73 / 122
第六章
第二話 ルナさんの企み
しおりを挟む
~テオ視点~
ルナさんの勝手な行動で転移してきた俺たちは、港町を歩いていた。
誰も一言も喋ろうとはしない。話しをしようにも、空気が重く感じられ、口を開くことができなかった。
『ぐぅー』
そんな中、メリュジーナのお腹から空腹を知らせる音色が奏でられる。
「今日はみんな疲れただろう。宿屋を探して休もう」
「やった! ご飯! ご飯! お肉! お肉!」
宿屋を探して1泊することを決めると、メリュジーナが声を上げて燥ぐ。しかし、彼女の顔を見ると空元気のように思えた。
この空気をどうにかするには、ルナさんから事情を話してくれるのが一番だ。それまでは、俺たちは彼女の家の事情などを訊ねることなどできない。
港町の宿屋を見つけ、扉を開けて中に入る。
「いらっしゃい。三人だな。部屋は何部屋使う?」
建物の中に入ると、カウンターにいる店主が声をかけてきた。
ルナさんのことを考えると、しばらくは1人になる時間が必要だよな。少しお金がかかってしまうが、ここは3部屋借りることにしよう。さすがにメリュジーナと一緒の部屋に泊まる訳にはいかない。
この前のように、全裸でベッドの中に忍び込まれても困る。
「3部屋――」
「3人部屋を1部屋貸してください。泊まる日数は、取り敢えず1泊だけで」
「3人部屋だね。ちょっと待っていてくれ」
店主が3人部屋の鍵を取り出して渡すと、ルナさんが代金を支払う。
チラリと彼女を見るが、上辺だけの彼女の表情はいつも通りだった。
まぁ、ルナさんが3人部屋で良いのならそれで良いか。余計な気を使いすぎたのかもしれないな。
泊まる部屋の中に入り、部屋にある椅子に腰を下ろす。
さて、これからどうしようか。誘拐された女の子たちは、ゲルマンたちが家に帰してくれるだろうから心配しなくていいはず。
次の目的はメイデスになるけど、その前にルナさんのことも気になる。彼女の事情を知ってしまった以上は、同じ仲間として放っておく訳にはいかない。
いや、そもそもこの問題から俺は逃れることはできないだろう。だって、親御さんの目の前で俺とルナさんは唇を重ねてしまったんだ。もう、無関係では居られない。
その場凌ぎだったのかもしれないけど、どうしてルナさんはあんな強行策に出てしまったのだろうか。
早く龍玉を取り返さないといけないけど、まずはこっちから先に片付ける必要があるよな。
額に手を置き、小さく息を吐く。
それにしても何だかいつもよりも静かなような気がするな。何か忘れているような……そうだ! マーぺ!
「ルナさん! アイテムボックスに入れていたマーぺは!」
「あ、私も忘れていた」
ルナさんがショルダーバッグ型のアイテムボックスに腕を突っ込み、中から人形を取り出す。
救出作戦を実行する際に、マーぺは邪魔だった。なので、アイテムボックスの中に収納していたのだが、生きているだろうか?
『もう! いきなりバッグの中に押し込むなんて酷いじゃないか! びっくりしたじゃないか! アイテムボックスの中にいたせいで僕は兄ちゃんと――』
「兄ちゃんと?」
『兄ちゃん人形と一緒にいられて良かったよ。アハハ!』
気になるワードが耳に入ったので、マーぺに訊ねる。すると彼は直ぐにはぐらかした。
何か気になるな。そう言えば、次にいつ情報交換をするのか言っていなかったので、あれ以来敵側の情報を得ることができていない。
もし、俺の知らないところで情報交換が行われていた場合は、厄介だな。
『何そんなにジロジロと見ているのさ。そんなに見詰められると照れてしまうよ』
ジッと視線を送っていると、マーぺがふざけ出した。とにかくこいつをまた鳥籠の中に入れて、魔法だけは封じておかないと。
ルナさんからマーぺを受け取り、そのまま魔力を封じる鳥籠の中に入れる。
それから数時間が経ち、ルナさんはシャワーを浴びに行っている。メリュジーナも外の様子を見て来ると言って出ているので、今の俺はこの空間に1人だ。
ベッドで横になりながら天井を見ていると、あることがフッと脳裏を過ぎる。
「そう言えば、ルナさんってタオルを持っていったっけ?」
気になってしまい、ルナさんのアイテムボックスを開けて中身を確認する。タオルを取り出したつもりが、彼女のブラやパンツを掴んでいたが、これはなかったことにしよう。
ルナさんごめん。
心の中で彼女に謝りつつ、今度こそタオルを取り出すと枚数を確認する。
「やっぱりルナさんはタオルを忘れている」
タオルを手に取り、そのままバスルームの扉の前に立つ。そしてドアノブを握って捻り、ゆっくりと開けた。
少しだけ開けて隙間から覗くも、脱衣所にはルナさんの姿は見当たらない。
どうやらまだ、ルナさんは脱衣所には来ていないようだ。
なるべく音を立てないように気をつけつつ、脱衣所に入る。
なんでだろう。別に覗きをするつもりはないのに、妙に鼓動が激しくなってくる。
変な緊張感に包まれる中、そっとタオルを籠の中に入れようとする。
その瞬間、彼女の着替えだと思われる下着が視界に入った。
そのパンツには見覚えがある。これはメリュジーナが初めて人の姿になった時に、ルナさんが履かせていたエロティックな大人の下着だ。
ル、ルル、ルナさん。まさか、今日はこの下着を履くつもりなのか!
