがある。昔、ジュラの森を縄張りにしていたあの野盗の頭だ。
召喚石から現れたデスファンゴに殺されたが、亡霊となって蘇ったのか。
『グオオオオオオオオオングオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!』
「ご主人様! こいつ『宝はやらない! 皆殺しだと言っているワン』
キャッツが通訳をした瞬間、幽霊野盗の頭が斧を振り上げる。
「ウエポンアロー!」
もう一度、クラウ・ソラスとクルージーン・カザド・ヒャンを敵に放つ。
しかし二本の剣は、斧で弾かれた。
やつの肉体が霊体であっても、斧は実在している。物体でガードされると、光の剣の効果が発揮されない。
まぁ、斧を破壊さえしてしまえば、やつの身を守るものは何一つなくなるけどな。
「ゼイレゾナンス・バイブレーション」
音の魔法を唱え、斧の破壊を試みる。
この魔法は、物質の固有振動数と同じ周波数の音を浴びせることにより、対象を破壊することを可能にする。
斧と同じ周波数の音を出して振動を加え続けたことで、斧が疲労破壊を起こし、砕け散る。
「さぁ、さっさと浄化されて神にでも謝っておけ! ウエポンアロー」
三度、光の剣を放つ。
防ぐものを失った幽霊野盗の頭に、二本の剣が突き刺さる。
『グオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!』
やつは叫び声を上げると、光の粒子となってこの場から消え去った。
「ふう、これでこの依頼は完了だな」
魔物の討伐を終え、部屋を見渡す。
それにしてもこの部屋は、宝物庫だったみたいだな。棚には高価そうな品物が飾られてあるし、あの袋の中には札束が溢れているじゃないか。どこかの役所から強盗でもしたのか?
「シロウ、ここにある宝物の数々はどうしましょう?」
「さすがに持ち主に返すとしても、骨が折れそうだよね」
「私たちが貰ってしまえばいい。私が持ち出した魔族チームの軍資金だって、シロウが持って帰ったじゃないか」
「シロウさん、そんなことをしていましたの!」
「ご主人様、意外と悪の道を行っていたのかワン」
「いや、あの時は千体の魔物が来ると言う話を聞いて、冒険者たちの心を動かすには、宝を使うしかないと思ったんだよ」
エリーザとキャッツに言い訳を言いつつ、どうしたものかと考える。
この部屋にある宝の一割くらいなら貰う権利はある。流石に全部を自分のものにしてしまっては、野盗と同じだからな。
「一応全部回収してから王様にでも渡すか。王様なら、持ち主を調べて返すことくらいできそうだからな」
「それでは引き返すことになりますわね」
「一旦依頼を止めることになるけど、仕方がないね」
「それじゃあ、早速宝物の数々を回収するとしようか。シロウ、宝物とは関係なく、実験に使えそうなものがあったら、私が貰ってもいいかい?」
まぁ、持ち主がいなさそうなものであればいいかな。
「まぁ、金目のもの以外ならいいんじゃないか」
「ありがとう。それじゃあ、エリーザにキャッツ。私の手伝いをしてくれ」
「わたしはシロウさんと共同作業をしたいですわ」
「キャッツもだワン」
「文句を言っていると終わるのに時間がかかるだろう。さぁ、やるよ」
ミラーカは二人の手を引っ張ると無理やり連れて行く。
「それじゃあ、俺たちも始めるとするか」
俺たちは協力して宝の回収を始めた。
まさか、本当に装飾品を見せ合っていたとはな。キャッツが言っていた言葉が頭から離れないせいで、こいつらが井戸端会議をしているおばちゃんにしか見えない。
頭の中で想像すると、笑いが込み上げてきた。
まずい。今は笑っているような状態ではない。俺よ、我慢しろ!
