74 / 149
第五章
第十八話 馬生ゲーム 全盛期編 後編
しおりを挟む
あれから数ターンが経過した。色々なイベントが起き、バトルも発生してみんなファン数は僅差となっている。
全盛期も残り1ターンだ。全盛期最後のルーレットとなり、俺は所持している移動系のカードとマスを確認する。
今俺が持っているのは9のカード、そしてマス先には、超ラッキーマスになっている。使うなら、今しかない。
9のカードを使い、全てのルーレットの数字が9になる。ルーレットを回して9を出し、超ラッキーマスへと進んだ。そしてイベントが始まる。
『3度目の骨折を乗り越えて有馬記念で優勝したトウカイテイオーも引退の時期がやって来た。引退式にはダービー優勝時のゼッケン20を付けてファンにお披露目となり、引退する。これからは種牡馬となって余生を過ごすことになったファン10000人獲得』
引退するのにファンが増える。個人的には微妙な展開だが、このゲームはファンが多い人が勝ちなので、このような仕様となってしまうのだろう。
「次はあたしね。全盛期、最後のターン。いくわよ」
大和鮮赤がルーレットを回し、数字は6だ。6マス進むとイベントが発生した。
『海外デビューも視野に入れていたダイワスカーレットだが、病気を患ってしまい、そのまま引退をしてしまう。彼女は生涯で1着か2着しか取ることがなく、生涯連対と言う快挙を達成した。これからは繁殖牝馬となって、余生を過ごすことになった』
俺に続いて、大和鮮赤も引退イベントか。もしかして、最後のターンは引退イベントが発生するようになっているのか?
「うっし、それじゃ、アタイの番だ! 大和鮮赤には負けられねぇ」
魚華の番となり、彼女はルーレットを回した。結果は3となり、3マス進む。だが、駒が進んだ先は悲しみマスだった。
『ドバイワールドカップを引退レースに決めたウオッカは、日本を出てドバイへと向かった。しかし、ドバイワールドカップの前哨戦でもあるマクトゥームチャレンジラウンド3の最中に、2度目の鼻出血を起こし、8着で敗れた。ドバイワールドカップ出走を断念し、望まぬ形で引退をすることになる。これからは繁殖牝馬として余生を過ごすことになった。ファン5000人獲得』
「あー、やっぱりこんな終わり方かよ。ファンの獲得数も思ったよりも少ないし、本当に悲しみマスだな。大和鮮赤には負けられないと言うのに、ここからの逆転ってできるのか?」
あまり良くない結末に、魚華は肩をすくめる。
「よし、俺の番ッス! これまでルーレットは3のみ、カードもなぜか3のカードしか出なかったッスが、3マス先は普通のマスッス。最後は何もない安定した終わりで行くッスよ! それッス!」
内巣自然がルーレットを回す。彼はこれまで3しか出なかった。ルーレットが止まり、針が示した数字はもちろん3だ。
彼の駒が3マス進む。その瞬間、止まったマスが不穏な紫色に代わり、マスが変化すると、悲しみマスへと変化した。
「どうして嫌な方に確変するッスか! どうせ確変するのなら、超ラッキーマスに代わって欲しかったッス!」
予想していなかった展開に、内巣自然が声を上げる。
正直、俺もこんな展開が隠されていたとは思ってもいなかった。
悪い方にも変化することってあるんだな。
彼が落ち込む中、イベントが始まった。
『左前脚を骨折したナイスネイチャは、休養に入った。復帰後のレースでも低迷が続き、その年の有馬記念では9着に終わる。翌年の中京記念が掲示板入りの4着を最後に、彼はその後のレースで最高6着と言う成績に終わる。有馬記念の出走を控え、出走できれば6年連続出走となるが、右前脚の不安があったため、出走を回避してそのまま引退することになった。これからは種牡馬となって余生を過ごすことになる。ファン5000人獲得』
「ナイスネイチャ、お疲れ様ッス! 3に縁のある馬生だったッスけれど、色々なイベントが見られて楽しかったッスよ」
ナイスネイチャに感情移入をしているのか、内巣自然は目から涙を流し、袖を使って拭ていた。
感受性が豊なのか分からないが、ゲームでよくそこまで感情移入ができるな。
「それではぁ、私の番ですねぇ。でもぉ、アストンマーチャンは現役時代に亡くなっているのでぇ、引退ストーリーはないはずなのですがぁ?」
自分の番となり、明日屯麻茶无はポツリと言葉を漏らす。
アストンマーチャンは、現役で亡くなった名馬だ。なので、引退することもなく、彼女の子孫も存在していない。アストンマーチャンのイベントで、彼女はシルクロードステークスを回避した。なので、死ぬことなく現在も生き続けていると言う設定になっている。
明日屯麻茶无がルーレットを回し、出た数字は8だ。8マス進み、全盛期最後のイベントが始まる。
『体調を崩したアストンマーチャンは、原因不明の大腸炎であるX大腸炎を発症し、入院することになった。これからは入院生活を送ることになる。ファン8000人獲得』
「う~ん、少し雑な終わり方のような気がするのですがぁ、アストンマーチャンならこんなものでしょうねぇ」
小首を傾げながら、明日屯麻茶无は最後のターンの感想を漏らした。
「まともなイベントがあるだけマシよ。私なんか、真名とは違う馬になったからどうでも良いイベントばかりなのよ」
小さく息を吐きながら、クロが呟く。
彼女のゲーム内での馬はヤマニンジュエリーだ。そこまで多くの活躍をしていないのか、殆どイベントが用意されていない。なので、面白みも半減しているのだろう。
「まぁ、逆に気楽にできるからいいのだけどね」
クロがルーレットを選択してルーレット盤を回した。彼女の出した数字は1であり、1マス先は普通のイベントマスだった。1マス進み、イベントが発生する。
『可もなく不可もなしの馬生を過ごすヤマニンジュエリーは引退した。ファン3000人獲得』
「ほらね、これで終わりよ。真名通りの馬だったら、もっと色々なイベントがあったはずなのに、どうしてこうなってしまったのよ」
「クロちゃんの名馬が何なのかナゾだナゾ? でも一応は殆どの馬を入れているナゾ? クロちゃんの口ぶりからすると凄い名馬なのは分かるナゾ? 考えられるとしたら、最初の質問を答える時に、間違えたか、敢えて本心とは違う選択肢を押したかナゾ?」
「あっ!」
なぞなぞ博士の言葉に、クロの口から声が漏れた。彼女の表情から察して、思い当たるところがあるのだろう。
「さて、泣いても笑っても、次が最後ナゾ? 最後は繁殖時代ナゾ? この時代では、プレイヤーの馬の代わりに子どもが活躍するナゾ? それでは、やってみようナゾ?」
全盛期も残り1ターンだ。全盛期最後のルーレットとなり、俺は所持している移動系のカードとマスを確認する。
今俺が持っているのは9のカード、そしてマス先には、超ラッキーマスになっている。使うなら、今しかない。
9のカードを使い、全てのルーレットの数字が9になる。ルーレットを回して9を出し、超ラッキーマスへと進んだ。そしてイベントが始まる。
『3度目の骨折を乗り越えて有馬記念で優勝したトウカイテイオーも引退の時期がやって来た。引退式にはダービー優勝時のゼッケン20を付けてファンにお披露目となり、引退する。これからは種牡馬となって余生を過ごすことになったファン10000人獲得』
引退するのにファンが増える。個人的には微妙な展開だが、このゲームはファンが多い人が勝ちなので、このような仕様となってしまうのだろう。
「次はあたしね。全盛期、最後のターン。いくわよ」
大和鮮赤がルーレットを回し、数字は6だ。6マス進むとイベントが発生した。
『海外デビューも視野に入れていたダイワスカーレットだが、病気を患ってしまい、そのまま引退をしてしまう。彼女は生涯で1着か2着しか取ることがなく、生涯連対と言う快挙を達成した。これからは繁殖牝馬となって、余生を過ごすことになった』
俺に続いて、大和鮮赤も引退イベントか。もしかして、最後のターンは引退イベントが発生するようになっているのか?
「うっし、それじゃ、アタイの番だ! 大和鮮赤には負けられねぇ」
魚華の番となり、彼女はルーレットを回した。結果は3となり、3マス進む。だが、駒が進んだ先は悲しみマスだった。
『ドバイワールドカップを引退レースに決めたウオッカは、日本を出てドバイへと向かった。しかし、ドバイワールドカップの前哨戦でもあるマクトゥームチャレンジラウンド3の最中に、2度目の鼻出血を起こし、8着で敗れた。ドバイワールドカップ出走を断念し、望まぬ形で引退をすることになる。これからは繁殖牝馬として余生を過ごすことになった。ファン5000人獲得』
「あー、やっぱりこんな終わり方かよ。ファンの獲得数も思ったよりも少ないし、本当に悲しみマスだな。大和鮮赤には負けられないと言うのに、ここからの逆転ってできるのか?」
あまり良くない結末に、魚華は肩をすくめる。
「よし、俺の番ッス! これまでルーレットは3のみ、カードもなぜか3のカードしか出なかったッスが、3マス先は普通のマスッス。最後は何もない安定した終わりで行くッスよ! それッス!」
内巣自然がルーレットを回す。彼はこれまで3しか出なかった。ルーレットが止まり、針が示した数字はもちろん3だ。
彼の駒が3マス進む。その瞬間、止まったマスが不穏な紫色に代わり、マスが変化すると、悲しみマスへと変化した。
「どうして嫌な方に確変するッスか! どうせ確変するのなら、超ラッキーマスに代わって欲しかったッス!」
予想していなかった展開に、内巣自然が声を上げる。
正直、俺もこんな展開が隠されていたとは思ってもいなかった。
悪い方にも変化することってあるんだな。
彼が落ち込む中、イベントが始まった。
『左前脚を骨折したナイスネイチャは、休養に入った。復帰後のレースでも低迷が続き、その年の有馬記念では9着に終わる。翌年の中京記念が掲示板入りの4着を最後に、彼はその後のレースで最高6着と言う成績に終わる。有馬記念の出走を控え、出走できれば6年連続出走となるが、右前脚の不安があったため、出走を回避してそのまま引退することになった。これからは種牡馬となって余生を過ごすことになる。ファン5000人獲得』
「ナイスネイチャ、お疲れ様ッス! 3に縁のある馬生だったッスけれど、色々なイベントが見られて楽しかったッスよ」
ナイスネイチャに感情移入をしているのか、内巣自然は目から涙を流し、袖を使って拭ていた。
感受性が豊なのか分からないが、ゲームでよくそこまで感情移入ができるな。
「それではぁ、私の番ですねぇ。でもぉ、アストンマーチャンは現役時代に亡くなっているのでぇ、引退ストーリーはないはずなのですがぁ?」
自分の番となり、明日屯麻茶无はポツリと言葉を漏らす。
アストンマーチャンは、現役で亡くなった名馬だ。なので、引退することもなく、彼女の子孫も存在していない。アストンマーチャンのイベントで、彼女はシルクロードステークスを回避した。なので、死ぬことなく現在も生き続けていると言う設定になっている。
明日屯麻茶无がルーレットを回し、出た数字は8だ。8マス進み、全盛期最後のイベントが始まる。
『体調を崩したアストンマーチャンは、原因不明の大腸炎であるX大腸炎を発症し、入院することになった。これからは入院生活を送ることになる。ファン8000人獲得』
「う~ん、少し雑な終わり方のような気がするのですがぁ、アストンマーチャンならこんなものでしょうねぇ」
小首を傾げながら、明日屯麻茶无は最後のターンの感想を漏らした。
「まともなイベントがあるだけマシよ。私なんか、真名とは違う馬になったからどうでも良いイベントばかりなのよ」
小さく息を吐きながら、クロが呟く。
彼女のゲーム内での馬はヤマニンジュエリーだ。そこまで多くの活躍をしていないのか、殆どイベントが用意されていない。なので、面白みも半減しているのだろう。
「まぁ、逆に気楽にできるからいいのだけどね」
クロがルーレットを選択してルーレット盤を回した。彼女の出した数字は1であり、1マス先は普通のイベントマスだった。1マス進み、イベントが発生する。
『可もなく不可もなしの馬生を過ごすヤマニンジュエリーは引退した。ファン3000人獲得』
「ほらね、これで終わりよ。真名通りの馬だったら、もっと色々なイベントがあったはずなのに、どうしてこうなってしまったのよ」
「クロちゃんの名馬が何なのかナゾだナゾ? でも一応は殆どの馬を入れているナゾ? クロちゃんの口ぶりからすると凄い名馬なのは分かるナゾ? 考えられるとしたら、最初の質問を答える時に、間違えたか、敢えて本心とは違う選択肢を押したかナゾ?」
「あっ!」
なぞなぞ博士の言葉に、クロの口から声が漏れた。彼女の表情から察して、思い当たるところがあるのだろう。
「さて、泣いても笑っても、次が最後ナゾ? 最後は繁殖時代ナゾ? この時代では、プレイヤーの馬の代わりに子どもが活躍するナゾ? それでは、やってみようナゾ?」
10
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
ワイルド・ソルジャー
アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。
世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。
主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。
旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。
ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。
世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。
他の小説サイトにも投稿しています。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
幻想遊撃隊ブレイド・ダンサーズ
黒陽 光
SF
その日、1973年のある日。空から降りてきたのは神の祝福などではなく、終わりのない戦いをもたらす招かれざる来訪者だった。
現れた地球外の不明生命体、"幻魔"と名付けられた異形の怪異たちは地球上の六ヶ所へ巣を落着させ、幻基巣と呼ばれるそこから無尽蔵に湧き出て地球人類に対しての侵略行動を開始した。コミュニケーションを取ることすら叶わぬ異形を相手に、人類は嘗てない絶滅戦争へと否応なく突入していくこととなる。
そんな中、人類は全高8mの人型機動兵器、T.A.M.S(タムス)の開発に成功。遂に人類は幻魔と対等に渡り合えるようにはなったものの、しかし戦いは膠着状態に陥り。四十年あまりの長きに渡り続く戦いは、しかし未だにその終わりが見えないでいた。
――――これは、絶望に抗う少年少女たちの物語。多くの犠牲を払い、それでも生きて。いなくなってしまった愛しい者たちの遺した想いを道標とし、抗い続ける少年少女たちの物語だ。
表紙は頂き物です、ありがとうございます。
※カクヨムさんでも重複掲載始めました。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる