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第七章
第十三話 ホームストレッチの大歓声
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~大和主流視点~
『さぁ、ゲートが開きました。まずまず揃った出だしです。果たしてどの馬が先頭を勝ち取ることができるのか!』
ゲートが開き、俺はダイワメジャーを走らせる。ダイワメジャーの脚質はどちらかと言うと逃げだ。だからどの馬よりも先頭に立たせる必要がある。
他のどの馬よりも先頭を走らせるように促し、序盤のリードを得ようとした。
『先頭を主張し合っているのは、ダイワメジャーとメイショウサムソンの2頭、そして半馬身程離されてビートブラックと言う形となりました。おっと、どうやら先頭の争いに決着が付いたようです。先頭はダイワメジャーとなりました』
よし、どうにか先頭を勝ち取ることができた。このまま後続と引き離したいところだが、メイショウサムソンも簡単には距離を引き離してはくれないだろう。
『先頭集団から2馬身程離されてメジロデュレン、その隣をトウカイトリック、その後をスピードシンボリとタマモクロス、そしてリンカーンが競り合っている状況でしょうか。更にその後をアグネスタキオン、そしてマンハッタンカフェ、リンカーンが追いかける形となっております。そして3馬身程離されてジャングルポケット、エアシャカール、ウインバリアシオンが最後方での競馬となっております。この状況をトラちゃんはどう見ますか?』
『そうですね。まだ序盤と言うこともあり、それぞれが自分たちのペースで走っているように見られます。最初の観客席側で歓声に押されてペースが乱れる馬も出てきますので、冷静に走れるかどうかが最初のポイントとなってくるでしょうね』
実況担当の中山と解説担当の虎石の声が耳に入ってくる。
まずはそれぞれの脚質順になったか。虎石の言う通り、1回目の観客席側が最初のポイントとなっている。
大歓声に押され、つい張り切ってペースを乱してしまう騎手や馬も居る。そのため、序盤で力を使い、終盤になって追い越されていくパターンになってしまうケースもある。
詳しい人であれば、歓声が応援する馬に悪影響を与えることを知っているので、1回目の観客席側は敢えて無言で見守るものだが、つい応援してしまうのが人間と言うものだ。
歓声を上げずに静寂のまま観客席側を過ぎることはできない。
多くの観客からの歓声を浴びる中、自分を見失わずにペースを維持できるか、騎手としての力量が試される。
『先頭はダイワメジャーのまま、第3コーナーを曲がって坂を駆け上ってきます。その後ろをメイショウサムソンとビートブラックが1馬身程引き離されて、中段の先頭はメジロデュレン、ここでトウカイトリックが前に出た。現在4位に浮上、それ以降は順位に変動は見られません』
まだ勝負を仕掛けようとするバカはいないようだ。このままなら、中盤までは先頭を維持することができるだろう。
だけどひとつだけ懸念がある。それは、ダイワメジャーは長距離が苦手なところだ。どちらかと言うと、マイルよりの中距離を得意とする。もちろん、長距離は完全に走れないと言う訳ではない。2500メートルの有馬記念も、2年連続3着と言う結果を残している。だが、3000メートル越えの距離は1度も走ったことがない。
そのため、長距離適性を上げるアビリティを装備させてはいる。だが、それによりレース中に使用できるアビリティが他の馬に比べて2つ少ない状況だ。
このハンデが、レース中にどのように影響が与えるのか不明だが、楽観的には考えることはできない。ひとつのミスが敗北に繋がるだろう。
ダイワメジャーに装備させている3つのアビリティが、効果を発揮してくれるかどうかは運頼みとなってしまう。
