236 / 269
第十三章
第八話 シャカール下ネタ珍味を味わう①
しおりを挟む
(サブタイトル通りのストーリーとなっております。なので人によっては気分を害するかもしれないので、食事中の方は読むのをお控えください)
サザンクロスたちの合宿が終われば馬車に乗せてもらい、会場に向かうことになった俺は、しばらくの間はこの村で生活をすることになった。
「シャカール、ちょっと良いか?」
マッスル先生の合宿に参加する形で暇を潰していると、サザンクロスが声をかけてくる。
「何だ?」
「いやぁ、この前は母親が迷惑をかけてすまなかったタイ。母親も反省しているタイ。それで謝罪をしたいから、夕食に招待したいと言っているが、どうする?」
サザンクロスの母親は、俺のことを性的な意味で食べようとしてきた。
クリープの作った発情を促す成分を含んだお菓子により、発情パンデミックが起きて大変だったことを思い出してしまう。
さすがにあんな感じの展開になることはないだろうが、彼女の母親には警戒しておくべきだろう。
「安心するタイ。母親も、シャカールを食べないと言っている。そもそも、人肉を食材にする訳がないタイ。ウチの母親は鬼婆ではないケン」
返答できないでいると、俺の気持ちを組んだようで、安心するように言ってくる。
いや、あの人の言っている『食べる』って、食材を体内に入れて栄養素を取り入れる方の意味で言っている訳ではないからな。
彼女の言葉に苦笑いを浮かべてしまう。
そう言えば、サザンクロスは自分のことを男だと思い込んでいたほど、純粋だ。この年齢で性知識が乏しいのも問題があるが、母親の言葉をそのままの意味だと思い込んでいるようだ。
どうしてあの人からこんなに純粋な子が生まれたのか疑問だが、教育的な問題なのだろう。
「それでどうするタイ? 無理に誘うのは悪いケン、嫌なら断っても良いケン」
「せっかくの招待だから受けるよ」
「そうか、それなら母親にそう言っておくタイ。なら明日、合宿がおわったらウチンチにコンカイ」
「分かった。明日、ご相伴に預からせてもらうよ」
翌日、合宿が終わると、俺はサザンクロスと一緒に彼女の家に向かう。
何だか妙に緊張してしまう。信頼したいが、あんなことが起きた以上は、どうしても警戒してしまう。
緊張する中、彼女の家に辿り着くと、サザンクロスは扉を開ける。
「ただいま。今帰ったよ」
「サザンクロスおかえり。それとシャカール君、お風呂にします? 食事にします? そ・れ・と・も・お風呂場で食事をしながら私を食べます?」
「食事に誘われたから、普通に食事をします」
彼女の問いに、普通に答える。
そもそも、風呂に入りながら食事をしつつアレをするって、絵面的にカオスじゃないか。
想像しようとすると、脳が拒否反応を示し、想像できない。
「シャカールと仲直りがしたいからと言って、そんなボケをしたらツッコミしづらいタイ。それより、早くリビングに引っ込んで欲しいタイ。邪魔になっとる」
「あら、ボケたつもりはなかったのだけどまぁ良いわ。こちらにいらっしゃい」
色々と心配になる始まり方ではあったものの、俺は意を決し、家の奥へと入っていく。
リビングに入ると、テーブルの上は様々な料理が置かれてある。
「合宿で疲れていると思うから、今日は精のつく料理を作ってみたのよ」
「うまそうバイ。これは楽しみタイ」
テーブルの上に置かれた様々な料理を見て、サザンクロスが目を輝かせる。
一応見た目からして普通の料理ぽいな。
テーブルの上に置かれた料理は大皿に乗せてあるものを、それぞれが取り分けて食べるスタイルになっている。
これなら、料理に毒が盛られてある心配はしないで良さそうだ。
席に着席すると、サザンクロスの母親が小皿に取り分け、俺の前に置いていく。
「どうぞ。張り切ってたくさん作ったから、いっぱい食べてね」
「ありがとうございます」
礼を言い、目の前にあるサラダを食べる。
このサラダに入っている丸い球体は何だろうか?
初めてみる食材に、恐怖心と好奇心が入り混じった複雑な気持ちになりつつも、取り敢えず食べてみる。
最初は小型の卵かと思ったが違った。柔らかく、クリーミーな味がした。
「初めて食べる食材ですね。これは何ですか?」
「鶏の睾丸よ」
鶏の睾丸、そう教えてもらった瞬間、一瞬だけ時が止まったかのようになる。
睾丸って、金タ◯のことだよな。え? あそこって食べられるの?
「なかなか手に入らない希少部位なのよ」
それはそうだろうな。雄にしかなく、1匹に2個しかないのだ。希少と言えば希少で、簡単には食べられない食材だろう。
「それで、こっちは牛の睾丸で、こっちは猪の睾丸、これは豚の睾丸だったかしら?」
次々と丸い球体を指だし、どの動物の睾丸なのか言ってくる。
「睾丸って何? ウチ知らないのだけど?」
「サザンクロスは知らなくて良い」
知りたがりな子どものように訊ねてくるが、俺の口から金タ◯なんて言える訳がない。
「シャカール君の睾丸はどんな味がするのでしょうね」
「ゴホッ! ゴホッ」
「シャ、シャカール! 大丈夫ね」
サザンクロスの母親の発言を聞いた俺は、思わず咽せてしまった。
この人、わざと言っているよな?