いや、まさかな。偶然に決まっている。
よく見たら、上下のセットが別のやつだった。きっと間違えて持って来てしまったのだろう。流石に下着をすり替えてちゃんとしたものを持って来る訳にはいかない。
「こうなってしまった以上、手段を選んでいる訳にはいかないよね。数日中に攻略して、それでも無理なときはアレを使うしかないわ。本当はアレを使うなんてことはしたくないから、とにかく私自身が頑張らないと……お父様に見つかった以上、私に残された時間は少ない」
扉越しにルナさんの声が耳に入る。
数日中に攻略? 無理なときはアレを使う? 何を言っているんだ?
彼女の言っている意味が分からない中、俺はタオルを籠の中に入れると、そっと脱衣所から出た。
ルナさんの勝手な行動で転移してきた俺たちは、港町を歩いていた。
誰も一言も喋ろうとはしない。話しをしようにも、空気が重く感じられ、口を開くことができなかった。
『ぐぅー』
そんな中、メリュジーナのお腹から空腹を知らせる音色が奏でられる。
「今日はみんな疲れただろう。宿屋を探して休もう」
「やった! ご飯! ご飯! お肉! お肉!」
宿屋を探して1泊することを決めると、メリュジーナが声を上げて燥ぐ。しかし、彼女の顔を見ると空元気のように思えた。
この空気をどうにかするには、ルナさんから事情を話してくれるのが一番だ。それまでは、俺たちは彼女の家の事情などを訊ねることなどできない。
港町の宿屋を見つけ、扉を開けて中に入る。
「いらっしゃい。三人だな。部屋は何部屋使う?」
建物の中に入ると、カウンターにいる店主が声をかけてきた。
ルナさんのことを考えると、しばらくは1人になる時間が必要だよな。少しお金がかかってしまうが、ここは3部屋借りることにしよう。さすがにメリュジーナと一緒の部屋に泊まる訳にはいかない。
この前のように、全裸でベッドの中に忍び込まれても困る。
「3部屋――」
「3人部屋を1部屋貸してください。泊まる日数は、取り敢えず1泊だけで」
「3人部屋だね。ちょっと待っていてくれ」
店主が3人部屋の鍵を取り出して渡すと、ルナさんが代金を支払う。
チラリと彼女を見るが、上辺だけの彼女の表情はいつも通りだった。
まぁ、ルナさんが3人部屋で良いのならそれで良いか。余計な気を使いすぎたのかもしれないな。
泊まる部屋の中に入り、部屋にある椅子に腰を下ろす。
さて、これからどうしようか。誘拐された女の子たちは、ゲルマンたちが家に帰してくれるだろうから心配しなくていいはず。
次の目的はメイデスになるけど、その前にルナさんのことも気になる。彼女の事情を知ってしまった以上は、同じ仲間として放っておく訳にはいかない。
いや、そもそもこの問題から俺は逃れることはできないだろう。だって、親御さんの目の前で俺とルナさんは唇を重ねてしまったんだ。もう、無関係では居られない。
その場凌ぎだったのかもしれないけど、どうしてルナさんはあんな強行策に出てしまったのだろうか。
早く龍玉を取り返さないといけないけど、まずはこっちから先に片付ける必要があるよな。
額に手を置き、小さく息を吐く。
それにしても何だかいつもよりも静かなような気がするな。何か忘れているような……そうだ! マーぺ!
「ルナさん! アイテムボックスに入れていたマーぺは!」
「あ、私も忘れていた」
ルナさんがショルダーバッグ型のアイテムボックスに腕を突っ込み、中から人形を取り出す。
救出作戦を実行する際に、マーぺは邪魔だった。なので、アイテムボックスの中に収納していたのだが、生きているだろうか?
『もう! いきなりバッグの中に押し込むなんて酷いじゃないか! びっくりしたじゃないか! アイテムボックスの中にいたせいで僕は兄ちゃんと――』
「兄ちゃんと?」
『兄ちゃん人形と一緒にいられて良かったよ。アハハ!』
気になるワードが耳に入ったので、マーぺに訊ねる。すると彼は直ぐにはぐらかした。
何か気になるな。そう言えば、次にいつ情報交換をするのか言っていなかったので、あれ以来敵側の情報を得ることができていない。
もし、俺の知らないところで情報交換が行われていた場合は、厄介だな。
『何そんなにジロジロと見ているのさ。そんなに見詰められると照れてしまうよ』
ジッと視線を送っていると、マーぺがふざけ出した。とにかくこいつをまた鳥籠の中に入れて、魔法だけは封じておかないと。
ルナさんからマーぺを受け取り、そのまま魔力を封じる鳥籠の中に入れる。
それから数時間が経ち、ルナさんはシャワーを浴びに行っている。メリュジーナも外の様子を見て来ると言って出ているので、今の俺はこの空間に1人だ。
ベッドで横になりながら天井を見ていると、あることがフッと脳裏を過ぎる。
「そう言えば、ルナさんってタオルを持っていったっけ?」
気になってしまい、ルナさんのアイテムボックスを開けて中身を確認する。タオルを取り出したつもりが、彼女のブラやパンツを掴んでいたが、これはなかったことにしよう。
ルナさんごめん。
心の中で彼女に謝りつつ、今度こそタオルを取り出すと枚数を確認する。
「やっぱりルナさんはタオルを忘れている」
タオルを手に取り、そのままバスルームの扉の前に立つ。そしてドアノブを握って捻り、ゆっくりと開けた。
少しだけ開けて隙間から覗くも、脱衣所にはルナさんの姿は見当たらない。
どうやらまだ、ルナさんは脱衣所には来ていないようだ。
なるべく音を立てないように気をつけつつ、脱衣所に入る。
なんでだろう。別に覗きをするつもりはないのに、妙に鼓動が激しくなってくる。
変な緊張感に包まれる中、そっとタオルを籠の中に入れようとする。
その瞬間、彼女の着替えだと思われる下着が視界に入った。
そのパンツには見覚えがある。これはメリュジーナが初めて人の姿になった時に、ルナさんが履かせていたエロティックな大人の下着だ。
ル、ルル、ルナさん。まさか、今日はこの下着を履くつもりなのか!
いや、まさかな。偶然に決まっている。
よく見たら、上下のセットが別のやつだった。きっと間違えて持って来てしまったのだろう。流石に下着をすり替えてちゃんとしたものを持って来る訳にはいかない。
「こうなってしまった以上、手段を選んでいる訳にはいかないよね。数日中に攻略して、それでも無理なときはアレを使うしかないわ。本当はアレを使うなんてことはしたくないから、とにかく私自身が頑張らないと……お父様に見つかった以上、私に残された時間は少ない」
扉越しにルナさんの声が耳に入る。
数日中に攻略? 無理なときはアレを使う? 何を言っているんだ?
彼女の言っている意味が分からない中、俺はタオルを籠の中に入れると、そっと脱衣所から出た。
0
お気に入りに追加
1,296
あなたにおすすめの小説
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
パーティ追放が進化の条件?! チートジョブ『道化師』からの成り上がり。
荒井竜馬
ファンタジー
『第16回ファンタジー小説大賞』奨励賞受賞作品
あらすじ
勢いが凄いと話題のS級パーティ『黒龍の牙』。そのパーティに所属していた『道化師見習い』のアイクは突然パーティを追放されてしまう。
しかし、『道化師見習い』の進化条件がパーティから独立をすることだったアイクは、『道化師見習い』から『道化師』に進化する。
道化師としてのジョブを手に入れたアイクは、高いステータスと新たなスキルも手に入れた。
そして、見習いから独立したアイクの元には助手という女の子が現れたり、使い魔と契約をしたりして多くのクエストをこなしていくことに。
追放されて良かった。思わずそう思ってしまうような世界がアイクを待っていた。
成り上がりとざまぁ、後は異世界で少しゆっくりと。そんなファンタジー小説。
ヒロインは6話から登場します。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
素質ナシの転生者、死にかけたら最弱最強の職業となり魔法使いと旅にでる。~趣味で伝説を追っていたら伝説になってしまいました~
シロ鼬
ファンタジー
才能、素質、これさえあれば金も名誉も手に入る現代。そんな中、足掻く一人の……おっさんがいた。
羽佐間 幸信(はざま ゆきのぶ)38歳――完全完璧(パーフェクト)な凡人。自分の中では得意とする持ち前の要領の良さで頑張るが上には常に上がいる。いくら努力しようとも決してそれらに勝つことはできなかった。
華のない彼は華に憧れ、いつしか伝説とつくもの全てを追うようになり……彼はある日、一つの都市伝説を耳にする。
『深夜、山で一人やまびこをするとどこかに連れていかれる』
山頂に登った彼は一心不乱に叫んだ…………そして酸欠になり足を滑らせ滑落、瀕死の状態となった彼に死が迫る。
――こっちに……を、助けて――
「何か……聞こえる…………伝説は……あったんだ…………俺……いくよ……!」
こうして彼は記憶を持ったまま転生、声の主もわからぬまま何事もなく10歳に成長したある日――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる