追放騎手の霊馬召喚〜トウカイテイオーを召喚できずに勘当された俺は、伝説の負け馬と共に霊馬競馬界で成り上がる!

仁徳

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第六章

第二十七話 おのれ帝王め!次こそは!

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 ~新堀学園長視点~





「と、言う訳で、番組調べのところ1着トウカイテイオー、2着エアシャカール、3着ゴールドシップと言う結果となりました」

 女子アナの言葉を聞き、手に持っていたトウカイテイオーの応援馬券を握り潰す。

 くそう! くそう! くそう! またしてもトウカイテイオーが勝ってしまった! しかも100ポイント分しか買っていない馬券が当たって、100000ポイント払って買ったゴールドシップの単勝馬券が紙屑になってしまった! 馬券が当たっても、収支率がマイナスと言うトリガミと言われる状態になってしまったではないか!

 今回のレースだけで、99460ポイントも損失してしまった。

「馬券が的中しましたのは、新堀学園長ですね。おめでとうございます」

 女子アナや番組レギュラーメンバー、そしてスタップたちから拍手が送られるも、全然嬉しくない。

 くそう。せっかくゴールドシップが勝つように雨を降らせて馬場状態を不良にしたと言うのに。こんなの計算外だ。しかもエアシャカールにも負けやがって! 

 あやつはワシの誘いを断りやがった。だからレースで負かせて気分良くざまぁと心の中で叫びたかったのに、こっちの方も計画が丸潰れではないか。

 あー、本当に腹立たしい。だが、怒ってばかりもいられない。ついに恐れていた事態が起きてしまった。

 どのような経緯により入手したのかは不明だが、トウカイテイオーが絆アビリティを手に入れてしまった。

 絆アビリティとは、霊馬騎手同士の絆が最高潮にまで深まった時に、自身の所有する霊馬の名馬の伝説レジェンドオブアフェイマスホースをアビリティ化させる隠されたシステムだ。

 だが、自身の霊馬には装備できず、絆が最大になった相手にしか贈れないと言う欠点もある。

 簡単にはMAXにすることはできないので、一般的には知らされていない。

 絆アビリティを所有できる霊馬騎手は霊馬競馬界の最高峰人物と言えるだろう。

 東海帝王トウカイテイオウにはその素質があると見抜いていた。だからワシはあやつを児童養護施設から引き取り、義理の息子として引き取ったのだ。

 それにしても予想以上に東海帝王トウカイテイオウの成長が早すぎる。こうなってくると、あの時にあやつを追い出したのが悔やまれる。過去に戻ることができるのであれば、あの時の自分を殴ってやりたいくらいだ。

 東海帝王トウカイテイオウがダイワスカーレットの絆アビリティを持っている以上、並程度の騎手では相手にならないであろう。次のレースで勝つには、相当な実力を持っているやつを刺客として送り込む必要がある。

「次回のG Iレースは天皇賞・春ですね。いったいどの名馬が春の盾を手に入れることができるのでしょうか。それでは、次に5月に行われるG Iレースですが、このようになっています」

 女子アナがフリップを出した。それには、かしわ記念、ヴィクトリアマイル、オークス、東京優駿日本ダービーと描かれてある。

 かしわ記念か。あれは船橋で行われるダートコースだ。それに東海帝王トウカイテイオーが選ばれるように細工をすれば、相手はハルウララとなるだろうな。ハルウララの方が勝てる可能性が遥かに高い。

 そうだ。今まで負けていたのはターフだったからだ。ダートであれば100パーセント勝てるはず。

 かしわ記念で、全力で叩き潰してくれる。

「ワハハハハハ!」

「新堀学園長、そんなに天皇賞・春に予想した馬が可笑しいのでしょうか?」

「あ、いや、今の笑いは、けしてあなたの予想をバカにしたのでは」

 ディレクターがワシのことを睨んできた。まずい。このままでは本当に寄付金を切られてしまう!






 オマケコーナー

 教えてなぞなぞ博士

「前回のオマケコーナーで、読者様からもっと珍名馬を紹介してほしいと言う要望があったので、再びこのコーナーをすることになったナゾ? そして今回はスペシャルゲストとお迎えしましたナゾ? では、ご登場お願いしますナゾ?」

『はーい! この作品のアイドル! ハルウララだよ! 今回はどんな珍名馬を紹介してくれるの?』

「前回は料理編だったので、今回はセリフ編でいこうと思っているナゾ?」

『セ、セリフ! そんな名前の競走馬がいるの?』

「そうナゾ? と言う訳で早速紹介していくナゾ? まずはこいつナゾ? サンデーサイレンスとカーリーエンジェルの子どもであるオレハマッテルゼだナゾ? 分かりやすく漢字で書くとこうなるナゾ?」

 私はホワイトボードに『俺は待ってるぜ』と書く。

『この馬は何を待っているのかな? 分かった! きっと美味しい干草やリンゴを待っているんだ!』

「ハルウララ、もしかしてお腹が空いているのかナゾ? でも、変な名前の馬だからと言って、バカにはできないナゾ? この馬、こう見えても、G Iレースの高松宮記念を優勝している実力馬だナゾ?」

『変な名前に実力で負けた!』

 ハルウララがショックを受けているようナゾだが、まぁ、生前の彼女であれば、相手が珍名馬でも、名馬でも負けているのは変わらないナゾ?

「気を取り直して、お次はこちらだナゾ? ハーピンジャーとシャドウマリアの子どもであるキミノナハマリア。分かりにくいので漢字で書くとこうナゾ?」

 私はホワイトボードに『君の名はマリア』と書く。

『この珍名馬の名前の由来が分かった! きっと「私たち、入れ替わっている!」で有名なあの作品の影響を受けたんだ!』

「可能性としてはあるかもしれないナゾ? でも、母親の馬名からの連想でこのような名前になっているナゾ?」

 私は苦笑いを浮かべることしかできないナゾ?

「最後に紹介するのは、セリフとは関係ないナゾ? でも、個人的に紹介したので言うナゾ? アンライバルドとフロントタックの子どもスモモモモモモモモだナゾ?」

『スモモモ……噛んじゃった。それに何回「モ」を言っているのか分からなくなるよ!』

「そうナゾね。この馬は呼び難いから、愛称でスモモちゃんと呼ばれているナゾ? でもレース中は、実況者は正確にこの名前を言えているから凄いなぞね。当時は一部のニュース番組に取り上げられたこともあって、その映像も残っているナゾ? 気になった人は調べてみるといいナゾ? と言う訳で、ちょっと長くなってしまいましたが、以上、オマケコーナーだったナゾ?」

『ではまた! 次の機会でお会いしましょう! ばいばーい!』
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