サザンクロスたちの合宿が終われば馬車に乗せてもらい、会場に向かうことになった俺は、しばらくの間はこの村で生活をすることになった。
「シャカール、ちょっと良いか?」
マッスル先生の合宿に参加する形で暇を潰していると、サザンクロスが声をかけてくる。
「何だ?」
「いやぁ、この前は母親が迷惑をかけてすまなかったタイ。母親も反省しているタイ。それで謝罪をしたいから、夕食に招待したいと言っているが、どうする?」
サザンクロスの母親は、俺のことを性的な意味で食べようとしてきた。
クリープの作った発情を促す成分を含んだお菓子により、発情パンデミックが起きて大変だったことを思い出してしまう。
さすがにあんな感じの展開になることはないだろうが、彼女の母親には警戒しておくべきだろう。
「安心するタイ。母親も、シャカールを食べないと言っている。そもそも、人肉を食材にする訳がないタイ。ウチの母親は鬼婆ではないケン」
返答できないでいると、俺の気持ちを組んだようで、安心するように言ってくる。
いや、あの人の言っている『食べる』って、食材を体内に入れて栄養素を取り入れる方の意味で言っている訳ではないからな。
彼女の言葉に苦笑いを浮かべてしまう。
そう言えば、サザンクロスは自分のことを男だと思い込んでいたほど、純粋だ。この年齢で性知識が乏しいのも問題があるが、母親の言葉をそのままの意味だと思い込んでいるようだ。
どうしてあの人からこんなに純粋な子が生まれたのか疑問だが、教育的な問題なのだろう。
「それでどうするタイ? 無理に誘うのは悪いケン、嫌なら断っても良いケン」
「せっかくの招待だから受けるよ」
「そうか、それなら母親にそう言っておくタイ。なら明日、合宿がおわったらウチンチにコンカイ」
「分かった。明日、ご相伴に預からせてもらうよ」
翌日、合宿が終わると、俺はサザンクロスと一緒に彼女の家に向かう。
何だか妙に緊張してしまう。信頼したいが、あんなことが起きた以上は、どうしても警戒してしまう。
緊張する中、彼女の家に辿り着くと、サザンクロスは扉を開ける。
「ただいま。今帰ったよ」
「サザンクロスおかえり。それとシャカール君、お風呂にします? 食事にします? そ・れ・と・も・お風呂場で食事をしながら私を食べます?」
「食事に誘われたから、普通に食事をします」
彼女の問いに、普通に答える。
そもそも、風呂に入りながら食事をしつつアレをするって、絵面的にカオスじゃないか。
想像しようとすると、脳が拒否反応を示し、想像できない。
「シャカールと仲直りがしたいからと言って、そんなボケをしたらツッコミしづらいタイ。それより、早くリビングに引っ込んで欲しいタイ。邪魔になっとる」
「あら、ボケたつもりはなかったのだけどまぁ良いわ。こちらにいらっしゃい」
色々と心配になる始まり方ではあったものの、俺は意を決し、家の奥へと入っていく。
リビングに入ると、テーブルの上は様々な料理が置かれてある。
「合宿で疲れていると思うから、今日は精のつく料理を作ってみたのよ」
「うまそうバイ。これは楽しみタイ」
テーブルの上に置かれた様々な料理を見て、サザンクロスが目を輝かせる。
一応見た目からして普通の料理ぽいな。
テーブルの上に置かれた料理は大皿に乗せてあるものを、それぞれが取り分けて食べるスタイルになっている。
これなら、料理に毒が盛られてある心配はしないで良さそうだ。
席に着席すると、サザンクロスの母親が小皿に取り分け、俺の前に置いていく。
「どうぞ。張り切ってたくさん作ったから、いっぱい食べてね」
「ありがとうございます」
礼を言い、目の前にあるサラダを食べる。
このサラダに入っている丸い球体は何だろうか?
初めてみる食材に、恐怖心と好奇心が入り混じった複雑な気持ちになりつつも、取り敢えず食べてみる。
最初は小型の卵かと思ったが違った。柔らかく、クリーミーな味がした。
「初めて食べる食材ですね。これは何ですか?」
「鶏の睾丸よ」
鶏の睾丸、そう教えてもらった瞬間、一瞬だけ時が止まったかのようになる。
睾丸って、金タ◯のことだよな。え? あそこって食べられるの?
「なかなか手に入らない希少部位なのよ」
それはそうだろうな。雄にしかなく、1匹に2個しかないのだ。希少と言えば希少で、簡単には食べられない食材だろう。
「それで、こっちは牛の睾丸で、こっちは猪の睾丸、これは豚の睾丸だったかしら?」
次々と丸い球体を指だし、どの動物の睾丸なのか言ってくる。
「睾丸って何? ウチ知らないのだけど?」
「サザンクロスは知らなくて良い」
知りたがりな子どものように訊ねてくるが、俺の口から金タ◯なんて言える訳がない。
「シャカール君の睾丸はどんな味がするのでしょうね」
「ゴホッ! ゴホッ」
「シャ、シャカール! 大丈夫ね」
サザンクロスの母親の発言を聞いた俺は、思わず咽せてしまった。
この人、わざと言っているよな?
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】
雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。
そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!
気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?
するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。
だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──
でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる