3 / 178
第一章
第三話 学園の生徒のルール
しおりを挟む
「大事なことだからもう一度言うわよ! あんたバカ!」
ナンパ野郎たちから助けた絶世の美少女、彼女の名前を知りたくって、自分から名前を告げた。しかし、女の子の口から出た言葉は、名前などではなく、俺を罵倒する言葉だった。
どうして彼女が俺のことをバカ呼ばわりするのかが分からず、困惑してしまう。
なぜ、名前を訊ねただけで、こんなに罵倒されなければならない?
「信じられないわよ! 自分から真名を明かすなんて! それとも何? 自分はトウカイテイオウだから、どんなレースでも勝てます。だから真名を明かしても問題ないですと言いたい訳! そう言うの、マジでムカつくのだけど!」
弾丸の様に、次々と言葉を放ちながら怒りを表す女の子。
名前って、そんなにこの学園において、隠すべきことなのか?
「ま、待ってよ!」
どうして名前を明かしただけで、怒りを露わにしているのかが分からずにいると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
黒髪のセミロングの女の子が声を上げて制止させると、俺と赤髪の女の子の間に入り、俺を庇う様に両手を広げる。
「クロ」
「何よ、あなた? 今はこいつに説教をしているところなのよ。邪魔はしないでもらえるかしら?」
「あなたを怒らせてしまったことに対しては謝ります。ですが、これに関しては事情があるのです」
「事情?」
クロの発言に対して、赤髪の女の子は小首を傾げた。
「はい。彼は1ヶ月程前に事故に遭い、脳にダメージを受けました。その影響で、記憶の一部が欠如しているのです。なので、霊馬界の常識などは疎くなっているのです。不快にさせてしまったきっかけを作ったのは、彼から目を離した私にあります。ごめんなさい」
俺の事情に対してクロが変わりに説明をすると、彼女は赤い髪の女の子に対して頭を下げる。
そう、俺は霊馬契約を失敗したことで、親父から家を追い出され、親子の縁を切られた。その時に何かが起き、俺は記憶の一部を失っているらしい。でも、いきなり色々と一般常識を学び直しても、脳に負担が掛かるとのことなので、霊馬界の常識的なことは、学園に通いつつ、少しずつ覚えて行くことになっていたのだ。
事実を告げるクロに対して、目の前にいる女の子は、居心地が悪くなったのか、右手の人差し指で自身の頭部を掻く。
「そう。そんな事情があったなんてね。何も知らないのに、勝手に決めつけたあたしも悪いわ。こちらこそごめんなさい」
赤い髪の女の子は、自分にも非があったことを詫び、頭を下げる。
「帝王だったけ? あなたの事情を知らなかったのに、勝手に罵倒してごめんなさい。お詫びとして、あたしの知っている範囲でなら教えてあげる」
俺を罵倒した女の子は、一度咳払いをした後、口を開いてどうして真名を明かしてはいけないのかを説明し始める。
「霊馬騎手になる人は、自分の愛馬となる霊馬を霊馬召喚でこの世に生み出し、具現化させて契約を結ぶわ。でも、必ず自分が望んだ霊馬が呼び声に応えてくれることは稀よ。そこで親たちは更に成功率を高めるために、召喚したい名馬と同じ名を付けるのよ。あなたの東海帝王の様にね」
女の子は初めに、霊馬召喚と騎手の名前の関連性について語り出す。
なるほど。だから俺は、奇跡の名馬と同じ名前にされたのか。
「自分の子は名馬と同じにする。この方法はあの世の名馬たちと縁を結びやすかった。だから名馬と同じ名前の人間が、騎手の中には多くいる。だけど、逆にそれがデメリットとなった。名馬と同じ名前であるのが原因で、名前だけで愛馬を特定され、レースで対策される様になった。相手の馬さえ分かれば、生前得意だった脚質からどんな歴史を持ち、どんな伝説を武器にしているのかが丸わかりになるからね」
「だから、俺が名乗ったときに、あんなに怒ったのか」
「ま、まぁ、そんなところね」
赤い髪の女の子は俺の問いに答えると、自分の犯した失敗に羞恥心を感じているのか、頬を朱に染めながら視線を逸らす。
「とにかく、これからは気をつけなさい。もし、名前を聞かれても二つ名で答えること」
不用意に真名を明かさない様に釘を打つと、彼女は踵を返して俺たちから背を向ける。
「あ、そうそう。あたしばっかり真名を知っては不公平だから、お詫びとしてあたしも真名を明かすわ。あたしの名は大和鮮赤よ。愛馬も、もちろんダイワスカーレットだから」
大和鮮赤、そう真名を明かすと、彼女は体育館の方へと歩いて行く。
「ああああああああああああああああ!」
女の子の背を見送っていると、突如クロが大声を上げた。あまりにも突然のことで、思わずびっくりしてしまう。
「ど、どうした?」
「入学式! 私たち、まだ手続きをしていない! 早くしないと、入学式に出られないよ! 帝王、早く行くよ!」
入学式の登校手続きをしていないことを思い出し、クロは俺の手を握ると一目散に駆ける。彼女に引っ張られる形で俺も走り、急いで体育館へと向かった。
全速力で走ったことで、どうにかギリギリ登校手続きが間に合い、体育館へと入ることができた。
席はクラス順に先に来た人からの順番となっているらしく、Aクラスの後方に座る。
チラリと横にいる人を見ると、先ほど分かれた大和鮮赤が隣にいた。
「まさか、同じクラスだったとはね。さすが帝王と言ったところかしら?」
大和鮮赤の言葉の意味が分からず、頭に「?」を浮かべながら小首を傾げる。
すると、入学式が始まるアナウンスがあり、入学式が始まった。
『それでは、続いて学園長からの挨拶です』
学園長の挨拶の時間となり、一人の女性がステージに上がる。
あの人が学年長! 嘘だろう!