でも、負ける訳にはいかない。貴婦人生徒会長が大気釈迦流に勝負を挑んでいる以上、今回のレースで負けて、彼女の顔に泥を塗らせるような行為になることは、絶対に避けなければならない。
『坂を駆け下り、第4コーナーに突入してきます。直線コースに辿り着き、今ダイワメジャーが先頭のまま観客席側に突入します』
「いけー! ダイワメジャー!」
「兄さん頑張って!」
「アグネスタキオン! お前の足に期待しているぞ! 勝って俺に大金をくれ!」
「ジャングルポケット! 世界の強豪に勝ったお前の足を他の馬に見せ付けろ!」
「スピードシンボリ! 一気に差し切れ!」
「タマモクロス! 白い俊雷の異名を持つ走りで勝ってくれよ!」
やはり予想通りの展開となった。我慢しきれない観客たちが一斉に声を上げ、声援を送ってくる。
応援してくれるみんなの声に応えたい気持ちは大きい。だが、今は力を出すタイミングではない。
多くの声援を受け、ダイワメジャーの速度が上がっているな。応援してくれているみんなに応えようとしている。だけど、力を出すのは今ではない。
「ダイワメジャー、落ち着いてくれ。まだ半周回っただけだ。あと1周してくる必要がある。気持ちは分かるが、ペース配分も考えてくれ」
『はぁ、はぁ……そ……そうだな。俺としたことが、つい張り切ってしまった』
落ち着いて走るように促すと、ダイワメジャーの走りが観客席側に入る前の状態に戻る。
これで最初のポイントはクリアしたか。
『先頭はダイワメジャーのまま、3馬身離されてメイショウサムソンとビートブラックが追いかけ、ここでトウカイトリックが速度を上げて戦闘集団に食い込んできた!』
『ヤッフー! やっぱり観客からの歓声を聞くとテンションが上がるな!』
「おい、勝手に速度を上げるな! まだ勝負どころじゃないぞ! このままではスタミナ切れを起こす」
どうやら観客からの歓声に当てられ、調子に乗って速度を上げてしまった馬もいるようだ。しかし、それを抑えることができるかどうかも、騎手の力量だ。
「周りのペースに惑わされるなよ。お前はお前のペースで走れ、ダイワメジャー」
『最初の観客席側を全ての馬が通過しました。果たして今年度の春の盾を手に入れるのはどの名馬か』
『さぁ、ゲートが開きました。まずまず揃った出だしです。果たしてどの馬が先頭を勝ち取ることができるのか!』
ゲートが開き、俺はダイワメジャーを走らせる。ダイワメジャーの脚質はどちらかと言うと逃げだ。だからどの馬よりも先頭に立たせる必要がある。
他のどの馬よりも先頭を走らせるように促し、序盤のリードを得ようとした。
『先頭を主張し合っているのは、ダイワメジャーとメイショウサムソンの2頭、そして半馬身程離されてビートブラックと言う形となりました。おっと、どうやら先頭の争いに決着が付いたようです。先頭はダイワメジャーとなりました』
よし、どうにか先頭を勝ち取ることができた。このまま後続と引き離したいところだが、メイショウサムソンも簡単には距離を引き離してはくれないだろう。
『先頭集団から2馬身程離されてメジロデュレン、その隣をトウカイトリック、その後をスピードシンボリとタマモクロス、そしてリンカーンが競り合っている状況でしょうか。更にその後をアグネスタキオン、そしてマンハッタンカフェ、リンカーンが追いかける形となっております。そして3馬身程離されてジャングルポケット、エアシャカール、ウインバリアシオンが最後方での競馬となっております。この状況をトラちゃんはどう見ますか?』
『そうですね。まだ序盤と言うこともあり、それぞれが自分たちのペースで走っているように見られます。最初の観客席側で歓声に押されてペースが乱れる馬も出てきますので、冷静に走れるかどうかが最初のポイントとなってくるでしょうね』
実況担当の中山と解説担当の虎石の声が耳に入ってくる。
まずはそれぞれの脚質順になったか。虎石の言う通り、1回目の観客席側が最初のポイントとなっている。
大歓声に押され、つい張り切ってペースを乱してしまう騎手や馬も居る。そのため、序盤で力を使い、終盤になって追い越されていくパターンになってしまうケースもある。
詳しい人であれば、歓声が応援する馬に悪影響を与えることを知っているので、1回目の観客席側は敢えて無言で見守るものだが、つい応援してしまうのが人間と言うものだ。
歓声を上げずに静寂のまま観客席側を過ぎることはできない。
多くの観客からの歓声を浴びる中、自分を見失わずにペースを維持できるか、騎手としての力量が試される。
『先頭はダイワメジャーのまま、第3コーナーを曲がって坂を駆け上ってきます。その後ろをメイショウサムソンとビートブラックが1馬身程引き離されて、中段の先頭はメジロデュレン、ここでトウカイトリックが前に出た。現在4位に浮上、それ以降は順位に変動は見られません』
まだ勝負を仕掛けようとするバカはいないようだ。このままなら、中盤までは先頭を維持することができるだろう。
だけどひとつだけ懸念がある。それは、ダイワメジャーは長距離が苦手なところだ。どちらかと言うと、マイルよりの中距離を得意とする。もちろん、長距離は完全に走れないと言う訳ではない。2500メートルの有馬記念も、2年連続3着と言う結果を残している。だが、3000メートル越えの距離は1度も走ったことがない。
そのため、長距離適性を上げるアビリティを装備させてはいる。だが、それによりレース中に使用できるアビリティが他の馬に比べて2つ少ない状況だ。
このハンデが、レース中にどのように影響が与えるのか不明だが、楽観的には考えることはできない。ひとつのミスが敗北に繋がるだろう。
ダイワメジャーに装備させている3つのアビリティが、効果を発揮してくれるかどうかは運頼みとなってしまう。
でも、負ける訳にはいかない。貴婦人生徒会長が大気釈迦流に勝負を挑んでいる以上、今回のレースで負けて、彼女の顔に泥を塗らせるような行為になることは、絶対に避けなければならない。
『坂を駆け下り、第4コーナーに突入してきます。直線コースに辿り着き、今ダイワメジャーが先頭のまま観客席側に突入します』
「いけー! ダイワメジャー!」
「兄さん頑張って!」
「アグネスタキオン! お前の足に期待しているぞ! 勝って俺に大金をくれ!」
「ジャングルポケット! 世界の強豪に勝ったお前の足を他の馬に見せ付けろ!」
「スピードシンボリ! 一気に差し切れ!」
「タマモクロス! 白い俊雷の異名を持つ走りで勝ってくれよ!」
やはり予想通りの展開となった。我慢しきれない観客たちが一斉に声を上げ、声援を送ってくる。
応援してくれるみんなの声に応えたい気持ちは大きい。だが、今は力を出すタイミングではない。
多くの声援を受け、ダイワメジャーの速度が上がっているな。応援してくれているみんなに応えようとしている。だけど、力を出すのは今ではない。
「ダイワメジャー、落ち着いてくれ。まだ半周回っただけだ。あと1周してくる必要がある。気持ちは分かるが、ペース配分も考えてくれ」
『はぁ、はぁ……そ……そうだな。俺としたことが、つい張り切ってしまった』
落ち着いて走るように促すと、ダイワメジャーの走りが観客席側に入る前の状態に戻る。
これで最初のポイントはクリアしたか。
『先頭はダイワメジャーのまま、3馬身離されてメイショウサムソンとビートブラックが追いかけ、ここでトウカイトリックが速度を上げて戦闘集団に食い込んできた!』
『ヤッフー! やっぱり観客からの歓声を聞くとテンションが上がるな!』
「おい、勝手に速度を上げるな! まだ勝負どころじゃないぞ! このままではスタミナ切れを起こす」
どうやら観客からの歓声に当てられ、調子に乗って速度を上げてしまった馬もいるようだ。しかし、それを抑えることができるかどうかも、騎手の力量だ。
「周りのペースに惑わされるなよ。お前はお前のペースで走れ、ダイワメジャー」
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