なんとか自身を落ち着かせ、笑いを堪える。
『グオオオオオオ、グオオオオオオオオ』
『グオ、グオ、グオ』
『グオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!』
体格のデカイ幽霊野盗が叫ぶと、残りの二人が足元に置いてある斧を握り、俺たちに襲いかかる。
多分、あの一番大きいやつが、こいつらのリーダーなんだろうな。
「ウエポンカーニバル!」
魔法を唱えて周辺に得物を展開させる。
「クラウ・ソラス、クルージーン・カザド・ヒャン。放て!」
空中に展開されている武器の中、浄化の効果を持つ二本の剣を放つ。
『グオオオオオオオオオオオオオン』
『グオオオオオオオオオン』
光の剣に貫かれた幽霊野盗たちは、剣に備わっている効果により、消え去った。
『グオオオ、グオオオン、グオ、グオ、グオ。グオオン』
部下たちがやられ、幽霊野盗の頭が一歩後退した。その際に何かを言っているようだが、俺にはさっぱりわからない。
「ご主人様、こいつらを知っているのか?」
「キャッツ、いきなりどうした?」
「いや、この魔物が『お前は、あの時の冒険者! 今度は俺の宝を奪いに来たのか』と言っているのだワン」
あの時の冒険者? もしかして。
幽霊野盗の頭を見る。
よく見れば、こいつの顔には見覚えがある。昔、ジュラの森を縄張りにしていたあの野盗の頭だ。
召喚石から現れたデスファンゴに殺されたが、亡霊となって蘇ったのか。
『グオオオオオオオオオングオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!』
「ご主人様! こいつ『宝はやらない! 皆殺しだと言っているワン』
キャッツが通訳をした瞬間、幽霊野盗の頭が斧を振り上げる。
「ウエポンアロー!」
もう一度、クラウ・ソラスとクルージーン・カザド・ヒャンを敵に放つ。
しかし二本の剣は、斧で弾かれた。
やつの肉体が霊体であっても、斧は実在している。物体でガードされると、光の剣の効果が発揮されない。
まぁ、斧を破壊さえしてしまえば、やつの身を守るものは何一つなくなるけどな。
「ゼイレゾナンス・バイブレーション」
音の魔法を唱え、斧の破壊を試みる。
この魔法は、物質の固有振動数と同じ周波数の音を浴びせることにより、対象を破壊することを可能にする。
斧と同じ周波数の音を出して振動を加え続けたことで、斧が疲労破壊を起こし、砕け散る。
「さぁ、さっさと浄化されて神にでも謝っておけ! ウエポンアロー」
三度、光の剣を放つ。
防ぐものを失った幽霊野盗の頭に、二本の剣が突き刺さる。
『グオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!』
やつは叫び声を上げると、光の粒子となってこの場から消え去った。
「ふう、これでこの依頼は完了だな」
魔物の討伐を終え、部屋を見渡す。
それにしてもこの部屋は、宝物庫だったみたいだな。棚には高価そうな品物が飾られてあるし、あの袋の中には札束が溢れているじゃないか。どこかの役所から強盗でもしたのか?
「シロウ、ここにある宝物の数々はどうしましょう?」
「さすがに持ち主に返すとしても、骨が折れそうだよね」
「私たちが貰ってしまえばいい。私が持ち出した魔族チームの軍資金だって、シロウが持って帰ったじゃないか」
「シロウさん、そんなことをしていましたの!」
「ご主人様、意外と悪の道を行っていたのかワン」
「いや、あの時は千体の魔物が来ると言う話を聞いて、冒険者たちの心を動かすには、宝を使うしかないと思ったんだよ」
エリーザとキャッツに言い訳を言いつつ、どうしたものかと考える。
この部屋にある宝の一割くらいなら貰う権利はある。流石に全部を自分のものにしてしまっては、野盗と同じだからな。
「一応全部回収してから王様にでも渡すか。王様なら、持ち主を調べて返すことくらいできそうだからな」
「それでは引き返すことになりますわね」
「一旦依頼を止めることになるけど、仕方がないね」
「それじゃあ、早速宝物の数々を回収するとしようか。シロウ、宝物とは関係なく、実験に使えそうなものがあったら、私が貰ってもいいかい?」
まぁ、持ち主がいなさそうなものであればいいかな。
「まぁ、金目のもの以外ならいいんじゃないか」
「ありがとう。それじゃあ、エリーザにキャッツ。私の手伝いをしてくれ」
「わたしはシロウさんと共同作業をしたいですわ」
「キャッツもだワン」
「文句を言っていると終わるのに時間がかかるだろう。さぁ、やるよ」
ミラーカは二人の手を引っ張ると無理やり連れて行く。
「それじゃあ、俺たちも始めるとするか」
俺たちは協力して宝の回収を始めた。
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