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第三章
第十七話 俺がプライドを捨てて体を張った芸をしてやっているのにどうして笑わない!
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~イルムガルド視点~
俺ことイルムガルドは、シモンとメルセデスを引き連れ、隣国の城下町に来ていた。
「くそう。まさかあらゆる旅芸人たちが、この国に向かっているとは思ってもいなかったな」
お姫様を笑わせるために、国にいる旅芸人を探した。だが、隣国の噂を耳にしているらしく、旅芸人たちのスカウトに失敗したのだ。なので、隣国の城下町で旅芸人を探すことにした。
「どこかに腕利きの旅芸人は居ないものだろうか?」
辺りを見渡していると、道化師の格好をしたものや、旅芸人の格好をしている集団を見かけた。
取り敢えずは、あいつらから交渉してみるか。
「よぉ、ちょっと良いか?」
旅芸人たちに近付き、声をかける。すると彼らは顔を上げるが、全員落ち込んでいる様子を見せ、溜め息を吐き出す。
「何だよ、今俺たちは落ち込んでいるところなんだ」
「どうした? 良ければ話してくれないか?」
「俺たち、芸人として自信を失っているんだ。お姫様を笑わせることができれば、芸人としての名が売れると思って挑戦した」
「だけどどんなに必死になって頑張っても、お姫様は無表情のままだった。眉一つ動かさないから、芸人としてのプライドがズタズタにされたんだ」
「もう、殆どの芸人が引退を決めている。俺たちも潮時だろうなと思っていたところなんだ」
芸人たちの言葉を聞き、俺は胸の前で腕を組んで思案する。
こいつは予想以上の騒ぎになっているじゃないか。笑いに特化している芸人たちが悉く敗れている。これでは、普通の芸人を雇ったところで意味がないな。
超一流と呼ばれるような、伝説級の芸人を探さないといけないだろう。
「そうか。それは災難だったな。お前らがどうなろうと俺の知ったことではない。芸人を辞めるのならさっさと辞めて実家に帰るんだな」
捨て台詞を吐き、その場から離れる。
あれから数時間が経った。あいつらの話を参考にして伝説級の芸人を探した。だが、噂話であるものの、超一流の芸人もお姫様を笑わせることができなかったと小耳に挟んだ。
もし、噂話が本当であれば、芸人は誰も使い物にはならない。
「こうなってくると、俺自身が挑戦するしかないな」
覚悟を決め、俺たちは城に向かった。
城の外で順番待ちを行い、自分たちの番となる。
「はぁー、次の者よ、さっさとやって帰ってくれ」
この国の王様と思われる人物が、玉座に座って溜め息を吐く。窶れているし、心労で寝不足なのか目の下にクマができている。
隣の玉座に座っているのがお姫様か。本当に無表情だな。まるで彫刻を見ているかのようだ。
とにかくやることはただひとつ、どんな手を使ってもお姫様を笑わせることだ。
「シモン、まずはお前からやれ」
「お、俺か? わ、分かった」
シモンが前に出ると、緊張しているのか、顔が強張っていた。
まぁ、あのシモンが芸をする光景は想像できないからな。さて、どんなことをしてくれるのか。
「ふ、布団が吹っ飛んだ!」
顔を赤くしながら、シモンは声を上げてダジャレを言う。
どうしてよりにもよってそんな陳腐なダジャレを言おうと思ったんだよ。聞いているこっちが恥ずかしくなるじゃないか。
「もう良い、下がれ」
最初の一言で、王様は結果が見えたようだ。シモンに下がるように命ずる。
「す、すまない。やっぱり俺には無理だ」
恥ずかしそうに顔面を真っ赤にしながら、シモンは謝る。
こいつに期待した俺がバカだった。
「イルムガルド、ワタクシに考えがあるの。もしかしたらうまくお姫様を笑わせることができるかもしれないわ」
「何だと! それは本当か!」
「ええ、でも、あなたに少し体を張ってもらう必要があるのだけど良い?」
「分かった。あの姫様を笑わせることができるのであれば、いくらでも体を張ろう」
彼女の策に任せ、一歩前に出る。
「イルムガルドとワタクシ、メルセデスが漫才をします……何か言いなさいよ!」
メルセデスに全てを任せていると、彼女はいきなり足でツッコミを入れてきた。
彼女の蹴りは丁度俺の股の間に入り、ムスコにクリティカルヒットする。
その瞬間、下腹部に耐え難い激痛に見舞われ、一瞬呼吸が止まる。そしてその場でうずくまった。
「お……前……何を……する」
「あなたの股間を蹴ったのよ。男性が股間を蹴られて苦しむ姿が、手っ取り早く笑いを引き寄せるのよ」
「ガッ……ハッ……グッ……フウ」
呼吸が一瞬止まり、あまりの痛さに涙が溢れ落ちる。
「わははははははは!」
笑い声が耳に入り、苦痛に耐えながら両目を開く。すると、王様が口を大きく開けて笑っていた。
お前じゃなあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁい! 俺が笑わせたいのはお姫様の方だ!
か、肝心のお姫様の方はどうなんだ?
お姫様の方に視線を向けると、彼女は眉ひとつ動かさずに微動だにしていなかった。
「ギャハハハハハハ! あいつ、股間にダメージ受けて倒れているぞ!」
「アハハハハハ面白い! 何やっているんだよ。こんな奴ら初めてだぞ」
俺が倒れて苦しむ姿をを見て、護衛の兵士たちが一斉に笑い出した。
テメーラ! 笑うんじゃねぇよ! 笑っていいのはお姫様だけだ!
本当は声に出して訴えたかった。しかし、股間にダメージを受けたことにより、呼吸困難に陥ってしまっている。
まともに息を吸うことができずに、酸欠で苦しむ。
肘をぶつけたときのジーンとした痛みが起き、頭痛や吐き気すら感じてくる。
もう、痛いと言うことしか頭に残らねー! それ以外何も考えられない。
鋭い一撃に息が詰まり、再び涙が込み上げてくるが、息の詰まりのせいで全ての感情は言葉にならない。
なんでもいい! 誰かこの苦しみから解放してくれ!
心の中で叫ぶも、当然ながら俺を介抱しようとするものは現れない。
そのまま時間が経過し、少しずつだが体調も良くなってきた。
「ククク、残念だったな。体を張った芸も、水の泡となったようだ。久しぶりにワシも笑った。面白い一時をありがとう。それじゃあ帰るが良い」
さっさと帰るように促された俺は、王様に対して怒りの感情が湧き上がった。
「こうなったら、力尽くでお姫様を笑わせてやる!」
両手を上げて走り、お姫様に近付こうとする。
「何! 兵士ども! そやつを捕らえろ! 姫には近付けさせるな!」
王様が命令を下した瞬間、控えていた兵士たちが一斉に襲い掛かってくる。
1人、2人ならどうにかなったが、10人もの兵士が俺の体を掴み、床に押し倒す。
「褒美が貰えなかったからと言って、姫に手を出そうとするとはな。こやつとその仲間も牢に放り込んでおけ!」
王様がシモンたちも捕えるように言うと、俺から数人の兵士が離れた。
「やめなさい! 離して!」
「俺たちは何もしていないだろうが! 捕まえるのならイルムガルドだけにしろよ!」
「ええい! 何をしておる! さっさとそいつらを連れて行け! 顔を見たくない!」
どうにかして逃げることができないかと抵抗を続けるも、多勢に無勢だった。両腕を縄で縛られると、俺たちは牢屋へと連れていかれる。
「くそう! どうしてこうなってしまう!」
俺ことイルムガルドは、シモンとメルセデスを引き連れ、隣国の城下町に来ていた。
「くそう。まさかあらゆる旅芸人たちが、この国に向かっているとは思ってもいなかったな」
お姫様を笑わせるために、国にいる旅芸人を探した。だが、隣国の噂を耳にしているらしく、旅芸人たちのスカウトに失敗したのだ。なので、隣国の城下町で旅芸人を探すことにした。
「どこかに腕利きの旅芸人は居ないものだろうか?」
辺りを見渡していると、道化師の格好をしたものや、旅芸人の格好をしている集団を見かけた。
取り敢えずは、あいつらから交渉してみるか。
「よぉ、ちょっと良いか?」
旅芸人たちに近付き、声をかける。すると彼らは顔を上げるが、全員落ち込んでいる様子を見せ、溜め息を吐き出す。
「何だよ、今俺たちは落ち込んでいるところなんだ」
「どうした? 良ければ話してくれないか?」
「俺たち、芸人として自信を失っているんだ。お姫様を笑わせることができれば、芸人としての名が売れると思って挑戦した」
「だけどどんなに必死になって頑張っても、お姫様は無表情のままだった。眉一つ動かさないから、芸人としてのプライドがズタズタにされたんだ」
「もう、殆どの芸人が引退を決めている。俺たちも潮時だろうなと思っていたところなんだ」
芸人たちの言葉を聞き、俺は胸の前で腕を組んで思案する。
こいつは予想以上の騒ぎになっているじゃないか。笑いに特化している芸人たちが悉く敗れている。これでは、普通の芸人を雇ったところで意味がないな。
超一流と呼ばれるような、伝説級の芸人を探さないといけないだろう。
「そうか。それは災難だったな。お前らがどうなろうと俺の知ったことではない。芸人を辞めるのならさっさと辞めて実家に帰るんだな」
捨て台詞を吐き、その場から離れる。
あれから数時間が経った。あいつらの話を参考にして伝説級の芸人を探した。だが、噂話であるものの、超一流の芸人もお姫様を笑わせることができなかったと小耳に挟んだ。
もし、噂話が本当であれば、芸人は誰も使い物にはならない。
「こうなってくると、俺自身が挑戦するしかないな」
覚悟を決め、俺たちは城に向かった。
城の外で順番待ちを行い、自分たちの番となる。
「はぁー、次の者よ、さっさとやって帰ってくれ」
この国の王様と思われる人物が、玉座に座って溜め息を吐く。窶れているし、心労で寝不足なのか目の下にクマができている。
隣の玉座に座っているのがお姫様か。本当に無表情だな。まるで彫刻を見ているかのようだ。
とにかくやることはただひとつ、どんな手を使ってもお姫様を笑わせることだ。
「シモン、まずはお前からやれ」
「お、俺か? わ、分かった」
シモンが前に出ると、緊張しているのか、顔が強張っていた。
まぁ、あのシモンが芸をする光景は想像できないからな。さて、どんなことをしてくれるのか。
「ふ、布団が吹っ飛んだ!」
顔を赤くしながら、シモンは声を上げてダジャレを言う。
どうしてよりにもよってそんな陳腐なダジャレを言おうと思ったんだよ。聞いているこっちが恥ずかしくなるじゃないか。
「もう良い、下がれ」
最初の一言で、王様は結果が見えたようだ。シモンに下がるように命ずる。
「す、すまない。やっぱり俺には無理だ」
恥ずかしそうに顔面を真っ赤にしながら、シモンは謝る。
こいつに期待した俺がバカだった。
「イルムガルド、ワタクシに考えがあるの。もしかしたらうまくお姫様を笑わせることができるかもしれないわ」
「何だと! それは本当か!」
「ええ、でも、あなたに少し体を張ってもらう必要があるのだけど良い?」
「分かった。あの姫様を笑わせることができるのであれば、いくらでも体を張ろう」
彼女の策に任せ、一歩前に出る。
「イルムガルドとワタクシ、メルセデスが漫才をします……何か言いなさいよ!」
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その瞬間、下腹部に耐え難い激痛に見舞われ、一瞬呼吸が止まる。そしてその場でうずくまった。
「お……前……何を……する」
「あなたの股間を蹴ったのよ。男性が股間を蹴られて苦しむ姿が、手っ取り早く笑いを引き寄せるのよ」
「ガッ……ハッ……グッ……フウ」
呼吸が一瞬止まり、あまりの痛さに涙が溢れ落ちる。
「わははははははは!」
笑い声が耳に入り、苦痛に耐えながら両目を開く。すると、王様が口を大きく開けて笑っていた。
お前じゃなあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁい! 俺が笑わせたいのはお姫様の方だ!
か、肝心のお姫様の方はどうなんだ?
お姫様の方に視線を向けると、彼女は眉ひとつ動かさずに微動だにしていなかった。
「ギャハハハハハハ! あいつ、股間にダメージ受けて倒れているぞ!」
「アハハハハハ面白い! 何やっているんだよ。こんな奴ら初めてだぞ」
俺が倒れて苦しむ姿をを見て、護衛の兵士たちが一斉に笑い出した。
テメーラ! 笑うんじゃねぇよ! 笑っていいのはお姫様だけだ!
本当は声に出して訴えたかった。しかし、股間にダメージを受けたことにより、呼吸困難に陥ってしまっている。
まともに息を吸うことができずに、酸欠で苦しむ。
肘をぶつけたときのジーンとした痛みが起き、頭痛や吐き気すら感じてくる。
もう、痛いと言うことしか頭に残らねー! それ以外何も考えられない。
鋭い一撃に息が詰まり、再び涙が込み上げてくるが、息の詰まりのせいで全ての感情は言葉にならない。
なんでもいい! 誰かこの苦しみから解放してくれ!
心の中で叫ぶも、当然ながら俺を介抱しようとするものは現れない。
そのまま時間が経過し、少しずつだが体調も良くなってきた。
「ククク、残念だったな。体を張った芸も、水の泡となったようだ。久しぶりにワシも笑った。面白い一時をありがとう。それじゃあ帰るが良い」
さっさと帰るように促された俺は、王様に対して怒りの感情が湧き上がった。
「こうなったら、力尽くでお姫様を笑わせてやる!」
両手を上げて走り、お姫様に近付こうとする。
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王様がシモンたちも捕えるように言うと、俺から数人の兵士が離れた。
「やめなさい! 離して!」
「俺たちは何もしていないだろうが! 捕まえるのならイルムガルドだけにしろよ!」
「ええい! 何をしておる! さっさとそいつらを連れて行け! 顔を見たくない!」
どうにかして逃げることができないかと抵抗を続けるも、多勢に無勢だった。両腕を縄で縛られると、俺たちは牢屋へと連れていかれる。
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