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第九章
第十八話 サザンクロスを女の子だと自覚させる方法
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なんやかんやで裁判は終わり、俺たちはどのようにして彼女を女の子だと自覚させるか、作戦会議が行われた。
「サザンクロス様をお連れしました。お嬢様」
「なんかエロウ込み入った話をしているらしいな。何をソギャン悩んでいるとタイ?」
会議の最中に、ローレルがサザンクロスを連れて来てくれた。
「とにかく、あなたはそこに座って、ローレルは念のために彼女が逃げ出さないように見張りをお願い」
「了解しました」
「何? ここに座ればヨカと?」
タマモの指示に従い、サザンクロスは用意された席に座る。
「さて、問題の中心人物も来たことだし、本格的な会議をしましょうか? 誰か意見がある人はいる?」
タマモが訊ねると、真っ先に手を挙げたのはローレルだった。
「私のコレクションの中に、フェイン様とお嬢様が赤ん坊だった頃に、オムツを取り替えている時の写真があります。それを見せてみてはいかがでしょう?」
意見を述べた瞬間、ローレルはポケットから小さくて薄い、長方形の物体を取り出した。
「ローレル! なんて物を持っているのよ! 今すぐに渡しなさい!」
写真と呼ばれるものを出した瞬間、タマモが立ち上がるとローレルへと飛びかかり、彼女の持っている写真を奪おうと手を伸ばす。
「これは私の大切なコレクションです。幼い頃のフェイン様とお嬢様の写真を眺めて愛でるのが一番のストレスの発散方法なのですから、これだけは絶対に阻止しなければ!」
奪おうとするタマモと阻止したいローレルが取っ組み合いを始める。すると、1枚の写真が俺の方へと飛んで来た。
覗いて見ると、赤子のフェインがオムツを取り替えられている姿だ。
確かに本人からしたら、これは恥ずかしいだろうな。だが、これは教材として使える。
サザンクロスの隣に移動すると、彼女に声をかける。
「サザンクロス、お前は間違った性知識を植え付けられている。一人前の男になった瞬間に、クリちゃんが男性器になることはない。性別は、母親の体内に居るころから決まる。その証拠がこれだ」
赤子だった頃のフェインの写真をサザンクロスに見せる。
「なぁ、0歳児のこの赤ん坊、股間部分には子どもの男性器が付いているだろう」
「本当タイ! この赤ん坊、チビンチョカ男性器が付いとるタイ」
これで、彼女も自分の体との違いに気付いてくれるだろう。かなり遠回りとなってしまったが、これでサザンクロスが、本当は女の子だったと気付いてくれるはず。
「この男、コギャンチビンチョカ頃から一人前の男になっているのか! ドーシ《凄い》な!」
彼女の言葉を聞いた瞬間、この場にいた殆どがずっこけそうになる。
こいつ、筋金入りのバカだ。思い込みが激しすぎて、アホな発言をしている。
予想以上の難敵に、どうしたものかと頭を悩ませる。
「もう、こうなってしまっては、荒療治しかないだろうね。そのためには、シャカールの協力が必要だ」
俺たちの会議になるべく口出しをせずに、静観していたルーナが荒療治をしてみてはどうかと提案してきた。
俺の協力が必要らしいが、彼女をこのままにしておく訳にもいかない。俺ができる範囲でなら、協力するべきだろう。
「それで、具体的には俺はどうすれば良い?」
「これだよ。これ」
方法を訊ねると、ルーナは左手で丸を作り、右手の人差し指だけを伸ばしてその丸の中に出し入れをするジェスチャーを始めた。
「それはダメですよ! ママが許しません!」
「その役目はマーヤだからダメなの!」
「ルーナ学園長は何を訴えているのですか? わたしには分からないです? シャカールトレーナ、あのジェスチャーにはどんな意味が?」
「知らないのであれば知る必要はない」
「酷いです! わたしだけ除け者にしないでください! 仲間はずれは嫌です!」
アイリンを除き、ルーナの言いたいことが分かった俺たちは一斉に拒否をした。さすがにそれはダメだろう。
「否決か。こうなってしまっては、シャカールが己の肉体を使ってサザンクロスに女だと自覚させ、更に女の喜びと言うものを植え付ければ、思い込みもなくなると思ったのだがな?」
どこまで本気で言っていたのかは分からないが、ルーナはやれやれと言いたげに肩を竦める。
「分かりました。では、その荒療治はシャカール君に変わってママがします! ママなら、サザンクロスちゃんを正しい道に導くこともできるかと」
振り出しに戻ってしまったなと思ったその瞬間、クリープが己の体を使ってサザンクロスを女の子だと自覚させると宣言してきた。
「ほう、それは面白いな。どんな極上な展開になるのか興味が湧いて来る。良いだろう。ものは試しだ。やってみると良い」
「ありがとうございます。この任務、ママが全力で行かせてもらいます。では、サザンクロスちゃん。ちょっとママの部屋に行きましょうね」
椅子から立ち上がると、クリープはサザンクロスの所へと向かい、彼女の手を掴む。
「な、なんや? 話があるのなら、ここでもヨカだろう?」
「他の人には聞かれたくないので、お願いですから、付いて来てください」
「ソギャン言うなら、仕方がナカバイ」
クリープに説得され、サザンクロスは彼女の部屋へと入って行った。
どんなことをするのか気になるが、ここは彼女を信じて待つしかない。
「ク、クリープ! ヌシャーはナンバシトル! 何服を脱いでいるんタイ! やめろ! ヌシャーは痴女か!」
サザンクロスの叫び声が聞こえる。
リビングからクリープの部屋までは離れていない。だから大声を上げれば聞こえてしまう。
どうやら、クリープは服を脱ぎ始めたようだ。本当に体を使ってサザンクロスを女の子と自覚させようとしているみたいだ。
脳内に裸になった2人が絡み合う光景が頭に過ぎる。
いかん、いかん。変な想像をしては、また俺のことを年中発情期種族だと言われてしまう。
落ち着いて、事が済むのを待つんだ。
「なんで自分の服まで脱がそうとする! やめろ! 誰か! シャカール助けてくれ! このままでは痴女られるタイ!」
今度は助けを求める声が聞こえてきた。本来であれば助けてあげたい所だが、彼女が女だと自覚してもらうには、クリープに任せるしかない。
「シャカール! 助けてくれえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! こんな初体験はいやタイ! するなら守りたいと思えるほどの好きな人と!」
再び俺に助けを求める声が聞こえて来た。彼女は必死に抵抗しているようだが、俺が動く訳にはいかない。
それから1時間は経過しただろうか。扉が開く音が聞こえ、真っ赤な顔をしたサザンクロスと、なぜか肌がツヤツヤになっているように見えたクリープがリビングに戻って来る。
「ウチ、どうやらオナゴだったみたい」
「そうか。どうやら無事に女子だと理解ができたみたいだな」
椅子から立ち上がったサザンクロスに近付こうとしたその時、彼女は素早くクリープの背に隠れた。
「まだ心の整理ができていないケン、近付いてコントイテ」
距離を保ちたい。そう言うと、彼女は俺たちが使用している部屋へと走って行く。
「それにしても、どうやってサザンクロスを自覚させたんだ?」
「普通に保健の授業をしただけですよ? お互いの体の共通点を出して、そしてその部位の役割を伝えたのです。まぁ、最初は困惑していたみたいですが、最後は認めてくれました」
「そうだったのか。クリープには文字通り、一肌脱いでもらったな」
「シャカール君も、ママの保険の授業を受けますか?」
「それは遠慮しておこう」
「そうですか。それは残念です。将来のためにも、正しい性知識を身に付けておくことは大事だと思うのですが」
独り言を漏らすクリープの言葉を無視して、俺は現在使用している部屋を見た。
