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第十五章
第五話 サウザー討伐戦後編
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サウザーにダメージを与える手段を見出し、俺たちは士気を上げる。
「さすがリュシアンさんです。こうも早くも攻略方を見つけるなんて」
「やっぱりリュシアンは天才ハンターよ」
「これでサウザーを倒すことができますわね」
彼女たちが俺を称賛し、やる気が引き出されていく。
士気は充分に上がった。後はサウザーの背に乗って攻撃するのみ。
『さっきは油断したが、今度は先ほどのようにはいかぬ!』
上空にいるサウザーが声を上げ、こちらに突っ込んで来る。
「あら、アンコール? なら、歌姫として期待に応えてあげないとね」
モンスターが接近する中、テレーゼは口を開けて息を吸い込む。
「みんな耳を塞げ!」
ユリヤたちに指示を出し、俺もポーチからテレーゼお手製の耳栓を取り出して耳に嵌める。
この瞬間、殆どの音が遮断されて聞こえなくなる。
テレーゼが口から音波を放ったようで、サウザーはその場で動きを止めた。
その瞬間、歌姫は俺に顔を向けウインクをした。
爆音玉は効果がなくとも、テレーゼの攻撃には多少のダメージが入るようだな。
これも彼女が半人半魔だからなのだろう。
「敵が一時的動きを止めた。今がチャンスだ! 俺に続け!」
テレーゼが作ってくれたチャンスを無駄にしないように、ポーチから新しいマンダラグモの糸を放つ。
糸がサウザーに張り付き、糸を登ってモンスターに騎乗する。
敵がいつ暴れ出すか分からない。できるだけ早く刃を降り、少しでも与えるダメージを多くする。
龍の背中を太刀で切り裂く中、ユリヤとエリーザ姫が糸を上り、モンスターの背に移動する。
そしてユリヤは短剣、エリーザ姫が矢を放ってサウザーを攻撃していく。
『おのれえええええええええぇぇぇぇぇぇぇ! 人間如きに言いようにされてたまるか!』
攻撃を加えている最中、サウザーが叫ぶと足元が振動し始める。
「ユリヤ、エリーザ姫! 今すぐに何かに掴まれ!」
「「え? きゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!」」
攻撃を中断し、二人に掴まるように指示を出した瞬間、サウザーの体が反転して逆さまになった。
「ユリヤ! エリーザ姫!」
サウザーの背にしがみ付きながら、落下した二人の名を叫ぶ。
彼女たちが塔に落下する寸前、残っていたテレーゼが音波で塔の一部を破壊した。大きな音をぶつけられ、気圧に変化が起きて風の抵抗力が発生すると、二人は落下速度によるエネルギーが打ち消され、地面に降り立つ。
良かった。二人とも無事みたいだ。
「ありがとうございます。テレーゼさん」
「お陰で命拾いをしましたわ」
「まぁ、二人があのまま死んだらリュシアンが狩どころではなくなるからね。あたしができることは、彼の邪魔にならないようにサポートすることだもの」
サウザーにしがみ付く中、彼女たちの声が耳に入る。
しかし、その声もだんだんと聞こえなくなった。サウザーが更に空高く飛翔し、彼女たちの声が届かない。
しがみ付くことしかできない中、サウザーは雲を突き抜ける。
『くそう! ここまでしても落ちないとは、好い加減にしないか!』
「それはこっちのセリフだ。好い加減に暗黒龍の復活は諦めて俺に討伐されろ」
気丈に振る舞っているが、正直この後どうやって倒そうか悩んでいる。
地道に敵を斬っているだけでは時間がかかってくる。
『もう一度、急降下で振り落としてくれる!』
サウザーが大地に向けて急降下を始める。
落とされてたまるか!
