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第三章
第十話 弥生賞のコース
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無事にトウカイテイオーの再召喚に成功した俺は、次に内巣自然と勝負をするレース場に付いて対策を練ることにした。
「それじゃ、今回のレース会場となる中山競馬場の説明をするね。中山競馬場は特殊な形状をしているの。イメージとしては、歪んだダルマをイメージして貰えば、なんとなくイメージができると思う」
クロが口頭で説明をしながら、タブレットを操作して、空中ディスプレイを出した。画面には中山競馬場のコースが映し出されている。
うん、確かに歪んだダルマだと思えば、そのように見えなくもないコースだ。楕円を描いており、中央にも外側と繋がる芝のコースがある。
「中山競馬場の芝コースには「内回り」と「外回り」の設定があるの。2つのコースは第2コーナーで分岐し、第3コーナーで再び合流するの。もともとは第3コーナーから向正面奥にかけて、新設された芝1200メートル用の走路をその後、さらに延伸して第2コーナーにつなげ、現在のレイアウトになったわ」
中山競馬場の全体的なコースをクロが説明をする。
内回りか、外回りかで分岐が発生するコースだ。頭の中に叩き込んでおかないと、間違ったコースを走ることになる。
もし、間違ったコースを走ってしまいそうになった場合、大きな時間ロスにもなるし、恥をかくことにもつながってしまう。
コースの間違えは命取りとなってしまう。絶対に分岐を間違えないようにしなければ。
「弥生賞の2000メートルのスタート位置は、観客席側の右側のここからのスタートだね。ここから走って観客席側を走るけれど、ゴール地点から第1コーナーにかけて上り勾配の坂が続き、第2コーナーの手前で最高到達点になるの。この時に間違えて外回りコースに入らないように気を付けてね。内側のコースだから」
念を押されてもう一度忠告を受ける。まぁ、大事なことだから念を押したくなるのも分かる。
馬が間違えた場合は騎手が修正して正しいコースへと誘導できるが、騎手が間違えた場合は競争不成立となって失格となる。過去にもカイソウと言う馬に乗っていた騎手がコースを間違え、1着をとったのにも関わらず、失格となった実例もある。
だから、コースを間違えることだけは、絶対に避けなければならない。
「中央競馬場の高低差は5.3メートル。2階建の家をイメージすれば分かると思うけれど、それくらいの差があるわ。分岐となる第2コーナーからは下り勾配となって坂をくだり、平坦な部分を挟みながら、観客席側半の最深部まで延々と長い下り坂が続いて行くの」
今回のコースも、一筋縄ではいきそうにないな。今回もやっぱり【登山大好きっ子】のアビリティは必須となりそうだ。
「そして、ゴール前に待ち受けるのが、中山名物の急坂だね。残り180メートルから残り70メートル地点にかけて設けられている上り坂の高低差は2.2メートル、最大勾配の中では、中央競馬場となっている10ヶ所の競馬場の中でも最大で、馬たちにとっては文字通り、『最後の難関』と言えるわ」
クロからの説明を受け、俺は思案する。
前回の中京レース場と一緒で、坂が勝利の鍵となるだろう。最初は上り坂だ。ここは登山大好きっ子のアビリティでスタミナ消費を抑えれば良い。でも、それだけでは勝てないな。どのアビリティを使用するにしても、一度トウカイテイオーのステータスを知っておく必要がありそうだ。
俺は胸ポケットからタブレットを取り出し、契約している霊馬のステータスが表示されるアプリを起動する。
すると、そこにはトウカイテイオーのステータスが追加されてあった。
トウカイテイオーのステータス
芝A
ダートG
短距離G
マイルC
中距離A
長距離B
スピードC+
スタミナC
パワーC+
根性C-
賢さB
トウカイテイオーのステータスを見た俺は、二度見してしまう。そしてハルウララとのステータスに差がありすぎることに驚愕した。
ハルウララのステータス
芝G
砂A
短距離A
マイルB
中距離G
長距離G
スピードG+
スタミナG+
パワーG+
根性F+
賢さF-
さすがトウカイテイオーと言うべきか、契約直後の初期ステータスが違いすぎる。
まさか、馬によってここまで差が生じるとは思ってもいなかった。
今回はトウカイテイオーの得意な芝の中距離だ。だから芝の適性も、中距離適正もアビリティを使って適正を上昇させる必要はない。つまり、5つのスロットが空いている状態だ。
色々なアビリティが使えるだが、ここで新たな問題が起きてしまった。
金の問題だ。アビリティを購入するには、誰からかプレゼントされるか、自分で購入するかだ。