サザンクロスはきっと部屋に閉じ籠るだろう。その間、俺は寝床を失うと言うことになる。
今夜どうしようか。サザンクロスの問題が落ち着いたが、別の問題が発生してしまったな。
「サザンクロス様をお連れしました。お嬢様」
「なんかエロウ込み入った話をしているらしいな。何をソギャン悩んでいるとタイ?」
会議の最中に、ローレルがサザンクロスを連れて来てくれた。
「とにかく、あなたはそこに座って、ローレルは念のために彼女が逃げ出さないように見張りをお願い」
「了解しました」
「何? ここに座ればヨカと?」
タマモの指示に従い、サザンクロスは用意された席に座る。
「さて、問題の中心人物も来たことだし、本格的な会議をしましょうか? 誰か意見がある人はいる?」
タマモが訊ねると、真っ先に手を挙げたのはローレルだった。
「私のコレクションの中に、フェイン様とお嬢様が赤ん坊だった頃に、オムツを取り替えている時の写真があります。それを見せてみてはいかがでしょう?」
意見を述べた瞬間、ローレルはポケットから小さくて薄い、長方形の物体を取り出した。
「ローレル! なんて物を持っているのよ! 今すぐに渡しなさい!」
写真と呼ばれるものを出した瞬間、タマモが立ち上がるとローレルへと飛びかかり、彼女の持っている写真を奪おうと手を伸ばす。
「これは私の大切なコレクションです。幼い頃のフェイン様とお嬢様の写真を眺めて愛でるのが一番のストレスの発散方法なのですから、これだけは絶対に阻止しなければ!」
奪おうとするタマモと阻止したいローレルが取っ組み合いを始める。すると、1枚の写真が俺の方へと飛んで来た。
覗いて見ると、赤子のフェインがオムツを取り替えられている姿だ。
確かに本人からしたら、これは恥ずかしいだろうな。だが、これは教材として使える。
サザンクロスの隣に移動すると、彼女に声をかける。
「サザンクロス、お前は間違った性知識を植え付けられている。一人前の男になった瞬間に、クリちゃんが男性器になることはない。性別は、母親の体内に居るころから決まる。その証拠がこれだ」
赤子だった頃のフェインの写真をサザンクロスに見せる。
「なぁ、0歳児のこの赤ん坊、股間部分には子どもの男性器が付いているだろう」
「本当タイ! この赤ん坊、チビンチョカ男性器が付いとるタイ」
これで、彼女も自分の体との違いに気付いてくれるだろう。かなり遠回りとなってしまったが、これでサザンクロスが、本当は女の子だったと気付いてくれるはず。
「この男、コギャンチビンチョカ頃から一人前の男になっているのか! ドーシ《凄い》な!」
彼女の言葉を聞いた瞬間、この場にいた殆どがずっこけそうになる。
こいつ、筋金入りのバカだ。思い込みが激しすぎて、アホな発言をしている。
予想以上の難敵に、どうしたものかと頭を悩ませる。
「もう、こうなってしまっては、荒療治しかないだろうね。そのためには、シャカールの協力が必要だ」
俺たちの会議になるべく口出しをせずに、静観していたルーナが荒療治をしてみてはどうかと提案してきた。
俺の協力が必要らしいが、彼女をこのままにしておく訳にもいかない。俺ができる範囲でなら、協力するべきだろう。
「それで、具体的には俺はどうすれば良い?」
「これだよ。これ」
方法を訊ねると、ルーナは左手で丸を作り、右手の人差し指だけを伸ばしてその丸の中に出し入れをするジェスチャーを始めた。
「それはダメですよ! ママが許しません!」
「その役目はマーヤだからダメなの!」
「ルーナ学園長は何を訴えているのですか? わたしには分からないです? シャカールトレーナ、あのジェスチャーにはどんな意味が?」
「知らないのであれば知る必要はない」
「酷いです! わたしだけ除け者にしないでください! 仲間はずれは嫌です!」
アイリンを除き、ルーナの言いたいことが分かった俺たちは一斉に拒否をした。さすがにそれはダメだろう。