ナンパ野郎たちから助けた絶世の美少女、彼女の名前を知りたくって、自分から名前を告げた。しかし、女の子の口から出た言葉は、名前などではなく、俺を罵倒する言葉だった。
どうして彼女が俺のことをバカ呼ばわりするのかが分からず、困惑してしまう。
なぜ、名前を訊ねただけで、こんなに罵倒されなければならない?
「信じられないわよ! 自分から真名を明かすなんて! それとも何? 自分はトウカイテイオウだから、どんなレースでも勝てます。だから真名を明かしても問題ないですと言いたい訳! そう言うの、マジでムカつくのだけど!」
弾丸の様に、次々と言葉を放ちながら怒りを表す女の子。
名前って、そんなにこの学園において、隠すべきことなのか?
「ま、待ってよ!」
どうして名前を明かしただけで、怒りを露わにしているのかが分からずにいると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
黒髪のセミロングの女の子が声を上げて制止させると、俺と赤髪の女の子の間に入り、俺を庇う様に両手を広げる。
「クロ」
「何よ、あなた? 今はこいつに説教をしているところなのよ。邪魔はしないでもらえるかしら?」
「あなたを怒らせてしまったことに対しては謝ります。ですが、これに関しては事情があるのです」
「事情?」
クロの発言に対して、赤髪の女の子は小首を傾げた。
「はい。彼は1ヶ月程前に事故に遭い、脳にダメージを受けました。その影響で、記憶の一部が欠如しているのです。なので、霊馬界の常識などは疎くなっているのです。不快にさせてしまったきっかけを作ったのは、彼から目を離した私にあります。ごめんなさい」
俺の事情に対してクロが変わりに説明をすると、彼女は赤い髪の女の子に対して頭を下げる。
そう、俺は霊馬契約を失敗したことで、親父から家を追い出され、親子の縁を切られた。その時に何かが起き、俺は記憶の一部を失っているらしい。でも、いきなり色々と一般常識を学び直しても、脳に負担が掛かるとのことなので、霊馬界の常識的なことは、学園に通いつつ、少しずつ覚えて行くことになっていたのだ。
事実を告げるクロに対して、目の前にいる女の子は、居心地が悪くなったのか、右手の人差し指で自身の頭部を掻く。
「そう。そんな事情があったなんてね。何も知らないのに、勝手に決めつけたあたしも悪いわ。こちらこそごめんなさい」
赤い髪の女の子は、自分にも非があったことを詫び、頭を下げる。
「帝王だったけ? あなたの事情を知らなかったのに、勝手に罵倒してごめんなさい。お詫びとして、あたしの知っている範囲でなら教えてあげる」
俺を罵倒した女の子は、一度咳払いをした後、口を開いてどうして真名を明かしてはいけないのかを説明し始める。
「霊馬騎手になる人は、自分の愛馬となる霊馬を霊馬召喚でこの世に生み出し、具現化させて契約を結ぶわ。でも、必ず自分が望んだ霊馬が呼び声に応えてくれることは稀よ。そこで親たちは更に成功率を高めるために、召喚したい名馬と同じ名を付けるのよ。あなたの東海帝王の様にね」
女の子は初めに、霊馬召喚と騎手の名前の関連性について語り出す。
なるほど。だから俺は、奇跡の名馬と同じ名前にされたのか。
「自分の子は名馬と同じにする。この方法はあの世の名馬たちと縁を結びやすかった。だから名馬と同じ名前の人間が、騎手の中には多くいる。だけど、逆にそれがデメリットとなった。名馬と同じ名前であるのが原因で、名前だけで愛馬を特定され、レースで対策される様になった。相手の馬さえ分かれば、生前得意だった脚質からどんな歴史を持ち、どんな伝説を武器にしているのかが丸わかりになるからね」
「だから、俺が名乗ったときに、あんなに怒ったのか」
「ま、まぁ、そんなところね」
赤い髪の女の子は俺の問いに答えると、自分の犯した失敗に羞恥心を感じているのか、頬を朱に染めながら視線を逸らす。
「とにかく、これからは気をつけなさい。もし、名前を聞かれても二つ名で答えること」
不用意に真名を明かさない様に釘を打つと、彼女は踵を返して俺たちから背を向ける。
「あ、そうそう。あたしばっかり真名を知っては不公平だから、お詫びとしてあたしも真名を明かすわ。あたしの名は大和鮮赤よ。愛馬も、もちろんダイワスカーレットだから」
大和鮮赤、そう真名を明かすと、彼女は体育館の方へと歩いて行く。
「ああああああああああああああああ!」
女の子の背を見送っていると、突如クロが大声を上げた。あまりにも突然のことで、思わずびっくりしてしまう。
「ど、どうした?」
「入学式! 私たち、まだ手続きをしていない! 早くしないと、入学式に出られないよ! 帝王、早く行くよ!」
入学式の登校手続きをしていないことを思い出し、クロは俺の手を握ると一目散に駆ける。彼女に引っ張られる形で俺も走り、急いで体育館へと向かった。
全速力で走ったことで、どうにかギリギリ登校手続きが間に合い、体育館へと入ることができた。
