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第十一章
第十三話 発情パニック
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ゾンビのように徘徊している下着姿の女子生徒たちに追われ、俺は必死に逃げた。彼女たちの狙いは俺の子種らしいが、どう考えても普通ではない。
くそう。右を見ても左を見ても、下着姿の女子生徒しかいない。
「まずは身を隠す場所を探す必要があるな」
女子生徒に見つからず、状況を整理できる場所を探していると、フッとあることに気付く。
そう言えば、女子生徒たちが下着姿なのに、男子生徒の姿が見当たらない。他の種族は分からないが、ケモノ族が発情期中であるのであれば、この混乱に乗じてやらかそうと考える連中が居てもおかしくない。
だが、辺りを見渡しても、どこにも男子生徒の姿が見当たらないのだ。まるで男子生徒だけがこの学園から姿を消したかのように。
「ひとまず、男子学生寮に入ってみるか」
女子学生寮の向かい側にある男子学生寮に入り、廊下を走る。
「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁ。助けてええええええぇぇぇぇぇぇ!」
男子生徒を探していると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「この声は、ピック!」
声が聞こえたのは、この上の階からだ。
直ぐに階段を駆け登り、上の階に到達すると、飛び出すように廊下に出る。
「ピック!」
クラスメートの名を叫んだ瞬間、俺は驚愕のあまりに目を大きく見開く。
「オラオラオラ! ブタはブタらしくブヒブヒ泣きやがれ!」
「ブッヒー! 俺は女子生徒の下着姿に興奮した卑しいブタでブヒー! だからこの俺にお仕置きをして欲しいブヒー!」
「良く言えました。ご褒美をくれて上げるわ! オラ!」
「ブッヒー! 女王様! ありがとうございますブヒー!」
俺の視界には、亀甲縛りをされた状態で鞭打ちをされ、SMプレイを楽しんでいるピックの姿だった。
「シャカール! 助けに来てくれたのかブヒー!」
「え? シャカール様!」
ピックが俺の名を叫んだと同時に女王様プレイをしていた女子生徒が振り返る。
「三冠王の子種……欲しい」
「やばっ! 男子学生寮も、占拠されてしまったのか」
縛られた状態のピックを放置し、俺は自分の身を守ることを最優先にして、この場から逃げ出す。だが、女王様プレイをした女子生徒は追いかけてくる。
「待ってくださーい♡」
「待てるか! 待ったら捕まえるだろう!」
「安心してください。あんなブタのようにはしません。私の性奴隷として、一生可愛がってあげますので♡」
「安心できるか!」
声を上げ、必死に逃げる。だが、女子生徒は俺に逃げ切り勝利を与えてくれはしなかった。
必死になって食らいつき、1メートル差にまで距離を縮められた。
くそう。まるでレースをしているような気分だ。
下着姿の女子生徒から逃げきれ! もし、こんなギミックがあったら笑い話では済まされないだろう。
「あなたのことは嫌いなので、本当は助けたくないですが、仕方がないですね。スリープ!」
女子生徒から逃げていると、また聞き覚えのある声が聞こえた。その人物は睡眠を促す魔法を使ったようだが、俺には効果がなかった。
いや、標的が違ったのか?
後を振り返ると、俺を追いかけていた女子生徒は倒れ、寝息を立てていた。
「まったく、あなたが三冠王になったせいで、この学園の女子生徒がおかしくなったではないですか。どうしてみんなはこんな男の遺伝子を欲しがるのか、理解ができません」
俺に対して毒を吐きながら、1人の女子生徒が近付いてくる。
長いロングの黒髪に頭部には小さい2本の角が生え、背中からは黒い翼が生えている。
「シャワーライト!」
俺を助けてくれたのは、シャワーライトだ。彼女はチェリーブロッサムでウイニングライブに勝ったことで観客から罵声を浴びせられた。
そんな時、ヘイトが彼女から俺に向くように仕向けたのだが、その時の言い方が悪く、それ以来シャワーライトは俺のことを嫌っている。
「シャワーライト、お前は正気なのか?」
「当たり前でしょう。私はあなたのことが大っ嫌いですし、そもそもアレを食べていませんので」
「アレ?」
「とにかく、安全な場所に避難しますよ。私に付いて来てください」
付いて来るように促され、シャワーライトの後を歩く。
彼女が誘導した場所は学園長室だ。
「ルーナ学園長、シャカールを連れて来ました」
「シャワーライトご苦労だったね。ちょうど私もやるべきことが終わって戻って来たところだったよ」
「ルーナ、お前も正気のようだな」
「当たり前だろう。ワタシは三冠王コレクターと呼ばれる程強い。だから正気を失うことはない」
自身満々にルーナが答える。
いや、お前は酒に飲まれて自我を失っていたじゃないか。
俺がマーヤの実家の手伝いをしていたとき、ルーナから呼び出しがあった。そして彼女に会いに行った時、ルーナは泥酔状態で俺のことを弟扱いしたり、熱いからと言って服を脱いで下着姿になろうとしたりしていた。
本当に大丈夫なのかつい疑ってしまう。けれど、今のところは何も起きてはいないようだ。
「取り敢えずはひと段落しているとは言え、のんびりとしている場合ではない。簡潔に今起きている現象のことを話す」
どうやら女子生徒が下着姿でゾンビのように徘徊している現象をルーナは知っているようだ。
生唾を飲み込み、彼女の言葉に耳を傾ける。
「単刀直入に言おう。今回の騒動の黒幕、それはクリープだ」
「え?」
くそう。右を見ても左を見ても、下着姿の女子生徒しかいない。
「まずは身を隠す場所を探す必要があるな」
女子生徒に見つからず、状況を整理できる場所を探していると、フッとあることに気付く。
そう言えば、女子生徒たちが下着姿なのに、男子生徒の姿が見当たらない。他の種族は分からないが、ケモノ族が発情期中であるのであれば、この混乱に乗じてやらかそうと考える連中が居てもおかしくない。
だが、辺りを見渡しても、どこにも男子生徒の姿が見当たらないのだ。まるで男子生徒だけがこの学園から姿を消したかのように。
「ひとまず、男子学生寮に入ってみるか」
女子学生寮の向かい側にある男子学生寮に入り、廊下を走る。
「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁ。助けてええええええぇぇぇぇぇぇ!」
男子生徒を探していると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「この声は、ピック!」
声が聞こえたのは、この上の階からだ。
直ぐに階段を駆け登り、上の階に到達すると、飛び出すように廊下に出る。
「ピック!」
クラスメートの名を叫んだ瞬間、俺は驚愕のあまりに目を大きく見開く。
「オラオラオラ! ブタはブタらしくブヒブヒ泣きやがれ!」
「ブッヒー! 俺は女子生徒の下着姿に興奮した卑しいブタでブヒー! だからこの俺にお仕置きをして欲しいブヒー!」
「良く言えました。ご褒美をくれて上げるわ! オラ!」
「ブッヒー! 女王様! ありがとうございますブヒー!」
俺の視界には、亀甲縛りをされた状態で鞭打ちをされ、SMプレイを楽しんでいるピックの姿だった。
「シャカール! 助けに来てくれたのかブヒー!」
「え? シャカール様!」
ピックが俺の名を叫んだと同時に女王様プレイをしていた女子生徒が振り返る。
「三冠王の子種……欲しい」
「やばっ! 男子学生寮も、占拠されてしまったのか」
縛られた状態のピックを放置し、俺は自分の身を守ることを最優先にして、この場から逃げ出す。だが、女王様プレイをした女子生徒は追いかけてくる。
「待ってくださーい♡」
「待てるか! 待ったら捕まえるだろう!」
「安心してください。あんなブタのようにはしません。私の性奴隷として、一生可愛がってあげますので♡」
「安心できるか!」
声を上げ、必死に逃げる。だが、女子生徒は俺に逃げ切り勝利を与えてくれはしなかった。
必死になって食らいつき、1メートル差にまで距離を縮められた。
くそう。まるでレースをしているような気分だ。
下着姿の女子生徒から逃げきれ! もし、こんなギミックがあったら笑い話では済まされないだろう。
「あなたのことは嫌いなので、本当は助けたくないですが、仕方がないですね。スリープ!」
女子生徒から逃げていると、また聞き覚えのある声が聞こえた。その人物は睡眠を促す魔法を使ったようだが、俺には効果がなかった。
いや、標的が違ったのか?
後を振り返ると、俺を追いかけていた女子生徒は倒れ、寝息を立てていた。
「まったく、あなたが三冠王になったせいで、この学園の女子生徒がおかしくなったではないですか。どうしてみんなはこんな男の遺伝子を欲しがるのか、理解ができません」
俺に対して毒を吐きながら、1人の女子生徒が近付いてくる。
長いロングの黒髪に頭部には小さい2本の角が生え、背中からは黒い翼が生えている。
「シャワーライト!」
俺を助けてくれたのは、シャワーライトだ。彼女はチェリーブロッサムでウイニングライブに勝ったことで観客から罵声を浴びせられた。
そんな時、ヘイトが彼女から俺に向くように仕向けたのだが、その時の言い方が悪く、それ以来シャワーライトは俺のことを嫌っている。
「シャワーライト、お前は正気なのか?」
「当たり前でしょう。私はあなたのことが大っ嫌いですし、そもそもアレを食べていませんので」
「アレ?」
「とにかく、安全な場所に避難しますよ。私に付いて来てください」
付いて来るように促され、シャワーライトの後を歩く。
彼女が誘導した場所は学園長室だ。
「ルーナ学園長、シャカールを連れて来ました」
「シャワーライトご苦労だったね。ちょうど私もやるべきことが終わって戻って来たところだったよ」
「ルーナ、お前も正気のようだな」
「当たり前だろう。ワタシは三冠王コレクターと呼ばれる程強い。だから正気を失うことはない」
自身満々にルーナが答える。
いや、お前は酒に飲まれて自我を失っていたじゃないか。
俺がマーヤの実家の手伝いをしていたとき、ルーナから呼び出しがあった。そして彼女に会いに行った時、ルーナは泥酔状態で俺のことを弟扱いしたり、熱いからと言って服を脱いで下着姿になろうとしたりしていた。
本当に大丈夫なのかつい疑ってしまう。けれど、今のところは何も起きてはいないようだ。
「取り敢えずはひと段落しているとは言え、のんびりとしている場合ではない。簡潔に今起きている現象のことを話す」
どうやら女子生徒が下着姿でゾンビのように徘徊している現象をルーナは知っているようだ。
生唾を飲み込み、彼女の言葉に耳を傾ける。
「単刀直入に言おう。今回の騒動の黒幕、それはクリープだ」
「え?」
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