「否決か。こうなってしまっては、シャカールが己の肉体を使ってサザンクロスに女だと自覚させ、更に女の喜びと言うものを植え付ければ、思い込みもなくなると思ったのだがな?」
どこまで本気で言っていたのかは分からないが、ルーナはやれやれと言いたげに肩を竦める。
「分かりました。では、その荒療治はシャカール君に変わってママがします! ママなら、サザンクロスちゃんを正しい道に導くこともできるかと」
振り出しに戻ってしまったなと思ったその瞬間、クリープが己の体を使ってサザンクロスを女の子だと自覚させると宣言してきた。
「ほう、それは面白いな。どんな極上な展開になるのか興味が湧いて来る。良いだろう。ものは試しだ。やってみると良い」
「ありがとうございます。この任務、ママが全力で行かせてもらいます。では、サザンクロスちゃん。ちょっとママの部屋に行きましょうね」
椅子から立ち上がると、クリープはサザンクロスの所へと向かい、彼女の手を掴む。
「な、なんや? 話があるのなら、ここでもヨカだろう?」
「他の人には聞かれたくないので、お願いですから、付いて来てください」
「ソギャン言うなら、仕方がナカバイ」
クリープに説得され、サザンクロスは彼女の部屋へと入って行った。
どんなことをするのか気になるが、ここは彼女を信じて待つしかない。
「ク、クリープ! ヌシャーはナンバシトル! 何服を脱いでいるんタイ! やめろ! ヌシャーは痴女か!」
サザンクロスの叫び声が聞こえる。
リビングからクリープの部屋までは離れていない。だから大声を上げれば聞こえてしまう。
どうやら、クリープは服を脱ぎ始めたようだ。本当に体を使ってサザンクロスを女の子と自覚させようとしているみたいだ。
脳内に裸になった2人が絡み合う光景が頭に過ぎる。
いかん、いかん。変な想像をしては、また俺のことを年中発情期種族だと言われてしまう。
落ち着いて、事が済むのを待つんだ。
「なんで自分の服まで脱がそうとする! やめろ! 誰か! シャカール助けてくれ! このままでは痴女られるタイ!」
今度は助けを求める声が聞こえてきた。本来であれば助けてあげたい所だが、彼女が女だと自覚してもらうには、クリープに任せるしかない。
「シャカール! 助けてくれえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! こんな初体験はいやタイ! するなら守りたいと思えるほどの好きな人と!」
再び俺に助けを求める声が聞こえて来た。彼女は必死に抵抗しているようだが、俺が動く訳にはいかない。
それから1時間は経過しただろうか。扉が開く音が聞こえ、真っ赤な顔をしたサザンクロスと、なぜか肌がツヤツヤになっているように見えたクリープがリビングに戻って来る。
「ウチ、どうやらオナゴだったみたい」
「そうか。どうやら無事に女子だと理解ができたみたいだな」
椅子から立ち上がったサザンクロスに近付こうとしたその時、彼女は素早くクリープの背に隠れた。
「まだ心の整理ができていないケン、近付いてコントイテ」
距離を保ちたい。そう言うと、彼女は俺たちが使用している部屋へと走って行く。
「それにしても、どうやってサザンクロスを自覚させたんだ?」
「普通に保健の授業をしただけですよ? お互いの体の共通点を出して、そしてその部位の役割を伝えたのです。まぁ、最初は困惑していたみたいですが、最後は認めてくれました」
「そうだったのか。クリープには文字通り、一肌脱いでもらったな」
「シャカール君も、ママの保険の授業を受けますか?」
「それは遠慮しておこう」
「そうですか。それは残念です。将来のためにも、正しい性知識を身に付けておくことは大事だと思うのですが」
独り言を漏らすクリープの言葉を無視して、俺は現在使用している部屋を見た。
サザンクロスはきっと部屋に閉じ籠るだろう。その間、俺は寝床を失うと言うことになる。
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