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第四章
第三話 パドック内の作戦会議
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~ハルウララ視点~
「今回のレース会場は高知競馬場だから、ハルウララにとっては説明不要かもしれないけれど、念のために言っておくわね」
下見所を左周りでグルグルと歩きながら、クロちゃんが私のホームグラウンドに付いて語り始めた。
「今回の初夢特別は、高知競馬場で行われる砂1400メートルのマイル戦だよ。コースは横長の右回りだけど、左右のコーナーは左右対称の楕円ではなく、右側の方が半径は大きい『おむすび型』となっているわ」
クロちゃんがコース全体の説明をしてくれた。正直、ホームグラウンドだから説明を聞く必要はないのだけどなぁ。
「スタート位置は右端からだね。そこから走って観客席側の前を通り、第1コーナーを曲がって第2コーナーへと向かい、向正面を走るのだけど、実は向正面の方が観客席側に比べて1.58メートルの勾配になっているわ。緩やかな坂だから、平面に見えるけれどね」
あれ? 高知競馬場って、坂があったんだ。走っていて、全然気付かなかった。
「そして第3コーナからまた緩やかな下り坂となって、第4コーナーに向かって行くけれど、この時、第1から第2コーナーの時に比べて、スピードが出し易くなるわ。だから後半になってから、長い捲りを決めることもできる。だから、差し馬の不利を和らげる効果があるの。最終コーナを曲がったら、そのまま観客席側前のゴール板を駆け抜けてゴール。こんな感じかしらね」
相変わらずクロちゃんは細かいところも説明してくれるなぁ。まぁ、私は全力で走るだけだし、細かいところは帝王に任せるけれど。
『ねぇ、今回の出走馬ってどんな馬なの?』
「えーとね。まずライデンリーダーでしょう。そしてコパノフウジン。後はオノゾミドオリ、ミリョクナムスメ、ラッキートップ、レディサバンナ、レインボーシャトル、シルクコンバット、コガネニシキだね。その中でも、今回の強敵とも言えるのは、ライデンリーダー、コパノフウジンかな。でも、他の馬たちも強力だから、油断はしない方が良いよ」
『分かった。ねぇ、さっきからコパノフウジンが私のことを睨み付けているのだけど?』
私と反対側を歩いているコパノフウジンからの視線を感じて、彼の方を見る。彼が私の方を見る度に、厩務員に顔を前に向けられている。
「相当、前回負けたことを根に持っているみたいね。生前でも、シルクロードステークスでは最高2着だったから」
『そうなんだ。コパノフウジンってどんな馬なの?』
「えーとね。ヘネシーとウエディングベリーの間にできた子どもで、4歳までは2着の成績が多かったから、一応シルバーコレクターと呼ばれる馬かな? でも、5歳になってからは、入賞入りすら難しくなったわね」
『そうなんだ。一応シルバーコレクターなんだ。なら、ナイスネイチャよりも格上?』
「うーん、どうなんだろうね。コパノフウジンはG Iレースに掲示板入りできなかったし、距離適性も違うから、なんとも言えないなぁ」
話を聞く限りは、そこまで強そうとは思えないけれど、一応気にとどめておこうかな。
『クロちゃんが言っていたもう一頭の馬は?』
「あ、ライデンリーダーね。ライデンリーダーは、ワカオライデンとヒカリリーダーの間に生まれた子どもで、24戦中13勝をしている馬だね。出走レースの半分は優勝している実力者よ」
マジかぁ。コパノフウジンよりも、こっちの方が手強そう。
「ライデンリーダーは、不良馬場も得意で、天候に左右されないし、デビューしてからは無敗の11連勝を達成しているわ」
『無敗の11連!』
思わず声に出してしまう。出走したレースの半分を優勝しているから、強いと思っていたけれど、まさか無敗のまま11連勝までするなんて。
「コパノフウジンと一緒で、芝のコースも走れるけれど、やっぱり砂の方が得意ね。そして後方に待機して最終直線で伸びてくる追い込みを得意とするわ。今回の高知競馬場のコースとも、相性が良いわね」
その後もクロちゃんに今回の対戦相手となる馬たちのことを尋ねた。そして時間となり、帝王が私のところにやって来る。
「クロ、ハルウララの調子はどうだ?」
「うん、やる気十分だよ。さっきも、今回の対戦相手の馬たちのことも尋ねてきたくらいだから」
「そうか」
『ねぇ、帝王。今回はどこのバカが帝王に勝負を挑んできたのさ?』
「ああ、今回も親父の刺客だった。真名は不明だが、二つ名は雷の頭目、ライデンリーダーの騎手だ」
「あの馬か」
私はライデンリーダーに視線を向ける。彼は私の視線を気にすることなく、下見所から出て行く。
「俺たちも行こうか」
帝王は私に騎乗をすると、下見所から出て行く。そして長い廊下を歩き、コースのある砂へと飛び出した。
『最弱馬とはもう言わせない! 霊馬になって怒涛の2連勝は偶然か? いや、必然だ! 奇跡の名馬騎手と共に、3連勝を目指します。8番、ハルウララ!』
コースへと足を踏み入れると、実況担当の中山ちゃんが私のことを紹介し始めた。すると、観客席側にいる観客が歓声を上げ、私のことを応援してくれる。
『よし、ちょっとだけ特別サービスだ!』
「おい! 勝手に走り出すな!」
気分が良くなった私は、つい帝王の指示を無視して砂の上を駆け巡る。でも、それも長くは続かなかった。
『アピールするのに、飽きちゃった』
30メートル程軽く走ったところで、満足してしまい、私は走るのをやめた。
「そうか。今は別にレース前だから良いが、レース中は飽きないでくれよ」
『それは難しい相談だね。私はあのハルウララだよ。飽きたら止めるに決まっているじゃない。1着が取れるかどうかは、帝王次第だからね』
久しぶりに帝王の笑顔が見られた私は、つい楽しい気分になって彼に意地悪を言う。本当はそんなつもりはないのだけどね。
そんなやりとりをしつつ、私は蹄鉄越しに砂の感触を確かめる。
うん、この感じ、高知競馬場の砂そのものが再現されてある。
高知競馬場の砂は、海砂を使用してあり、高知県内で調達している。水分を含むと黒っぽくなる砂だ。そして砂の感触からして、深さも高知競馬場の深さになっている。
高知競馬場の砂の深さは、他の競馬場よりも深く、14~15センチメートルにしてある。だから、他の競馬場に比べると、スピードが出ない傾向になってしまうけれど、クッション性があって、脚の負担を和らげる。だから高齢馬でも、脚元に不安のある馬でも故障のリスクが軽減される。
高知競馬場は、そんな優しさに溢れた競馬場。私の大好きなホームグラウンドだから、絶対に勝ちたい。
『あ、見て! やっぱりあった! 私の壁画!』
私は観客席側の壁に描かれた自身の壁画を見て、テンションが上がった。
そう、私は高知競馬場を救った救世主! その栄誉を讃え、観客席側の壁には私の壁画が描かれている。
こんなところまで再現されているんだ! VR競馬場システムってすごい!
『でも、なんか違くない? 私はもっと美馬だよ!』
「何を言っているんだ。どこからどう見ても、お前そっくりじゃないか」
私の背に乗っている帝王がそっくりと言うけれど、なんか納得できない。どうせなら、もっと美馬になるように描いてほしかった。こう、足が長くて、スラリとしていて、そして目がキラキラしている感じに!
「そろそろポケットに入るぞ。自分の壁画を見て興奮しているだろうからな」
帝王は私の手綱を操って、私を屋根付きの建物へと誘導する。
もう直ぐレースが始まるのか。うん、ハルウララ頑張る!
「今回のレース会場は高知競馬場だから、ハルウララにとっては説明不要かもしれないけれど、念のために言っておくわね」
下見所を左周りでグルグルと歩きながら、クロちゃんが私のホームグラウンドに付いて語り始めた。
「今回の初夢特別は、高知競馬場で行われる砂1400メートルのマイル戦だよ。コースは横長の右回りだけど、左右のコーナーは左右対称の楕円ではなく、右側の方が半径は大きい『おむすび型』となっているわ」
クロちゃんがコース全体の説明をしてくれた。正直、ホームグラウンドだから説明を聞く必要はないのだけどなぁ。
「スタート位置は右端からだね。そこから走って観客席側の前を通り、第1コーナーを曲がって第2コーナーへと向かい、向正面を走るのだけど、実は向正面の方が観客席側に比べて1.58メートルの勾配になっているわ。緩やかな坂だから、平面に見えるけれどね」
あれ? 高知競馬場って、坂があったんだ。走っていて、全然気付かなかった。
「そして第3コーナからまた緩やかな下り坂となって、第4コーナーに向かって行くけれど、この時、第1から第2コーナーの時に比べて、スピードが出し易くなるわ。だから後半になってから、長い捲りを決めることもできる。だから、差し馬の不利を和らげる効果があるの。最終コーナを曲がったら、そのまま観客席側前のゴール板を駆け抜けてゴール。こんな感じかしらね」
相変わらずクロちゃんは細かいところも説明してくれるなぁ。まぁ、私は全力で走るだけだし、細かいところは帝王に任せるけれど。
『ねぇ、今回の出走馬ってどんな馬なの?』
「えーとね。まずライデンリーダーでしょう。そしてコパノフウジン。後はオノゾミドオリ、ミリョクナムスメ、ラッキートップ、レディサバンナ、レインボーシャトル、シルクコンバット、コガネニシキだね。その中でも、今回の強敵とも言えるのは、ライデンリーダー、コパノフウジンかな。でも、他の馬たちも強力だから、油断はしない方が良いよ」
『分かった。ねぇ、さっきからコパノフウジンが私のことを睨み付けているのだけど?』
私と反対側を歩いているコパノフウジンからの視線を感じて、彼の方を見る。彼が私の方を見る度に、厩務員に顔を前に向けられている。
「相当、前回負けたことを根に持っているみたいね。生前でも、シルクロードステークスでは最高2着だったから」
『そうなんだ。コパノフウジンってどんな馬なの?』
「えーとね。ヘネシーとウエディングベリーの間にできた子どもで、4歳までは2着の成績が多かったから、一応シルバーコレクターと呼ばれる馬かな? でも、5歳になってからは、入賞入りすら難しくなったわね」
『そうなんだ。一応シルバーコレクターなんだ。なら、ナイスネイチャよりも格上?』
「うーん、どうなんだろうね。コパノフウジンはG Iレースに掲示板入りできなかったし、距離適性も違うから、なんとも言えないなぁ」
話を聞く限りは、そこまで強そうとは思えないけれど、一応気にとどめておこうかな。
『クロちゃんが言っていたもう一頭の馬は?』
「あ、ライデンリーダーね。ライデンリーダーは、ワカオライデンとヒカリリーダーの間に生まれた子どもで、24戦中13勝をしている馬だね。出走レースの半分は優勝している実力者よ」
マジかぁ。コパノフウジンよりも、こっちの方が手強そう。
「ライデンリーダーは、不良馬場も得意で、天候に左右されないし、デビューしてからは無敗の11連勝を達成しているわ」
『無敗の11連!』
思わず声に出してしまう。出走したレースの半分を優勝しているから、強いと思っていたけれど、まさか無敗のまま11連勝までするなんて。
「コパノフウジンと一緒で、芝のコースも走れるけれど、やっぱり砂の方が得意ね。そして後方に待機して最終直線で伸びてくる追い込みを得意とするわ。今回の高知競馬場のコースとも、相性が良いわね」
その後もクロちゃんに今回の対戦相手となる馬たちのことを尋ねた。そして時間となり、帝王が私のところにやって来る。
「クロ、ハルウララの調子はどうだ?」
「うん、やる気十分だよ。さっきも、今回の対戦相手の馬たちのことも尋ねてきたくらいだから」
「そうか」
『ねぇ、帝王。今回はどこのバカが帝王に勝負を挑んできたのさ?』
「ああ、今回も親父の刺客だった。真名は不明だが、二つ名は雷の頭目、ライデンリーダーの騎手だ」
「あの馬か」
私はライデンリーダーに視線を向ける。彼は私の視線を気にすることなく、下見所から出て行く。
「俺たちも行こうか」
帝王は私に騎乗をすると、下見所から出て行く。そして長い廊下を歩き、コースのある砂へと飛び出した。
『最弱馬とはもう言わせない! 霊馬になって怒涛の2連勝は偶然か? いや、必然だ! 奇跡の名馬騎手と共に、3連勝を目指します。8番、ハルウララ!』
コースへと足を踏み入れると、実況担当の中山ちゃんが私のことを紹介し始めた。すると、観客席側にいる観客が歓声を上げ、私のことを応援してくれる。
『よし、ちょっとだけ特別サービスだ!』
「おい! 勝手に走り出すな!」
気分が良くなった私は、つい帝王の指示を無視して砂の上を駆け巡る。でも、それも長くは続かなかった。
『アピールするのに、飽きちゃった』
30メートル程軽く走ったところで、満足してしまい、私は走るのをやめた。
「そうか。今は別にレース前だから良いが、レース中は飽きないでくれよ」
『それは難しい相談だね。私はあのハルウララだよ。飽きたら止めるに決まっているじゃない。1着が取れるかどうかは、帝王次第だからね』
久しぶりに帝王の笑顔が見られた私は、つい楽しい気分になって彼に意地悪を言う。本当はそんなつもりはないのだけどね。
そんなやりとりをしつつ、私は蹄鉄越しに砂の感触を確かめる。
うん、この感じ、高知競馬場の砂そのものが再現されてある。
高知競馬場の砂は、海砂を使用してあり、高知県内で調達している。水分を含むと黒っぽくなる砂だ。そして砂の感触からして、深さも高知競馬場の深さになっている。
高知競馬場の砂の深さは、他の競馬場よりも深く、14~15センチメートルにしてある。だから、他の競馬場に比べると、スピードが出ない傾向になってしまうけれど、クッション性があって、脚の負担を和らげる。だから高齢馬でも、脚元に不安のある馬でも故障のリスクが軽減される。
高知競馬場は、そんな優しさに溢れた競馬場。私の大好きなホームグラウンドだから、絶対に勝ちたい。
『あ、見て! やっぱりあった! 私の壁画!』
私は観客席側の壁に描かれた自身の壁画を見て、テンションが上がった。
そう、私は高知競馬場を救った救世主! その栄誉を讃え、観客席側の壁には私の壁画が描かれている。
こんなところまで再現されているんだ! VR競馬場システムってすごい!
『でも、なんか違くない? 私はもっと美馬だよ!』
「何を言っているんだ。どこからどう見ても、お前そっくりじゃないか」
私の背に乗っている帝王がそっくりと言うけれど、なんか納得できない。どうせなら、もっと美馬になるように描いてほしかった。こう、足が長くて、スラリとしていて、そして目がキラキラしている感じに!
「そろそろポケットに入るぞ。自分の壁画を見て興奮しているだろうからな」
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