もちろん、誰かからプレゼントしてもらうと言う選択肢は論外なので、自分で購入をするしかない。だけど、アビリティはピンからキリまである。安いのを探そうと思えば見つかるが、その分性能が落ちる。でも、高いアビリティを買えば、他のアビリティを買う余裕がなく、全てのスロットを埋めることができない。
さて、どうしようか。
ハルウララに装備させているアビリティの【スピードスター】と【登山大好きっ子】を使えば、2つは埋めることができる。
ひとまずはアビリティーを探すか。
タブレットを操作してアビリティの購入画面を出す。そして今回のレースに使えそうなアビリティを厳選した。
こんなものかな。
今回のレースで使えそうなアビリティーは全部で5つ。
1つ目は任意能力の【闘魂注入】こいつは最後の直線で使用すると、疲弊した馬に気合いを入れ直し、根性を上げて最後まで走り切る力を発揮することができる。
中央競馬場のゴール前の坂は、馬の心を平然と折ってくる。だから、こいつを使用すれば、坂を登った後、闘争心を失わずに済むはずだ。
2つ目は【下降のスペシャリスト】こいつを使えば効率良く坂を下ることができる。俺のもつ【登山大好きっ子】と併用すれば、坂に関しての不安は軽減されるだろう。
3つ目は自動能力の【馬群の中で見える希望】こいつは馬の視野と賢さを上げ、馬自身が馬群から抜け出すルートを教えてくれると言うものだ。こいつはコースや馬に制限がないので、どのコースでも、ハルウララでも使用することが可能だ。しかし、馬群に呑まれると言う悪い状態に陥らないと発動しないので、不発する可能性もある。どっちかと言うと、保険の役割だな。
4つ目は【もうひと踏ん張り】ゴール前200メートルのところで発動し、最後の力を振り絞ることで減速した速度を上げることができる。
5つ目は【強者の威厳】こいつはデバフの効果を持つ。競合いが始まると、並走している馬を萎縮させ、速度を下げることができる。
どれも様々な状況を考えた場合に使うことができるアビリティだ。でも、アビリティには星が存在する。星の数が多ければ多いほど金額が高くなる。
俺はタブレットに入っているポイントの残高を見る。
うーん、やっぱり今持っているポイントでは、星3のアビリティは買えないな。奮発して星2を買うか。その場合は、セットできるアビリティが余ることになる。でも、だからと言って星1つのアビリティでは心許ないのも確かだ。
悩んだ結果【闘魂注入】星2つと【最後の踏ん張り】星2つを購入した。
ハルウララに装備させている【スピードスター】と【登山大好きっ子】をトウカイテイオーの装備アビリティに移動し、新たに【闘魂注入】と【最後の踏ん張り】を装備させる。
装備可能のアビリティ一覧には一つの空白があるが、それは仕方がないだろう。
さて、次はナイスネイチャのことを調べるとするか。
「それじゃ、今回のレース会場となる中山競馬場の説明をするね。中山競馬場は特殊な形状をしているの。イメージとしては、歪んだダルマをイメージして貰えば、なんとなくイメージができると思う」
クロが口頭で説明をしながら、タブレットを操作して、空中ディスプレイを出した。画面には中山競馬場のコースが映し出されている。
うん、確かに歪んだダルマだと思えば、そのように見えなくもないコースだ。楕円を描いており、中央にも外側と繋がる芝のコースがある。
「中山競馬場の芝コースには「内回り」と「外回り」の設定があるの。2つのコースは第2コーナーで分岐し、第3コーナーで再び合流するの。もともとは第3コーナーから向正面奥にかけて、新設された芝1200メートル用の走路をその後、さらに延伸して第2コーナーにつなげ、現在のレイアウトになったわ」
中山競馬場の全体的なコースをクロが説明をする。
内回りか、外回りかで分岐が発生するコースだ。頭の中に叩き込んでおかないと、間違ったコースを走ることになる。
もし、間違ったコースを走ってしまいそうになった場合、大きな時間ロスにもなるし、恥をかくことにもつながってしまう。
コースの間違えは命取りとなってしまう。絶対に分岐を間違えないようにしなければ。
「弥生賞の2000メートルのスタート位置は、観客席側の右側のここからのスタートだね。ここから走って観客席側を走るけれど、ゴール地点から第1コーナーにかけて上り勾配の坂が続き、第2コーナーの手前で最高到達点になるの。この時に間違えて外回りコースに入らないように気を付けてね。内側のコースだから」
念を押されてもう一度忠告を受ける。まぁ、大事なことだから念を押したくなるのも分かる。
馬が間違えた場合は騎手が修正して正しいコースへと誘導できるが、騎手が間違えた場合は競争不成立となって失格となる。過去にもカイソウと言う馬に乗っていた騎手がコースを間違え、1着をとったのにも関わらず、失格となった実例もある。
だから、コースを間違えることだけは、絶対に避けなければならない。
「中央競馬場の高低差は5.3メートル。2階建の家をイメージすれば分かると思うけれど、それくらいの差があるわ。分岐となる第2コーナーからは下り勾配となって坂をくだり、平坦な部分を挟みながら、観客席側半の最深部まで延々と長い下り坂が続いて行くの」
今回のコースも、一筋縄ではいきそうにないな。今回もやっぱり【登山大好きっ子】のアビリティは必須となりそうだ。
「そして、ゴール前に待ち受けるのが、中山名物の急坂だね。残り180メートルから残り70メートル地点にかけて設けられている上り坂の高低差は2.2メートル、最大勾配の中では、中央競馬場となっている10ヶ所の競馬場の中でも最大で、馬たちにとっては文字通り、『最後の難関』と言えるわ」
クロからの説明を受け、俺は思案する。
前回の中京レース場と一緒で、坂が勝利の鍵となるだろう。最初は上り坂だ。ここは登山大好きっ子のアビリティでスタミナ消費を抑えれば良い。でも、それだけでは勝てないな。どのアビリティを使用するにしても、一度トウカイテイオーのステータスを知っておく必要がありそうだ。
俺は胸ポケットからタブレットを取り出し、契約している霊馬のステータスが表示されるアプリを起動する。
すると、そこにはトウカイテイオーのステータスが追加されてあった。
トウカイテイオーのステータス
芝A
ダートG
短距離G
マイルC
中距離A
長距離B
スピードC+
スタミナC
パワーC+
根性C-
賢さB
トウカイテイオーのステータスを見た俺は、二度見してしまう。そしてハルウララとのステータスに差がありすぎることに驚愕した。
ハルウララのステータス
芝G
砂A
短距離A
マイルB
中距離G
長距離G
スピードG+
スタミナG+
パワーG+
根性F+
賢さF-
さすがトウカイテイオーと言うべきか、契約直後の初期ステータスが違いすぎる。
まさか、馬によってここまで差が生じるとは思ってもいなかった。
今回はトウカイテイオーの得意な芝の中距離だ。だから芝の適性も、中距離適正もアビリティを使って適正を上昇させる必要はない。つまり、5つのスロットが空いている状態だ。
色々なアビリティが使えるだが、ここで新たな問題が起きてしまった。
金の問題だ。アビリティを購入するには、誰からかプレゼントされるか、自分で購入するかだ。
もちろん、誰かからプレゼントしてもらうと言う選択肢は論外なので、自分で購入をするしかない。だけど、アビリティはピンからキリまである。安いのを探そうと思えば見つかるが、その分性能が落ちる。でも、高いアビリティを買えば、他のアビリティを買う余裕がなく、全てのスロットを埋めることができない。
さて、どうしようか。
ハルウララに装備させているアビリティの【スピードスター】と【登山大好きっ子】を使えば、2つは埋めることができる。
ひとまずはアビリティーを探すか。
タブレットを操作してアビリティの購入画面を出す。そして今回のレースに使えそうなアビリティを厳選した。
こんなものかな。
今回のレースで使えそうなアビリティーは全部で5つ。
1つ目は任意能力の【闘魂注入】こいつは最後の直線で使用すると、疲弊した馬に気合いを入れ直し、根性を上げて最後まで走り切る力を発揮することができる。
中央競馬場のゴール前の坂は、馬の心を平然と折ってくる。だから、こいつを使用すれば、坂を登った後、闘争心を失わずに済むはずだ。
2つ目は【下降のスペシャリスト】こいつを使えば効率良く坂を下ることができる。俺のもつ【登山大好きっ子】と併用すれば、坂に関しての不安は軽減されるだろう。
3つ目は自動能力の【馬群の中で見える希望】こいつは馬の視野と賢さを上げ、馬自身が馬群から抜け出すルートを教えてくれると言うものだ。こいつはコースや馬に制限がないので、どのコースでも、ハルウララでも使用することが可能だ。しかし、馬群に呑まれると言う悪い状態に陥らないと発動しないので、不発する可能性もある。どっちかと言うと、保険の役割だな。
4つ目は【もうひと踏ん張り】ゴール前200メートルのところで発動し、最後の力を振り絞ることで減速した速度を上げることができる。
5つ目は【強者の威厳】こいつはデバフの効果を持つ。競合いが始まると、並走している馬を萎縮させ、速度を下げることができる。
どれも様々な状況を考えた場合に使うことができるアビリティだ。でも、アビリティには星が存在する。星の数が多ければ多いほど金額が高くなる。
俺はタブレットに入っているポイントの残高を見る。
うーん、やっぱり今持っているポイントでは、星3のアビリティは買えないな。奮発して星2を買うか。その場合は、セットできるアビリティが余ることになる。でも、だからと言って星1つのアビリティでは心許ないのも確かだ。
悩んだ結果【闘魂注入】星2つと【最後の踏ん張り】星2つを購入した。
ハルウララに装備させている【スピードスター】と【登山大好きっ子】をトウカイテイオーの装備アビリティに移動し、新たに【闘魂注入】と【最後の踏ん張り】を装備させる。
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