しがみ付き、雲の中に入ると、体が痛くなる。
これが雲の中にある雹や霰の小さい氷の粒か。と言うことは、こいつを利用すれば、少しが大ダメージを与えることができるかもしれない。
サウザーの体が塔の近くになったタイミングでポーチから双剣を取り出し、柄頭同士を合わせてブーメランに変える。そして刃を龍の背中に突き刺した。
モンスターにブーメランの刃を突き刺したところでバランスを崩し、そのまま塔へと落下する。
「リュシアンさん!」
「リュシアン!」
「リュシアン王子!」
落下すると彼女たちが駆け寄り、落下した俺を三人で受け止めてくれた。
「ありがとう。助かった」
彼女たちに礼を言い、上空を飛行するサウザーを見上げる。
「まだまだ体力が有り余っている様子ですわ」
「リュシアンさん、本当にサウザーを倒せるのでしょうか?」
エリーザ姫がサウザーの様子を口に出し、ユリヤが不安がる。
「大丈夫だ。確証は言えないけど、やつを倒すことはできる」
彼女たちに笑みを送り、再びサウザーをみる。
サウザーを倒す算段を見出すことはできた。後は上手く行くようにするだけ。
太刀に意識を送り、炎の属性玉に意識を集中すると、空中に火球が生まれる。
その火球は通常よりも酸素を多く取り込み、巨大化をしていく。そしてプチ太陽のような火球を天高く翳した。
「第一段階完了! 続いて第二段階」
続けて風の属性玉に意識を集中する。するとプチ太陽となった火球による直射日光により、温められた地面から上昇気流が発生し、周囲から強風が吹きこむ。すると渦巻き状に回転が強まった塵旋風が発生した。
塵旋風により、強い上昇気流が発生したことで、雲の中で氷晶が落下と上昇を繰り返したようだ。落下速度の違いにより衝突を繰り返し、こすれ合うことで静電気が発生したようで、上空の雲に静電気が発生して雷雲に変わった。
雷鳴が轟く中、サウザーに顔を向ける。
空中にいる龍は、雷雲から離れようとしていた。
「サウザーが雷雲から遠ざかろうとしています」
「どうやら雷が苦手のようね」
「落雷を当てることができれば、サウザーを地上に落とすことができそうですわね」
「ああ、これで終わりだ。みんなも攻撃準備をしてくれ」
彼女たちに警戒を緩めないように言い、時が来るのを待つ。
サウザーは暗黒龍を復活させようとしている。だからある程度遠ざかったとしても、この場から逃げるわけにはいかない。
サウザーが逃げ惑う中、上空にある雷雲から落雷が放たれ、龍に落雷が落ちる。しかし、やつは苦しむ素振りを見せなかった。
『バカめ! ワシに雷が食らうとでも思っていたか! そんな訳があるか! ワシはサウザンドドラゴン! 千年生きておれば、耐性くらいつく』
「そんな!」
「落雷も効かないなんて」
「千年龍の名は伊達ではありませんわね」
ユリヤたちが驚愕の表情をみせる。
だけど果たして本当に効かないのだろうか。もし、そうならサウザーのあの行動が不可解だ。これにはきっと何かがある。
「さすがリュシアンさんです。こうも早くも攻略方を見つけるなんて」
「やっぱりリュシアンは天才ハンターよ」
「これでサウザーを倒すことができますわね」
彼女たちが俺を称賛し、やる気が引き出されていく。
士気は充分に上がった。後はサウザーの背に乗って攻撃するのみ。
『さっきは油断したが、今度は先ほどのようにはいかぬ!』
上空にいるサウザーが声を上げ、こちらに突っ込んで来る。
「あら、アンコール? なら、歌姫として期待に応えてあげないとね」
モンスターが接近する中、テレーゼは口を開けて息を吸い込む。
「みんな耳を塞げ!」
ユリヤたちに指示を出し、俺もポーチからテレーゼお手製の耳栓を取り出して耳に嵌める。
この瞬間、殆どの音が遮断されて聞こえなくなる。
テレーゼが口から音波を放ったようで、サウザーはその場で動きを止めた。
その瞬間、歌姫は俺に顔を向けウインクをした。
爆音玉は効果がなくとも、テレーゼの攻撃には多少のダメージが入るようだな。
これも彼女が半人半魔だからなのだろう。
「敵が一時的動きを止めた。今がチャンスだ! 俺に続け!」
テレーゼが作ってくれたチャンスを無駄にしないように、ポーチから新しいマンダラグモの糸を放つ。
糸がサウザーに張り付き、糸を登ってモンスターに騎乗する。
敵がいつ暴れ出すか分からない。できるだけ早く刃を降り、少しでも与えるダメージを多くする。
龍の背中を太刀で切り裂く中、ユリヤとエリーザ姫が糸を上り、モンスターの背に移動する。
そしてユリヤは短剣、エリーザ姫が矢を放ってサウザーを攻撃していく。
『おのれえええええええええぇぇぇぇぇぇぇ! 人間如きに言いようにされてたまるか!』
攻撃を加えている最中、サウザーが叫ぶと足元が振動し始める。
「ユリヤ、エリーザ姫! 今すぐに何かに掴まれ!」
「「え? きゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!」」
攻撃を中断し、二人に掴まるように指示を出した瞬間、サウザーの体が反転して逆さまになった。
「ユリヤ! エリーザ姫!」
サウザーの背にしがみ付きながら、落下した二人の名を叫ぶ。
彼女たちが塔に落下する寸前、残っていたテレーゼが音波で塔の一部を破壊した。大きな音をぶつけられ、気圧に変化が起きて風の抵抗力が発生すると、二人は落下速度によるエネルギーが打ち消され、地面に降り立つ。
良かった。二人とも無事みたいだ。
「ありがとうございます。テレーゼさん」
「お陰で命拾いをしましたわ」
「まぁ、二人があのまま死んだらリュシアンが狩どころではなくなるからね。あたしができることは、彼の邪魔にならないようにサポートすることだもの」
サウザーにしがみ付く中、彼女たちの声が耳に入る。
しかし、その声もだんだんと聞こえなくなった。サウザーが更に空高く飛翔し、彼女たちの声が届かない。
しがみ付くことしかできない中、サウザーは雲を突き抜ける。
『くそう! ここまでしても落ちないとは、好い加減にしないか!』
「それはこっちのセリフだ。好い加減に暗黒龍の復活は諦めて俺に討伐されろ」
気丈に振る舞っているが、正直この後どうやって倒そうか悩んでいる。
地道に敵を斬っているだけでは時間がかかってくる。
『もう一度、急降下で振り落としてくれる!』
サウザーが大地に向けて急降下を始める。
落とされてたまるか!
しがみ付き、雲の中に入ると、体が痛くなる。
これが雲の中にある雹や霰の小さい氷の粒か。と言うことは、こいつを利用すれば、少しが大ダメージを与えることができるかもしれない。
サウザーの体が塔の近くになったタイミングでポーチから双剣を取り出し、柄頭同士を合わせてブーメランに変える。そして刃を龍の背中に突き刺した。
モンスターにブーメランの刃を突き刺したところでバランスを崩し、そのまま塔へと落下する。
「リュシアンさん!」
「リュシアン!」
「リュシアン王子!」
落下すると彼女たちが駆け寄り、落下した俺を三人で受け止めてくれた。
「ありがとう。助かった」
彼女たちに礼を言い、上空を飛行するサウザーを見上げる。
「まだまだ体力が有り余っている様子ですわ」
「リュシアンさん、本当にサウザーを倒せるのでしょうか?」
エリーザ姫がサウザーの様子を口に出し、ユリヤが不安がる。
「大丈夫だ。確証は言えないけど、やつを倒すことはできる」
彼女たちに笑みを送り、再びサウザーをみる。
サウザーを倒す算段を見出すことはできた。後は上手く行くようにするだけ。
太刀に意識を送り、炎の属性玉に意識を集中すると、空中に火球が生まれる。
その火球は通常よりも酸素を多く取り込み、巨大化をしていく。そしてプチ太陽のような火球を天高く翳した。
「第一段階完了! 続いて第二段階」
続けて風の属性玉に意識を集中する。するとプチ太陽となった火球による直射日光により、温められた地面から上昇気流が発生し、周囲から強風が吹きこむ。すると渦巻き状に回転が強まった塵旋風が発生した。
塵旋風により、強い上昇気流が発生したことで、雲の中で氷晶が落下と上昇を繰り返したようだ。落下速度の違いにより衝突を繰り返し、こすれ合うことで静電気が発生したようで、上空の雲に静電気が発生して雷雲に変わった。
雷鳴が轟く中、サウザーに顔を向ける。
空中にいる龍は、雷雲から離れようとしていた。
「サウザーが雷雲から遠ざかろうとしています」
「どうやら雷が苦手のようね」
「落雷を当てることができれば、サウザーを地上に落とすことができそうですわね」
「ああ、これで終わりだ。みんなも攻撃準備をしてくれ」
彼女たちに警戒を緩めないように言い、時が来るのを待つ。
サウザーは暗黒龍を復活させようとしている。だからある程度遠ざかったとしても、この場から逃げるわけにはいかない。
サウザーが逃げ惑う中、上空にある雷雲から落雷が放たれ、龍に落雷が落ちる。しかし、やつは苦しむ素振りを見せなかった。
『バカめ! ワシに雷が食らうとでも思っていたか! そんな訳があるか! ワシはサウザンドドラゴン! 千年生きておれば、耐性くらいつく』
「そんな!」
「落雷も効かないなんて」
「千年龍の名は伊達ではありませんわね」
ユリヤたちが驚愕の表情をみせる。
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