席はクラス順に先に来た人からの順番となっているらしく、Aクラスの後方に座る。
チラリと横にいる人を見ると、先ほど分かれた大和鮮赤が隣にいた。
「まさか、同じクラスだったとはね。さすが帝王と言ったところかしら?」
大和鮮赤の言葉の意味が分からず、頭に「?」を浮かべながら小首を傾げる。
すると、入学式が始まるアナウンスがあり、入学式が始まった。
『それでは、続いて学園長からの挨拶です』
学園長の挨拶の時間となり、一人の女性がステージに上がる。
あの人が学年長! 嘘だろう!
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
小説家になろうでジャンル別日間ランキング入り!
世界最強の剣聖――エルフォ・エルドエルは戦場で死に、なんと赤子に転生してしまう。
美少女のように見える少年――アル・バーナモントに転生した彼の身体には、一切の魔力が宿っていなかった。
忌み子として家族からも見捨てられ、地元の有力貴族へ売られるアル。
そこでひどい仕打ちを受けることになる。
しかし自力で貴族の屋敷を脱出し、なんとか森へ逃れることに成功する。
魔力ゼロのアルであったが、剣聖として磨いた剣の腕だけは、転生しても健在であった。
彼はその剣の技術を駆使して、ゴブリンや盗賊を次々にやっつけ、とある村を救うことになる。
感謝されたアルは、ミュレットという少女とその母ミレーユと共に、新たな生活を手に入れる。
深く愛され、本当の家族を知ることになるのだ。
一方で、アルを追いだした実家の面々は、だんだんと歯車が狂い始める。
さらに、アルを捕えていた貴族、カイベルヘルト家も例外ではなかった。
彼らはどん底へと沈んでいく……。
フルタイトル《文字数の関係でアルファポリスでは略してます》
魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります~父が老弱して家が潰れそうなので戻ってこいと言われてももう遅い~新しい家族と幸せに暮らしてます
こちらの作品は「小説家になろう」にて先行して公開された内容を転載したものです。
こちらの作品は「小説家になろう」さま「カクヨム」さま「アルファポリス」さまに同時掲載させていただいております。
死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜
猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。
ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。
そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。
それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。
ただし、スキルは選べず運のみが頼り。
しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。
それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・
そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。


呪われ少年魔法師、呪いを解除して無双する〜パーティを追放されたら、貴族の令嬢や王女と仲良くなりました〜
桜 偉村
ファンタジー
瀬川空也(せがわ くうや)は魔力量が極端に少ない魔法師だった。
それでも一級品である【索敵(さくてき)】スキルで敵の攻撃を予測したり、ルート決めや作戦立案をするなど、冒険者パーティ【流星(メテオロ)】の裏方を担っていたが、あるとき「雑用しかできない雑魚はいらない」と追放されてしまう、
これが、空也の人生の分岐点となった。
ソロ冒険者となった空也は魔物に襲われていた少女を助けるが、その少女は有数の名家である九条家(くじょうけ)の一人娘だった。
娘を助けた見返りとして九条家に保護された空也は、衝撃の事実を知る。空也は魔力量が少ないわけではなく、禁術とされていた呪いをかけられ、魔力を常に吸い取られていたのだ。
呪いを解除すると大量の魔力が戻ってきて、冒険者の頂点であるSランク冒険者も驚愕するほどの力を手に入れた空也は最強魔法師へと変貌を遂げるが、そんな彼の周囲では「禁術の横行」「元パーティメンバーの異変」「生態系の変化」「魔物の凶暴化」など、次々に不可解な現象が起きる。それらはやがて一つの波を作っていって——
これは、最強少年魔法師とその仲間が世界を巻き込む巨大な陰謀に立ち向かう話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる